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時代小説の冒頭表現. 野浪 正隆(大阪教育大学). 物語的文章の冒頭表現の機能. 背景・人物を設定する 読者を引きつける これだけか?. 物語的文章の冒頭表現 の分析方法. 叙述分析は、文ごとに、 叙述法(どのように書いているか) 叙述内容(何が書かれているか) について行う。. 叙述法の分析. 叙述法は、「描写」「記述」「説明」「評価」に分ける。一つの文全体が一つの叙述法で書かれている場合もあるが、そうでない場合は、文を部分に分けて、行う。. 4種類の叙述法ー1. 描写
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時代小説の冒頭表現 野浪 正隆(大阪教育大学)
物語的文章の冒頭表現の機能 • 背景・人物を設定する • 読者を引きつける これだけか?
物語的文章の冒頭表現 の分析方法 • 叙述分析は、文ごとに、 • 叙述法(どのように書いているか) • 叙述内容(何が書かれているか) について行う。
叙述法の分析 叙述法は、「描写」「記述」「説明」「評価」に分ける。一つの文全体が一つの叙述法で書かれている場合もあるが、そうでない場合は、文を部分に分けて、行う。
4種類の叙述法ー1 • 描写 • 一回的瞬時の事態を感覚によってとらえたようにして述べる叙述法。拙稿「描写論のために」「国語表現研究」4号(国語表現研究会)平.3.12を参照いただきたい。例「雨が蕭々と降っている」「留鳥の二羽の航跡重なりて」 • 記述 • 要約的描写。長時間にわたる事態を要約して述べる叙述法。例「昨日遠足に行った」「日本は経済成長後、その後始末に追われている」
4種類の叙述法ー2 • 説明 • ものごとの機能・属性・所属・解釈等の判断を述べる叙述法。例「彼は学生だ」「この薬で熱が下がるはずだ」 • 評価 • ものごとに対する評価を述べる叙述法。例 「彼はハンサムだ」「彼は優秀だ」
1-1.藤沢周平「蝉しぐれ」の冒頭の構成 1~20文は、大きく四つに分かれる。 • 1-11文 小川と組屋敷の者の関係を主に 説明する • 12-17文 主人公と父母の関係を主人公の 心理記述で示す • 18-19文 組屋敷の様子を説明・記述する • 20文 主人公の行動を描写し、主人公の視 点で他の人物の様子をとらえる
1-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭表現分析11-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭表現分析1
1-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭表現分析21-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭表現分析2
1-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭表現分析31-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭表現分析3
1-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭部分の構成1-2.山手樹一郎「花笠浪太郎」の冒頭部分の構成 1-8文は二つの部分に分かれる。 • 1-3文 記述・説明によって、場所・時間・主 人公を設定する • 4-8文 描写によって場面を立ち上げ、主人公以外の登場人物の設定を含みつつ、行動・会話描写によって、事件を展開していく部分。視点人物を設定する。読者を引きつけるために、情報を伏せておくことによるサスペンスを作り・追加し・解消する