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リンパ球の分化とリンパ節の構造 リンパ節の非腫瘍性疾患 悪性リンパ腫 分類 非ホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫 リンパ腫と微生物感染 節外性リンパ腫 本邦と欧米との差違 多発性骨髄腫と関連疾患 脾臓の疾患 胸腺の疾患. ( 全能性幹細胞 ). CFU-GM: colony forming unit for granulocyte and monocyte. Germinal center dark zone: centroblast light zone: centrocyte. リンパ節の非腫瘍性病変 (1).
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リンパ球の分化とリンパ節の構造 • リンパ節の非腫瘍性疾患 • 悪性リンパ腫 • 分類 • 非ホジキンリンパ腫 • ホジキンリンパ腫 • リンパ腫と微生物感染 • 節外性リンパ腫 • 本邦と欧米との差違 • 多発性骨髄腫と関連疾患 • 脾臓の疾患 • 胸腺の疾患
(全能性幹細胞) CFU-GM: colony forming unit for granulocyte and monocyte
Germinal center dark zone: centroblast light zone: centrocyte
リンパ節の非腫瘍性病変(1) • 非特異性リンパ節炎non-specific lymphadenitis • 結核性リンパ節炎tuberculous lymphadenitis • 結核菌の感染により起こる • 組織学上、乾酪壊死caseous necrosisを伴う類上皮細胞性肉芽腫epitheloid granuloma, Langhans型多核巨細胞が特徴。結核菌はZiehl-Neelsen染色で同定される。 • リンパ節周囲炎を併発しリンパ節同士が相互癒着し多結節性の腫瘤塊を形成すると臨床的に癌の転移と誤られる事がある。 • ザルコイドーシスSarcoidosis • 中年に好発。りんぱ節以外に肺、皮膚、網膜、心、肝、脾、唾液腺等全身諸臓器におこる。両側肺門部リンパ節腫脹を認めることが多い。ッ反陰性、高γグロブリン血症を認めることがある。 • 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫がリンパ節全体にわたってみられる。結核と異なり、肉芽腫同士が癒合する傾向は少ない。 • トキソプラズマ症リンパ節症Toxoplasmic lymphadenopathy • 猫や鳥類に寄生する原虫であるトキソプラズマに汚染された飲食物により感染。20-30代の女性に多い。頸部リンパ節の多発性腫脹が多い。 • 杯中心を伴った濾胞、類上皮細胞からなる小肉芽腫巣が散在し、しばしば杯中心に接して肉芽腫が形成される。Sinusや濾胞周辺には単球様B細胞の増殖巣が見られる。
リンパ節の非腫瘍性病変(2) • 猫ひっかき病cat scratch disease • 猫に接触した病歴の数週後に所属リンパ節の腫脹が起こる。リケッチアによる説が強い。 • 組織像は好中球浸潤を伴う壊死巣周囲に柵状の類上皮細胞肉芽腫を形成(suppurative granuoma)。同様の像は野兎病、エルシニア腸間膜リンパ節炎、鼠径リンパ肉芽腫症などでも見られる。 • 組織球性壊死性リンパ節炎histiocytic nerotizing lymphadenitits(菊池・藤本病) • 日本を含むアジア諸国で多い。若年女性に多い。原因不明。感冒様症状、発熱、解熱後頸部リンパ節の腫大。動物飼育との関係はない。1-3ヶ月で自然治癒。 • アポトーシスと考えられる細胞壊死像、核崩壊産物を貪食した組織球や芽球様リンパ球の出現。Granulomaの形成は見られない。 • キャッスルマン病Castleman’s disease • 孤立した腫瘤として主に縦隔のリンパ節腫大の形で発症する場合と多発性リンパ節腫大の形で発症する場合がある。 • 組織像は、hyaline vascular typeとplasma cell typeに分けられる。多発性のものは後者の組織像の場合が多く、炎症所見や多クローン性高ガンマグロブリン血症、IL-6産生亢進が見られる。孤立性のものは無症状で、偶然胸部X線検査で発見される場合が多い。 • 伝染性単核球症infectious mononucleosis • Epstein-Barr virus感染による。若年に好発。発熱、リンパ節腫脹、脾腫、皮疹を主症状とし、末血に異型リンパ球が出現。EBV抗体価の上昇、Paul-Bunnell試験陽性を示す。 • 皮膚病に伴うリンパ節腫大dermatopathic lymphadenopathy • 全身疾患に伴うリンパ節症(RA, SLE等) • 薬剤投与に伴うリンパ節腫大(ヒダントイン等) • その他
悪性リンパ腫はホジキンリンパ腫Hodgkin’s lymphomaと 非ホジキンリンパ腫non-Hodgkin’s lymphomaに大別される 非ホジキンリンパ腫は
Malignant Lymphoma分類の変遷 1. Rappaport分類 1956, 1966 2. Lukes-Collins分類 1974 3. Kiel分類 1975 4. LSG分類 (Lymphoma Study Group, 日本) 1979 5. Working Formulation (WF, 国際分類) 1982 6. Tリンパ腫を対象とした分類 (Suchi T et al.) 1987 7. Updated Kiel分類 1988 8. REAL分類 "A Revised European-American Classification of Lymphoid Neoplasms” 1994 9. WHO分類 1999
本邦におけるmalignant lymphomaの頻度(Lymphoma Study Group of Japanese Pathologists. Nov 1994-Oct 1996, Pathol Inter 2000;50:696-702 )
Markers for immunohistological labeling of paraffin-embedded lymphoma biopsies
Follicular lymphoma • 無症状に経過する例がある。 • 欧米では高頻度であるが本邦では欧米ほど高くない。 • B細胞リンパ腫である。 • cleaved cellの結節性(濾胞性)増殖を特徴とする。 • Grade 1, 2, 3に分類される。 • 少なくともGrade 3症例は治療を要する。 • 細胞遺伝学的な変化として(14;18)転座が2/3から3/4の症例に認められ、杯中心にbcl-2の発現が特徴的。
Small lymphocytic lymphoma (SLL) • 低悪性度B細胞リンパ腫。 • 高齢者に発症し無症状に経過することが多い。 • 欧米では比較的多いが本邦では少ない。 • CLL (chronic lymphocytic leukemia)とSLLは臨床表現が異なる同一の疾患単位(白血病あるいはリンパ腫として発症する)。 • CLLでは腫瘍細胞は末血のみならず、リンパ節・肝・脾等に浸潤し、SLLでは腫瘍細胞は、通常、末血や骨髄に出現しない。 • 小型成熟リンパ球のびまん性増殖。 • CD5, CD23陽性症例が大多数。
Diffuse large B-cell lymphoma • 本邦のmalignant lymphoma中では最も頻度が高い。 • 高齢者に発症することが多いが発症年齢の幅は広い。 • 白血化はまれ。 • 大小の異型細胞がびまん性に増殖する。
Mantle cell lymphoma • 通常はリンパ節腫大、時には消化管に代表される節外性病変(lymphoid polyposis)として発症する。 • 主として高齢男性に発症し、しばしば播種性で進行が速く、予後は比較的悪い。 • 小型の不整形なcentrocyte-like細胞の増殖像で、マントル帯リンパ球に一致する多くの特徴を有す。 • 免疫組織学的に腫瘍細胞はCD5陽性、CD23陰性、cyclinD1の発現が認められる。 • 第11番と第14番染色体の免疫グロブリン重鎖部位との相互転座が通常見られる。
Precursor B lymphblastic leukemia/lymphoma 通常は白血病として発症する。少数の例で限局した固形腫瘍として存在することがある。臨床表現が異なる同一疾患単位。 小児・若年者に好発するが成人にも見られる。 進行速いがしばしば治癒。 組織像はリンパ芽球の増殖。 免疫学的特徴: TdT陽性、CD79a陽性 Precursor T lymphblastic leukemia/lymphoma 通常は白血病として発症する。時にリンパ節内あるいは胸腺内に腫瘍を生じる。臨床表現が異なる同一疾患単位。 小児・若年者に好発するが成人にも見られる。 高悪性度であるが、小児例は成人例に比して寛解率や無病生存率は高い。 組織像はリンパ芽球の増殖。 免疫学的特徴: TdT陽性、CD4,CD8陽性
Burkitt lymphoma • 高悪性度B細胞リンパ腫。 • 進行は速いが小児では治癒可能。 • Endemic type, non-endemic (sporadic) type, 免疫不全関連型に分かれる。 Endemic typeは赤道アフリカやニューギニアに多発。 • EBV感染と密接に関連。Sporadicな非アフリカ型ではEBVが検出されないものがある。 • Endemic typeは小児に好発し、顎骨または顔面骨がおかされる事が特徴で、卵巣、腸管、腎、副腎等にも見られる。 non-endemicは小児・成人に起こり、腸管、腸間膜、卵巣、腎、精巣等に認められる。 • 本邦では小児から若年者における節外性発生が特徴。卵巣、回腸、大網等腹部臓器に多い。 • 組織学的には、non-cleaved B cellのびまん性増殖の中に、細胞破壊物を含むmacrophageが散在性に認められstarry-sky appearance像を呈する。Ki67陽性率が高値。 • 第8番染色体上のc-myc遺伝子が第14番染色体の免疫グロブリンH鎖遺伝子座近傍に転移する。
Adult T-cell leukemia/lymphoma (ATLL) • Human T-cell leukemia virus type I (HTLV-I)の感染により引き起こされる。 • 血中HTLV-I抗体 が上昇。 • 感染経路は母子感染、男女間関係、輸血。 • 日本の南西部特に九州・四国に多い。アフリカ中央部やカリブ海沿岸にも集積が見られる。 • 臨床的には、くすぶり型、慢性型、急性型、リンパ腫型の4型。リンパ腫型では多形細胞型T細胞リンパ腫として病変の主座がリンパ節にある。Convoluted nucleus が特徴。 • 急性型、リンパ腫型では高Ca血症を伴う場合がある。 • 高悪性度で、一般に予後不良。
Extranodal marginal zone B cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue(MALT) type節外性粘膜関連リンパ装置型辺縁帯B細胞リンパ腫 • 好発部位は胃、腸管、唾液腺、甲状腺、皮膚、眼、肺等。 • 慢性炎症や自己免疫疾患におかされる部位に発生する傾向がある。例えば、helicobacter pylori胃炎の胃粘膜、橋本甲状腺炎での甲状腺、 Sjgoren症候群の唾液腺、等。 • 経過は緩徐。低悪性度。 • 小型のcentrocyte-like細胞、monocytoid B細胞、 形質細胞、リンパ球の増殖。Epithelial lesion。
Mycosis fungoides/ Sezary syndrome • 紅斑様、湿疹様、乾癬様の皮膚病変として出現、徐々に進行し丘疹、腫瘍形成期へと進展。 • 成人に発症。 • 低悪性度であるが、腫瘤期および内臓浸潤期になると予後は悪い。 • Convoluted nucleiを有する異型T細胞の皮膚浸潤像。表皮内の小集族巣はPautrier微小膿瘍といわれる。 • 皮膚T細胞性リンパ腫が白血化したものがSezary syndrome。
Malignant lymphoma 人口10万人あたりの発生率 日米の比較
海外と比較した場合の日本人の悪性リンパ腫の特徴海外と比較した場合の日本人の悪性リンパ腫の特徴 • 低悪性度リンパ腫が少ない(SLL, FL, HD) • 節性MLと節外性MLが同じ程度の頻度 • ATLLが多い(日本の南西地域) • 鼻腔のNK細胞性リンパ腫が多い • 膿胸関連リンパ腫の存在 (EBV陽性、B細胞性、大細胞型)
× 予後は病期(ステージ)と 治療効果および腎障害の 程度により異なり、生存 期間は数カ月から10年以 上まで様々。最近は治療 法の進歩が著しく、改善 が期待されている。 骨髄における 形質細胞は 通常10%以上
著作権「国立がんセンターがん対策情報センター」著作権「国立がんセンターがん対策情報センター」
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免疫グロブリンの合成とその影響 正常の免疫グロブリンは2本の重鎖と2本の軽鎖からなる。 骨髄腫細胞は通常とは異なり、同じ種類の免疫グロブリン(M蛋白)を産生する。骨髄腫細胞はIgG型とIgA型を産生するものが多く、まれにIgD型を産生するが、IgM型やIgE型は極めてまれ。軽鎖はκ型がλ型より多く出現する。 IgGκが最も高頻度である。 一方、免疫グロブリンの軽鎖のみを産生する、ベンスジョーンズ(BJP)型と呼ばれる骨髄腫もある。
(尿細管障害) アミロイド蛋白が消化管、 腎、心、皮膚等に沈着
Plasma cell dyscrasias and related lesions 単クローン性の免疫グロブリン分泌細胞が増殖する疾患群(monoclonal immunogloburinemia) • Multiple myeloma多発性骨髄腫 • Solitary plasmacyoma限局性形質細胞腫 • Wardensrom’s macrogloburinemia 原発性マクログロブリン血症 • Heavychain disease重鎖病 • Primary or immunocyte-associated amyloidosis 原発性あるいは免疫細胞性アミロイドーシス • Monoclonal gammopathy of undetermined significance (MGUS) 特発性単クローン性免疫グロブリン血症 • 健常人でも50歳以上では1-3%に無症候性に血清中にM蛋白が検出される。 • MGUSでは骨髄の形質細胞は10%以下。 • MGSUの約20%は10-15年以上を経てplasma cell dyscrasiaへ進展する。
B細胞の腫瘍性増殖で単クローン性IgMの産生が特徴B細胞の腫瘍性増殖で単クローン性IgMの産生が特徴 症状:リンパ節腫大、脾腫、高粘度症候群 形態上はリンパ形質細胞性リンパ腫