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「みんなの中で笑っている自分」. ~認知症や障害の有無を超えた関係作り支援を目指して~. 社会 福祉法人 興寿会 老人 デイサービス 興寿 苑 尾渡順子 角鹿里衣. 横須賀 興寿苑から来ました!. 午前中実施の個別レクの様子. ボランティアさんによる ステンシル絵作成. 午後のひとときは14:30~15:10 みんなで集団レクゲームを楽しんでいます!. 取り組み~集団レクゲームについて 私達は話し合いました。. 1.障害や認知症の有無を超えたみんなが楽しめるレクゲーム作りの工夫しよう. 幼稚なレクを排除しよう.
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「みんなの中で笑っている自分」 ~認知症や障害の有無を超えた関係作り支援を目指して~ 社会福祉法人 興寿会 老人デイサービス 興寿苑 尾渡順子 角鹿里衣
午前中実施の個別レクの様子 • ボランティアさんによるステンシル絵作成 午後のひとときは14:30~15:10 みんなで集団レクゲームを楽しんでいます!
取り組み~集団レクゲームについて私達は話し合いました。取り組み~集団レクゲームについて私達は話し合いました。 1.障害や認知症の有無を超えたみんなが楽しめるレクゲーム作りの工夫しよう 幼稚なレクを排除しよう 「ゲームなんてバカバカしい。 でもそのゲームすら出来ない 自分が情けない」 って、利用者さんが話してた。 自分の親が「チーチーパッパ」をやってるのを見たら哀しくなるよね。 私達はやめよう。 能力差を暴くレクを排除しよう
役割は交替出来るんじゃない?! 2.全員に役割を持って頂く場をつくろう 座っているだけの人って 「ここに呼ばれた意味がない」と思う。 私たちは「ここに集まって頂いた意味を作らなくちゃ」 疎外感を与えない 全員参加!!
やったことないことなんて、やりたくない 興味がないことを、やりたくない 知らない人や事柄の話はつまらない 3.自分や自分に関わる人、事柄をテーマに しよう 身近な話題でおしゃべりを引き出す
認知症・・・・記憶の区分と失われる順番 認知症・・・・記憶の区分と失われる順番 • 短期記憶 • 長期記憶 • エピソード記憶… • 自分の経験、出来事 • 意味記憶… • 事実、概念 • 手続き記憶… • 体で覚えた技能 • 意味記憶とは・・・ • 日本の首都は?東京、などの一般的知識、概念、文字などを通して学習した記憶のことで、言葉の意味や世界の在り方についての知識。 • ・ 結晶性知能を活かして経験談、回想を引き出してみよう
文字当てクイズ ☆最近のニュースを題材にキーワード二文字を当てる。 ☆40年前のニュースを題材にキーワードの二文字を当てる。 変わりビンゴ ☆思い出のスタービンゴ、歴史上人物ビンゴ、 往年のスポーツ選手ビンゴ、昔のおやつビンゴ、昔の行商ビンゴなどで回想話を楽しむ ☆横須賀市町名ビンゴ、女の人の名前ビンゴで、自分の馴染みの場所、好きな人への思いを引き出す 変わりすごろく ☆都道府県別観光名所をクイズにして止まった駒のクイズに答える。故郷自慢や旅行自慢のお喋りを引き出す。 (観光名所の他、美味しいもの、有名なお祭り、など)
上記のレク・ゲームを工夫してみた キーワード 「役割交替」 1.サイコロ振りやビンゴ札を引く役割 (偶然性利用、能力差が無い) • 2.コメントをする役割・・Yes Noコメンテーター • (Yes Noでのみ答えられる人) 3.答える役割・・回想コメンテーター (記憶障害があっても)昔話は得意 4.答える役割・・現役コメンテーター (理解力が高く、最新ニュースも熟知) 以上の役割を交替して、全員参加を目指す
文字当てクイズ例 福山 1 4 2 5 6 3 2 3 6 4 1 5 3 5 1 6 2 4 6 1 4 3 5 2
横須賀市町名ビンゴ 私、昔、A町に住んでたのー!
昔の行商ビンゴ カルメ焼き屋さんを知ってますか? あら、懐かしいわね~。 ざらめで作るのよ。 お母さんが よく作ってくれた!
いかけ屋 はいれ屋 らお屋 「昔は、鍋が壊れたら、なおして使ったのよ」 「本当ですか~?」 →利用者さんが先生になった!
変わりすごろく* 日本全国縦断クイズすごろく
うーん。 なんだっけ?! 福井県の 断崖絶壁? 東尋坊じゃない?
100万円当たったら? ほ 日産マーチ買う どひゃあ~ ほとんど発語のない利用者さんが・・・。
取り組みから得たことその1 • 疎外感や自信喪失感の排除 1.障害や認知症の有無に関係なく全員が参加をして役割を持つことを優先したので、疎外感や自信喪失感が軽減或いは排除された。
取り組みから得たことその1 • 疎外感や自信喪失感の排除 2.ゲームではあるが勝敗よりも「話題を提供し話を引き出すこと」を優先したので能力差を暴くことがなくリラックスした雰囲気の中、ゲームが進行した。
取り組みから得たことその1 • 疎外感や自信喪失感の排除 3.「知っていること」「出来ること」を把握し能力に応じた役割を振り分けた事により、得意分野にアプローチ出来た。主体的で自信に満ちた会話が続いた。
取り組みから得たことその1 • 疎外感や自信喪失感の排除 4.知的好奇心をくすぐり意欲を引き出せた。「してもらう」とは全く異なった「教える立場」を楽しんでいる様子だった。脳の活性化を意識したレクゲームとなった。
取り組みから得たことその2 • グループダイナミックスの相乗効果による人間関係作り支援 1.「自分の事、自分の好きな事」さらに「相手との共通点、相違点」を共有し自己開示、他者理解の場となった。
取り組みから得たことその2 • グループダイナミックスの相乗効果による人間関係作り支援 2.重度の認知症を有する方でもワイワイした雰囲気の中で「みんなの中で笑っている自分」「人との触れ合い」を感じている様子だった。
「女の人の名前ビンゴ」にて ←思わず涙が・・・・。 スミ子というのは私の妹の名前です。 戦時中食べるものがなくて 母のお乳が出なかった。 妹は1週間で死んでしまった。 だから名前だけでもこの世で何度も呼んであげたい。
今後の課題 単にご利用者の「認知症」「障害」を見るのではなく「その人自身」を見る為のアセスメント能力の向上が職員に必要と思われる。 ご利用者の「出来る、出来ない」「わかる、わからない」「したい、したくない」を見極め適切なサービスを提供する必要がある。 その人の思いや人権を尊重出来るようもっと情報を集め共有し「安らげる場所」「楽しい場所」を提供する。「早く興寿苑に行きたい」と言って(思って)頂けるデイサービスを目指したい。
参考資料 日本認知症ケア学会監修 認知症ケア標準テキスト