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平成 25 年度学校給食業務担当職員研修会 鹿児島市 食育支援 事業

平成 25 年度学校給食業務担当職員研修会 鹿児島市 食育支援 事業. 食を巡る諸問題を子供達にどのように伝えるか?. 鹿児島大学名誉教授 岡本嘉六. 食べることは、生きることの基礎であり、誕生以来、食べることを通して様々なことを学習し、躾(しつけ)られてきた。 「学校給食法」

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平成 25 年度学校給食業務担当職員研修会 鹿児島市 食育支援 事業

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  1. 平成25年度学校給食業務担当職員研修会 鹿児島市食育支援事業 食を巡る諸問題を子供達にどのように伝えるか? 鹿児島大学名誉教授 岡本嘉六 食べることは、生きることの基礎であり、誕生以来、食べることを通して様々なことを学習し、躾(しつけ)られてきた。 「学校給食法」 第一条  この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、学校給食及び学校給食を活用した食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ることを目的とする。 第一章 総則(第1条~第5条) 第二章 学校給食の実施に関する基本的な事項(第6条~第9条) 第三章 学校給食を活用した食に関する指導(第10条) 第四章 雑則(第11条~第14条)

  2. 第二条  学校給食を実施するに当たっては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない。 一  適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること 二  日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと 三  学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと 四  食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと 五  食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと 六  我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること 七  食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと

  3. 食品の機能 第一次機能 栄養: カロリー、タンパク質、脂肋、糖質、ビタミンなど 第二次機能 嗜好性: 味、香り、色、歯ごたえ、舌触りなど 第三次機能 健康増進: 体調の調節、疲労回復、老化防止など 食品衛生 Codex委員会の定義 「食糧生産流通網(food chain)の全ての段階における安全性と適切性を確保するために必要な全ての条件と手段」  40年前のCodex定義は、安全性(Safety)、完全性(Wholesomeness) 、健全性(Soundness)を確保するとなっていた。 食料を巡る課題 安全性(Safety:健康障害を起こさない)、 品質(Quality:栄養価・風味・食感)、 安全保障(Security:食料不足による健康障害の防止)、 防犯(Defense:犯罪やテロによる意図的汚染の防止)など 食文化と健康

  4. 食料安全保障(Security:食料不足による健康障害の防止)食料安全保障(Security:食料不足による健康障害の防止) ライ麦パンを常食している中世ヨーロッパで麦角中毒がしばしば発生した。18世紀のフランスで8000人の中毒死が記録されている。1926年から1927年にかけてロシアで大規模発生し1万人が被害を受け93人の死者を出した。幻覚とともに、血管収縮によって四肢の血液循環が阻害され、壊疽が引き起こされ四肢を失った事例もある。 天候不良による凶作時は、完熟せず、水分含量が高いのでカビが着生し易く、カビていない穂が少ない。麦角菌に汚染されたライ麦は黒くなるので肉眼的に排除可能であるが、凶作で食べるものがない状況では、黒変した穂が多少混入していても食べてしまう。 日本の稲に麦角菌は着生しないが、戦後の食糧難時代に、カナダから船で運ばれた小麦の汚染が見つかった事例がある。 麦角菌の生えた麦の穂

  5. 1951年12月にビルマ(現 ミャンマー)から輸入された6,700トンの米の約1/3が黄変米であることが判明。ペニシリウム属(P. islandicum, P. citrinum, P. citro-viride)が産生するカビ毒は、肝臓障害、腎臓障害、中枢神経障害などを引起し、肝硬変や肝癌に至る場合もある。 1942年制定された「食糧管理法」で、米穀通帳による米の配給制度が始まり、1969年の自主流通米制度発足まで続いた(法律は1981年まで存続)。 黄変した米粒が1%未満であれば配給米、10%未満であれば加工食費用とする措置が採られた。タイ国黄変米でも同様の措置であった。 わずかな配給米は飢えをしのぐ程度であり、ヤミ米の取引が横行した。違法行為に手を染められない裁判官が、育ち盛りの子供達に食べさせて自らは餓死した事例が有名。 顕微鏡写真 量が不足すると安全性が脅かされる

  6. ほとんどのカビ毒は耐熱性であり、通常の調理では毒性は減らない。すなわち、生産・流通段階での制御が必要。ほとんどのカビ毒は耐熱性であり、通常の調理では毒性は減らない。すなわち、生産・流通段階での制御が必要。 天候不良により完熟せず水分含量が多いと、農場段階だけでなく、保管・輸送中に増殖する。このカビは、沖縄以外の日本国内にはない。 1960年にイギリスで七面鳥が大量死した原因物質として、アスペルギルス属(A. flavus , A. parasiticus)が産生するアフラトキシンが見つかった。飼料原料のピーナッツ粕にカビが着生していた。熱帯から亜熱帯に分布するカビ。 ナッツ類、トウモロコシなど アフラトキシンB1、B2、G1 、G2 汚染飼料を乳牛に与えると 乳および乳製品 アフラトキシンM1、M2 急性毒性は強くないので、通常の食中毒事故は少ない。しかし、発癌性が強く、肝臓癌の原因となることから、国際基準が設けられている。

  7. アフラトキシンB1摂取量と肝臓癌発生率の関係アフラトキシンB1摂取量と肝臓癌発生率の関係 AFB1摂取量 (ng/kg体重/日) 肝臓癌の発生率 (/100万人/年) 国名 地域 High veldt Middle veldt Lebombo Low veldt 14.3 40.0 32.9 127.1 35 85 89 184 スワジランド Manhica-Mangud Massinga Inhambane Inharrime Morrumbene Homoine-Maxixe Zavala 20.3 38.6 77.7 86.9 87.7 131.4 183.7 121 93 218 178 291 479 288 モザンビーク 低地の草原地帯(Low veldt)は高地草原地帯(High veldt)よりも高温多湿なためカビの着生が多い。したがって、アフラトキシン摂取量も多く、それに応じて肝臓癌の発生率が高くなっている。

  8. 食安発0331第5号 平成23年3月31日 都道府県知事殿                厚生労働省医薬食品局食品安全部長 アフラトキシンを含有する食品の取扱いについて 1.アフラトキシンを含有する食品の取扱い 総アフラトキシン(アフラトキシンB1、B2、G1 及びG2 の総和)を10 μg/kg(0.01ppm、10ppb)を超えて検出する食品は、食品衛生法第6条第2号に違反するものとして取り扱うこと。 2.検査方法 (1)検体採取量について、食品1粒重量が0.1g 以下のものについては1kg を、0.1g を超えるものについては5kg を適用すること。また、粉末状食品については、粉末化によるロットの均質性を踏まえ1kg を適用すること(別添参照)。 配合飼料の基準値(アフラトキシンB 1 mg/kg又はppm) ほ乳期子牛用、乳用牛用、ほ乳期子豚用、幼すう用、ブロイラー前期用: 0.01 その他の配合飼料: 0.02 ペットフードのアフラトキシンB1の基準値案: 20ppb(0.02ppm) 2005年12月、米国のペットフードメーカーがアフラトキシンに汚染されたとうもろこしを用いた製品により、犬が23頭死亡し、18頭が健康被害を受けた事故が発生。ペットフードで61~376ppb、原料のトウモロコシで90~1851ppbの汚染が確認された。

  9. 規制値を低くすると廃棄率が高くなり、値段が高騰して庶民は食べられなくなる。米国が10ppbを採用した根拠は、一生涯食べ続けても100万人に1人のリスクと査定されたことによる。規制値を低くすると廃棄率が高くなり、値段が高騰して庶民は食べられなくなる。米国が10ppbを採用した根拠は、一生涯食べ続けても100万人に1人のリスクと査定されたことによる。 「アブナイ」だけを伝えないで、「生きることは何がしかのリスクを背負うことである」と説明する。

  10. 死亡の機会を0.000001増やすリスク 100万人に1人のリスクを具体的に計算して示すことにより、通常の日常生活で許容している範囲内であることを理解するよう努めてきた。ゼロリスクはあの世だけ。

  11. 防犯(Defense:犯罪やテロによる意図的汚染の防止)防犯(Defense:犯罪やテロによる意図的汚染の防止) 中国製ギョーザ事件 2007年12月下旬から2008年1月にかけて、中国の天洋食品が製造、ジェイティフーズが輸入、日本生活協同組合連合会が販売した冷凍餃子を食べた千葉県千葉市、市川市、兵庫県高砂市の3家族計10人が下痢や嘔吐などの中毒症状を訴え、このうち、市川市の女児が一時意識不明の重体になった。 原因物質は日本で許可されていない有機リン系殺虫剤メタミドホス( ADI:0.0006mg/kg 体重/日)であったが、通常の使用で起きる汚染濃度をはるかに超える濃度(3580ppm)であり、製造・流通過程における意図的混入の疑いが濃厚であった。 混入した場所と時期を巡って、日中間で見解の不一致が続いたが、中国国内でも同様の事件が発生し、2010年3月16日、ギョーザに毒物を混入させた容疑で天洋食品の元従業員が拘束された。動機は給料・待遇に対する不満や同僚とのトラブルで、個人的な鬱憤を晴らすためだった。 国内発生初期段階での苦情処理の不適際が指摘された。

  12. 中国製冷凍いんげん事件 2008年10月14日、イトーヨーカドー八王子店で販売されたニチレイフーズの中国製冷凍いんげん」らジクロルボスが検出された。 検出量は、最大で6900ppm(日本の食品安全基準は0.2ppmでおよそ34500倍)。10月12日に購入した主婦は、調理後、味見の際に舌に痺れを感じ、すぐに吐き出したが、病院に入院することになった。 翌日に主婦は退院した。厚生省では、検出量が残留農薬とは考えられないほど大きいので、原液を混入させたものと考えている。 メラミン混入事件 中国メーカーが食品のタンパク質含有量(窒素含有量)を贋造するために利用した。2007年メラミンが混入された中国企業製ペットフードがアメリカ等に輸出され、多数の犬や猫が主に腎不全で死亡する事件が起きた。2008年には中国でメラミン混入粉ミルクが原因で乳幼児に腎不全が多数発生する事件が起きた。中国の公式発表だけで、5万3000人を超える被害者のほとんどは3才以下で、4人が腎結石で死亡したとされているが、実態は30万人を越えていると中国メディアは報じている。

  13. 和歌山毒物カレー事件 1998年7月25日夕方、和歌山市で行われた夏祭において、提供されたカレーに亜ヒ酸が混入された。67人が腹痛や吐き気などを訴えて病院に搬送され、4人(64歳男性、54歳男性、16歳女性、10歳男児)が死亡した。 模倣毒物混入事件 ポットにアジ化ナトリウム(新潟 、 8.10)、簡易水道タンクに除草剤(鹿児島 、 8.15 )、寺のポットに殺虫剤(新潟 、8.24)、コンビニ缶烏龍茶に青酸(長野、 8.31) 、瓶入り清涼飲料水に殺虫剤(奈良、 9.2)、社員食堂のソースに界面活性剤(岐阜、 9.7)、中学の麦茶に漂白剤(大阪 、 9.11)、缶入りコーヒーに農薬(栃木、 9.15)、京大の玄米茶にカドミウム(京都、 9.18)、小学校の給食の牛乳に洗剤(大阪 、 9.21)・・・ 事故米不正転売事件 農薬のメタミドホスとアセタミプリドが残留している米や、発癌性のアフラトキシンB1を含んだ米であるいわゆる事故米穀(ベトナム産うるち米、中国産もち米など)を、三笠フーズが工業用(非食用)として仕入れておきながら、酒造会社や菓子メーカーに転売したことが2008年9月に発覚した。

  14. WHO: テロリストの食への脅威 防止と対処のシステムを確立強化するための手引き(2008年5月改定) 2002年5月、第55回世界保健総会は、生物や化学物質あるいは放射性物質の意図的悪用(deliberate use)による市民に対する脅威について深刻な懸念を表明した決議WHA55.16を採択した。 その中で、食料を介してそうした危害物質を播種することが可能なことに留意し、国のシステム強化に関して加盟国、とくに発展途上国に対して防御手段と支援を提供するよう事務局長に要求した。 米国米国食品医薬品局(FDA) 食料部門の脆弱性査定のためのCARVER+Shock法 テロリストや犯罪者が食料生産提供網に対して、有害物質の意図的混入を図るのを防ぐための手段を示した。最も脆弱な施設・設備が狙われ易いとして、外部からそれを特定しにくくするとともに、侵入者が一目で判るように、部署ごとに特徴ある制服を着用するなどの方策を提示している。とくに、水道タンクの出入りは、施錠した上で、特定の者以外が入れなくした。 学校給食は社会的反響が大きいことから、要注意施設である。

  15. 防犯(Defense:犯罪やテロによる意図的汚染の防止)防犯(Defense:犯罪やテロによる意図的汚染の防止) 給食調理施設での注意事項 1.犯罪者等の攻撃目標となり得ることを自覚する。 2.材料の納品を確実に点検する(不審者が毒入り原料を配達する可能性。堺市学校給食事故では玄関先に納品物を放置した) 3.部外者を調理室に入れない。 4.私物を調理室に持込まない。 児童・生徒への一般的注意事項 1.不審物を食べない。たとえば、自販機に余分の商品があった場合に、「儲かった」と思わず、「怪しい」として、自分で買った以外のものは手にしない。 2.見知らぬヒトからもらったものを食べない。外見では、善人か犯罪者かは判らない。 3.ロッカーや机の中に食べ物を放置しない。とくに、開封した食べかけのものに有害物質を加えることは簡単。 小学生に切りかかる犯罪者がいる時代であり、自分の身を護る最小限の用心を教えることも必要である。

  16. 食料安全保障(Security:食料不足による健康障害の防止)食料安全保障(Security:食料不足による健康障害の防止) 国民一人当りカロリー供給量 2100kcal以下の飢餓と栄養失調に苦しむ国と、3200kcal以上のメタボに悩む国があり、「食の権利」に関する不平等が、テロや犯罪の温床を形成しているとも考えられる。

  17. 総摂取カロリーに占める動物性蛋白質の割合(%)総摂取カロリーに占める動物性蛋白質の割合(%) 発展途上国が肉をもっと食べると、穀物不足はさらに深刻化する 1kgの肉の生産に、鶏 2kg、豚 4kg、牛 10kagの穀物を消費する

  18. 開発途上国の栄養不良人口 国連は「新世紀の発展目標」の第1に「2015年までに栄養不足人口を半減する」を掲げたが、その実現可能性は?

  19. 国連は13日、2050年までに世界の人口が96億人に達するとする新たな人口推計をまとめた。インドが28年ごろに中国を抜いて、人口第1位となる見通し。最新の調査では、現在の世界人口を72億人と推定、50年の人口推計を96億人と3億人増やした。途上国の人口が59億人から82億人に増える計算だが、先進国は「現在とほぼ同じ」。欧州は今世紀末までに14%減るとした。(日経新聞6月14日)国連は13日、2050年までに世界の人口が96億人に達するとする新たな人口推計をまとめた。インドが28年ごろに中国を抜いて、人口第1位となる見通し。最新の調査では、現在の世界人口を72億人と推定、50年の人口推計を96億人と3億人増やした。途上国の人口が59億人から82億人に増える計算だが、先進国は「現在とほぼ同じ」。欧州は今世紀末までに14%減るとした。(日経新聞6月14日) 100年間で3倍以上に増え続ける人口を     養う農業生産技術があるのだろうか? 2009年 の世界食糧サミットで、生産の70%増が呼掛けられたが、果たして可能か? 組み換え技術などに拒否反応している日本では、休耕田が荒れ果てている。

  20. 食文化と健康 赤身肉を多食すると大腸癌のリスクが高まるとする研究発表が数多くある。英国の国民保健サービス(NHS)は、男性の10人に4人、女性の10人に1人が一日90g以上食べており、70g以下に減らすよう求めている。鶏、七面鳥、アヒル、ウサギなどの白身肉を奨励している。 魚食文化の日本では、赤身肉の摂取量は未だ少ないが・・・ Red meat and the risk of bowel cancer

  21. 食品、栄養、運動と結腸・直腸の癌 2011 Food, Nutrition, Physical activity and Cancers of the Colon and the Rectum 2011 リスクを減らす リスクを増やす 赤身肉、加工肉 飲酒(男性) 体脂肪 過度の肥満、身長 運動 食物繊維の多い食品 説得力あり ニンニク、乳 カルシウム 可能性が高い 飲酒(女性) 澱粉を含まない野菜 果物、 ビタミンDを含む食品 鉄を含む食品、チーズ 動物脂肪を含む食品 砂糖を含む食品 おそらく 魚、血糖値、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、セレン、低脂肪、食習慣 不確実 米国癌センター(American Institute for Cancer Research) Conclusions from the updated evidence for colorectal cancer

  22. 日本人に多い胃癌の原因 はっきりとした胃がんの原因は解明されていませんが、日本人の生活様式の変化、特に食生活を中心とした生活習慣に強く依存しているようです。塩分の多い食事、熱すぎる料理、焦げのついた食物を摂ることや、過食や早食い等も胃がんのリスクを高めるといわれます。また、飲酒量や喫煙量の多い人も危険性が高いようです。たばこの中に含まれる有害物質が胃の粘膜を刺激し、胃がんの原因をつくるとされています。また、胃がんの発生率を抑えるものとして、緑黄色野菜や乳製品を多く摂取することはよいといわれています。以前は、食物の保存のために塩蔵食品の多い東北地方沿岸部は特に胃がん発生率が高かったのですが、現在は冷蔵庫の普及により塩分の多い食品が減少し鮮度のよい食物が供給されるようになったことは、胃がん発生率を低めた原因のひとつと考えられています。胃の中に住むヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌が、近年になって胃がん発生との関連が強いと注目されていますが、これを減らす働きのあるヨーグルトが話題になっています。ヨーグルトの健康効果を活用するには、一日100g以上を目安に毎日食べ続けるのがよいとされています。 日本成人病予防協会

  23. 焦げのついた食物 ウサギの耳に煤を塗り続けて癌ができることを証明したのは日本人であり、それが最初の発癌物質であり、主成分はベンズピレンと解明された。 国立がんセンターは、1977年に焦げの中に、アミノ酸を加熱するとできる別の突然変異原性物質を見つけた。しかし、焦げていないサンマを食べても美味しくない。その後、大根おろし等の生野菜が変異原性を弱めてくれることが判った。 突然変異現生活性

  24. ニトロソアミン: 魚と野菜からできる発癌物質ニトロソアミン: 魚と野菜からできる発癌物質 二級アミンと亜硝酸が胃で反応して発癌物質が生成する。 二級アミン量(ppm)

  25. 胃癌が減って大腸癌が増える 癌の部位別にみた年次推移 癌の部位別にみた年次別年齢調整死亡率 いずれも10万人当りの死亡率である。「年齢調整」とは、その年の年齢別人口構成を、基準人口(平成22年国勢調査の年齢構成)に合わせて補正したもので、高齢化による影響を取除く。胃癌が大幅に減少している反面、大腸癌は漸増しており、魚食から肉食に移ってきた影響と考えられる。 肉を食っても、魚を食っても、どちらかの癌のリスクを背負う。

  26. 非加熱食品は美味しい? 2011年4月中旬より富山県、福井県、横浜市において焼肉チェーン店を利用した169名が腸管出血性大腸菌O111による食中毒を起こし、4名が死亡した。原因食品は、焼肉店でユッケと称して提供された細切れ牛肉であった。 原料肉を納入したのは、食肉組合にも加盟していない業者であり、様々な肉片を固めて成型した塊をブロック肉として販売していた。 300円程度で食べられる生肉がある訳がなく、レアでビフテキを注文すれば1万円程度はする。提供した店を責めるだけでなく、非常識な消費者をなくすことが必要。 英国等では、加熱すると味が落ちるとして未殺菌乳が販売されており、牛結核菌感染が起きている。命と引き換えで生乳を楽しむか?

  27. 大腸菌O157が見つかったのは、1982年に米国の大手ハンバーガーチェーン店で大流行が起きた時である。それ以降、食肉センターや加工施設にHACCPを導入し、汚染を低める努力をしてきたが、食中毒事故は減らなかった。ひき肉を生で食べている実態を知った政府は、安全に食べることを教育課程で取り上げることに力を注いだ。大腸菌O157が見つかったのは、1982年に米国の大手ハンバーガーチェーン店で大流行が起きた時である。それ以降、食肉センターや加工施設にHACCPを導入し、汚染を低める努力をしてきたが、食中毒事故は減らなかった。ひき肉を生で食べている実態を知った政府は、安全に食べることを教育課程で取り上げることに力を注いだ。 生焼けハンバーガー(pink hamburgers)を好む: 34 % 高所得(>=$60,000)  45 % > 低所得(<$60,000)  30 % 大卒以上  38 % > 高卒以下  25 % 他の人種 36 % > 黒人  12 % カリフォルニアとコネチカット州  43% > 他の州 27 % 未殺菌生乳を好む: 1.5 % スペイン系  4.9 % > 他の人種 1.4 % FoodNet Presentations High-Risk Food Consumption, handling, and Preparation Practices of Adults in the FoodNet Sites, 1996-1997 取材人数: 7493人 取材方法: 電話 実施時期: 96年7月~97年6月

  28. その他・不明 日本の食中毒:ナチュラルは怖い! 自然毒 化学物質 細菌 ウイルス 患者数の推移 件数(内円)と患者数(外周) 2004~2012年の平均で、年間1,314件、27,393名の食中毒事故があった。9年間の死亡者は51名だったが、その内自然毒が27名を占め、細菌(24名)を上回った。件数、患者数とも比較的少数であるが、自然毒の致命率は高い。 件数 患者数 通算死亡数 細菌 ウイルス 化学物質 自然毒 731件 343件 14件 117件 10,561名 14,708名 251名 343名 24名 0名 0名 27名 2012年の自然毒による死亡は3名で、アオブダイ(1/3)とトリカブトのおひたし(2/3)の家庭料理だった。

  29. 加熱調理後の交差汚染、常温保存による増殖 夏場の魚介類は腸炎ビブリオで汚染されており、かつては食中毒の代表的原因であったが、低温流通の普及で激減した。畜産物が汚染しているサルモネラも漸減傾向にある。鶏肉が汚染しているカンピロバクター、農産物が汚染しているウェルシュ菌は横ばい状態が続いている。腸管出血性大腸菌は患者数は少ないものの、発生が続いており、この間の死亡者24名中15名を占めた。その他の死亡者はサルモネラ7名、ウェルシュ菌とセレウス菌が各1名であった。後者の2種の土壌菌は芽胞を有しており、加熱調理後に増殖する。

  30. 鹿児島県アンケート調査 平成25年3月 有効回答:152名 「トリカブトのおひたし」を食べさせることがないように、「児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う」ことの重要性が浮き彫りになる紋切り型の回答がまだまだ多い。実際の健康被害を把握したうえで、自らを護る行動が採れる世代の育成には時間がかかる。

  31. 食文化と健康 リスクが減るのは2箇所だけ 農場における 適正な衛生管理 加熱調理 リスク・レベルのモデル と畜検査 消費者は GAP ? ? HACCP リスクは 残る! 流通過程が 変わらなければ 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬 食肉検査 解体 カット 出荷 輸送 市場 問屋 小売店 調理 保存 喫食 食品の安全性確保には、生産者、加工業者、流通業者だけでなく、消費者が「安全に食べる」ことも重要であることを教育課程で教えることが大切である。

  32. 日本におけるISO22000認証取得: JA食肉かごしま 、くみあいチキンフーズ、鹿児島くみあい食品、鹿児島協同食品、セイカ食品、南日本ハム、カミチク、サンキョーミート、南州高山ミートセンター、プリマハム、マルイ食品、谷口海産、美老園、特香園、寿鶴、タケダハム、アサヒフーズ、エバラ食品、カルピス、キユーピー、カネヨグループ、ハウス食品、日清食品、ヤクルトヘルスフーズ、双日株(マグロ養殖業)、リンガーハット、ヨックモッククレア、タカキベーカリー 、味泉、山田養蜂場、寺子屋ウェーブ、ボロニアジャパン、・・・・・・ 日本におけるGLOBALGAP認証取得: ハラダ製茶、鶴田有機農園、山野りんご、・・・・・・ かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP) 日本におけるSQF認証取得: コワダヤ、スターゼン、 JA全農ミートフーズ、日本ハム、コカコーラ、日本ハム、三井農林、味の素、キッコーマン、井村屋製菓、マルコメ、WATAMIグループ、日本デルモンテ、宝醤油、森永製菓、マンズワイン、八丁味噌、ヒゲタ醤油、ピックルスコーポレーション、クノール、フジパン、サッポロビール、アサヒビール、サーティワンアイスクリーム、イオングループ、マクドナルド、西友、森永乳業、丸協食産、トラストフーズ、キング食品、・・・・・・

  33. 食品の安全性: 科学に基づく合理的判断 安心: 食料生産提供網に対する信頼感 相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ なぜ安心できるのか? 1.FAO、WHO、Codex委員会、OIEなどの国際機関が、世界的科学者を集めた委員会で農場から食卓までの安全性確保に関する基準を策定している。これらの国際基準を満たさない食料は、輸入検疫によって排除されている。 2.ISO、Global GAP、SQFなどの民間機関による第三者認証システムが国際展開しており、多くの食品産業がそれらの認証を取得している。貿易に参入する食品産業は、取引相手から認証取得の証明書の提示を求められる。 3.国内農産物については、農水省および県の主導によるGAP認証が推進されている。 4.上記の基準や認証の基礎となっているHACCPやGAPは、農場から食卓までの食品の安全性を確保するための最新の科学的方法である。

  34. 「学校給食法」 第一条  この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ、児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、学校給食及び学校給食を活用した食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実及び学校における食育の推進を図ることを目的とする。 (学校給食の目標)  第二条 学校給食を実施するに当たっては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない。 一  適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。 二  日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。 三  学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。 四  食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。 五  食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。 六  我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。 七 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと

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