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別紙 7 地域における公共交通の現況・問題点 高知市の公共交通は、都市地域において、鉄道や路面電車を基幹交通とし、多くのバス路線が運行されているが、自動車の普及等、移動手段の多様化により年々利用者が減少している。中山間地域においては、他の地域より先んじて進行する過疎化や高齢化による利用者の減少が深刻で、バス路線が廃止され、廃止代替路線として必要最小限の運行を維持してきたものの、さらなる利用者の減少により、その維持さえも困難な状況となっている。田園地域においては、集落が分散する地理的条件や農業を中心とする地域特性から、自動車への依存度が高いことに加え、近年の利用者の減少により、多くのバス路線が廃止され、公共交通の空白地域が生じている。 こうした中で、高知市全域における鉄道や路面電車、路線バスの公共交通を活性化し、地域住民の需要に則した効率的で、持続可能な公共交通体系を構築するため、公共交通に関する課題の顕在化が都市地域より先行する中山間地域と田園地域をモデル地域と位置づけると共に、全市的な課題を解決する方策を確立するため、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく法定協議会を設置し、地域公共交通総合連携計画を策定した。 高知市地域公共交通活性化・再生総合事業(調査事業)の概要 高知市地域公共交通活性化協議会 ○設置年月日:平成22年3月25日 ○構成員:学識経験者、高知市、高知県、公安委員会、道路管理者、四国旅客鉄道株式会社、土佐電気鉄道株式会社、土佐電ドリームサービス株式会社、高知県交通株式会社、株式会社県交北部交通、高知市ハイヤー協同組合、株式会社ですか、老人クラブ連合会、障害者連合会、商店街振興組合連合会、町内会連合会、NPO高知市民会議、旅館ホテル協同組合、教育委員会、医師会 高知市地域公共交通総合連携計画(案) ○総合連携計画の区域 高知市全域 ○基本的な方針 「市民とともに、人にやさしく、環境にやさしい交通の創造」 明るく慣習にとらわれない、自由と創造の精神の基に、市民協働のまちづくりとして 公共交通の維持・増進を図る ○総合連携計画の目標 ①公共交通の交通機能分担による総合的なネットワーク化 ②公共交通機関の連携を促進する交通結節機能の強化 ③公共交通空白地が点在する自然地域(中山間地域ゾーン・田園地域ゾーン) における移動手段の確保 ④すべての人が利用しやすい公共交通利用環境の整備 ⑤利用者ニーズに即した公共交通サービスの提供 ○主な事業 ・公共交通ネットワークの再構築に向けた検討 ・都市内交通における鉄道の役割分担の検討 ・中山間地域(鏡・土佐山地域)の地域交通の検討 ・田園地域(春野地域)の地域交通の検討 ○実施主体: 高知市、交通事業者、地域住民、行政関係機関
≪課題1≫ 鉄道、路面電車、バスの交通機能分担による効率化が必要≪課題1≫ 鉄道、路面電車、バスの交通機能分担による効率化が必要 ≪課題2≫ 鉄道駅等を拠点とした公共交通機関の連携が必要 ≪課題3≫ 公共交通空白地が点在する自然地域への対応が必要 ≪課題4≫ 公共交通を利用しやすい環境整備が必要 ≪課題5≫ 多様化する公共交通ニーズへの対応が必要 高知市地域公共交通活性化・再生総合事業(調査事業)の概要 連携計画策定調査 実施した調査の内容 地域住民の意見の反映 ①公共交通利用者意識調査 〔調査目的〕公共交通ニーズ(公共交通の満足度、利用における問題点等)と公共交通に対する 意向として、鉄道、路面電車、路線バスの利用及び、選択理由などの把握を目的とした。 〔調査対象〕公共交通利用者 〔調査内容〕日常の移動状況、公共交通のニーズと課題、公共交通の認識・意向、属性など ・老人クラブ連合会、障害者連合会、商店街振興組合連合会、町内会連合会、NPO高知市民会議、旅館ホテル協同組合、医師会など利用者や利用者の目的となる施設等の代表が参画する高知市地域公共交通活性化協議会を5回(予定を含む)開催し、協議を行った。 ・公共交通利用者意識調査、モデル地区住民意識調査、バス乗り込み調査を行った。 ・3つのモデル地区で地区住民による意見交換会を設置し、事業実施に向けた合意形成を進めている。(平成23年度も引き続き実施) ・パブリックコメントを実施予定。(期間:平成23年2月1日~平成23年2月21日予定) ②モデル地区住民意識調査 〔調査目的〕地域内での公共交通の利用状況、公共交通に対する意向、将来の利用意向の把握を 目的とした。 〔調査対象〕モデル地区の住民 〔調査内容〕日常の移動状況、地域交通の認識、公共交通へのニーズ、属性など ③バス乗り込み調査 〔調査目的〕公共交通の利用実態、公共交通に対する意向、将来の利用意向、利用の少ない区間や 多い区間の把握を目的とした。 〔調査対象〕モデル地区のバス路線 〔調査内容〕路線別・上下線別の利用状況、乗換の状況、地域交通の認識、公共交通へのニーズ、 属性など 協議会における検討 ○法定協議会開催状況 H22.3.25第1回高知市地域公共交通活性化協議会 (検討内容) ・「高知市地域公共交通活性化協議会」の設置 ・高知市地域公共交通活性化協議会規約・財務規程・事務局規程 ・地域公共交通総合連携計画策定調査実施計画認定申請書申請 H22.7.5 第2回高知市地域公共交通活性化協議会 (検討内容) ・高知市地域公共交通活性化協議会会議運営規程 ・平成22年度高知市地域公共交通活性化協議会会計予算 ・高知市地域公共交通総合連携計画策定調査業務委託事業者の決定方法 H22.11.9 第3回高知市地域公共交通活性化協議会 (検討内容) ・総合連携計画策定について ・その他 H23.1.7第4回高知市地域公共交通活性化協議会 (検討内容) ・総合連携計画(原案)について ・パブリックコメントについて ・事後評価について H23.3.2第5回地域公共交通活性化協議会(開催予定) (検討内容) ・総合連携計画(案)について ・パブリックコメントへの対応について ・国からの二次評価について ○協議会の公開状況: 協議会は公開で行われ、マスコミの取材や一般の傍聴があった 地域の問題点・課題 ○利用者が減少する中で、公共交通の利便性を維持するため、ムダをできる限り排除した運行が課題。 ○利用実態や需要量を勘案し、公共交通機関の特性を踏まえ、需給バランスに応じた輸送力の調整による効率的な運行が課題。 ○公共交通空白地が点在する自然地域において、移動手段を持たない移動制約者に対する移動手段確保の検討が課題。 ○公共交通空白地は、居住人口が少ないため、移動に関する需要量に応じた適切な移動サービスの検討が課題。 ○公共交通空白地が点在する自然地域において、移動手段を持たない移動制約者に対する移動手段確保の検討が課題。 ○公共交通空白地は、居住人口が少ないため、移動に関する需要量に応じた適切な移動サービスの検討が課題。 地域関係者の合意
高知市地域公共交通活性化・再生総合事業(調査事業)の概要高知市地域公共交通活性化・再生総合事業(調査事業)の概要 連携計画策定調査 地域公共交通に関する目標(案) 目標達成のために取り組む事業(案) ≪目標1≫ 公共交通の交通機能分担による総合的なネットワーク化 ○鉄道、路面電車、バスなど公共交通の利用実態による交通機能分担を踏まえ、計画的に公共交通機関の役割分担を設定し、その役割分担にあわせた総合的なネットワークの形成を目指す。 ≪目標2≫ 公共交通機関の連携を促進する交通結節機能の強化 ○鉄道、路面電車、バスが円滑に乗り継ぎできるように、鉄道駅などの交通結節機能を充実し、アクセシビリティの向上を目指す。 ○交通結節点における公共交通間の円滑な乗り継ぎができるように、ハード・ソフト面での対応を検討する。 ≪目標3≫公共交通空白地が点在する自然地域における移動手段の確保 ○自然地域に広がる公共交通の空白地と、廃止路線代替バス路線として維持されている区域を含めて、需要量に応じた持続可能な交通手段の導入を検討する。 ○地域における既存の移動手段を有効に活用し、共助、公助の各段階でできる方策を検討し、地域に根ざした移動の確保を目指す。 ≪目標4≫ すべての人が利用しやすい公共交通利用環境の整備 ○すべての人が安全に快適に公共交通を利用できるようバリアフリー化など利用環境整備を他計画と連携して推進する。 ○鉄道駅、電停、バス停では、自転車や自動車などから乗り換えができるように、利用環境の整備を検討する。 ≪目標5≫ 利用者ニーズに即した公共交通サービスの提供 ○超高齢社会を迎え、変化する利用者ニーズを踏まえ、路線や運行時刻の改善を検討し、現在と将来の利用者に利便性の高い公共交通サービスの提供を目指す。 ○外出率の低下が見られる高齢者などあらゆる世代の活動機会を確保するため、地域に応じた移動手段を検討する。 実施主体:10の計画事業を高知市、交通事業者、地域住民、関係行政機関が連携して実施 ●目指す公共交通体系に近づくことで、鉄道、路面電車、路線バス、地域交通の連携が進み、効率的な運行となることで、持続可能な公共交通が形成される。 ●公共交通空白地等に対する地域交通の導入により、高齢者などすべての人の活動機会が確保されることで、市民の日常生活の維持が期待される。 ●鉄道、路面電車、路線バスなど公共交通間の乗り継ぎだけでなく、自動車や自転車なども含めた乗り継ぎも良くなることで、すべての交通機関が共存できる地域社会が形成され、高知市の交通のベストミックスができる。 期待される効果