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第一部 基調講演. 最高裁判決の概要と問題提起 金子敏哉 (明治大学法学部専任講師) パブリシティの権利構成の展開とその意味 本山雅弘 (国士舘大学法学部教授) 人格権周辺法との関係 ― 肖像権・プライバシー 権 内藤篤 (弁護士) パブリシティ権侵害の要件論考察 田村善之 (北海道大学大学院法学研究科教授). ピンク・レディー事件 最高裁判決の概要と問題提起. 明治大学法学部専任講師 金子敏哉. Ⅰ 最高裁判決の概要. 1 事案.
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第一部 基調講演 • 最高裁判決の概要と問題提起 金子敏哉 (明治大学法学部専任講師) • パブリシティの権利構成の展開とその意味 本山雅弘 (国士舘大学法学部教授) • 人格権周辺法との関係―肖像権・プライバシー権 内藤篤 (弁護士) • パブリシティ権侵害の要件論考察 田村善之 (北海道大学大学院法学研究科教授)
ピンク・レディー事件 最高裁判決の概要と問題提起ピンク・レディー事件 最高裁判決の概要と問題提起 明治大学法学部専任講師 金子敏哉
1 事案 昭和51~56年 X1・X2(原告・控訴人・上告人)は、「ピンク・レディー」を結成し、歌手として活動。幅広い人気を集め、その曲の振付をまねることが全国的に流行。 (平成16年7月) 講談社(Yの親会社)より「ピンク・レディー フリツケ完全マスターDVD」が発売 平成18年秋 ダイエットに興味を持つ女性を中心に、ピンク・レディーの曲の振付を利用したダイエット法が流行
事案の概要 Y(被告・被控訴人・被上告人)は、平成19年2月27日号の「女性自身」に、「ピンク・レディー de ダイエット」と題する記事(本件記事)を掲載。 本件記事:約200頁中の16~18頁、白黒 振付に関する解説、振付の解説者の肖像、・解説者・別のタレントによる思い出を語る記述と共に、歌唱しているXらを被写体とする14枚の白黒写真(本件各写真)が掲載 本件各写真:かつてXらの承諾の下、Y側のカメラマンにより撮影。本件記事への掲載についてはXらは承諾していなかった。
事案の概要 Xらは、Yに対して、本件記事がXらの肖像を本件雑誌の販売促進という商業目的のために用いたものであるとして、パブリシティ権の侵害による不法行為を理由に損害賠償請求訴訟を提起。 • 使用料相当額(各126万円) Xらの写真の通常の使用料(各原告につき、1枚3万円×14枚)の3倍 • 弁護士費用相当額(各60万円) 第一審(東京地判平成20年7月4日判時2042号167頁):請求棄却 控訴審(知財高判平成21年8月27日判時2060号137頁):控訴棄却
東京地判平成20年7月4日判時2042号167頁[第一審]東京地判平成20年7月4日判時2042号167頁[第一審] 「…芸能人等の氏名,肖像の使用行為がそのパブリシティ権を侵害する不法行為を構成するか否かは,その使用行為の目的,方法及び態様を全体的かつ客観的に考察して,その使用行為が当該芸能人等の顧客吸引力に着目し,専らその利用を目的とするものであるといえるか否かによって判断すベきである。」 > 侵害を否定。
知財高判平成21年8月27日判時2060号137頁〔控訴審〕知財高判平成21年8月27日判時2060号137頁〔控訴審〕 • 違法性の判断は、著名人の氏名・肖像の排他的使用権と、表現の自由・「社会的に著名な存在に至る過程で許容することが予定されていた負担との利益較量の問題」 • 著名人の「氏名・肖像を使用する目的,方法,態様,肖像写真についてはその入手方法,著名人の属性,その著名性の程度,当該著名人の自らの氏名・肖像に対する使用・管理の態様等」の総合観察による違法性判断
〔控訴審〕 ・X側が主張する 「無断の商業的利用」基準に対しては、出版事業も営利事業の一環であるため、正当な報道・評論・社会的事象の紹介のための肖像等の使用も許されないことになりかねない点で採用できないとした。 ・Y側が主張する「『専ら』顧客吸引力の利用を目的とする」との基準は、顧客吸引力の利用以外の目的がわずかでもあれば「専ら」に当たらないとの意味であるとすると、採用できないとした。
〔控訴審の具体的判断〕 • 具体的な判断としては、 • 本件写真の大きさ・白黒であることから「週刊誌等におけるグラビア写真の利用と同視できるものということもできないこと」、 • 記事の内容・表紙・新聞広告の内容等から、本件写真の仕様や、ダイエット記事に関心を持ってもらうための使用・社会的に著名であったXらの振付についての記憶喚起のための使用であること 等を考慮し、「本件記事における本件写真の使用は,控訴人らが社会的に顕著な存在に至る過程で許容することが予定されていた負担を超えて,控訴人らが自らの氏名・肖像を排他的に支配する権利が害されているものということはできない」と判断。
上告審(一般論)最判平成24年2月2日平成21(受)2056上告審(一般論)最判平成24年2月2日平成21(受)2056 上告棄却。 「3(1) 人の氏名,肖像等(以下,併せて「肖像等」という。)は,個人の人格の象徴であるから,当該個人は,人格権に由来するものとして,これをみだりに利用されない権利を有すると解される(氏名につき,最高裁昭和58年(オ)第1311号同63年2月16日第三小法廷判決・民集42巻2号27頁,肖像につき,最高裁昭和40年(あ)第1187号同44年12月24日大法廷判決・刑集23巻12号1625頁,最高裁平成15年(受)第281号同17年11月10日第一小法廷判決・民集59巻9号2428頁各参照)。
上告審(一般論) そして,肖像等は,商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり,このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)は,肖像等それ自体の商業的価値に基づくものであるから,上記の人格権に由来する権利の一内容を構成するものということができる。他方,肖像等に顧客吸引力を有する者は,社会の耳目を集めるなどして,その肖像等を時事報道,論説,創作物等に使用されることもあるのであって,その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。
上告審(一般論) そうすると,肖像等を無断で使用する行為は,〔1〕肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し,〔2〕商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し,〔3〕肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に,パブリシティ権を侵害するものとして,不法行為法上違法となると解するのが相当である。」
上告審 (あてはめ) • 昭和50年代の幅広い人気・振付の流行から、本件各写真の顧客吸引力を認定。 • 「しかしながら」 • 本件記事がピンク・レディーそのものの紹介ではなく、前年に流行していた振付を利用したダイエット法の解説・振付をかつてまねていたタレントの思い出を紹介するものであること • 本件記事が200頁中の3頁であること • 本件各写真が白黒でサイズも2.8×3.6cmないし8×10cm程度のものであること これらの事情に照らせば、本件各写真はダイエット法の解説・振付をまねていたタレントの思い出の紹介にあたって、「読者の記憶を喚起するなど、本件記事の内容を補足する目的で使用されたものというべき」 >「本件各写真の無断掲載は、専らXらの肖像の有する顧客吸引力の利用を目的とするものとはいえず、不法行為法上違法であるということはできない」
金築誠志裁判官の補足意見 • パブリシティ権の侵害となるべき範囲につき、報道・論評等の制約を避けるべきことから明確に限定すべきとし、物のパブリシティ権を否定した最判平成16年2月13日民集58巻2号311頁の趣旨にも言及。 • 三類型の①・②について、更に例示。 • ①ブロマイド、グラビア写真 • ②キャラクター商品
金築誠志裁判官の補足意見 • 三類型以外の「専ら…顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合」については、典型的な類型である三類型に準ずる程度に顧客吸引力を利用する目的が認められる場合 • 雑誌記事での利用に関しては、写真の大きさ等と記事の内容を比較検討し「記事は添え物で独立した意義を認め難いようなものであったり,記事と関連なく写真が大きく扱われていたりする場合」には「専ら」といってよい、とする。
1 本判決の意義 • パブリシティ権を一般論として認めた初の最高裁判決 • パブリシティ権を、個人が人格権に由来する権利として有する、氏名・肖像等をみだりに利用されない権利の一内容として位置づけ > この位置付けが、差止の可否、譲渡可能性、損害論等にどのような影響を与えるかは、今後の議論に。 • パブリシティ権侵害についての判断基準の提示、侵害となる行為類型の例示 > 但し、雑誌等での肖像写真の無断使用が許容される範囲については、不明確な点も多い。
2.パブリシティ権の法的性質・根拠 従前の裁判例: • 東京高判平成3年9月26日判時1400号3頁[おニャン子クラブ控訴審]以降、パブリシティ権を財産的権利と位置付ける裁判例が続く。 • 最判平成16年2月13日民集58巻2号311頁[ギャロップレーサー上告審]の後は、人のパブリシティ権について財産的権利と明示的に位置づける裁判例は現れなくなり、本件控訴審判決以降は、人格権に由来する権利として言及されていた。
2.パブリシティ権の法的性質・根拠 本判決: • パブリシティ権を、「上記の」人格権に由来する権利の一内容として位置づけ。 • 「上記の」人格権に由来する権利 = 個人の「氏名、肖像等」を「みだりに利用されない権利」
2.パブリシティ権の法的性質・根拠 本判決の人格権への言及・人格権に由来する権利としての構成にどのような意義があるのか? • 本山報告 プライバシー権・肖像権とパブリシティ権の関係は? • 内藤報告 パブリシティ権の根拠をどう考えるのか? • 田村報告
3. 侵害についての判断基準・侵害となるべき行為類型 • 基本的・典型的な行為類型(従前の裁判例・学説において、侵害となることがほぼ認められていたもの): • 商品化(生写真、カレンダー等のグッズ) 「ブロマイドやカレンダーなど、そのほとんどの部分が氏名、肖像等で占められて他にこれといった特徴も有していない商品」(「当該氏名、肖像等の顧客吸引力に専ら依存している場合」) • 宣伝広告 • 近年の裁判例における問題: • 書籍・雑誌での肖像等の使用
近年の裁判例での判断基準等 (i) 「重要な構成部分」 • 東京地判平成10年1月21日判時1644号141頁[キング・クリムゾン第一審](侵害肯定) > 具体的な判断として、ジャケット写真についてもパブリシティ権の対象としている点に特徴。
近年の裁判例での判断基準等 (ii) 「専ら」基準 • 東京高判平成11年2月24日平成10(ネ)673号[キング・クリムゾン控訴審](侵害否定) • 東京地判平成12年2月29日判時1715号76頁[中田英寿第一審](侵害否定) • 東京地判平成20年7月4日判時2042号167頁[ピンク・レディー第一審](侵害否定) • 東京地判平成22年10月21日平成21(ワ)4331 [ぺ・ヨンジュン](多くの写真につき肯定)
近年の裁判例での判断基準等 (ii) 専ら基準 • 東京地判平成16年7月14日判時1879号71頁[ブブカスペシャル7第一審](一部肯定) >当てはめでは、写真のサイズ・文章の量等を考慮し「モデル料等が通常支払われるべき週刊誌等におけるグラビア写真としての利用に比肩すべき程度に達している」か否かが実質的な基準となっている。
近年の裁判例での判断基準等 (iii) 付加的要件 (@ブブカ) • 東京地判平成17年8月31日判タ1208号247頁[@ブブカ](侵害否定) 「…情報発信行為が名誉毀損,侮辱,不当なプライバシー侵害など民法709条に規定する不法行為上の違法行為に該当する場合,著名人のキャラクターを商品化したり広告に用いるなど著名人のいわゆる人格権を侵害する場合をはじめとする何らかの付加的要件が必要」 >具体的な判断では、写真のサイズ等を考慮した「専ら」基準に近い判断内容。
近年の裁判例での判断基準等 (iv) 芸能活動に対する正当な批判・批評・紹介にとどまらない商業的利用 • 東京高判平成18年4月26日判時1954号47頁[ブブカスペシャル7控訴審] > 芸能活動(演義・歌唱力等)以外の容姿・プライバシーに対する記述や、性的関心を惹起するような紹介方法は、正当な表現活動に当たらない、としている。 > 具体的な判断においても、第一審で侵害が否定された写真についても、性的関心の惹起や私的な生活の記事であることを考慮して侵害を肯定。
近年の裁判例での判断基準等 (v) 総合観察(本件控訴審) 考慮要素のみ掲げ、判断基準は提示せず。一般論としては、肖像写真の入手態様や、著名人の自らの氏名・肖像に対する使用・管理の態様を考慮する点に特徴。 > 具体的判断としては、サイズ等から、グラビア写真と同様の利用といえない点を考慮。 (本件各写真をY側がXらの許諾の下に撮影した点についても言及はあるが、判決文中で侵害を否定する要素として明確に考慮されているわけではない。)
近年の裁判例の具体的な判断内容 • 東京高判平成18年4月26日判時1954号47頁[ブブカスペシャル7控訴審]のみ、記事の内容の不当性を考慮する点で突出。 • 他の裁判例は、写真のサイズ等を中心に判断する点では共通。 • 但し、専ら基準の裁判例にも、写真が掲載された頁・記事単位で判断するか(ブブカ・スペシャル一審)、書籍・雑誌全体に占める当該ページ・記事の割合が小さいことを侵害を否定する要素として考慮する(中田英寿一審)か、との点で判断の相違がみられる。 >「グラビア的使用」を巡る問題
本判決の一般論 • 三類型を例示した上で「専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とする場合」との基準を採用。 • 補足意見によれば、典型的な侵害類型である三類型に準じるような場合に侵害を限る趣旨。
本判決の一般論 〔1〕肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用 • 具体的には、肖像等それ自体が商品となっており、また独立の鑑賞の対象となりうる、生写真・ブロマイド、写真集が該当。補足意見ではグラビア写真も例示。 • 氏名については、独立鑑賞性を欠き一般的には〔1〕類型には該当しないものと思われる。
本判決の一般論 〔2〕商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し • 単なる氏名・肖像の掲載の有無等による差別化ではなく、従来のカレンダーなどのグッズ商品を指すものと解すべき。
本判決のあてはめ • 記事の内容 • 本件各写真の使用態様 • 白黒 • 約200頁の本件雑誌全体の3頁の中で使用されたにすぎないこと • サイズ(大きいもので縦8cm,横10cm程度 を考慮して、本件記事の内容を補足する目的での使用であって、専ら顧客吸引力の利用を目的とするものとはいえない、とした。
本判決の当てはめと雑誌・書籍中の肖像の使用本判決の当てはめと雑誌・書籍中の肖像の使用 • 本件を上回る態様での肖像の使用、特にグラビア的使用について、どのような判断がされるか? • 本件において、記事内容が、「ピンク・レディそのもの」の紹介ではないこと、写真が白黒であることが考慮されていること • 本件で、写真が使用された記事が雑誌全体の200頁中の3頁であることが考慮されている点をどう評価するか。
本判決の判断基準と考慮要素 「専ら顧客吸引力の利用を目的とする場合」との判断基準について、どのような要素が考慮されるのか? • 本件の当てはめでは、記事の内容及び写真の掲載態様が考慮。 • 控訴審で言及された、写真の入手態様や原告側の肖像の使用・管理態様については、「専ら顧客吸引力の利用を目的とする場合」との文言からは考慮されないようにも思われるが・・・
侵害についての判断基準・侵害となるべき行為類型侵害についての判断基準・侵害となるべき行為類型 • 考慮要素につき、人格権を巡る裁判例での比較衡量型の判断と本判決の判断基準との関係 • 本山報告 • パブリシティ権の侵害が認められるべき行為類型・本判決の判断基準についての検討 • 田村報告 • 雑誌等での肖像の使用とプライバシー権・肖像権侵害についての判断 • 内藤報告
パブリシティ権に関する諸論点 • 主体(著名性、グループ、プロダクション) • 侵害となる行為類型・客体 • 侵害判断での考慮要素 • 相続・譲渡可能性 • 独占的ライセンス • 侵害に対する救済(差止、損害賠償) • 他の人格権・知的財産権との対比
(1) パブリシティ権における著名性の意義 • 著名人以外の氏名・肖像の無断使用についても、パブリシティ権の侵害・不法行為の成立が認められるか • 「顧客吸引力」は、著名性等によるものに限定されるか、肖像の美しさ等による場合も含むか
(1) パブリシティ権における著名性の意義 • 原告の著名性は、侵害判断・損害論においてどのような意味を有するのか。 >侵害判断においては、著名性は要件ではなく、むしろ肖像等の使用が正当な表現行為等として受認されるべきものとして、侵害を否定すべき要素として考慮され、損害論においてのみ積極的な意味を有するように思われる。
(2)著作権・著作隣接権を巡る侵害判断との対比(2)著作権・著作隣接権を巡る侵害判断との対比 • ピンク・レディー事件の事案について、仮に第三者が写真を当該態様で使用した場合、写真の著作権の侵害は成立するか(引用は認められるか) • 同様に、アニメの曲の振付を利用したダイエットの紹介等で、当該アニメの絵を本件と同様の態様で使用した場合、著作権の侵害は成立するか > 一般的にいえば、出所の表示の問題を捨象しても、「引用」にあたるとすることは難しいと思われる。
(2)著作権・著作隣接権を巡る侵害判断との対比(2)著作権・著作隣接権を巡る侵害判断との対比 • 著作権との関係では同程度の利用態様で引用が成立しないとする場合、著作権における引用等を巡る判断と、パブリシティ権における判断との相違をどう理解するか • 専ら著作物の顧客吸引力の利用を目的とする場合以外の著作物の利用(例えば一部の私的複製)についても、著作権の侵害が認められている点との対比をどう理解するか。 > 実定法の有無?(では、立法論としては?) > 著作物よりもより人格に近い「肖像」について、著作物よりも、より弱い保護となる理由は何か。
(2)著作権・著作隣接権を巡る侵害判断との対比(2)著作権・著作隣接権を巡る侵害判断との対比 • 実演家の著作隣接権について、録音・録画権(著作権法91条1項)は複製一般を対象とせず静止画の撮影・使用を含まないこと、許諾を得て映画の著作物に録音・録画された実演についてのワンチャンス主義(同91条2項、92条2項)との相違をどう理解するか * 少なくとも、著作権法上の引用に該当するような肖像の利用態様については、パブリシティ権の侵害には該当しないと解すべきである(プライバシー権の侵害等は別として)。 < 表現の自由の保障としてはこれで十分か?
(3) 今後のパブリシティ権を巡る規律の形成・議論のあり方(3) 今後のパブリシティ権を巡る規律の形成・議論のあり方 ブブカスペシャル7事件等の限界事例について、本判決の基準に照らしどのような判断がなされるか、等については未だ不明確。 • 内藤篤「『残念な判決』としてのピンク・レディー最高裁判決」 譲渡可能性・損害論等の諸論点についても、人格権構成を前提とするとしても、なお議論の余地は多々ある。
(3) 今後のパブリシティ権を巡る規律の形成・議論のあり方(3) 今後のパブリシティ権を巡る規律の形成・議論のあり方 • 最高裁判所による一般的な規範の定立をどう考えるか? • 立法が望ましいか? • そもそも、パブリシティ権・人格権に関して、明確なルールの形成が必要か?