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修士学位論文. ATLAS 実験用ミューオン トリガーチェンバーの 性能評価. 物理学専攻(粒子物理学研究室) 宇田 純郎 平成 17 年 2 月 16 日. 内容. LHC 計画 ATLAS 検出器 TGC の構造 TGC の検査と結果 まとめ. LHC 計画. LHC(Large Hadron Collider) 大型陽子陽子衝突型円形加速器 CERN( 欧州原子核研究機構 ) にて建設中 2007 年稼動予定 加速器パラメータ 周長 :27km 重心系 14TeV の世界最高エネルギー バンチ間隔 :25ns
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修士学位論文 ATLAS実験用ミューオントリガーチェンバーの性能評価 物理学専攻(粒子物理学研究室) 宇田 純郎 平成17年2月16日
内容 • LHC計画 • ATLAS検出器 • TGCの構造 • TGCの検査と結果 • まとめ
LHC計画 • LHC(Large Hadron Collider) • 大型陽子陽子衝突型円形加速器 • CERN(欧州原子核研究機構)にて建設中 • 2007年稼動予定 • 加速器パラメータ • 周長:27km • 重心系14TeVの世界最高エネルギー • バンチ間隔:25ns • ルミノシティ(ビーム輝度):1034cm-2s-1 • 設置される検出器 • ATLAS(A Troidal LHC Apparatus) • CMS(The Compact Muon Solenoid) • LHC-B • ALICE(A Large Ion Collider Experiment)
ATLAS検出器 • 構成 • 内部飛跡検出器 • 電磁カロリーメータ • ハドロンカロリーメータ • ミューオン検出器 • ミューオン飛跡精密測定 • MDT、CSC • トリガー発生 • TGC、RPC • 全長44m、高さ22m、総重量7000t の世界最大の検出器 TGC
Doublet(各2重層) Triplet(3重層) ミューオントリガー検出器 • Barrel→RPC(Resistive Plate Chamber) • End Cap→TGC(Thin Gap Chamber) • ミューオントリガー • μ粒子の横運動量Ptによりトリガーシグナルを生成 • 外側4層(TGC2,TGC3)のうち少なくとも3層のHit要求 • 更に内側の3層(TGC1)のうち少なくとも2層のHitを要求 • Hitの位置から横運動量(Pt)を測定 • トリガー発生!
T5 TGCのタイプと生産台数 • 日本、イスラエル、中国で生産 • 日本グループは、T7,T5,T4を担当。KEKで生産 • TGCの必要枚数は1056枚 • →2枚重ね(Doublet)、3枚重ね(Triplet)で生産 T7
1.3m 1.4m TGCの構造 • 要求される性能 • 検出効率99%以上 • 時間分解能25ns以下 • High Rate(1kHz/cm2)環境下での 長期安定動作 • 構造 • Anode-Cathode間隔:1.4mm • Wire-Wire間隔:1.8mm • ガス:CO2+n-Pentane (55:45) • 印加電圧:+3.0kV • 動作領域:制限比例領域 • ガスゲイン:106 • 強度を保つためのサポート → 不感領域 • Wire、Stripで2次元読み出し
KEKで製作された全てのTGCが要求された性能を満たすか検査する。KEKで製作された全てのTGCが要求された性能を満たすか検査する。 検査項目 Gas Leak Test →気密性の検査 HV Test →HV印加時の安定性の検査 CosmicRay Test →TGC全面に渡っての検出効 率と一様性の検査 →信号到達時間の検査 TGCの検査
検査スケジュール • 枚数と期間 • 全部で約500Unitsを検査 • 検査スケジュール • 2007年には実験開始! • それまでに検査を終わらせて、CERNに運搬する必要あり
(sec) Leak Test(1) • 目的 • Chamber及びCO 2Channelの気密性の検査 • n-Pentaneを使用するため漏れていては危険! • CO2 Channelとは? • Chamberを取り囲む部分 • 2重に密閉しガス漏れを防ぐ • 検査方法 • Leak試験機を用いChamber本体、CO2 Channelを • 個別に600Paに加圧 • 5分後の降下圧力ΔPで合否判定 • Chamber本体:ΔP < 50Pa • CO2 Channel:ΔP < 100Pa
T4D:65% T7D:70% T7T:73% (4日以内) T4D:12台 T7D:34台 T7T:13台 (30日以上) 接着不良がほとんど。現在まで407台終了。 Leak Test(2) 台数 (日)
HV Test(1) • 目的 • CO2+n-Pentane(55:45)を用いHVを印加する事で • CosmicRay Test前にTGCの安定性を確認。 • 長時間HVを印加する事でゴミを焼き出す。 • 検査と合格基準 • CO2のみによる焼き出し • 2.9kVで6時間、3.0kVで1時間 • 以上連続印加で合格 • 混合ガスで3.1kVで8時間テスト • 8時間の連続印加で合格 • 3.3kVで1時間テスト • Currentのモニター • テスト中、常時Currentをモニター、記録
HV Test(2) • Current Monitor • TGCに流れる電流を記録 • 画像として確認可能 • HV Test中の放電 • ゴミなどを焼き切る際に、 • 放電に伴う電流の増加が見られ • 数μA流れる。 • HV Test中の放電が原因で急に • HVが印加出来なくなる。 • → もう一度CO2に戻してやり直す • → パルス状にHVをかけて焼き切る 5μ 0μ
上:Mixガス最初の3.0kVテスト 下:Mixガス最後の3.0kVテスト (1時間)上:Mixガス最初の3.0kVテスト 下:Mixガス最後の3.0kVテスト (1時間) HV Test(3) -2 0 2 4 6 8 10 (μA) -2 0 2 4 6 8 10 (μA) Current減少。焼き出し効果あり!
T4D:85% T7D:62% T7T:53% (4日以内) T4D:3.6枚 T7D:5.3枚 T7T:2.1枚 (週間ペース) HV Testの結果
CosmicRay Test(1) • 目的 • 宇宙線ミューオンを用いた検出効率の全面検査 • Scintillation Counter (トリガー用) • 宇宙線がいつ入射したかを特定 • 上26本、下22本の計48本設置 • トリガーレート:約50Hz • Drift Tube (飛跡の再構築用) • 宇宙線がどこを通過したかを特定 • 上下XY各3層俵積みのDrift Tube(計428本) • Drift時間からDrift距離を算出 • 上下3層用いて2次元の飛跡を再構築
CosmicRay Test(2) • TGC • アルミプレートに載せて検査設備へ • T4 Doubletで同時に8枚検査が可能 • 混合ガス:CO2+n-Pentane(55:45) • データ収集 • 各測定器、TGCからのアナログ信号を • エレクトロニクスでデジタル化 • TGCのHit情報:SWINEモジュール • 時間情報:TMCモジュール
Scintillation Counter 22本 → 26本 (上部のみ) Trigger rate 20Hz → 50Hz SWINE 24台 → 36台 1536ch → 2304ch ケーブル 96本 → 144本 PC増設 Wire用1台追加 プログラムの改良 T4,T5は長い! 一様性をみるため東と西へ移動し2箇所でデータ取得 CosmicRay Test(T7からT4,T5へ)
合成! CosmicRay Test(4) • データ解析 • Event Building & Data Conversion • データ変換 • Tracking • Drift Tubeの情報から飛跡の再構成を行う • Analysis Program 1 • ヒストグラム生成 • Analysis Program 2 • Tracking情報とTGC情報から検出効率算出 • Efficiency Mapper • 検出効率を視覚的に表示
検出効率 • 再構成された飛跡のみ使用 • ワイヤー、ストリップ個別に評価 • 評価の目安 • 検出効率 • 不感領域を含めて95%以上 • 不感領域を除いて99%以上 • TGCの一様性 評価方法
Layer0-Wire 99.5434 Layer0-Strip 99.5081
Layer1-Wire 99.567 Layer1-Strip 99.6405
Layer1 Wire Strip T7T(検出効率の低いもの) Layer2 Layer3
平面性と検出効率 • 検出効率が低い原因 • 悪いTGCの平面性データ確認 → 悪い • 平面性が悪くなる原因 → 接着時の歪み • 平面性と検出効率の関係 • 平面性が悪いと、ギャップ間隔が1.4mmよりも広がる。 • 内部の電場が下がり、ガスゲインが下がる。 • パルス波高が下がり、検出効率が下がる。 (単位:100μm)
T7Triplet efficiency 台数
T7Doublet efficiency 台数
T4Doublet efficiency 台数
枚数 検出効率分布 efficiency • 98%以下の枚数 • T7T:17枚(3.4%)T7D:4枚(0.4%)T4D:8枚(1.8%)
2.9kVでプラトーに達する Vth 100mV 検出効率の電圧依存性 efficiency Wire Strip HV
信号到達時間(Time Jitter) Layer0 Layer1 Wire Strip Time Jitter
Wire:27.2ns Strip:29.8ns(平均値) Time(ns) 枚数
①Stripの長さによる信号伝達時間の差 S θ θ 10000 8000 6000 4000 2000 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 遅れの原因 ②ミューオンの入射角依存性
Time(ns) Time Jitterの印加電圧依存性 HV
ATLAS実験においてTGCは高頻度の中性子環境に晒されるATLAS実験においてTGCは高頻度の中性子環境に晒される 劣化や放電現象により誤作動を起こす可能性あり 放射線劣化減少に実績のあるCF4を用いて評価 T4D 二台にCO2の変わりにCF4を流し、検出効率と Time Jitterを調べた。 CF4ガスでの動作検証
Vth 100mV 大きな差は見られない 検出効率の電圧依存性(CF4) efficiency Wire Strip HV
Time Jitter(CF4) • Time(ns) • Wire:22.4ns Strip:27.4ns (平均値) CO2より優れている!
Time Jitterの印加電圧依存性(CF4) • Time(ns) HV
まとめ TGC 418台検査 Leak407台合格 ( T7D:6台 T4D:5台) HV414台合格 (T7T:2台 T7D:1台 T4D:1台) Cosmic 検出効率:98%以下が1752Layer中、29Layer(1.7%) Time Jitter :WireとStripで差がある。 Wire,Strip共に25ns以上であった。 CF4 :検出効率に大きな差は無かった。しかし Time Jitterは CO2よりも優れていることがわかった。 輸送 現在までに3回輸送を行い、TGC 387台を無事CERNへ送った。 今後 2005年7月までにT5Doublet + 予備の検査を終了しCERNへ輸送 まとめと今後
2003年6月 T7Triplet 99台 2004年1月 T7Doublet 160台 2004年12月 T7Doublet 32台 + T4Doublet 96台 合計 387台を輸送 準備作業 神戸荷出し コンテナ詰め込み CERNへの輸送