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上手な健康食品との付き合い方 ~ 健康食品に潜む落とし穴 ~

上手な健康食品との付き合い方 ~ 健康食品に潜む落とし穴 ~. 平成22年3月10日 診療技術部研修会. 富士市立中央病院 診療技術部 渡辺 数由. 健康食品を利用していますか?. 健康食品の利用目的. 「健康食品」利用の問題点①. 有害物質を含むものがある  ・クロレラ錠剤中にクロロフィルの分解物であるフェオフォルバイドが多量に含まれ重症の皮膚炎(光過敏毒性)。     - 1980 年代  ・中国製痩身用健康食品で 4 名が死亡。                       - 2002 年  ・南太平洋諸島で伝統的に利用する

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上手な健康食品との付き合い方 ~ 健康食品に潜む落とし穴 ~

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  1. 上手な健康食品との付き合い方~ 健康食品に潜む落とし穴 ~ 平成22年3月10日 診療技術部研修会 富士市立中央病院 診療技術部 渡辺 数由

  2. 健康食品を利用していますか?

  3. 健康食品の利用目的

  4. 「健康食品」利用の問題点① • 有害物質を含むものがある  ・クロレラ錠剤中にクロロフィルの分解物であるフェオフォルバイドが多量に含まれ重症の皮膚炎(光過敏毒性)。     -1980年代  ・中国製痩身用健康食品で4名が死亡。                       -2002年  ・南太平洋諸島で伝統的に利用する   植物カバを配合した鎮静効果をうた う「健康食品」で重症の肝障害。

  5. 「健康食品」利用の問題点② • 医薬成分を含むものがある ・糖尿病に効果があるように宣伝される「健康食品」にグリベンクラミドが検出されることがある。 ・「強精」を暗示する製品にバイアグラの成分が検出される。 ・痩身用健康食品に動物の甲状腺の乾燥粉末が混入されたり、「天天素」から2種類の医薬品(ジブトラミン、マジントール)が検出されている。

  6. 健康食品に医薬品が添加された事例厚生労働省ホームページより健康食品に医薬品が添加された事例厚生労働省ホームページより

  7. 「健康食品」利用の問題点③ • 有害物質を含まないが        特定の人々に有害作用をもたらす ・高尿酸血症・痛風患者はプリン体を高濃度に含むビール酵母、もつ、干物や、尿のpHを下げるクランベリージュースやプルーンエキスなどの摂取はよくない。 ・腎不全患者がタンパク質を含むクロレラ、粉末プロテイン、コラーゲン飲料の摂取は避けなければならない。

  8. 「健康食品」利用の問題点④ • 抽出・濃縮などによる特定成分の大量摂取 食品や食品成分であっても、特定のものを大量かつ長期的に摂取することにより有害作用を発言することがある。 ・β-カロテン摂取で喫煙者の肺がんが増加した研究がある。 ・ビタミンB6の大量摂取で  感覚神経障害を起こした  り、乾燥アマメシバ摂取で  重症の閉塞性細気管支炎  が起きている。

  9. 「健康食品」利用の問題点⑤ 食生活の改善を錯覚させる   ビタミンやミネラル、食物繊維などを含有する「健康食品」や野菜乾燥粉末が少量含有する「健康食品」がある。これらの利用により身体に良いことをしたような気分になり、本質的な食生活の改善から目をそむけさせる。そして問題解決したような錯覚に陥る。

  10. 「健康食品」利用の問題点⑥ • 「治療効果」の過信で医療を受けない  効能・効果を信じて本来の治療をないがしろにすることがある。「これさえ飲めば食事療法は不要」などの宣伝文句にのせられ、合併症を悪化させる例が糖尿病で報告されている。特に悪質な例として「癌に効く」などの宣伝文句で、わらにもすがりたい思いの人につけいる商法がある。

  11. 「健康食品」利用の問題点⑦ 非食品の食品化  「イチョウの葉」「はちやに」「鮫軟骨」はもともと食用歴はないにも関わらず「イチョウ葉エキス」「プロポリス」「グルコサミン」という「健康食品」になり、食品として取り扱われている。三者とも様々な薬理作用を有する物質なので、「健康食品」ではなく医薬品として取り扱われるべきである。 プロポリスの原塊

  12. イチョウ葉エキス 有効性 ドイツなどヨーロッパではイチョウ葉が医薬品として認可され、痴呆症(アルツハイマー病および脳血管性痴呆症)の治療,末梢動脈閉塞症の治療,耳鳴り・めまいの治療に有効。 危険性 ギンコール酸が含まれ、皮膚アレルギーの原因になる。ドイツでは5ppm以下と規制されているが、日本で販売されてイチョウの葉食品は1600ppmも含まれている商品がある。 出血(脳出血、硬膜下出血、皮下出血)のリスク要因がある。 抗けいれん剤(バルプロ酸ナトリウム)など薬物代謝酵素チトクローム450により代謝され血中濃度が低下する。

  13. プロポリス • 有効性 • 紀元前350年前からギリシャ人やアッシリア人に傷や腫瘍の治療に用いられていた。抗酸化作用や免疫力アップ作用があると考えられています。そのため、抗菌、鎮静、抗ストレス作用が期待されています。 • 危険性 • ミツバチ自身の分泌液と採取した樹液を混ぜて出来た巣の材料で、場所や季節によって成分がことなり、副産物を含むこともある。 • 蜂や蜂の生産物にアレルギーのある人(特に喘息患者)は使用禁忌 • 接触皮膚炎・皮膚発疹・肝機能不全・急性腎障害を起こした報告例がある。

  14. グルコサミン • 原料 • 動物の皮膚や軟骨、甲殻類の殻などから抽出する。 • 有効性 • グルコサミンは「関節の動きを滑らかにする」「関節の痛みを改善する」といわれています。骨関節炎に有効と思われている。しかし、重篤で慢性的な骨関節炎の痛みの緩和には効果を期待できない。 • 危険性 • 摂取により、血糖値・血圧・血中コレステロールや中性脂肪の上昇が報告されており、リスクのある人は注意して利用すべきである。 • 若い人が長期にわたって摂取すると、自然な軟骨再生力を弱めるとの報告がある。 • ワルファリンの作用を増強する可能性がある。INRの延長や喀血や点状出血が起こったという報告がある。

  15. 氾濫するエセ情報とマスコミ • 朝バナナダイエット(おもいっきりテレビ)   バナナの果物とゆうよりも、サツマイモとジャガイモを足して、2で割ったような成分値で、ダイエットに有効である科学的な根拠はない。 • 白インゲン豆ダイエット(発掘!あるある大辞典)    白インゲン豆を約3分間煎って粉末にし、ご飯にかけるとダイエットできると放送された。    しかし、加熱不足の生豆を食べて激しい嘔吐や下痢に見舞われた人が百数十人発生した。豆に含まれるフォセオラミンは学術的な効果は未検証。

  16. 「健康食品」産業界からの情報に注意 これを食べ(飲み)さえすれば問題は解決する。 と思い込みが! 健康食品産業 日常の食生活を見直し、改善するという努力の必要性にふれず、「これを利用すればよい」と商品を宣伝する。宣伝文句に虚偽・誇大表現が多いことが問題になっている。  地道な食生活の管理が不要と思いこませる、無責任かつ有害な表現が多い。

  17. 健康食品の情報の信頼度の見極め 情報の信頼性判断の指標

  18. 食物への安全と安心での新概念 • 食物にゼロリスクはありえない! • ヒトが食べてきた生物がヒトに食べられるように進化した形跡は全くない。 • 天然ものだから、化学物質よりも安全?天然物はヒトの健康に役立つよう進化しているでしょうか? • 癌学者の杉村隆先生は「どんな食べ物も発ガン物     質を含んでいます。問題は同種の発ガン物質     を繰り返し摂取しないで、出来るだけ危険を分     散することが肝要です。」と語っている。

  19. 安全か危険かは量と濃度によって決まる • どんな物質も毒物である。それが毒物になるかならないかは単に量の問題である。 酢酸      3.3g/kg 食塩      3.9g/kg ソルビン酸 10.5g/kg (食品保存料) LD50

  20. 食品の機能 • 1次機能(栄養) • 食品中の栄養素が生命の維持に果たす機能 • 2次機能(感覚) • 食品成分・食品組織が生体感覚に(味覚や臭覚)に訴える作用 • 3次機能(生体調節) • 食品中に共存する有害物質の中和・解毒作用、体調機能の調節、健康増進に働く作用

  21. 健康食品とは? • 「健康食品」を定義している法律はない。 • 従来から、なにかしら体によいと思われ流通している食品。 • 成分が保健機能食品として取り扱われたり、今後登録さえる可能性がある食品。 • 安全性は科学的証明がされているものは少ない。不十分な検討しかされていない。 • 疾病の治療に用いるべきものではない。疾病(特に生活習慣病)になるリスクを低減させる。

  22. 健康食品との付き合い方 健康食品(サプリメント)を利用する時には次のことに注意したい。 • 不足している食品は何かを明らかにする。 • とりすぎている食品は何かを明らかにする。 • その食品に含まれている栄養素を明らかにする。 • 自覚症状はあるかを明らかにする。 • 健康食品を選ぶ(成分・摂取量などを確認する) • 薬との関係については専門家に相談する。

  23. 健康食品の分類 食品 保健機能食品 特別用途食品

  24. 特別用途食品と保健機能食品の法規制 特別用途食品  乳児用            幼児用            妊産婦用            病者用            授乳婦用            高齢者用            特定保健用食品                           保健機能食品            栄養機能食品            一般食品 食品衛生法 健康増進法 栄養表示 基準

  25. サプリメント • アメリカのダイエタリーサプリメントから用いられるようになった。 • アメリカでは医薬品や食品とは別にサプリメントというカテゴリーが確立している。 • サプリメントはハーブ・ミネラル・アミノ酸などの栄養素を1種類以上含む栄養補給の製品で、錠剤、カプセル、粉末など通常の食品と形態が異なっている。

  26. 海外での健康食品に関する制度 • アメリカ • 栄養表示教育法 (NLEA:Nutrition Labelling and Education Act) • 栄養補助食品健康及び教育法 (DSHEA:Dietary Supplement Health and Education Act) • 欧州(EU) • 栄養・健康表示法 (Regulation on Nutrition and Health Claims Made on Foods) • フードサプリメント指令 (Directive 2002/46 EC on the Approximation of the Laws of the Member States Relating to Food Supplements)

  27. 健康補助食品 • (財)日本健康・栄養食品協会が定めた規格基準に適合した商品。 • 規格基準に適合しているかどうかというのは有効成分の含有量や有害物質の基準であり、有効性の表示はできない。

  28. 特別用途食品 • 厚生労働大臣の許可が必要 • 許可基準型と個別評価型がある。 • 個別評価型は、疾病に対しての有効性や食品としての安全性などの資料を提出し、許可要件を満たす必要がある。 • 厚生労働省令で授乳婦用・高齢者用、病者用など特定の保健の用途が定められている。

  29. 特定保健用食品① • 食生活において特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨を表示する食品。(健康増進法、食品衛生法) • 特定保健用食品の許可要件 ●食生活の改善が図られ、健康の維持増進に寄与することが期待できる。 ●保健の用途の根拠が医学的、栄養学的に明らかにされている。 ●適切な摂取量が医学的、栄養学的に設定できる。 ●添付資料などからみて安全なこと。 ●関与成分について、次の事項が明らかにされている。 物理学的、化学的及び生物学的性状並びに試験法、定性及び定量試験法 ●同種の食品が一般に含有している栄養成分の組成を著しく損なわない。 ●まれにしか食されないものでなく、日常的に食される食品。 ●関与成分が「医薬品の範囲に関する基準」含まれない。

  30. 特定保健用食品特定の保健の用途に関する表示①特定保健用食品特定の保健の用途に関する表示① 容易に測定可能な体調の指標維持及び改善の表示 • 認められる表示 • 血圧(血糖値、中性脂肪、コレステロール)を正常に保つことを助ける食品 • 体脂肪の分解を促進する食品です。体脂肪の増加を抑制する食品です。 • 認められない表示 (直接症状、疾病の改善につながる体調の指標) • 高血圧症を改善する食品です。

  31. 特定保健用食品特定の保健の用途に関する表示②特定保健用食品特定の保健の用途に関する表示② 身体の生理機能・組織機能の維持及び改善の表示 • 認められる表示 • 便通(お通じ)を良好にする(の改善に役立つ)食品です。 • カルシウムの吸収(沈着)を高める(促進する)食品です。 • 認められない表示 (明らかに疾病の改善に関係する) • 解毒作用・脂質代謝促進の効果がある食品です。

  32. 特定保健用食品特定の保健の用途に関する表示③特定保健用食品特定の保健の用途に関する表示③  身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的・慢性的でない体調の変化の改善を表現する。 • 認められる表示 • 肉体疲労を感じる方に適した(役立つ)食品です。 • 認められない表示 (科学的根拠が不明確) • 老化防止に役立つ食品です。

  33. 代表的な特定保健用食品の種類 2006年1月での登録されている特定保健用食品 567品目

  34.  血糖値を上昇させないための手段として、通常以下の方法が考えられる。多くの血糖値上昇を抑制する保健機能食品および薬剤もいずれかの機序を利用している。 血糖値を上昇させないための手段として、通常以下の方法が考えられる。多くの血糖値上昇を抑制する保健機能食品および薬剤もいずれかの機序を利用している。 糖そのものをあまり供給しない。 糖を腸管から吸収させない。 糖の体内利用を促進する。 血糖値に関与する健康食品①

  35. 血糖値に関与する健康食品②糖そのものをあまり供給しない血糖値に関与する健康食品②糖そのものをあまり供給しない 血糖の主な供給源はデンプンのような多糖類と砂糖のようなオリゴ糖である。砂糖は甘味料として用いられるが、その糖を糖以外に置き換えれば糖の供給は減少する。 • 羅漢果(ラカンカ)  ウリ科の植物で、昔から甘味料や生薬として用いられてきた。テルペングリコシド配糖体は砂糖の300~400倍の甘さがあり、カロリーはほとんどない。特別用途食品として販売されている。 • ステビア  ラカンカと同じくステビオシドが甘みを示す。特別用途食品でないが、カロリーオフの材料として利用される。ブラジルのハーブ医療では糖尿病や高血圧の治療・強心薬として利用されている。

  36. 血糖値に関与する健康食品③糖を腸管から吸収させないⅠ血糖値に関与する健康食品③糖を腸管から吸収させないⅠ 腸管から糖の吸収の抑制のために「糖の吸収を直接阻害する」方法と「単糖にしない」「糖取り込み受容体に競合する」など吸収機構を阻害する方法がある。 • 糖の吸収を直接防ぐ   難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、コンニャクマンナン、トウモロコシの食物繊維、その他の食物繊維 • 単糖にしない(α-グルコシダーゼの阻害作用・ヒトアミラーゼの阻害作用) グァバ葉ポリフェノール、L-アラビノース、豆鼓エキス、桑、サラシア、小麦アルブミン • 糖の取り込みに競合し吸収を抑制する   ギムネマ ガガイモ科のギムネマの葉。ギムネマ酸がグルコースの取り込みを競合的に抑制することが明らかになり、Ⅰ型糖尿病の患者にも有効性が確認されている。ギムネマを摂取すると、しばらく甘味を感じなくなる。

  37. 血糖値に関与する健康食品③糖の体内利用を促進する血糖値に関与する健康食品③糖の体内利用を促進する 血糖値を上昇させないために、インスリンのように糖の体内代謝を促進する方法がある。このような作用を有し、特定保健用食品として認められているものはない。 • バナバ  熱帯、亜熱帯に自生するサルスベリ科の多年生の常緑樹。バナバの血糖低下作用を示す有効成分は、コロソール酸で、インスリンと同様にグルコーストランスポーター作用を増強することが実験で確認されている。 • 血糖低下ミネラル  マグネシウムは糖代謝酵素の活性化、亜鉛はインスリン作用の活性化、クロームは不足すると耐糖能に異常をきたし、バナジウムは近年インスリン様作用が注目されている。クローム、バナジウムは毒性の強い金属なので注意を要する。

  38. 血糖値に関与する健康食品④ • 有効性 • 血糖値の上昇を抑制する目的では、有効とされるものが多い。 • 危険性 • 薬剤を使用した糖尿病の治療を行っている場合は、低血糖を発症する恐れがあるので、使用しない。 • 副作用 • 腹部膨満感が増強されたり、軟便や下痢発症することがある。 糖尿病で薬剤による治療を開始したら、 絶対に糖尿病に関係する健康食品は使用してはだめ!

  39. 高血圧と健康食品  「血圧が気になる方へ」と表示されている特定保健用食品が多数存在している。しかし、多少の効用は認められるが、明らかな効果は期待できない。 • 認可されている特定保健用食品 • ペプチド系;ラクトトリペプチド、鰯ペプチド、          ゴマペプチド、わかめ・鰹節の抽出物 • 非ペプチド;杜仲茶、ギャバ茶、リンゴ酢 • 血圧上昇抑制の機序 • アンギオテンシン変換酵素阻害 • アンギオテンシン変換酵素との競合阻害

  40. 高血圧の治療と健康食品の相互作用

  41. 脂質代謝改善に有用な特定保健用食品成分(中性脂肪編)脂質代謝改善に有用な特定保健用食品成分(中性脂肪編) • 中性脂肪の上昇しにくく、身体に脂肪を付きにくい。 • 食用油(ジアセチルグリセロール、中鎖脂肪酸) • 血中中性脂肪を低下させる • ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA) • 脂肪を消費しやすくする • 茶カテキン • 食後の血中中性脂肪の上昇を抑える   血中中性脂肪が高めの人の食生活改善 • ウーロン茶重合ポリフェノール

  42. 脂質代謝改善に有用な特定保健用食品成分(コレステロール編)脂質代謝改善に有用な特定保健用食品成分(コレステロール編) • コレステロールの吸収を抑制する • リン脂質結合 大豆ペプチド、植物ステロールエステル、植物ステロール、サイリウム種皮、 低分子化アルギン酸ナトリウム(海藻由来の食物繊維) • コレステロールを低下させる • ブロッコリー・キャベツ由来のSMCS(天然アミノ酸)、 大豆たんぱく質 ※飲みすぎ、あるいは体質・体調によりお腹がゆるくなる食品があります。 ※治療薬との相互作用の報告はないが、治療中の方は医師とご相談下さい。

  43. 癌と健康食品 科学的検証により有効性および安全性が確認された健康食品は存在しない。 中止すべきとも云えない 直接的な抗がん効果を目的とする治療は西洋医学で行う。ガン治療での健康食品の役割は、不安状態の緩和やQOLの向上を目的に食事・栄養の補給として利用されるべきである。 高頻度に利用されている健康食品 キノコ類(アガリスク、メシマコブ)、プロポリス、サメ軟骨

  44. 抗がん薬と健康食品の相互作用 ※1;効果減弱の可能性がある。現在、具体的な事例は確認されていない。 ※2;レッドクローバー、ノコギリヤシ、ワイルドキャロット、チェストベリーなど。

  45. 免疫抑制薬と健康食品  健康食品がリウマチの進行防止や臓器移植での拒絶防止に用いられる免疫抑制薬の効果を減弱させる組み合わせがあり、併用は絶対避けなければならない。 • 免疫を高める健康食品 • アガリスク、ケフィア、笹、ノニ、ビール酵母、プロポリスなど • レフルノミド • アジョワン、エキナセア、カバ、ケーラ、ビタミンA、緑茶抽出物の併用で重篤な肝障害(肝不全、急性肝壊死)の報告。 • タクロリムス • グレープフルーツの併用で効果が増大し、SJW(セント・ジョーンズ・ワートは薬物代謝酵素CYP3A4誘導作用がある)で減弱する。

  46. ワーファリンと食品の相互作用 医薬品の中でもワーファリンは厳格な用量設定が必要で、食品との相互作用は治療に重大な影響を及ぼす。

  47. ウコン(クルクミン) • 原料 • ショウガ科の植物で、「春ウコン」「秋ウコン」「ムラサキウコン」「ジャワウコン」があり、正式な和名のウコンは「秋ウコン」をさす。 • 使用される目的(有効性については信頼できるデータは十分ではない) • 「肝臓の機能を高める」「コレステロールを下げる」と云われている。 • 経口投与で抗脂血症作用がある。 • 肝臓における脂質過酸化を抑制する。 • 使用の安全な目安 • 食物に通常含まれる量であればおそらく安全。 • 妊娠中の多量摂取は月経出血と子宮を刺激するので使用しない。 • C型肝炎、急性及び重篤な肝障害、胃潰瘍、胃酸過多、胆道閉塞症は禁忌 • 危険性 • 過剰または長期間摂取すると、消化管障害あるいは消化管が不調になる • C型肝炎やB型肝炎、Ⅱ型糖尿病の原疾患の成人にウコンとの関連が疑われる肝障害あり、摂取中止により症状の改善または回復した。

  48. 青汁 • 原料 • 大麦の若葉、ケール、アシタバ、モロヘイヤ、桑の葉をジューサーなどで細かく粉砕し、原液または乾燥粉末にしたもの。 • 使用される目的(有効性については信頼できるデータがない) • 大    麦;「高血圧を予防する」「コレステロールを下げる」と云われて           いる。 • ケ ー  ル;ビタミン類、ミネラル類、酵素類などが、キャベツより多い。 • ア シ タ バ;俗に「糖尿病・高血圧の予防に効果がある」と、云われてい    る。 • モロヘイヤ;ビタミン類、カロテンなどが豊富。俗に「便通によい」と云わ          れている。 • クワ (桑);「コレステロールを下げる」と云われている。 • 危険性 • ケール;アセトアミノフェンの代謝を早め、血中濃度を下げる。        中国から輸入されたケールは基準以上の残留農薬の可能性

  49. 手術前に中止すべき健康食品

  50. 健康食品に関する情報の入手は インターネットのサイトから 国立健康・栄養研究所のホームページ へアクセスする。 上記の表題のカテゴリーを選択する。

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