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電子計測 講義. (第4巻). 3年次前期2単位選択 担当: 玉野 和保. 単元8(1/20). 第8単元 アナログ・ディジタル変換. 講義で話したいこと. 計測回路システム. 計測回路システムの構成 プリアンプ. A/D 変換. A/D変換・D/A変換 抵抗はしご 並列型変換器 逐次変換型 積分型 飛行法によるディジタル化 標本化定理と量子雑音. 単元8(2/20). 計測回路システムの要件. 具備しなければいけないこと. 入力情報を忠実に検出し、伝達する(正確性、忠実性) できるだけ外部から雑音が混入しない・させない
E N D
電子計測 講義 (第4巻) 3年次前期2単位選択 担当: 玉野 和保
単元8(1/20) 第8単元 アナログ・ディジタル変換 講義で話したいこと 計測回路システム 計測回路システムの構成 プリアンプ A/D変換 A/D変換・D/A変換 抵抗はしご 並列型変換器 逐次変換型 積分型 飛行法によるディジタル化 標本化定理と量子雑音
単元8(2/20) 計測回路システムの要件 具備しなければいけないこと • 入力情報を忠実に検出し、伝達する(正確性、忠実性) • できるだけ外部から雑音が混入しない・させない • できるだけ内部から雑音を発生しない • 計測値が安定しており、何度計測しても同一の値を表すこと(再現性)
単元8(3/20) 計測回路システム構成 プリアンプ 信号処理 計測対象 センサ どちらか A/D変換 ディジタル 信号処理 計測回路システム
単元8(3/20) 計測回路システム構成 • 忠実性 • 直線性 • インピーダンスマッチング • 周波数応答の正確さ • 再現性 • ドリフト • ダイナミックレンジの広さ プリアンプが持つべき条件 プリアンプ 信号処理 計測対象 センサ どちらか A/D変換 ディジタル 信号処理 計測回路システム
単元8(4/20) プリアンプの特性 再現性 ダイナミックレンジ ドリフト 忠実性: 周波数特性の領域カバー、直線性、再現性の総合特性
単元8(5/20) 講義で話したいこと 計測回路システム 計測回路システムの構成 プリアンプ A/D変換 A/D変換・D/A変換 抵抗はしご 並列型変換器 逐次変換型 積分型 飛行法によるディジタル化 標本化定理と量子雑音
単元8(6/20) A/D変換とD/A変換 コンピュータやディジタル機器 A/D変換 A/D変換 アナログ信号 ディジタル処理 D/A変換 あるいは コンピュータやディジタル機器 D/A変換 ディジタル信号 アナログ表示 あるいは 制御 アナログ表示 外部アナログ信号と比較
単元8(7/20) 加算回路によるD/A変換
単元8(8/20) 抵抗はしごによるD/A変換
単元8(9/20) 抵抗はしご
単元8(10/20) 抵抗はしごの出力電圧計算 2R SW(2) OUT R I2 2R SW(1) R I1 2R SW(0) 2R I0
単元8(10/20) 抵抗はしごの出力電圧計算 2R 2R SW(2) OUT R I2 2R SW(1) R I1 2R SW(0) 2R I0
単元8(11/20) A/D変換法の種類 アナログ信号をディジタル信号に変換: 量子化 ・並列変換型 :高速変換、回路が複雑、高価 (直接変換方式、フラッシュ変換型) ・逐次変換型 : nビットでは、n+2クロック必要 ・積分方式 :アナログの特徴を含む 積分の精度が重要 カウンターでディジタル表示 Read Digit Errorを考慮 ・飛行法によるディジタル化 :アナログの特徴を含む カウンターでディジタル表示 Read Digit Errorを考慮
単元8(12/20) 並列型A/D変換器
単元8(13/20) 並列型A/D変換器の実際 2ビットエンコーダ
単元8(13/20) 並列型A/D変換器の実際 直接型変換器、フラッシュ変換器とも呼ばれる • (特徴) • 変換が早い。 1~2クロックでビット数に無関係に出力できる。 • 配線数が多く、回路が複雑 • コンパレータが多く必要なので高価 • 分圧抵抗の安定化が必要 2ビットエンコーダ
単元8(14/20) 逐次変換型のA/D変換の手順 (手順) 最上位ビット :1ならば1/2以上 0ならば1/2以下 その下のビット: 1ならば1/4以上 0ならば1/4以下 ・ ・ ・
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 比較器 D/A変換器 解説 スタート! 「変換実行」をPush クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 大きすぎた! 8[V] D/A変換器 解説 D3をセット クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 取り消し! 0[V] D/A変換器 解説 D3をリセット クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 小さすぎた! 4[V] D/A変換器 解説 D2をセット クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 そのまま 4[V] D/A変換器 解説 D2をセットのまま残す クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 大きすぎた! 6[V] D/A変換器 解説 D1をセット クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 取り消し! 4[V] D/A変換器 解説 D1をリセット クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 同じだった! 5[V] D/A変換器 解説 D0をセット クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 大きいか小さいか? 比較器 そのまま 5[V] D/A変換器 解説 D0をセットのままで残す クロック 変換実行
単元8(15/20) 逐次変換の手順事例 1クロック毎に判定しビットをセット アナログ電圧 5.0 [V] 比較器 5[V] D/A変換器 解説 変換終了: 変換値は0101 クロック 変換実行
単元8(16/20) 二重積分によるディジタル変換
単元8(16/20) [手順] (1)入力未知電圧eiを一定時間T積分 (2)その時間をロックをゲート回路で計数:N (3)入力スイッチを既知基準電圧esに切替え (4)積分量が0になるまで積分 (5)その時間T1をカウンタで計数しN1を得る。 (6)入力未知電圧eiはN、N1、es あるいはT、T1、esで ei=(T1/T)es あるいは ei=(N1/N)es 二重積分によるディジタル変換
単元8(16/20) [手順] (1)入力未知電圧eiを一定時間T積分 (2)その時間をロックをゲート回路で計数:N (3)入力スイッチを既知基準電圧esに切替え (4)積分量が0になるまで積分 (5)その時間T1をカウンタで計数しN1を得る。 (6)入力未知電圧eiはN、N1、es あるいはT、T1、esで ei=(T1/T)es あるいは ei=(N1/N)es 二重積分によるディジタル変換
単元8(16/20) [手順] (1)入力未知電圧eiを一定時間T積分 (2)その時間をロックをゲート回路で計数:N (3)入力スイッチを既知基準電圧esに切替え (4)積分量が0になるまで積分 (5)その時間T1をカウンタで計数しN1を得る。 (6)入力未知電圧eiはN、N1、es あるいはT、T1、esで ei=(T1/T)es あるいは ei=(N1/N)es 二重積分によるディジタル変換 • [特徴] • Nを切りの良い数値、たとえば100や1000とし、 esも切りの良い値、たとえば1[V]にすると、 測定値eiはカウンタの数値N1だけで表される。 • 積分後、必ず0[V]まで戻すので、積分器特有の ドリフトの影響を受けない。
単元8(17/20) 飛行法によるディジタル化 数値Nで時間T[s]を計数 液体量Qは、 Q=注液速度q[m3/s]×T よって、 Q=係数×N [ m3 ] で計測 測定の基本の考え AMP T[s] AND ゲート Q[m3] N個 発信器
単元8(18/20) ディジタル計器の得失 数字に対応した離散的な状態で表される信号を扱う計測器 • 数値を扱うことから 雑音や処理装置の特性変化で影響を受けない • 記憶や数値処理に適しており、 コンピュータやディジタル信号処理装置との接続性がよい • 扱える細かさが標本化定理に従い、 量子雑音が必ず付随する • 数値としての情報は空間的な広がりを意味しない。 たとえば時間間隔の空間的イメージが表現できない たとえば、「あと、15分(イメージでは時計文字盤の角度が一周の1/4)!」のイメージが ディジタル時計では数値の情報だけしか伝わらない!
単元8(19/20) 量子化での問題 量子化雑音:標本化定理で示す細かさの最小値 ・音声では量子化雑音と呼ばれる振動音を生じる ・8ビット以上の階調数が選択 画像処理の場合に生じる量子化の具体的な問題 疑似輪郭: 階調の差による明度差で生じる ・16階調(4ビット)以下の場合、影響が大きい ・ディスプレイの照明にもよるが、64階調(6ビット)以上
単元8(20/20) ディジタル信号の標本化と標本化定理 • 標本化: 信号を順次走査することで • 数字列にすること • ・画像処理では画面を上から下へ、また左から右へ • ・アドレス表現から、8ビットでは 256×256 • 10ビットでは1024×1024 • 標本化定理: • 取り扱っている信号の最大周波数がfmaxのとき、 2fmax以上の周波数で標本化する必要がある。 • 標本化周期がτのとき、2τ以下の周期をもつ振動の 早い信号は正確に取り込めない。
単元9(1/28) 第9単元 電圧・電流の測定 講義で話したいこと メータによる計測 各種メータ別の測定上の特徴 電圧・電流測定上の留意点 高電圧測定・大電流測定 微小電圧・電流測定 高周波電圧・電流測定 倍率器・分流器 電位差計・電流ブリッジ フォロワーとインピーダンス変換
単元9(2/28) 電圧・電流測定用のメータ 信号の時間変化による分類 直流用: 可動コイル型、可動鉄片型、電流力計型 交流用: 整流型、可動鉄片型、電流力計型 交直両用: 可動鉄片型、電流力計型 高周波用: 熱線型、真空管電圧計(Val-Vol)、熱伝導型 信号の大きさによる分類 微小測定用: 可動コイル型 高電圧・大電流用: 分圧器・分流器を併用した可動コイル型、 静電型 光ファイバ電圧・電流計、ホール素子の応用
単元9(3/28) 電圧・電流測定の留意点 • 電圧測定: 電位だけを測定。 メータにできるだけ電流を流さない 電源とメータの内部抵抗で測定電圧が下がる(鳳=テブナンの法則) • 電流測定: 電荷の移動だけを測定。 メータにできるだけ電圧降下を生じさせない メータの内部抵抗で測定電流が減少する
単元9(4/28) 電圧計の内部抵抗の影響
単元9(5/28) 鳳=テブナンの定理 n個の電源、E1、E2、・・・Enで構成の回路網の端子、aーbの開放電圧がE a-b間インピーダンスがZ0であるとき それにインピーダンスZの回路を接続すると、それに流れる電流 I は、
単元9(5/28) 鳳=テブナンの定理 n個の電源、E1、E2、・・・Enで構成の回路網の端子、aーbの開放電圧がE a-b間インピーダンスがZ0であるとき それにインピーダンスZの回路を接続すると、それに流れる電流 I は、 証明: 重ねの理を利用 インピーダンスに直列に電圧Eと-Eの電源を接続する。 Eの電源はa-b間の電圧と平衡するので打ち消し合う。 -Eの電源だけで電流Iが流れる。 その値は、式で示される値に等しい
単元9(6/28) 電圧計の内部抵抗の影響
単元9(6/28) 電圧計の内部抵抗の影響
単元9(7/28) 電流計の内部抵抗の影響 メータの内部抵抗Rmが0のときの電流をIとすると で表される
単元9(7/28) 電流計の内部抵抗の影響 メータの内部抵抗Rmが0のときの電流をIとすると で表される
単元9(8/28) 高電圧・大電流計測 • 高電圧測定: 漏洩電流を防ぐ=絶縁性を良くする 絶縁破壊を防ぐ コロナ放電を防ぐ メータに倍率器をつけ、メータ部分は低電圧にする 交流はトランス(計器用変圧器)で低電圧に変換する • 大電流測定: メータの内部抵抗を低く=リード線は太く短く 接触不良部分を少なくする 接続部分の発熱に注意 メータに分流器をつけ、メータ部分の電流を減少させる 交流はトランス(変流器)で小電流に変換する (注)計器用変圧器、変流器は、まとめて計器用変成器と呼ばれる。
単元9(9/28) 微小電圧・電流計測 • 微小電圧測定: 誘導・静電気を防ぐ 接触部分の熱起電力を防ぐ=温度を一定に 微小電流計で計測する 交流は増幅器で中電圧に変換する • 微小電流測定: 漏れ電流を防ぐ 絶縁物も良導体と心得る メータに高電気抵抗をつけ、中電圧に変換する 交流はベース接地・ゲート接地回路でインピーダンス変換後、増幅する
単元9(10/28) 高周波電圧・電流計測 • 高周波電圧測定: 離れた導体間に流れる変位電流を考慮 変位電流: I=ωCV V:高周波電圧 電流密度: i=εωE E:高周波電界の強さ • 高周波電流測定: 表皮効果による導体の抵抗分の増加 離れた導体に誘導する渦電流を考慮 渦電流の電圧 V=ωLi i:高周波電流
単元9(11/28) 磁界が時間変化する場合(電磁調理器の原理) 電磁誘導の法則より 微小空間のOhmの法則 合わせると 磁界の時間変化が激しいと(高い周波数)渦電流が大きい