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中国のシェールガス開発. 日中経済協会 2012 年 12 月. (写真は国土資源部 http://www.mlr.gov.cn/xwdt/jrxw/201203/t20120302_1069466.htm ). Ⅰ 政策上の位置づけ. 「第 12 次五カ年規劃」 シェールガス等重要な非在来型油ガス資源の開発利用を推進する。 「エネルギー発展 12 ・ 5 規劃」 七大任務のトップ:国内資源の探鉱開発強化。 シェールガスと炭層ガスの探鉱開発を強化。 「シェールガス発展規劃( 2011 ~ 15 )」・ 「天然ガス発展 12 ・ 5 規劃」
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中国のシェールガス開発 日中経済協会 2012年12月 (写真は国土資源部http://www.mlr.gov.cn/xwdt/jrxw/201203/t20120302_1069466.htm)
Ⅰ 政策上の位置づけ • 「第12次五カ年規劃」 シェールガス等重要な非在来型油ガス資源の開発利用を推進する。 • 「エネルギー発展12・5規劃」 七大任務のトップ:国内資源の探鉱開発強化。 シェールガスと炭層ガスの探鉱開発を強化。 • 「シェールガス発展規劃(2011~15)」・ 「天然ガス発展12・5規劃」 2015年探査地質埋蔵量6000億㎥、可採埋蔵量2000億㎥、生産量65億㎥をめざす。
Ⅱ シェールガス発展規劃(2011~15) 2012年3月13日付、国家発展改革委員会、財政部、国土資源部、国家能源局 • シェールガスの資源潜在力 可採資源量25兆㎥ (在来型天然ガスを上回る) • 目下のチャンス (1)北米の成熟した開発技術を応用できる (2)天然ガス需要急増、市場見通し良好 (3)輸送設備の整備が日々改善 • 主な試練 (1)資源量の確認が困難 (2)中核技術のブレークスルーに時間がかかる (3)大規模、多元化投資メカニズムが未形成 ・探査・開発重点地域 四川、重慶、貴州、湖南、湖北、雲南、江西、安徽、江蘇、陜西、河南、遼寧、新疆 ・19の探査開発区 長寧、威遠、昭通、富順-永川、鄂西渝東、川西-阆中、川東北、安順-凱里、済陽、延安、神府-臨興、沁源、寿陽、蕪湖、横山堡、南川、秀山、遼河東部、岑巩-松桃
総体目標 2015年までに初歩的規模化生産を実現、13次五カ年計画での高成長の基礎を築く。 • 具体的規劃目標 (1)全国シェールガス資源潜在力調査・評価を完了し、30~50の遠景区(prospective area)と50~80の有望目標区を選定。 (2)シェールガス埋蔵量6000億㎥、可採埋蔵量2000億㎥を確認。2015年生産量は65億㎥に。 (3)中国の地質条件に適合する調査・資源評価技術方法、開発の中核技術・設備を形成する。 (4)調査・評価、埋蔵量、分析・測定、探査開発、環境保護等の技術標準と規範を形成する。 • 2020年長期見通し 19開発区の埋蔵・生産規模を大幅に引き上げ、湖北湖南、江蘇浙江安徽、オルドス、南華北、松遼、ジュンガル、トルファン・ハミ、タリム、渤海湾等の探査開発を推進し、新たな開発区を建設。 2020年の生産量は600~1000億㎥に。
Ⅲ国土資源部油気資源戦略研究センター「全国シェールガス資源ポテンシャル調査・評価及び有望鉱区選定」活動成果Ⅲ国土資源部油気資源戦略研究センター「全国シェールガス資源ポテンシャル調査・評価及び有望鉱区選定」活動成果 国土資源部ウエブサイトhttp://www.mlr.gov.cn/xwdt/jrxw/201203/t20120302_1069466.htm • シェールガス開発調査の進捗状況
得られたデータ • 全国シェールガス資源ポテンシャル調査・評価及び有望鉱区選定報告 • 全国シェールガス資源ポテンシャル調査・評価及び有望鉱区選定データ表 • 全国シェールガス資源ポテンシャル調査・評価及び有望鉱区選定図集 • 全国シェールガス資源ポテンシャル分布図 • 全国シェールガス有望鉱区分布図 • 全国シェールガス探査開発計画区域分布図 • 上揚子及び雲南・貴州・広西地区シェールガス資源ポテンシャル調査・評価と区域選定報告 • 中・下揚子及び東南地区シェールガス資源ポテンシャル調査・評価と区域選定報告 • 華北・東北地区シェールガス資源ポテンシャル調査・評価と区域選定報告 • 西北地区シェールガス資源ポテンシャル調査・評価と区域選定報告 • 四川・重慶・貴州・湖北先行試験区シェールガス資源ポテンシャル調査・評価と区域選定 • シェールガス資源ポテンシャル調査・評価と有望鉱区選定基準報告
全国シェールガスポテンシャル調査評価区分図全国シェールガスポテンシャル調査評価区分図
評価と選定結果 中国陸域5大区、41盆地・地区、87評価単元、57ガス含有頁岩層のシェールガス資源ポテンシャルについて、地質単元、地層層系、堆積環境、埋蔵深度、地表環境、省別に分けて評価を行い、有望エリアを選定。
四川・重慶・貴州・湖北シェールガス資源戦略調査先導試験区分布図四川・重慶・貴州・湖北シェールガス資源戦略調査先導試験区分布図 工業ガス流獲得またはシェールガスがすでに発見された評価単元の面積: 88万k㎡、地質資源量93.01兆㎥、可採資源量15.95兆㎥
目標と課題 (1)埋蔵量・生産量見通し 2020年までに、国内天然ガス消費量は3800億㎥に達し、国内の在来型天然ガス生産量は2000億㎥で、需給ギャップは1800億㎥となる。その時点で、シェールガスの生産量が1000億㎥に達すれば、シェールガスは天然ガス消費量の26%を占める。2020年までに4000~6000億元を投じ、約2万本のガス井を掘削。 (2)技術的課題 • 海成相、海陸過渡成相、陸成相頁岩がいずれも発達する、複雑な地質条件のため、単に海外の経験をそのまま持ち込むことはできず、中国の地質条件に適合するシェールガス探査開発モデルを系統的に研究・模索しなければならない。 • 核心技術は米国との落差が大きい。特に、水平井掘削と水圧破砕改造技術は難関突破の加速が必要。海外の先進技術吸収を基礎に、連携して克服し、中国の地質条件に合うシェールガス探査開発核心技術を形成を急ぐ。
Ⅳ 第二次探鉱権公開入札 9月10日 入札公告公布 • 20の鉱区、2.2万平方キロ。内訳は、貴州省(5)、重慶市(3)、湖南省(3)、湖北省(2)、河南省(2)、江西省(1)、安徽省(1)、浙江省(1)の20鉱区。 • 応札資格は内資企業または中国側がマジョリティを持つ中外合弁企業で、かつ登録資本金が3億元以上。石油天然ガスまたはガスの探査資格、またはその資格を持つ企業と連携していること。独立法人格を有すること(コンソーシアムは不可)。 1社2鉱区を限度。 • 第1次入札(11年6月)と同様、今回の鉱区も在来型油・ガスの既存鉱区と重複していない地区。そのため例えば四川省は入っていない。また、貴州、湖南、安徽は地震探査がされてないため、探査・開発リスクが大きい事に注意が必要か。 ※関連記事:財新online (英語) • http://english.caixin.com/2012-09-11/100436272.html • http://english.caixin.com/2012-09-19/100439853.html ※国土資源部の入札公告。鉱区の位置と資格の詳細。 • http://www.mlr.gov.cn/zwgk/zytz/201209/t20120910_1139187.htm 10月25日 開札会議 • 石油(中石油・中石化・中海油)、電力、石炭、投資、不動産、機械設備など83社が応札、うち民営企業が1/3。民営で応札を公表したのは、新疆広匯、永泰能源、恵博普、湖北能源など。担当部門は国土資源部鉱産資源儲量評審中心。結果は年内に発表の見込み。 • http://finance.ifeng.com/news/industry/20121120/7320267.shtml • http://news.xinhuanet.com/fortune/2012-11/23/c_123990460.htm
Ⅴ 国土資源部のシェールガス資源探査開発と監督管理強化活動に関する通達Ⅴ 国土資源部のシェールガス資源探査開発と監督管理強化活動に関する通達 国土資発〔2012〕159号2012年10月26日http://www.mlr.gov.cn/zwgk/zytz/201211/t20121122_1158928.htm • 全19条。国土資源部のシェールガス探査開発管理についての初の文書。 • 骨子 1.積極的かつ穏当に探査開発を推進、2.全面的に資源調査評価を展開、3.探査開発の科技難関攻略を強化、4.探査開発のモデル事業を展開、5.探鉱権を合理的に設定、6.鉱業権管理を規範化、7.社会各種投資主体の探査開発参入を奨励、8.石油天然ガス区でのシェールガス探査開発を奨励、9.シェールガスとその他鉱産資源の探査開発を統一・協調、10.探査開発の承諾制を実施、11.鉱業権者の探査開発加速を奨励、12.環境保護と安全生産を強化、13.資源地の経済社会発展を促進、14.鉱業権使用費と鉱産資源補償費を減免、15.探査開発用地のニーズを保障、16.探査開発の監督管理を強化、17.部・省協調連動メカニズムを確立、18.シェールガス資源管理のその他事項は石油天然ガスの関連規定を参照、19.本通達は公布の日から有効期間を5年とする。 • 民営企業の探査開発を奨励、外国企業は合弁・合作方式での参与を奨励。 • 石油天然ガス既存区内で石油・天然ガスの鉱業権者がシェールガス探査を行うことを奨励(鉱業権の変更手続きが必要。本通達公布から3カ月以内)、探査をしない場合は別途探鉱権を設定する。
Ⅵ 業界の動き • 中国のシェールガス探査・開発は、国有企業(主にCNPC、SINOPEC、CNOOCの3社)によってその3/4が支配されている。シェルは2011年~15年に中国でのシェールガス、タイトガス(サンド)、炭層ガス(CBM)開発に50億ドルを投資。その殆どが四川省西南部地区に集中。同社は既に探査用のボーリング井戸を5つ掘削し、更に4つを掘削中。年内に更に20を掘削予定。 • シェルは外資で唯一、中国でのPSC(プロダクションシェアリング契約)締結。CNPCと2012年3月、四川の富順-永川鉱区を対象に、現在発改委の承認待ち。 • ※四川省富順-永川鉱区 • http://www.chinagas.org/e/action/ShowInfo.php?classid=51&id=98344 • シェルは更に四川省の金秋鉱区4000平方キロでタイトガスの探査中。シェルのパートナー、CNPCは陝西省のオルドス盆地、長北タイトガスプロジェクトを推進中。 • 但し、シェル社は2020年までに商業生産開始は無理と予測。 • 12年10月9日、重慶能源集団とシェル(中国)公司が重慶のシェールガス資源を共同開発で合意、双方は、シェールガスや炭層ガスなど非在来型気体エネルギー資源の探査・開発、LNGの応用と関連分野での協力で覚書を締結。
中国最大の国有投資会社、SDIC(国家開発投資公司)は重慶の南西で最初のシェールガスプロジェクトへの投資を準備中。重慶市政府と契約、探査に300億元投入。中国最大の国有投資会社、SDIC(国家開発投資公司)は重慶の南西で最初のシェールガスプロジェクトへの投資を準備中。重慶市政府と契約、探査に300億元投入。 • 華電集団と湖南省は2月に鉱区共同開発調印。神華集団も非在来型天然ガス開発に関心。民営企業の新疆広汇(西北地区でLNG経営)も参入検討中。 ※関連記事(新華社9/8) 地方政府+企業によるシェールガス開発は堅いか? http://news.xinhuanet.com/energy/2012-09/08/c_123681991.htm • 2012年10月26日、中国の蘭州海黙科技股分有限公司は子会社の海黙油ガスLLCが米ヒューストンに本社を置くカリゾ・オイル&ガス(Carrizo Oil & Gas)が保有するコロラド州ニオブララのシェールオイル・ガス権益の14.29%を2750万ドルで取得すると発表。 http://www.cnstock.com/roll/201210/2335468.htm • 2012年11月5日、財政部と国家能源局が「シェールガス開発利用補助金政策に関する通達」、中央財政から特別資金を計上してシェールガスの開発と利用を支援。中央財政の資金援助の条件は、すでに開発利用されているシェールガスで、企業がすでに計量設備を設置し、正確な開発利用量を提示できるもの。 2012年から15年までの間、1立方メートルあたり0.4元の補助金をシェールガス開発企業に支給する。 http://news.xinhuanet.com/energy/2012-11/17/c_123953792.htm
Ⅶ 今後の見通しに影響する要素 • 輸送 パイプライン建設と使用 • 価格改革 価格引き上げの可能性 • 水資源・環境問題 • 体制改革 中国石油等の動向
シェールガス輸送インフラの整備 (1)天然ガス管網の整備された探査開発区では、ガス田ガス回収パイプライン建設を加速し、シェールガスを天然ガス管網で輸送する。 (2)天然ガス管網から離れ、初期生産量の少ない探査開発区では、小型LNG/CNG利用装置を建設し、大気への放出・浪費を防ぐ。 (3)探査開発進捗に基づき適時にシェールガスの外部輸送パイプラインを建設する。 (出所)「天然ガス第12次五カ年計画」
中国石油天然ガス総公司CNPCのガスパイプライン中国石油天然ガス総公司CNPCのガスパイプライン (出所)中国石油天然ガス総公司HP http://www.petrochina.com.cn/PetroChina/gsjs/zyyw/trqygd/?COLLCC=2684697394&COLLCC=86353855&
価格改革 (課題)天然ガス価格合理化が焦眉の急 国内価格が低すぎ、需給と資源不足を未反映。輸入中央アジアガスは赤字で、企業の海外での資源調達に不利。国内ガス利用者のコスト負担も限度あり (目標)天然ガス価格形成メカニズムの整備 (1)資源希少性と需給変化を反映する価格メカニズム形成 (2)上中下流価格の連動メカニズム確立 (3)季節性・短期性差別価格の研究 (4)国家級天然ガス取引市場の研究確立 (シェールガス奨励) CBM政策を参照して財政補填等支援策を策定 探鉱権、採掘権使用料の減免。輸入設備の減免 出荷価格は市場が定める (出所)「天然ガス第12次五カ年計画」
価格改革の動き 2011年末 広東、広西で「市場ネットバック方式」によりシティゲート価格を定める実験を開始。代替エネルギー価格(輸入LNGと燃料油。基準は2010年の国際市場原油価格80ドル/バーレル)と連動して定める。従来は生産者価格(ガス田の出荷価格+利益。政府はパイプライン輸送価格のみを決定。) 広東・広西を選んだ理由:天然ガス新興市場であり、陸上ガスの利用はほとんどなく、輸入ガスが主で、国際市場に近い。 2012年 この改革を他地域にも広げる政策が年末にも公布されるとの見方があったが、2013年にずれこむ見通し。 天然ガス値上げによる住民生活への影響が政府の懸念。
水資源・環境 1.「天然ガス第12次五カ年計画」の環境保護措置(2012.10.22) ①資源開発生産 ・耕地占有を減少、工事終了後は早急に原状回復。 ・高酸性ガス田安全開発技術の整備。 ・シェールガス開発用水とその処理に対する管理・環境監督を強化。 ・油田随伴ガスとガス田試掘ガス回収技術の普及。 ②施設建設運営 2.「シェールガス発展第12次五カ年計画」の環境保護措置(2012.3.16) ・環境に与える影響は在来型天然ガスと同じ。開発の各プロセスに照準を合わせた措置を採れば環境問題は防止できる。 ①施設化により地上植被の破壊を減少 ②水圧破砕液を循環利用し水資源を節約 ③厳格な掘削プロセスにより地下水汚染を防止。掘削液は天然ガス人口合成油基スラリーで短時間に自然分解。圧裂液は水+砂+0.5%未満の添加剤で日常的な無害無毒の物質。頁岩ガス層は飲用水源より深く、中間に不浸透岩層があり、地下水汚染の可能性は少ない。シェールガス開発で重大な地下水汚染を引き起こした事件は世界的に未発生 ④環境保護管理監督による破砕液の無汚染排出