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線型方程式. 吉水由美. 発表内容. 線型方程式について学んできた中で, LU 分解と反復法の最初の部分について 発表しようと思います.. ガウスの消去法について. 次のような演算で消去を行い,右上三角行列を作り, 方程式を解く方法 (各係数の右上の添字は消去の過程を表すためにつけたもの). ガウスの消去法の演算回数. より,約. 回の乗算と加算が必要. 分解. とおき. ,. ,. とおくと. つまり,消去の第1段は行列 を左からかけたことに等しい.. 第 段は. 0. ,. と表せる.
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線型方程式 吉水由美
発表内容 • 線型方程式について学んできた中で, LU分解と反復法の最初の部分について 発表しようと思います.
ガウスの消去法について 次のような演算で消去を行い,右上三角行列を作り, 方程式を解く方法 (各係数の右上の添字は消去の過程を表すためにつけたもの)
ガウスの消去法の演算回数 より,約 回の乗算と加算が必要
分解 とおき , , とおくと つまり,消去の第1段は行列 を左からかけたことに等しい.
第 段は 0 , と表せる とおくと 最終段まで進むと 0
の右辺のベクトル にも同様の操作 を行なえば は となる の逆行列は 0 で与えられる(これは からわかる)
とおくと となる であり,これを の 分解という
LU分解に必要な演算回数 計算時間の大部分はLU分解の過程で費やされる.そこで必要な回数は 加減算の回数: 乗算の回数: したがって,LU分解の過程で,加減算と乗算それぞれ約 回必要になる. そして,LU分解された行列を使って右辺ベクトル の異なる複素組の連立1次方程式を解くときには,1組の方程式あたり約 回の加減算と乗算がそれぞれ必要になる.
対称行列の 分解 の 分解を とするとき とおいて , と表せる
Aが対称行列( のこと)とする 第(k-1)段までで得られた行列 の 第k行以下の小行列を とおくと は対称である
なぜなら,第(k-1)段で行われる変形は であるが, であったから が分かり とつづき が分かる. ゆえに は対称 となり である. つまり対称行列は と分解できる. これを の分解という
分解に必要な計算回数 分解の過程で必要な計算回数は 加減算の回数: 乗算の回数: したがって,分解の過程で,加減算と乗算それぞれ 約 回必要になる. そして,分解された方程式を解くときには, 約 回の加減算と乗算がそれぞれ必要になる.
反復法とは… ガウスの消去法をまともに解くと,大きい行列では計算回数が多くなってしまう. このため,適当に近似を繰り返していくことで解を求めることはできないだろうか,ということが考えられてきた. 連立方程式 で,真の解を ,ある計算により 回目で求められたものを とする.計算回数を増やして となったとする. このように計算回数を増やして,真の解に近づける方法を反復法という.
解の収束の条件 を同値な に変形する. ・・① ・・② ・・③ が 適当な初期値 から出発して計算をしていき, ①の解 に収束すればよい. K回目の計算誤差を とおく. ③から②を引くと
一般には初期値 は任意に選ぶので,その誤差一般には初期値 は任意に選ぶので,その誤差 は0ではない.反復とともに が に収束するためには, が反復とともに0に収束しなければならない. そのためには反復行列Mの固有値の絶対値がすべて1より小さくなくてはならない. Mの固有値がすべて1より小さければ,反復と共に誤差は にしたがって減少し,0に収束する.すなはち, が収束するための必要十分条件は,反復行列Mのすべての固有値の絶対値が1より小さいことである.
ヤコビ法 非対角成分に相当する項をすべて右辺に移項した次の形において反復を行う方法をヤコビ法という. 行列で表すと すなわち
まとめ • ガウスの消去法よりも計算回数が少なくてすむ方法がいくつかあることがわかりました. • 線型方程式については,たくさん学ぶことがあります.今後の課題としては,行列の固有値問題について学んでいきたいと思います. • ガウスの消去法についての説明や,コレスキー法,反復法など今まで学んできたことはホームページに載せてあります. http://tnt.math.metro-u.ac.jp/labo/grad/2004/yumi