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現代文明論. ルソーからリゾーム文明論まで. 文明論とはなにか. 比較文明論の考えから(伊東俊太郎) 比較文明学:今日必要とされている新たな学問分野 自己中心ではなく、諸文明の公平な観察や評価を行なう. 文明. L’extreme civilisation engendre l’extreme barbarie.(Drieu La Rochelle) 極端な文明は極端な野蛮を生み出す(ドリュ・ラ・ロシェル、1893-1945, 『 わらの犬 』 ). 文明.
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現代文明論 ルソーからリゾーム文明論まで
文明論とはなにか • 比較文明論の考えから(伊東俊太郎) • 比較文明学:今日必要とされている新たな学問分野 • 自己中心ではなく、諸文明の公平な観察や評価を行なう
文明 • L’extreme civilisation engendre l’extreme barbarie.(Drieu La Rochelle) • 極端な文明は極端な野蛮を生み出す(ドリュ・ラ・ロシェル、1893-1945,『わらの犬』)
文明 • Ce que les hommes appellent civilisation, c’est l’etat actuel des moeurs et ce qu’ils appellent barbarie, ce sont les etats anterieurs. • 人間が文明と呼ぶものは風俗の現状のことであり、野蛮と呼ぶものは以前の状態のことである。(Anatole Franceアナトール・フランス、1844-1924、『白い石』)
比較文明学の課題 • 1 国家の枠組みを抜け出て、文明という広い枠組みを用いる • 2 自民族中心主義を超えて、諸文明の独自な価値を積極的に認める • 3 諸文明の比較を通して、共生・共存する地球文明を志向する
文化と文明 • 文化 culture, cultura, colere「世話する、耕す、栽培する、養育する」 自然に対して人間が手を加えたもの
文化と文明 • 文明 civilization • civilisatio「都市化」、civis「市民」 • 王権の確立、国家の形成、階層分化、商業の発達を伴う「都市革命」以後 • サブシステムとしての文化を包含 • 広域ネットワーク • 大規模で高度な組織化、制度化、統合化、精緻化
文明の定義(伊東俊太郎) • 1 地理的な広い領域(気候、生態と関係がある) • 2 歴史的伝統 • 3 洗練化された生活システム • 4 高度な社会制度 • 5 経済組織 • 6 集団的な技術 • 7 知的なもの、美的なもので組織化されたもの • 8 統合された一つの構造
文明と文化の関係 • 文明(制度、組織、装置) ハードウエア、科学技術、政治制度、経済組織、法律体系 遠心的(外に向かう) • 文化(エートス、観念形態、価値感情)(図1、p.8) ソフトウエア、哲学、宗教、芸術 求心的(内に向かう)
文明接触 • 文明摩擦 • 文明調整 • 「世界は決して文明的に一色のものになるのではない」(11ページ)
文明の変動 • 一元的な「発展段階説」 ヘーゲルHegel、ランケRanke、マルクスMarx ギリシア・ローマ、中世キリスト教世界、近代西欧文明、西欧文明の世界化
文明の変動 • 多文明圏説(複数の独自な形態の文明の存在、それぞれの文明を並行的に考察) • ダニレフスキーDanilevskii(1822-85) • シュペングラーSpengler(1880-1936) • トインビーToynbee(1889-1975)
人類の経験した5つの革命 • 人類革命 • 農業革命 • 都市革命 • 精神革命 • 科学革命
人類革命 • 人類が類人猿からヒトへ • 約500万年前のアフリカ
農業革命 • 農耕の開始 • 西アジア(メソポタミア)、東南アジア、南中国(長江)、メソアメリカ(メキシコ)、西アフリカ(ニジェール) • 1万年前から前5000年のあいだ
都市革命 • 都市の形成 • 食物の生産に直接従事しない都市民の誕生 • メソポタミア、前3500年 • エジプト、前3000年 • 黄河、前1500年
精神革命 • 第1段階:高度な宗教や哲学の成立 • 前8世紀から前4世紀 • 旧約の預言 • ギリシア哲学 • 六師、ブッダの思想 • 諸子百家の思想 • 第2段階(4世紀から7世紀):中国仏教の成立、西欧のキリスト教化、イスラムの勃興
科学革命1 • 近代科学 • 17世紀西欧、デカルト • 世界史における「近代」の始まり
科学革命2 • 産業革命 • 18世紀後半
科学革命2 • 情報革命 • 20世紀後半
文明の地球化 • 地球環境問題(京都議定書) 近代の科学革命、近代のイデオロギーの結果 • グローバリゼーション • 文明概念の見直し • 環境革命(人類の6つ目の革命)
比較文明学会の5つの柱 • 1)総合的な学的認識 • 2)超領域的な知的営為 • 3)新たな学の創造 • 4)地球文明への視座 • 5)開かれた学会ーー19世紀ヨーロッパ中心主義的パラダイムの克服