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06-B4-5. 歯車の CAD および CNC ワイヤ放電加工による試作. 根本慎也 (K030 56 ). 研究の背景および目的. 歯車は伝達部品として機械や電気製品に多く使用されている。従来、標準歯車は2次元の設計図面で表示され、ホブ盤などの専用歯切盤で加工される。最近、歯車の CAD と FEM (有限要素法)解析により設計・強度計算、3次元 CAD/CAM の一貫化(統合化)、いわゆる自動 NC (数値制御)プログラミングや NC 工作機械による自動加工が要求される。本研究では、歯車の基礎理論、その CAD/CAM 、 NC 加工の技法を目的とした。. 研究の内容.
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06-B4-5 歯車のCADおよびCNCワイヤ放電加工による試作 根本慎也(K03056)
研究の背景および目的 歯車は伝達部品として機械や電気製品に多く使用されている。従来、標準歯車は2次元の設計図面で表示され、ホブ盤などの専用歯切盤で加工される。最近、歯車のCADとFEM(有限要素法)解析により設計・強度計算、3次元CAD/CAMの一貫化(統合化)、いわゆる自動NC(数値制御)プログラミングやNC工作機械による自動加工が要求される。本研究では、歯車の基礎理論、そのCAD/CAM、NC加工の技法を目的とした。
研究の内容 「KHK歯車計算システムGCSW」を用いて、インボリュート歯形のCADデータを作成し、CAMソフトMasterCAMに転送し、NCプログラムを作成して、ワイヤ放電加工機で試作を行った。
KHK歯車計算ソフトによる歯形の作成 「KHK歯車計算システムGCSW」のインターフェースを図1に示す。このソフトにモジュール、ねじれ角、基準ピッチ円上圧力などのパラメータを入力して歯形を作成し、DXF形式で歯形のデータを出力した。 図1 「KHK歯車計算システムGCSW」のインターフェース
入力および出力のパラメータ 入力および出力のパラメータを表1に示す。また、図2に作成した歯形を示す。 パラメータ 駆動歯車 伝動歯車 表1 入力および出力のパラメータ 入 力 . 出 力 図2 歯形曲線
Master CAMによる歯形の作成(1) 軸穴とキー溝の設計・NC加工プログラムの作成のため、出力された歯形、ピッチ円および軸をMaster CAMに転送した。転送した結果を図3に示す。半分の歯形しか転送できないので、Master CAMソフトの「Xform-mirror」という機能で残りの半分を作成した(図4)。 図3 半分の歯形 図4 半分歯形の反転コピー
Master CAMによる歯形の作成(2) 出力された一つの歯形を、「Xform-Rotate」という機能で 20°ごとに17個回転コピーした(図5)。 図5 歯形の回転コピー
Master CAMによる軸穴とキー溝の作成 MasterCAMのCreate-Arc機能とCreate-Line機能、Trim機能を使用し、軸穴とキー溝を作成した(図6)。 図6 軸穴とキー溝の完成
歯車の強度計算 歯車の歯面強度と歯元曲げ強度計算式、KHK歯車計算システムソフトを使用して、歯車の安全率、許容ヘルツ応力、円周力、トルク、動力を計算した。 歯面接触: 歯元曲げ: 安全率=1.7 安全率=1.07 許容ヘルツ応力=51.5 (MPa) 許容ヘルツ応力=13.3(MPa) 許容円周力=0.65(N) 許容円周力=12.09(N) 許容円トルク=8.8(N・mm) 許容円トルク=163.3(N・mm) 許容動力=0.0126(Kw) 許容動力=0.23(Kw)
MasterCAMによるNC加工プログラムの作成と 加工シミュレーション(1)MasterCAMによるNC加工プログラムの作成と 加工シミュレーション(1) MasterCAMの“Contour”(輪郭沿い)加工機能を利用し、工具のタイプを選択し、加工厚さ、加工方向、工具オフセット方向を指定した。ワークのサイズを32.4×32.4×3(小歯車)、48.6×48.6×3(大歯車)に設定した。ワークのプロファイルを図7に示す。 図7 ワークの設定
MasterCAMによる加工プログラム作成と加工シミュレーション(2)MasterCAMによる加工プログラム作成と加工シミュレーション(2) 小歯車の場合は、加工方向(時計回り)、工具オフセット方向(左)と指定した。大歯車の場合は、加工方向(反時計回り)、工具オフセット方向(右)と指定し、加工シミュレーションを行った。出力したNCプログラムを編集してワイヤカット放電加工サブプログラム(形状プログラム)とした。
MasterCAMによる加工シミュレーション 図8に加工シミュレーションの様子を示す。 図8NC加工シミュレーション
歯車のCNCワイヤカット放電加工(1) 出力したNCプログラムをWord、メモ帳ソフトを使い、サブプログラムを編集し、データ転送ソフト(図9)を通してCNCワイヤカット放電加工機に転送した。 図9 データ転送ソフト
歯車のCNCワイヤカット放電加工(2) ワークにあらかじめ直径3mmの穴を開け、ワイヤカット放電加工機のテーブルに取り付けた。そこにワイヤを結線して自動連続加工プログラミングでNC加工をスタートさせた。
歯車のCNCワイヤカット放電加工(3) 図10に示す(赤線)ように軸穴とキー溝を加工した。軸穴とキー溝を加工終了後、ワイヤが自動的に切断された。 図10 キー溝の加工画面
歯車のCNCワイヤカット放電加工(4) 図11のようにワイヤカット放電加工機のノズルをワークの右横に移動させ、自動的に再結線して歯形を加工した。 図11 歯形の加工画面
加工結果 加工結果を図12に、加工した2つの歯車の噛み合い状況を図13に示す。 図13 歯車の噛み合い 図12 加工完了
結果と考察 • 歯車の基礎理論、そのCAD/CAM、NCワイヤ放電加工の技法を理解し、実践した。 • Master CAMのTool paths欄のOperationsで確認・実行ができるため、設定後データの修正や変換が容易であった。 • 歯車をワイヤ放電加工機で加工したが、加工時間に約2時間掛かった。加工精度は良いが、この機械は大量生産に向いてないことが分かった。