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地球起源散逸酸素イオンと 太陽風との関連性. 中村研 M2 麻生直希 2009/6/17. 発表の流れ. イントロダクション 研究テーマ 研究意義 先行研究 問題点 解析 解析手法 解析結果(太陽風との関連) ジオコロナの除去 まとめ. 研究テーマ:地球酸素イオンの散逸過程. NASA/ESA. [Abe,et al. 1993]. 散逸過程を研究する意義 1. 惑星大気科学. 火星の散逸 これまでに散逸により大気の 90 %が失われた [Luhmann et al, 1992]. 地球の大気散逸
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地球起源散逸酸素イオンと太陽風との関連性 中村研 M2 麻生直希 2009/6/17
発表の流れ • イントロダクション • 研究テーマ • 研究意義 • 先行研究 • 問題点 • 解析 • 解析手法 • 解析結果(太陽風との関連) • ジオコロナの除去 • まとめ
研究テーマ:地球酸素イオンの散逸過程 NASA/ESA [Abe,et al. 1993]
散逸過程を研究する意義1 惑星大気科学 火星の散逸 これまでに散逸により大気の90%が失われた [Luhmann et al, 1992] 地球の大気散逸 Akebonoのデータをもとに計算すると 地球から1日に400トンの酸素イオンが流出している [Yau and Andre,1997] ⇒1億年で現在の地球大気の2%が流出? 散逸過程を知る = 大気進化を知る
散逸過程を研究する意義2 宇宙プラズマ科学 GEOTAILにより、地球磁気圏尾部で冷たい 酸素イオンのビームを発見 どういう経路でやってくるのか? [Seki et al,1998]
散逸過程を研究する意義2 [Seki et al,1998] 地球近傍の加速メカニズムを知ることが、磁気圏イオン分布を理解する事につながる
先行研究 1960年代 O+はHとの電荷交換により存在量が少なく、質量が大きいため、散逸量は少ない [Banks and Holzer,1968] 1980~1990年代 DE ,Akebonoなどの極軌道衛星の観測により多量のO+の散逸が確認 [Abe et al, 1993] その後も衛星の直接観測により、カスプ、極域、オーロラ帯などで散逸O+を発見 Akebono [Andre and Yau,1997]
地球 直接観測の長所と短所 • 長所 ・・・ 速度、密度、磁場など多くの物理量を得られる • 短所 ・・・ その場の情報しか得られない → 時間的変化と空間的変化に分離できない ひまわり6号 気象庁HP 直接観測 撮像観測 散逸が「いつ、どこで」起こっているのかを知るためには、 撮像観測が必要不可欠
励起状態 太陽光 共鳴散乱光 83.4 nm 基底状態 本研究 テーマ: 撮像観測データを用いてO+散逸量と太陽風および地磁気変動との因果関係を調べる 観測機器: 月周回軌道SELENE搭載UPI-TEX 観測対象: 地球近傍に存在するO+およびHe+の共鳴散乱光(83.4nm,30.4nm) 散乱光量(観測量)=比蛍光率 × コラム密度 ↑ 温度、バルク速度 光路 共鳴散乱光 SELENE
O+散逸量の摘出 • 磁力線を書いて、積分領域を決定 • 平均輝度値を求める O+ LT06 LT00 LT12 平均輝度値[Rayleigh/Pixel] =全輝度値÷ピクセル数 LT18 He+
結果 8日間の平均輝度値時系列 平均 輝度値 [R/Pixel] 1日変動 6/3 5/26
1日変動 磁極が地軸の周りをまわる事に伴う、積分領域の増減が原因
|B| Bx By Bz V intensity density temperature pressure 5/30 6/1 6/3 5/26 5/28 太陽風動圧増加に伴う輝度値増加 5/30 6/1 6/3 5/26 5/28
ノイズの除去 観測値=O+共鳴散乱光 + ジオコロナ(ノイズ) [R] [R] [R] ジオコロナの寄与はどれほどあるのか見積もってみる
ジオコロナ 地球をとりまく酸素原子の発光 Ly-β Ly-α n = 1→2 Lyman-α (121.6nm) n = 1→3 Lyman-β (102.5nm) 酸素原子光(130.4nm)とLy-α(121.6nm) [Rairden et,al 1986]
[Rairden et,al 1986] Ly-α、Ly-βの観測値への寄与 zenith emisson rate [kR] 10 Geocentric radial distance [RE] Ly-βはO+と同程度のカウント値を与える 解析でLy-βを除去する必要あり
Ly-αの輝度値の算出 Ly-βの輝度値を算出するために、以下の論文で輝度値の算出方法を学ぶ 著者、出典:Rairden et al. JGR,91,A12,1986 タイトル:Geocoronal Imaging With Dynamics Explorer 内容: DE1の観測によって得られたgeocoronaのLy-αの輝度値とChamberlain modelから得られたLy-αの輝度値を比較。
放射伝達方程式 τ τ’ dτ S(τ):発光源関数、τで励起した原子から 射出するphoton数 地球 T(τ,τ’):τ’で射出したphotonが吸収さ れずにτまで到達する確率 S1 S2 τ’ τ dτ G(τ,τ’):τ’で射出したphotonがτで 吸収される確率 太陽 地球 S0
モデルと観測値の比較 水素原子の分布をモデルで与え、放射伝達方程式を解く モデル 球対称Chamberlain model パラメータ:外気圏の上端高度rcs、下端 高度rc、下端高度での温度、Tおよび密度N(rc) exosphere (外気圏) 地球 衛星 r=rc=1.08RE r=rcs=3.0rc
モデルと観測値の比較 1 モデルと観測値がよく合っている ただし、 1.酸素原子発光 2.銀河面 3.太陽の迷光 4.太陽風動圧によるantisunwardでの水素原子密度のモデルとのずれ の影響を受けている 2 3 Emission rate [kR] 4 Rotation angle 地球 Rotation angle from zenith
以上のように、モデルをたて、放射伝達方程式を解くことでLy-αの輝度値を算出できる。以上のように、モデルをたて、放射伝達方程式を解くことでLy-αの輝度値を算出できる。 Ly-βへの適用は諸係数を置き換えればよい。 今後の目標は、自分でLy-αの輝度値を算出してこの論文と同じ結果を出すことである。 [Rairden et,al 1986] zenith emisson rate [kR] 10 Geocentric radial distance [RE]
まとめ • かぐや搭載UPI-TEXを用いて、酸素イオン撮像画像の解析を行った • 太陽風動圧の増加に伴って、散逸酸素イオンの輝度値が増加していた • Ly-βがO+共鳴散乱光と同程度カウントしてしまうため、Ly-βの輝度値を除去する必要がある。 • Ly-αの輝度値の算出方法を理解した 今後の課題 • Ly-βを除去するプログラム作成