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社会心理学実験実習 Ⅲ. 他者志向性 と 社会的 排斥 が 集団 同一視に 与える影響. おすとらりらっくま 班ですよ. 唐沢かおり先生 渡辺さん 大澤 ・大橋・大山・奥田・吉元・渡辺. はじめに. 社会的排斥 = 集団 から無視されたり排除されること (Williams et al., 2006). 先行研究. 社会的排斥を受けると … ・攻撃行動などの 反社会的動機づけ が高まる (Warburton et al., 2006 など ) ・集団への所属欲求 等 の 向社会的動機づけ が高まる ( Maner et al., 2007 など ).
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社会心理学実験実習Ⅲ 他者志向性と社会的排斥が集団同一視に与える影響 おすとらりらっくま班ですよ 唐沢かおり先生 渡辺さん 大澤・大橋・大山・奥田・吉元・渡辺
はじめに 社会的排斥=集団から無視されたり排除されること (Williamset al., 2006)
先行研究 社会的排斥を受けると… ・攻撃行動などの反社会的動機づけが高まる (Warburton et al., 2006など) ・集団への所属欲求等の向社会的動機づけが高まる (Maneret al., 2007など) 本研究では、社会的排斥が 集団との関係性に与える影響を検討
社会的排斥と集団との関係性 Lakin et al. (2008) 「社会的排斥を受けると模倣行動が増加する」 所属意識の高まり 模倣行動 排斥 成員の行動を模倣することで、集団内での自己を確立 =排斥を受けた結果、集団との関係性 を強めようとする ☆本研究では集団との関係性の指標として集団同一視を扱う
排斥による関係性強化を調節する要因 Maner et al. (2007) 「排斥を受けると対人関係を構築しようと動機づけられる 関係性の価値の高低が動機づけを調節」 ⇒周囲との関係への感受性の高さが影響するのではないか ☆本研究では感受性の高さの指標として他者志向性を扱う
ちょっと解説! 他者志向性: セルフ・モニタリングの下位概念のひとつ 他者や状況への関心の高さや配慮 ある状況での行動の適切さへの関心 (岩淵ら、1982)
仮説 他者志向性の高低によって、排斥への反応が異なる 1. 他者志向性の高い人 ⇒周囲との関係への感受性がもともと高い ⇒排斥を受ける前後で関係性が変化しにくい 2. 他者志向性の低い人 ⇒周囲との関係への感受性がそれほど高くない ⇒排斥を受けたときに初めて関係性を強化させる
他者志向性が高いと排斥を受けても集団同一視が変化しないが、他者志向性が高いと排斥を受けても集団同一視が変化しないが、 他者志向性が低いと排斥を受けたことで集団同一視が高まる 予想される結果 他者志向性が高いほど集団同一視が高い
方法 被験者: 東京大学の学生93名 (男性61名、女性31名、平均年齢21.09歳) 要因計画: 排斥の有無および他者志向性の高低を独立変数とした 被験者間二要因二水準の実験デザイン 手続き: コンピューター上で排斥の操作のための課題を行った後、各変数を測定する質問に回答
独立変数:排斥条件の操作 Williams et al. (2006) のCyberball実験の手続きを使用 「学生同士の交流を通じた、自己と所属大学の関係性の変化に関する実験」と称し、オンラインでのキャッチボール課題を遂行(全40試行) ⇒実際は他の2人のプレイヤーはプログラムによって制御
独立変数:排斥条件の操作 Williams et al. (2006) のCyberball実験の手続きを使用 ☆いずれかの条件に被験者をランダムに配置 ☆統制条件にも関わらず「ボールが回ってこなかった」と感じた13名を分析から除外 統制条件:3分の1の確率で被験者にボールが回ってくる 排斥条件:最初の7試行で2回ボールが回ってくるが、その 後の33試行は一度も被験者にボールがこない
独立変数:他者志向性の測定 岩淵ら(1982) のセルフ・モニタリング尺度の下位尺度のうち「他者志向性」を表す12項目を使用 ☆単純加算後平均をとって他者志向性尺度とする(α=.830) 平均値の3.57を基準に低群/高群に分類
従属変数:集団同一視の測定 Karasawa (1991) の集団同一視尺度から7項目を、 所属する集団を「東京大学」「東大生」として使用 ☆単純加算後平均をとって集団同一視尺度とする(α=.622)
結果 (1)各条件における集団同一視尺度の平均値 統制条件/他者志向性低群…2.687 (n = 16) 他者志向性高群…3.211 (n = 21) 排斥条件/他者志向性低群…3.152 (n = 16) 他者志向性高群…3.106 (n = 27) (2)二要因二水準の分散分析の結果 排斥の主効果なし (F (1,76) = 1.81, n.s.) 他者志向性の主効果の有意傾向 (F (1,76) = 3.20, p < .10) 排斥と他者志向性の交互作用あり(F (1,76) = 4.56, p <.05)
他者志向性低群においてのみ排斥条件の方が集団同一視が有意に高い他者志向性低群においてのみ排斥条件の方が集団同一視が有意に高い (F (1,76) = 6.06, p <.05) 単純主効果の検定 統制条件においてのみ他者志向性高群の方が集団同一視が有意に高い (F (1,76) = 7.70, p <.01)
考察 ・統制条件においては、他者志向性が高い人の方が 集団同一視が高い ・他者志向性が低い人は、社会的排斥を受けると 集団同一視を強める ・排斥条件においては、他者志向性の高低による 集団同一視の違いは認められない ⇒他者志向性の低い人は、集団との同一視を強めることで排斥のストレスに対処しているのではないか!?
文献 岩淵千明・田中国夫・中里浩明 (1982) セルフ・モニタリング尺度に関する研究 心理学研究, 53(1), 54-57 Karasawa, M. (1991). Toward an assessment of social identity : The structure of group identification and its effects on in-group evaluations. British Journal of Social Psychology, 30, 293-307. Lakin, J. L., Chartrand, T. L., & Arkin, R. M. (2008). I am too just like you: Nonconscious mimicry as an automatic behavioral response to social exclusion. Psychological Science, 19, 816–822. Maner, J. K., DeWall, C. N., & Baumeister, R. F. (2007). Does social exclusion motivate interpersonal reconnection? Resolving the “porcupine problem.” Journal of Personality and Social Psychology, 92, 42–55. Warburton, W. A., Williams, K. D., & Cairns, D. R. (2006). When ostracism leads to aggression: The moderating effects of control deprivation, Journal of Experimental Social Psychology, 42, 213-220. Williams, K. D., & Jarvis, B. (2006). Cyberball: a program for use in research on interpersonal ostracism and acceptance. Behavior Resarch Methods, 38, 174–180.