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太陽浮上磁場・活動領域形成 に関する 大規模 MHD 数値シミュレーション

宇宙研 STP セミナー (2010 Nov. 25 ). 太陽浮上磁場・活動領域形成 に関する 大規模 MHD 数値シミュレーション. 鳥海 森 東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻(横山研 M2 ). 内容. イントロダクション これまでの研究について 2 次元軸方向計算 2.5 次元断面方向計算 (光球直下からの 3 次元浮上磁場計算) 3 次元浮上磁場計算 まとめと今後の課題 Appendix. 内容. イントロダクション これまでの研究について 2 次元軸方向計算 2.5 次元断面方向計算 (光球直下からの 3 次元浮上磁場計算)

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太陽浮上磁場・活動領域形成 に関する 大規模 MHD 数値シミュレーション

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Presentation Transcript


  1. 宇宙研STPセミナー(2010 Nov. 25) 太陽浮上磁場・活動領域形成に関する大規模MHD数値シミュレーション 鳥海 森 東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻(横山研M2)

  2. 内容 • イントロダクション • これまでの研究について • 2次元軸方向計算 • 2.5次元断面方向計算 • (光球直下からの3次元浮上磁場計算) • 3次元浮上磁場計算 • まとめと今後の課題 • Appendix

  3. 内容 • イントロダクション • これまでの研究について • 2次元軸方向計算 • 2.5次元断面方向計算 • (光球直下からの3次元浮上磁場計算) • 3次元浮上磁場計算 • まとめと今後の課題 • Appendix

  4. 太陽活動と磁場 • 太陽活動と磁場は密接に関連している • 活動領域はグローバルな磁束管が浮上して形成される (Parker 1955) • 活動領域はフレア・CMEを起こすなど宇宙空間に影響を与える 軟X線画像 (ようこう/SXT) 光球磁場 (SOHO/MDI) Fan (2004)

  5. 活動領域と浮上磁場 • 磁気浮力不安定性 • 磁束管内部は周囲に比べて軽いため浮力が生じる • 磁束管内部のプラズマが磁力線に沿って落下 • 内部の密度が減少し、ますます浮上

  6. 活動領域と浮上磁場 • 太陽内部の磁束管はねじれていると考えられている • 巻き成分が内向きの磁気張力をもつ • 磁気張力によって磁束管の崩壊を防ぐ 軸方向成分 BX + + 巻き成分 BΦ = = ねじれた磁束管B

  7. 活動領域と浮上磁場 北極 • 浮上磁場 • 太陽ダイナモの一部 • 磁気浮力によって対流層底部から浮上し、表面に活動領域を作る 対流層 Zwaan (1985) 放射層 中心核 赤道面

  8. 活動領域と浮上磁場 • 観測例:Strous & Zwaan (1999) • 垂直シートモデル • 各浮上イベントは垂直な平面内で生じる • 磁気要素の分裂とシア運動 光球磁場 Hα画像(彩層)

  9. 先行研究の概観 • 先行研究 • 浮上磁場の理論研究は、「対流層内部」と「外層大気」に二分されてきた • 大きなスケール差のため • 今後は浮上磁場を一貫して扱った研究が必要 Fan (2001) Moreno-Insertis (1996) 200,000km

  10. 浮上磁場研究の問題点・課題 • 問題点・課題 • 太陽のグローバルな磁束の輸送過程と、その結果としての活動領域形成の物理を知りたい • しかし、光学観測では太陽内部を見られない • また、理論研究は太陽内部・上空大気に二分されていた • 対流層から太陽表面を通じ、上空に至る一貫した磁束輸送過程の理解がなされていない • 特に、表面付近における浮上磁場のダイナミクスや活動領域形成の様子が未解明

  11. 本研究の目的 • 本研究の目的 • 太陽対流層の深さ2万kmからの磁束浮上MHD数値計算・理論モデルの構築 • 対流層・太陽表面・上空大気を一貫して扱う(初めての試み) • 深さ2万kmにおける磁束の存在条件を求める • 対流層の厚さ20万kmに対して、上部10% • 太陽内部の数値計算では深さ2万km程度までしか扱えない • 従来の光球~上空の計算では深さ2000 km程度(従来の10倍深い) -20,000km 200,000km

  12. 内容 • イントロダクション • これまでの研究について • 2次元軸方向計算 • 2.5次元断面方向計算 • (光球直下からの3次元浮上磁場計算) • 3次元浮上磁場計算 • まとめと今後の課題 • Appendix

  13. 2次元計算:2つのモード • 2次元計算には2通りのモードが考えられる • 軸方向計算  → 純粋な2次元計算 • 断面方向計算 → 奥行き成分をもつ「2.5次元計算」 z z y x y z x

  14. 内容 • イントロダクション • これまでの研究について • 2次元軸方向計算 • 2.5次元断面方向計算 • (光球直下からの3次元浮上磁場計算) • 3次元浮上磁場計算 • まとめと今後の課題 • Appendix

  15. 2次元軸方向計算 光球は等温成層 = 対流安定 • セットアップ LX = 160,000 km +200 LZ = 80,000km z/H0 磁束の厚さ D = 1000 km -200 NX ×NZ =1536×1920 x/H0 -400 +400 BX = 104 G, Φ = 1021Mx 磁束管の初期深度 -20,000 km (底面積D×10Dの直方体を仮定)

  16. 2次元軸方向計算 密度、磁力線、速度場

  17. 光球付近における減速 • 磁束上の流体 • 磁束が浮上すると流体が磁束上に蓄積する • 光球は対流安定なので、流体は光球を突破できない • 蓄積した磁束上の流体が磁束の浮上を抑制する

  18. パラメータ研究 • 現実的な活動領域を形成する磁束の条件 • 深さ2万kmにおいて • 磁場強度 B = 104 G、総磁束量 Φ = 1021-1022Mx

  19. 内容 • イントロダクション • これまでの研究について • 2次元軸方向計算 • 2.5次元断面方向計算 • (光球直下からの3次元浮上磁場計算) • 3次元浮上磁場計算 • まとめと今後の課題 • Appendix

  20. 2.5次元断面方向計算 光球は等温成層 = 対流安定 • セットアップ LY = 160,000 km +200 LZ = 80,000km z/H0 磁束管半径 D = 1000 km -200 NX ×NZ =1536×1920 y/H0 -400 +400 BX = 1.5×104 G, Φ = 4.7×1020Mx 磁束管初期深度 -20,000 km

  21. 2.5次元断面方向計算 密度、磁力線、速度場

  22. パラメータ研究 • 現実的な活動領域を形成する磁束の条件 • 深さ2万kmにおいて • 磁場強度 B = 1.5×104 G • ねじれ強度 > 5.0×10-4 km -1 + =

  23. 2次元計算のまとめ • 深さ2万kmからの磁束浮上計算 • 光球付近で減速し水平に広がった構造を形成する • B = 104 G、 Φ = 1021-1022Mx、ねじれ > 5.0×10-4 km-1 • 減速の物理 • 磁束上の流体は光球面を突破しづらいため、下方の磁束を抑制する • 軸方向計算と断面方向計算 • 断面方向の浮上が速い • 断面計算では磁束上の流体が流れ落ちるため • 3次元計算の困難さ • グリッド数が膨大になる(N = 106 → 109)

  24. 内容 • イントロダクション • これまでの研究について • 2次元軸方向計算 • 2.5次元断面方向計算 • (光球直下からの3次元浮上磁場計算) • 3次元浮上磁場計算 • まとめと今後の課題 • Appendix

  25. 3次元浮上磁場計算 • セットアップ • 2次元計算と同じ初期条件 NX ×NY×NZ =512×256×1024 =108(非一様グリッド) LX = 160,000 km LZ = 90,000km +250 LY = 80,000km z/H0 +200 y/H0 -200 -200 -400 x/H0 +400

  26. 3次元浮上磁場計算 • 磁場強度 log(B/B0) • x<0, y>0のみ表示 • 表面付近で水平に広がった構造をとる • 上空に複数の磁気ドームを形成する

  27. 3次元浮上磁場計算 • 磁束高度・浮上速度の時間発展

  28. 3次元浮上磁場計算 • 光球面磁場BZ/B0 Fan (2001)

  29. 3次元浮上磁場計算 • 光球面磁場BZ/B0と磁力線 • 磁気要素の分裂、シア運動が見られる • 磁力線は磁気要素を結合している

  30. 3次元浮上磁場計算 • 結果のまとめ • 磁束管は対流層を浮上する • 対流層内部で減速が生じる • 光球付近で平らな構造を形成する → これまでの2次元計算と一致 • 上空に複数の磁気ドームが形成される  (しかしあまり大きくは成長しなかった) → 交換モード不安定による浮上

  31. 3次元浮上磁場計算 • 議論 • 光球付近に平らな磁場構造が形成された • 従来の浮上磁場の描像は多少修正される必要がある → 磁束管はさほど直接的に浮上しているようではない Zwaan (1985)

  32. 3次元浮上磁場計算 • 議論 • 光球面で「交換モード不安定」による磁場の浮上が見られた • 磁場の分裂(=浮上)とシア運動 • Strous & Zwaan (1999)の観測に酷似している Strous & Zwaan (1999)

  33. 3次元浮上磁場計算 • 議論 • 「垂直シートモデル」は、光球付近で水平に広がった磁場が交換モード不安定を起こして浮上した結果と考えられる • 従来の解釈を包含した新たなモデル

  34. 3次元浮上磁場計算 • 議論 • シア運動:内側の磁力線の浮上による • 磁束管の内側ではねじれが弱いため、より内側の磁力線が浮上するとフットポイントが移動する Outer fields Inner fields

  35. 内容 • イントロダクション • これまでの研究について • 2次元軸方向計算 • 2.5次元断面方向計算 • (光球直下からの3次元浮上磁場計算) • 3次元浮上磁場計算 • まとめと今後の課題 • Appendix

  36. まとめ • 深さ2万kmからの2次元、3次元浮上磁場計算 • 磁束は磁気浮力により対流層を浮上する • 光球付近で減速しつつ水平な磁場構造を形成する • 上空にひとつ、または複数の磁気ドームを形成する • 3次元計算では、光球において交換モード不安定が生じ、磁気要素の分裂(=浮上)とシア運動が見られた • 観測との比較 • 磁気要素の分裂・シア運動は実際の観測に一致 • 垂直シートモデル(Strous & Zwaan, 1999) は、光球付近の水平な磁気構造から交換モード不安定によって磁力線が浮上したものと考えられる

  37. 今後の課題 • 複数の磁気ドーム • 単一のコロナループは形成されるのか? • 黒点の形成 • 磁気要素が集合して黒点は形成されるか? • パラメータ研究 • 磁場強度、ねじれ強度などを変えてモデルの普遍性を確認したい • 輻射過程 • 光球付近では輻射が強く作用する • 対流はどの程度影響を及ぼすのか

  38. Thank you for your attention! Fin.

  39. 1. Introduction

  40. 2. Previous 2D Works

  41. 3. 3D Calculation

  42. 4. Summary and Future Works

  43. 4. What to Study in HAO

  44. What to Study in HAO • Emergence from -20,000 km • Experiment in 3D • Preferable conditions have been obtained in 2D parameter studies. • It takes huge numerical resources. (e.g. N~106→ 109) • Weakly twisted tube • Can the tube with qH0<0.1 emerge? Field strength? Tube radius? • Others • Interaction between emerging flux and the convection.

  45. 2-4. 2D Parameter Study

  46. Parameter Study • Varying Field strengthBX Total fluxΦ to study the condition of the flux emergence. Field strengthBX Total fluxΦ

  47. Parameter Study ◇: two-step emergence ×: failed emergence *: direct emergence dotted: results by TFT model (Moreno-Insertis et al. 1995)

  48. Parameter Study • *: Direct emergence • without any deceleration at the surface • field strength is too strong • not appropriate for an active region model

  49. Parameter Study: BX-Φ too strong Density, field lines, and velocity vectors

  50. Parameter Study • ◇: Two-step emergence • field strength is too strong

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