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探査機による惑星探査

探査機による惑星探査 . 中村正人 東京大学大学院. 惑星探査は果たして有効か. 惑星探査に関する幾つかの疑問. タイムスパン 良くても10年に一度くらい コスト 膨大な費用 関係者の一生のマンパワーを食い潰す 観測項目 搭載可能な数は限られる データ量 遠距離通信の為、低いデータレート. 探査機で解る事は「現在の惑星表面及び惑星のまわり」!. 太陽系の初期や惑星の過去の様子はわからない 惑星の内部のことも直接にはあまり解らない そんなこと知りたいなら、むしろ タイムマシン&ジェットモグラ を開発したほうが良い. 地上観測では駄目なのか. メリット

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探査機による惑星探査

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Presentation Transcript


  1. 探査機による惑星探査 中村正人 東京大学大学院

  2. 惑星探査は果たして有効か 惑星探査に関する幾つかの疑問 • タイムスパン • 良くても10年に一度くらい • コスト • 膨大な費用 • 関係者の一生のマンパワーを食い潰す • 観測項目 • 搭載可能な数は限られる • データ量 • 遠距離通信の為、低いデータレート

  3. 探査機で解る事は「現在の惑星表面及び惑星のまわり」!探査機で解る事は「現在の惑星表面及び惑星のまわり」! • 太陽系の初期や惑星の過去の様子はわからない • 惑星の内部のことも直接にはあまり解らない そんなこと知りたいなら、むしろタイムマシン&ジェットモグラを開発したほうが良い

  4. 地上観測では駄目なのか • メリット • 打ち上げ失敗は無い • かけたコストは回収できる • 多くの人が参加でき、一人一人の負担は少なくても済む • デメリット • 分解能が悪い • その場観測は当然出来ない • いつも目的の惑星が見えるわけではなく、そのウィンドウは限られる

  5. 探査機を打ち上げる必然性はなんなのか • 人類初めての探査には意味がある • 2回目以降の探査ではこれまでに挙げた弱点を克服して余りある成果をあげなければならない →かなり入念な準備と覚悟が必要 • 人類全体の知識を深める為に日本が果たすべき責務

  6. 何が測れればうれしいか? • 初探査で問題提起されたことを探る • 極めて素直な方向付け、かなり昔に探査され、その後ほっぽって置かれた星に対しては有効 • いま、まさに動いているもの、時間スケールの短いものを測る • ダイナミックな現象 • いままでより、高解像度、高分解能の観測をする • 質の違う物理が生まれるか? • まれな現象を観測して一発当てる • 動機は不純だがNatureに載る確率は一番高い

  7. どういう探査機を上げるべきか • みんなそれぞれの得意分野を少しずつ持ち寄って、測定できるものから測る • 掘り下げが足りない可能性が大きい • 一つの観測対象に絞り、徹底的に解明する • サイエンスとして極めて有効な戦略 • ただし業界全員が参加できるとは限らない

  8. まず最初に成果の上がる分野 • プラズマ観測(磁場、電場、プラズマ波、粒子観測) • その場でなければ絶対測れない • 地上からでは不可 • PVO,Phobos、のぞみ • フライバイ観測でさえも大きな成果 • ボイジャー、ガリレオ金星観測 • 弱点 • 多点展開が難しい、太陽風の情報が無い • 上記をイメージングによって補う必要あり

  9. その次に成果が上げ易い観測 • 惑星表面の地図(地形図、組成分布) • オービターが望ましい • 一度測ってしまえば、基本的に変わらないので不定性が少ない(時間分解能が不要)。 • すでに行われている観測を追い越す為には努力が必要 • 地面が大気に覆われて見えない場合には難しい

  10. 難しい観測 • 変動する大気 • 高い時間分解能、空間分解能の両立が必要 • トレーサーが無いと見えない • トレーサーの信頼性 • どの高度を測っているのだろうか? • 夜はよく見えない • 赤外観測機器の開発が必須

  11. 今までの経緯 • プラズマ観測 先駆者としてのSTP community • すでに多くの探査機が外惑星まで調べている • 金星・木星・土星はオービター観測がすでに実現、火星は2004年(のぞみ) • 水星は3度のフライバイがあるだけなので、まだ手薄 ← 水星ミッションの根拠 • これからは地球に戻って、詳細な観測をする必要があるのではないか? ← 地球磁気圏次期ミッションの根拠

  12. 今までの経緯(その2) • 地形情報の取得 • 地球観測にある程度ベースがある • 月、金星、火星は米ソにより探検の時代は終わった。水星もかなりわかっている • 外惑星は地形ではないがその表面の模様はかなりの情報がある • 米ソに追いつくのは大変、超大型プロジェクトが必要 ← セレーネ

  13. 今までの経緯(その3) • ジェットモグラ計画 • 実はルナーA ペネトレーター • タイムマシン計画 • 実は小惑星探査  • 米国ニア • ミューゼスC

  14. 今までの経緯(その4) • 大気の観測 -惑星気象ー • 火星は米国がやろうとした(マースクライメイトオービター) • 金星には誰もまだ手を出していない • 今やればFirst missionとして大きな成果 • ただし、オービター、測定器とも今までのSTPミッションの延長では駄目。地球観測衛星も参考にならない。むしろ天文衛星に近い。

  15. まとめ • 日本で進めようとしているミッションの位置付けは? • プラズマ環境を根本に還って調べたい • 磁気圏多点&詳細 次期ミッション • 表面及び周り • 水星ミッション • 月ミッション(セレーネ) • 金星ミッション • ジェットモグラ & タイムマシン • ルナーA • ミューゼスC

  16. まとめ(その2) • 計画中のミッションには整合性があるように見える。しかし、これらのミッションは、自動的に誰か(宇宙研や宇宙開発事業団)がやってくれるものではない。 • しかも、諸外国に伍して成果を挙げるためには、大変な努力が必要。 • 日本の技術は米露に比べて、かなり遅れている。 • 若い人にしか出来ない柔軟な発想こそが求められる。従来の常識の枠にとらわれてはならない。 • 特に重要なことはサイエンスを考えること。ハードの制約は後で解決策を考えるべき。

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