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日本における アトラス実験の進め方. KEK 素核研研究計画委員会 2005.5.31 近藤敬比古 (KEK). あらかじめ ・「アトラス実験の進め方」と言われても、すでに 進行中のプログラム なので、大部分が経過と現状の紹介になります。 ・ 次世代の国際協力実験の参考にしてください。 ・ LHC 物理の可能性については 2005 年 4 月 6 日の前回会合での浅井氏の発表を参照してください。. LHC 計画の予算規模. ( 1CHF=90 円で換算 ). (1)建設費 LHC 加速器と土木工事 2950 億円
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日本におけるアトラス実験の進め方 KEK素核研研究計画委員会 2005.5.31 近藤敬比古(KEK)
あらかじめ・「アトラス実験の進め方」と言われても、すでに進行中のプログラムなので、大部分が経過と現状の紹介になります。・次世代の国際協力実験の参考にしてください。・LHC物理の可能性については2005年4月6日の前回会合での浅井氏の発表を参照してください。あらかじめ・「アトラス実験の進め方」と言われても、すでに進行中のプログラムなので、大部分が経過と現状の紹介になります。・次世代の国際協力実験の参考にしてください。・LHC物理の可能性については2005年4月6日の前回会合での浅井氏の発表を参照してください。
LHC計画の予算規模 ( 1CHF=90円で換算 ) (1)建設費 LHC加速器と土木工事 2950億円 実験装置 1683億円 (factor ×1.5込み) ATLAS 529 MCHF CMS 518 MCHF ALICE 125 MCHF LHCb 75 MCHF CERN人件費(LHC分) 886億円 総 計 ~ 5500億円 (2)運転経費 CERNの経費(計算機含む) 225億円/年 外が出す実験運転経費(4実験を含む)40億円/年 総計 ~ 265億円/年 LEPトンネルやSPSなど既存設備を含まないことに注意。
LHC計画の主な歴史 • 1994.12 LHC計画は1994年12月に承認された。 • 2004年までにECM = 10TeV, 2008年までに14TeVの2段階で建設。 • 1995.5 日本による第1次建設協力発表(加速器に50億円) • 1996.1 ATLAS, CMS実験の承認。 • 1996.3 インドの建設協力(加速器に$12.5M) • 1996.6 ロシアの建設協力(67MCHF detector込) • 1996. カナダの建設協力(加速器にCanadian$30M ) • 1996.12 日本の第2次建設協力(加速器に38.5億円) • 1996.12 LHCを2005年に一段階で14TeVで建設する決定。 • 1997.12 アメリカDOE+NSFによる建設協力の決定 (加に$200M、測に$331M) • 1998.5 日本が第3次建設協力発表(加速器に50億円)。日本の合計は138.5億円。 • 2000.11 LEPの運転を終了。 • 2001.9 LHC建設コストの増加問題。 • 2001.12 External Review Committee(ERC)を設置する。 • 2002.6 ERC報告。LHC加速器の完成を2007年に変更。
ATLAS Detector Diameter 25 m Barrel toroid length 26 m End-cap end-wall chamber span 46 m Overall weight 7000 Tons
ATLAS Collaboration 34 Countries 151 Institutions ~1300 Scientific Authors Construction cost ~ 540 MCHF + a Construction since 1996 (11 years to initial det.) Albany, Alberta, NIKHEF Amsterdam, Ankara, LAPP Annecy, Argonne NL, Arizona, UT Arlington, Athens, NTU Athens, Baku, IFAE Barcelona, Belgrade, Bergen, Berkeley LBL and UC, Bern, Birmingham, Bonn, Boston, Brandeis, Bratislava/SAS Kosice, Brookhaven NL, Bucharest, Cambridge, Carleton/CRPP, Casablanca/Rabat, CERN, Chinese Cluster, Chicago, Clermont-Ferrand, Columbia, NBI Copenhagen, Cosenza, INP Cracow, FPNT Cracow, Dortmund, JINR Dubna, Duke, Frascati, Freiburg, Geneva, Genoa, Glasgow, LPSC Grenoble, Technion Haifa, Hampton, Harvard, Heidelberg, Hiroshima, Hiroshima IT, Indiana, Innsbruck, Iowa SU, Irvine UC, Istanbul Bogazici, KEK, Kobe, Kyoto, Kyoto UE, Lancaster, Lecce, Lisbon LIP, Liverpool, Ljubljana, QMW London, RHBNC London, UC London, Lund, UA Madrid, Mainz, Manchester, Mannheim, CPPM Marseille, MIT, Melbourne, Michigan, Michigan SU, Milano, Minsk NAS, Minsk NCPHEP, Montreal, FIAN Moscow, ITEP Moscow, MEPhI Moscow, MSU Moscow, Munich LMU, MPI Munich, Nagasaki IAS, Naples, Naruto UE, New Mexico, Nijmegen, Northern Illinois, BINP Novosibirsk, Ohio SU, Okayama, Oklahoma, LAL Orsay, Oslo, Oxford, Paris VI and VII, Pavia, Pennsylvania, Pisa, Pittsburgh, CAS Prague, CU Prague, TU Prague, IHEP Protvino, Ritsumeikan, UFRJ Rio de Janeiro, Rochester, Rome I, Rome II, Rome III, Rutherford Appleton Laboratory, DAPNIA Saclay, Santa Cruz UC, Sheffield, Shinshu, Siegen, Simon Fraser Burnaby, Southern Methodist Dallas, NPI Petersburg, Stockholm, KTH Stockholm, Stony Brook, Sydney, AS Taipei, Tbilisi, Tel Aviv, Thessaloniki, Tokyo ICEPP, Tokyo MU, Tokyo UAT, Toronto, TRIUMF, Tsukuba, Tufts, Udine, Uppsala, Urbana UI, Valencia, UBC Vancouver, Victoria, Washington, Weizmann Rehovot, Wisconsin, Wuppertal, Yale, Yerevan
ATLAS 測定器の構成(赤は日本グループが関与) • マグネット • 超伝導ソレノイド (B=2T) • 中央・端部超伝導トロイド (Bdl=2-8Tm) • 内部飛跡検出器 • シリコンピクセル検出器 • シリコンマイクロストリップ検出器 • 遷移輻射ストロー検出器 • カロリメター • 電磁カロリメメター : 鉛-LAr • ハドロンカロリメター: 鉄-シンチタイル (中央), 銅-LAr (前後方) • 前方カロリメター : (電磁) 銅-LAr, (ハドロン) W-LAr • ミューオン検出器 • 高精度チェンバー : MDT, CSC(前後方) • トリガーチェンバー : RPC(中央), TGC (前後方)
ホストラボ:CERNと国際実験チームの関係ホストラボ:CERNと国際実験チームの関係 CERN 各参加国の財政機関 CERN Management 米 (DOE/NSF) 建設 MoU 運転 MoU 計算機 MoU 仏 (IN2P3) R R B (Resource Review Board) 予算承認 仏 (CEA) 独 (BMBF) 独 (MPI) アトラス実験チーム ・ Collaboration Board ・ Spokesperson ・ Executive Board ・ …………. イタリア 日 (文科省)
ATLAS 建設国際分担 (大きな分のみ)(1) ( 1 MCHF ~ 0.9 億円 )
ATLAS 建設国際分担 (大きな分のみ)(2) ( 1 MCHF ~ 0.9 億円 )
検出器項目ごとの国/機関別分担:日本が関係している部分 (1)検出器項目ごとの国/機関別分担:日本が関係している部分 (1)
検出器項目ごとの国/機関別分担:日本が関係している部分 (2)検出器項目ごとの国/機関別分担:日本が関係している部分 (2)
アトラスの財政分担・参加機関・研究者数(トップ10)アトラスの財政分担・参加機関・研究者数(トップ10) 註:直接建設費=装置の製造コストで開発・試験・offline計算機・人件費などは含まない。 数値は建設MoU(1998年)による。この他に建設費のオーバーコスト分が14%要求されている。
アトラス日本グループ構成(1) (*)含兼業
アトラス超伝導ソレノイド:KEKが提案・設計・開発・建設を100%担当アトラス超伝導ソレノイド:KEKが提案・設計・開発・建設を100%担当 ・電磁カロリメターの内側なので肉厚を極力薄くした: → 高強度のアルミニウムを採用(古河・日立電線と技術開発) → クライオスタットを液体アルゴンカロリメータと共用
アトラス超伝導ソレノイド (100% by KEK) 東芝京浜工場(1999年) 励磁成功(2000年12月) CERNに到着(2001年9月) Maiani所長らと LArクライオスタットへ据付(2004年2月)
2004年10月にアトラス地下実験場に運搬された。2004年10月にアトラス地下実験場に運搬された。 2004年7月5日CERN地上試験で8197アンペアを達成した。
端部ミューオントリガーのためのThin Gap Chambers (TGC) • 3600 chambers • 320,000 channels • Total area ~2,000m2 イスラエル・日本・ 中国の共同製作
KEK富士実験室で1200台のTGCを量産 2台/日の生産スピードを達成でき、4年間の量産を完了できた。 カーボン塗布 半田付け 接着 作業 ワイヤー 巻き
宇宙線によるTGC全数検査@神戸大学 宇宙線によるefficiency map 宇宙線を使ったTGCチェンバー検査ステーション CERNへ海上輸送
CERNに着いたTGCはテスト後、ビッグウイールにマウントされる。CERNに着いたTGCはテスト後、ビッグウイールにマウントされる。 CERNに着いたTGCチェンバー TGCチェンバーを載せるビッグウイールの組立を開始。このようなセットを72台作り、チェンバーとエレキをマウントしてから地下実験場に運び込む。 チェンバーのマウントテスト
TGC読出トリガー回路 ほぼ100%を設計・生産 を日本で行っている。 16ch ASD ボード(24000 台) 2004年のCERNでの ビームテストセット SLB ASICの量産中 ビッグウイール取付テスト
高精度ミューオン飛跡検出器 (MDT)用のTDC LSIチップ KEKがすべて設計・製造した。このTDCのアイデアでいくつかの特許をとった。 24ch TDCチップを約2万個生産した ハーバード大のASDチップと共に基板に実装され、 世界各地でMDT検出器に取り付け中。一部は すでにATLAS測定器に組み込まれた。
シリコンマイクロストリップモジュールの製造 シリコンマイクロストリップモジュールの製造 4センサーで 1モジュール 日本のモジュール設計が基本となった。 2600台中980台を日本で製造し完了した。 センサーアラインメント装置( KEK製) 日本の作ったモジュールの精度は2ミクロン以下で他国のそれより格段に良かった。
シリコンマイクロストリップモジュールの据付シリコンマイクロストリップモジュールの据付 @Oxford大 KEKで設計し日本の企業が 作ったマウンティングロボット (2台)が目下オックスフォード 大学で活躍中。 ~100台/week
Geant4の構築 • 日本グループとCERNとの間で1994年に共同提案された→ RD44 • LHC級の大規模で多くのユーザーに適するオブジェクト指向の技術を採用し、ゼロから構築した。 • 1998年に1st versionが出た。 • 全LHC実験がGeant4を採用。 • CERN・ KEK・SLACなどの間で維持協定が結ばれている。 • アトラスではすでに35,000の jobsが走らせたが、Geant4に起因するバグは出てない。
LHCデータ解析 LHCの4実験で1年間に蓄積されるデータを全部CDROMに焼いたとすると図のようになる。 ATLASだけで年間5PB(ペタバイト=1015バイト)に及ぶ。 raw data size 1.6 MB event rate 200 Hz ESD size 500 kB AOD size 100 kB
LHCでのこの問題の解決方法 • 世界中の研究機関で計算資源を出し合い、共同で運用する。→ LCG ( LHC Computing Grid ) • Tier-0 (CERN) : 生データを保管する。生データに第一段階処理を施し、その結果 (ESD) を生データとともにTier-1センターに転送する。 • Tier-1 : 世界に十カ所程度ある大規模計算センター。生データとESDを保管する。また、ESDを処理し解析用のAnalysis Object Data (AOD) に変換し、Tier-2センターに転送する。 • Tier-2 : 各国に設置される物理解析センター。シミュレーションも行う。
ドイツ フランス イタリア カナダ イギリス ロシア アメリカ イスラエル オランダ CERN アトラス測定器@CERN 中国 日本 建設・運転・維持 実験データ KEK 地域解析センター @ICEPP 日本の研究者群:KEK, 筑波大・東京大・首都大学東京・信州大・立命館大・京都大・京都教育大・大阪大・神戸大・鳴門教育大・岡山大・広島大・広島工業大・長崎総合科学大
東京大学 ICEPP にて開発・準備を進めている計算機ファーム
アトラス日本グループ:当面の主要目標 (1) 測定器建設の日本分担分を完成する。 (2) 地域データ解析センターを整備する。 (3) 2007年実験開始に向けてデータ解析の準備を行う。
アトラス地下実験室の様子( 2005.5.11) 8台のうち4台のバレルトロイドマグネットが据付済 2005.5.31早朝
アトラス日本グループ:当面の主要目標 (1) 測定器建設の日本分担分を完成する。 ・ TGCチェンバーのビッグウイール組立・据付・試運転 ・ TGCトリガー回路の量産・取付・据付・試運転 ・ シリコンマイクロストリップ検出器の組立・試運転 ・ ソレノイドの設置・試運転 これらすべて現場作業なので大変!
アトラス日本グループ:当面の主要目標 (2) 地域データ解析センターを整備する。 ・ 東京大学 ICEPPから概算要求する ・ 計算機システムの導入と運転 ・ グリッド環境の導入 ・ アトラス解析ソフトウエアー環境の整備 ・ 各種チュートリアルの実施
アトラス日本グループ:当面の主要目標 (3) 2007年実験開始に向けてデータ解析の準備を行う。 ・ 複数の特定物理プロセスのFull Simulation ・ アトラス検出器とソフトウエアの理解の必要性 ・ イベントジェネレーターの開発および理解 ・ QCDバックグランドの基本的理解と実際的応用 ・ CDF, ZEUS, 理論との連携 ・ 解析前線で活動するにはCERNでの長期滞在が不可欠 ・ 各国が競争に続々参加しつつあるー>多人数が必要
ま と め 国際協力はCERNと各財源機関との間で署名された覚書(MoU)の基づいて行われている。 参加各国によるアトラス測定器の建設と財政の分担は、1998年の建設MoUで決められた。 日本担当のハードウエアー建設はほぼ順調に進んでいる。これから2年間、現地での組立・据付・試運転が正念場である。 地域データ解析センターを東京大学ICEPPに設置する予定。 データ解析準備に向け、いろいろな取り組みを行っている。 現地で日本関係の研究者が不足している。やりがいのある仕事・課題は山ほどあり、皆さんの参加を大歓迎します。