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トリガーポイント研究所

痛みとトリガーポイント治療. ワークショップ in 名古屋市. 2012年5月27日. トリガーポイント研究所. ワークショップの概要. 1, 痛み医療の現状と問題点. 2, 痛み治療の生理学. 3, 痛み治療のあるべき姿. 1,痛み医療は遅れている. 1, 痛み医療の現状と問題点. 2,構造の変化と痛みの関係. 3,慢性痛症という新たな病気. 現代痛み医療の問題点. 高い発症率・再発率・慢性化率. 人生の質の低下と経済的負担. 不適切な医療の横行. MPS の概念が知られていない. 痛み治療の在るべき姿が明確でない. 発症率.

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Presentation Transcript


  1. 痛みとトリガーポイント治療 ワークショップ in 名古屋市 2012年5月27日 トリガーポイント研究所

  2. ワークショップの概要 1,痛み医療の現状と問題点 2,痛み治療の生理学 3,痛み治療のあるべき姿

  3. 1,痛み医療は遅れている 1,痛み医療の現状と問題点 2,構造の変化と痛みの関係 3,慢性痛症という新たな病気

  4. 現代痛み医療の問題点 高い発症率・再発率・慢性化率 人生の質の低下と経済的負担 不適切な医療の横行 MPSの概念が知られていない 痛み治療の在るべき姿が明確でない

  5. 発症率 「18歳以上の15%は慢性疼痛を持っている。」 慶応大医学部の戸山芳昭教授らのグループが実施したインターネット調査で、こんな結果が出た。 全体の15・4%が筋骨格系の慢性疼痛を持っており、特に働き盛りの30~50代で多いことが分かった。痛みの部位は腰が65%と最も多く、55%の頸部(けいぶ)と肩、さらに26%の膝と続いている。 また、慢性疼痛を持っている人の42%が何らかの治療を求めているが、そのうち医療機関を受診している人は19%にすぎなかった。

  6. 医師は痛みの事を知らない 整形外科医は学問の成り立ち上、構造の勉強をします。痛みの勉強なんてしたことがありません。正しい構造が痛みがない、悪くなった構造は痛みの原因になると思い込んでしまったのです。構造の勉強はしているのだが痛みの勉強はしていない。これが現状です。(心療整形外科ブログより)

  7. 日本の痛み医療は遅れている 我が国の痛み医療は、欧米諸国より20年以上も遅れています。痛みに耐えるうちに新たに病気としての痛みが出現する可能性があることを知りません。  悲しいことに医療従事者の多くも知りません。(愛知医科大学痛み学講座より)

  8. 世界の痛み医療も遅れている TravellとSimonsこそ腰痛をはじめとする筋膜の痛みの究極の治療法の発見者ではないかと思っている。残念ながら、2人の業績が今日行われている痛みの治療法に一石を投じたわけではなかった。  医学部からはほとんど注目されず、主流の医学文献に引用されることも稀であった。1996年から2002年にかけての腰痛に関する3600の引用文献のうち、筋膜のトリガーポイント、あるいは単なるトリガーポイントを索引に載せているのはわずかに0.5%であり、年別に見てもこの数字が1%に達した年は一度もない。

  9. 痛みと構造の変化との関係 一般に信じられていること・・・ 構造(形態)の変化 痛みの発現 椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 軟骨のすり減り

  10. なぜ構造は変化してしまったんだろう? 構造(形態)の変化 損傷 椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 軟骨のすり減り 代償 機能の変化 痛みの発現 運動機能・内蔵機能

  11. 腰痛がなくても背骨や骨盤の異常はある Fullenlove TM & Williams AJ : Radiology,1957

  12. 神経が圧迫されると痛む? 神経線維は通常,その末端にある受容器から信号を伝えるものであって,その途中が興奮を起こしたりするようなことはありません。  熊澤孝朗 著 「痛みを知る」より   神経は圧迫されると 麻痺を起こします。

  13. しびれ感と運動麻痺の混同 ジンジンする 知覚異常 痺れ 感覚がない 麻痺 (知覚鈍麻・知覚消失) 知覚神経麻痺 麻痺 運動神経麻痺

  14. 根症状の徴候  神経根の圧迫による症状の場合は、神経学的な徴候が指標となる。  ①知覚減退  ②痛覚減退  ③弛緩や萎縮を伴う筋脱力  ④突発性筋興奮の亢進、  ⑤腱反射の低下などの出る。 (カレル・ルイ) 

  15. 手術は最終手段なのか? 改善率の経年変化

  16. 画像検査は役に立たない  5つの異なる職種を対象に、1年間にわたって腰部をMRIで繰り返し撮影した結果、椎間板異常と腰痛や職種との関連性はなく、調査期間中に腰痛を発症した者のMRI所見にも変化はなかった。   (Savage RA et al,Eur Spine J,1997)

  17. 慢性痛症という新たな病気 椎間板ヘルニア 自律神経失調症

  18. 急性痛と慢性痛症 慢性痛症は、神経系の可塑的変容が原因で、正常時には他の系と独立に働いている痛覚系が、他の神経系と混線状態を起こした状態に変化してしまう。この状態が慢性痛症であると考えられる。 熊澤孝朗(名古屋大学名誉教授)

  19. 慢性痛患者の心理的変遷 (痛み治療の人間学:永田勝太郎著より)

  20. 線維筋痛症と痛みのスペクトル 全身のアロディニア 線維筋痛症は、慢性痛症の程度の中の一つの局面である可能性。 線維筋痛症 慢性的な広がりを持つ全身痛 慢性的な広がりを持つ部分痛 部分的な慢性痛 一次的な局所痛 出典:Bennett,1999より改変

  21. 2,痛み治療の生理学 1,筋筋膜性疼痛症候群(MPS) 2,治癒力阻害因子 3,機能障害連鎖点

  22. ケネディ大統領とMPS • 筋筋膜性疼痛症候群(MPS)を発表したトラベル博士は 故ジョン・F・ケネディ大統領の主治医であった。 • 故ケネディー大統領は椎間板ヘルニアと診断をされヘルニアに対する手術をしたが、症状が 改善せず、さらに脊椎固定手術をして更に症状が悪化。その後トラベル博士が故ケネディー大統領をこの筋筋膜性疼痛症候群と診断、トリガーポイント注射などの 治療を施して、症状が大幅に改善した事例がある。 (Wikipediaより)

  23. トリガーポイントが起こす様々な症状 • 痛み・凝り(関連痛) • しびれ感(ジンジンする、ピリピリするなど) • 感覚の麻痺・異常(聴覚、触覚、視覚など) • 筋力低下 • 関節の可動域制限 • 自律神経系の乱れ • 内分泌系の乱れ • 免疫系への影響(皮膚抵抗の低下) • 自己受容性の乱れ(位置感覚の乱れ) • 気分の落ち込み、感情の乱れ

  24. 不定愁訴(自律神経失調症) • 疲れやすい、だるい、不眠、食欲不振、めまい • 頭痛、頭が重い、やる気が出ない、いらいらする • 目が疲れる、目が開かない、ドライアイ、涙目 • 耳鳴り、耳が詰まった感じ、口が渇く、味覚異常 • 喉が痛い、息苦しい、動悸、血圧が変動する • 肩首がこる、腰が痛む、関節が痛む • 手足が冷える、手足がしびれる • 頻尿、尿が出にくい、残尿感 • 下痢、便秘、胸が焼ける、お腹が張る • 抑うつ、不安感、神経質

  25. トリガーポイントが生じる要因 1 外傷、手術、筋への過負荷 2 関節のブロック 3 内臓機能障害(潜在性含む) 4 リンパの停滞(隔膜のブロック) 5 心理的緊張や葛藤

  26. トリガーポイントの成り立ち ケガ・精神的打撃・過負荷 筋線維損傷 筋拘縮 治癒力阻害因子 発痛物質 血流減少 老廃物蓄積

  27. 治癒力阻害因子 • 心理的要因:不安、心配、人間関係のトラブル • 社会的要因:経済的問題、社会的立場 • 活性化要因:労働、趣味、スポーツ、癖、姿勢 • 構造的要因:下肢長不等、短い上腕、半側小骨盤、前方牽引姿勢、モートン足構造、 • 生理的要因:リンパ液停滞、内臓機能低下、ビタミンミネラル不足、甲状腺機能低下

  28. 治癒力阻害因子 永続化要因を矯正することが重要であることは、歩道の穴につまづいて下腿の骨を折った男についての逸話によって示される。 その男は治療を受けて下腿の骨は治癒したが、2ヶ月後同じ穴につまづいて再び下腿を骨折した。誰もその穴を埋めていなかった。もしわれわれが「穴を埋める」事なくすなわち、多くの永続化要因を矯正することなく筋膜痛症候群を治療すると 患者は治療と再発の果てしない悪循環を運命づけられる。 何ヶ月も、または何年間にもわたって筋膜痛に苦しんだ患者に対して、われわれはほとんどの時間を穴を埋める事に費やす必要があると考えている。           (Travell&Saimons)

  29. ストレスと身体疾患との関係 ストレス 精神状態 身体疾患 1,不安、パニック 2,抑うつ 3,欲求不満、葛藤 4,暗示 5,条件付け 6,心気症的

  30. 視床下部は恒常性の中枢 運動 感覚 視床下部 胃腸の運動 呼吸・循環 代謝・免疫 消化、吸収、排泄 肺・心臓・血管 血液・肝臓・腎臓

  31. 痛みは恒常性を乱す 痛み・不快な感情 視床下部 大脳辺縁系 脳幹網様体 不眠 自律神経の異常 精神症状 入眠障害 消化管の機能障害 うつ気分・やる気が出ない 中途覚醒 心臓血管系機能障害 イライラする

  32. 痛みの悪循環 痛みストレス 不眠 大脳辺縁系 交感神経活動亢進 血圧上昇 脈拍増加 心の痛み ストレス 血管収縮 動脈硬化 細胞の虚血 うつ状態 うつ病 筋肉硬直 皮下浮腫 皮膚乾燥 酸化ストレス 過酸化物質生成 細胞老化 寿命短縮 ミトコンドリアと 核の遺伝子損傷 細胞の異形化 (ガンの発症)

  33. 活性化要因を解決する! ①筋肉の使いすぎ ②悪い姿勢 ③身体に合わない家具や椅子 ④調整の悪いメガネ ⑤重心の癖 ⑥片側の聴覚障害

  34. 構造的要因へのアドバイス ①下肢長不均等・・・・・・・・・靴底や中敷きで調整する ②短い上腕・・・・・・・・・・・・・肘掛けの利用 ③半側小骨盤・・・・・・・・・・・マイ・半座布団の利用 ④モートン足・・・・・・・・・・・・・特殊中敷きを使う ⑤筋肉の使いすぎ・・・・・・・・家事や労働の分析・改善 ⑥悪い姿勢・・・・・・・・・・・・・頭の位置に気をつける ⑦前方牽引姿勢・・・・・・・・・腓骨頭の調整、前面の調整

  35. 下肢長不等のチェック 解決法⇒                 短下肢側の靴の踵を少し挙げる 短下肢 短下肢 短下肢

  36. 半側小骨盤の矯正 解決法⇒             小さい骨盤の下に敷物を入れる 小骨盤 小骨盤

  37. 姿勢の重要性 初源的自由の獲得 F、Mアレクサンダーは、ほとんどの人が顎を挙げ、頭を後に引く癖があることを発見した。これが過剰となると後頸部の緊張だけでなく背部の緊張を作り、それが身体全体に連動して行き、全身の緊張や呼吸機能、内蔵機能にまで影響を及ぼすため、頭部を重力に従った状態に保つ事が最も重要だとしている。

  38. 生理的要因を解決する! ビタミン不足⇒筋肉の収縮を阻害           ⇒神経系の刺激受容性の増大 ミネラル不足⇒神経系の刺激受容性の増大 甲状腺機能低下症・低血糖症・痛風体質 ⇒筋膜治療への反応が大幅に低下 内臓機能の低下⇒無意識下の緊張が亢進 リンパ液の停滞 ⇒発痛物質の生成、治癒力の低下

  39. 機能障害の連鎖 外傷、異常な筋パターン、内臓機能障害 などはブロック部位を生じさせる それを代償しようとして過度の運動性が生じる 椎間板 ヘルニア 二次的なブロックが発生 軟骨の すり減り 代償不全 軟部組織の変性

  40. 分節間の反射リンクと連鎖 症状は反射によって生じ 反射によって治癒する。 運動分節 内臓 皮膚 筋

  41. 動作痛(収縮痛)と短縮痛 収縮痛と短縮痛 収縮痛も短縮痛もその中身は収縮痛であり、収縮痛は随意的に収縮痛を起こしているのに対し、短縮痛では他動的に起始と停止を近づけているにもかかわらず不随意的な筋収縮が出現してくる点で異なる。

  42. 短縮固定と伸張固定 負の情動はすべて屈曲となって現れる・・・フェルデンクライス 他の動物が弱い部分、敏感な部分を敵から攻撃を受けないような体勢を取っているが、ヒトという動物はその部分をさらけ出している。その為、ビックリさせたり負の情動が続いているような場合、ヒトは身体の前面の弱い部分を緊張させ屈曲させる。 前面の緊張と短縮は呼吸を制限し、頭部を前下方に牽引し、前面はもちろん背部の筋に代償性の緊張をもたらす。つまり、背部の緊張は前面の緊張によってもたらされた固定の為、前面の緊張を弛めないと弛むことができない。ここでも「連鎖」の視点が重要で在ることが理解できる。

  43. 腰痛の原因の見つけ方 立位では前屈や後屈時に痛む 座位で前屈・後屈をする 痛む 痛まない 原因は脚の筋! 前屈で痛む 原因はそけい部の筋! 後屈で痛む 原因は腹部の筋!

  44. 3,痛み治療のあるべき姿 1,治癒とは・・・ 2,従来の治療に欠けている視点 3,痛み治療の実際

  45. 人はなぜ治るのか? 自然治癒 (自然経過) 非特異的効果 (プラシーボ効果) 特異的効果 (純粋な治療効果)

  46. 治療家が心がけること 治療の四原則を遵守する 1,自然治癒の過程を妨げない 2,自然治癒妨げているものを取り除く 3,自然治癒が衰えている時はそれを賦活する 4,自然治癒が過剰な時はそれを適度に弱める 偽薬効果を活用する 効果的で副作用のない治療

  47. 期待感と脳内モルヒネ • 対象と方法 • 健常者の咬筋に高張食塩水を持続注入後、鎮痛剤と偽ったプラシーボ静注群と無介入群の内因性オピオイド活性をPETで比較。 • 結 果 • プラシーボ群は脳内にエンドルフィン(鎮痛効果がモルヒネの6.5倍)が分泌されて痛みと不快感が緩和したことから、期待感は脳内モルヒネを増加させる。 (Jon-Kar Zubieta et al,J Neurosci,2005)

  48. 真実だがすべてではない! ・骨格の異常に原因:現代医学、カイロ ・心理社会的原因:心理療法、TMS理論 ・エネルギーに原因:気功、レイキ、鍼 ・筋膜の異常に原因:筋膜リリース ・脳脊髄液に原因:頭蓋療法 ・体液の流れに原因:リンパマッサージ ・腸の働きに原因:整腸マッサージ ・姿勢に原因:アレクサンダーT、動作法 ・TPの発生が原因:TPB注射、鍼、指圧

  49. 診断の手順 1,病歴、既往歴の把握 2,検査(視診、触診、動診、運動パターン) 3,症状の把握 3-1 発症の時期、状況、部位、性状、度合い 3-2 増悪因子・寛解因子、治癒力阻害因子 3-3 随伴症状や増悪の直前の状況 4,連鎖パターンの推定 4-1 分節・超分節・前方牽引姿勢・寛骨のバランス 4-2 内臓機能障害からの連鎖 4-3 関連痛の連鎖

  50. 痛み治療の基本 早期に痛みを解決する理論と技術 筋膜性疼痛症候群の概念・知識が必要 医療の基本はコミュニケーション 人体はユニットであることが前提(連鎖) 治癒力阻害因子の解決が重要

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