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固定資産の流動化 スライド. 目次. < Ⅰ .イントロダクション> 1.事業運営の効率化 3P 2.本コースの学習範囲 4P 3.本コースの学習目的(問題提起) 5P < Ⅱ .証券化> 1.証券化の基本スキーム 6P 2.証券化のポイント ①対象資産の価値評価 7P ②バランスシートへの影響 8 P 3.証券化に登場するプレーヤー ①全体像 9 P ② 証券発行体の種類 10 P ③ サブプレーヤーの役割 11Pー12P 4.今後の証券化の動向 ①小口化 13P ②対象資産の拡大 14P
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固定資産の流動化 スライド
目次 • <Ⅰ.イントロダクション> • 1.事業運営の効率化 3P • 2.本コースの学習範囲 4P • 3.本コースの学習目的(問題提起) 5P • <Ⅱ.証券化> • 1.証券化の基本スキーム 6P • 2.証券化のポイント • ①対象資産の価値評価 7P • ②バランスシートへの影響 8P • 3.証券化に登場するプレーヤー • ①全体像 9P • ②証券発行体の種類 10P • ③サブプレーヤーの役割 11Pー12P • 4.今後の証券化の動向 • ①小口化 13P • ②対象資産の拡大 14P • 5.対象不動産の評価手法 15P • 6.会計処理における売買取引の要件 16P • 7.不動産の証券化における証券発行体 17P • 8.不動産の証券化の事例 • ①特定目的会社の事例 18P • ②株式会社の事例 19P • ③匿名組合と株式会社の組合せ事例 20P • 9.知的財産権の証券化 • ①証券化のポイント 21P • ②知的財産権の種類 22P • ③知的財産権の評価 23P • 10.知的財産権の証券化事例 • ①スキーム 24P • ②価値評価 25P • <Ⅲ.リース> • 1.リース取引の現状 • ①利用状況 26P • ②利用目的 27Pー28P • ③会計処理 29Pー30P • ④税務処理 31Pー32P • 2.リースの有効活用に向けたチェックポイント • ①節税 33P • ②責任 34P • ③税務処理 35Pー36P
本コースの構成 <Ⅱ.証券化> <基礎知識> <不動産の証券化> <知的財産権の証券化> 1.証券化の基本スキーム 5.対象不動産の評価手法 9.知的財産権の証券化 2.証券化のポイント 6.会計処理における 売買取引の要件 10.知的財産権の 証券化事例 <Ⅰ.イントロダクション> 1.事業運営の効率化 3.証券化に登場する プレーヤー 7.不動産の証券化に おける証券発行体 2.本コースの学習範囲 4.今後の証券化の動向 8.不動産の証券化の事例 3.学習の目的 (問題提起) <Ⅲ.リース> <基礎知識> <リースの有効活用> 1.リース取引の現状 2.リースの有効活用の ためのチェックポイント 本コースの構成 • 「固定資産の流動化」コースの構成は以下のとおりです。
事業運営の効率化に係る主な指標 一般管理費 売上 売上 運転資本 営業利益 売上 粗利益 売上 販管費 売上 法人税 売上 人件費 売上 販売費 売上 売上 営業固定資産 売上 純営業資産 営業利益 純営業資産 Ⅰ.イントロダクション1.事業運営の効率化 • 経営管理が売上やシェアを重視した規模の追求の時代からROE(自己資本利益率)やROI(投下資本利益率)を重視した効率性を追求する時代へと変化する中で、より小さなストック(純営業資産)でより大きなリターン(営業利益)を創出する事業運営の効率化が重要になっています。 資産のスリム化 在庫回転率 売掛金回転率 買掛金回転率 売上 市場規模 量 当社シェア 製造・仕入原価 リターンの最大化
本コースの学習範囲 2.本コースの学習範囲 • そこで、本コースにおきましては、財務マネジメントによる事業運営の効率化の手法としての「リース」と「証券化」について学習します。 リース 新規資産 の調達 レンタル 資産の スリム化 購入 事業運営の 効率化 売却 既存資産 のスリム化 流動化 証券化 リターンの 最大化 セール・アンド・ リースバック* 売掛債権の流動化 *セール・アンド・リースバックはリースの一形態として取り上げる
本コースの学習目的(問題提起) 3.本コースの学習目的(問題提起) • 資産の証券化は、現状では中小企業の利用状況は低くなっていますが、今後は中小企業における活用可能性が高まると考えられるため、来るべき証券化時代へ対応するためにも基本的な知識を習得しておくことが重要だと思われます。また、リースについては中小企業でも活用が一般化していますが、安易にリースを選択する傾向が見受けられ、リース利用の目的を達成するためにリースの活用内容を改めて見直す必要があると思われます。 テーマ 現状 学習目的 証券化 ①中小企業では利用されない 資産の流動化 ②証券化の小口化(不動産) ③知的財産の証券化 来るべき証券化時代への対応 リース ①中小企業の多くがリースを活用 ②利用目的は、資金負担の軽減 と節税対策 資産調達の最適化
証券化の基本スキーム Ⅱ.証券化1.証券化の基本スキーム • 証券化とは、企業が保有する資産を証券発行体に譲渡し、証券発行体がその資産から生じるキャッシュフローを裏付けとした証券を投資家へ発行することです。証券化を資金調達手法として考えた場合には、資産の価値による資金調達であることと、投資家からの資金調達であることが特長となります。 企業から見た証券化の特長 他の資金調達手法との相違点 資産の原保有者 資産 資産の価値による資金調達 銀行等からの借入との相違点 資産の 売却代金 資産の 売却 証券発行体 資産 投資家からの資金調達 通常の資産の売却との相違点 証券発行 購入代金 元利金 返済 投資家 <凡例> ・太い矢印 : モノ/サービスの動き ・細い矢印 : カネの動き
マーケット・アプローチ (取引基準比較法) コスト・アプローチ (原価法) インカム・アプローチ (収益還元法) 証券化対象資産の価値評価手法* 2.証券化のポイント ① 対象資産の価値評価 • 証券化対象資産の価値評価の手法としては、資産の生み出す将来キャッシュフローを基に評価する「インカム・アプローチ」(収益還元法)、類似資産の取引価額により評価する「マーケット・アプローチ」(取引事例比較法)、および資産の形成に要した支出額により評価する「コスト・アプローチ」(原価法)の3つがあります。証券化の前提である「資産の生むキャッシュフローを裏付とした資金調達」という観点から、「インカム・アプローチ」が重視されています。 方法 ・ 資産がもたらす将来キャッシュフローの割引現在価値を当該資産の価値とする方法 ・ 実際に市場で取引された類似資産の価格により、当該資産を評価する方法 ・ 資産の形成に要した支出額により当該資産を評価する方法 長所 ・ 評価対象である資産の価値を直接評価することができる ・ 評価額は、実際の取引に基づいているために合理的である ・ マーケティング分野での実証結果と一致する ・ 制度的実行可能性が高い 短所 ・ 将来キャッシュフロー、割引率など、割引現在価値の算定に必要なデータを客観的に入手することが困難である ・ データの入手が困難である ・ データとしての客観性を欠く ・ 評価額とコストの間にタイムギャップおよび相関関係ギャップが生じる *出典:「知的財産の証券化」(日本経済新聞社 2003年)より作成
資産の証券化がB/S(バランスシート)に与える影響(例示)資産の証券化がB/S(バランスシート)に与える影響(例示) 不動産証券化後のB/S 調達資金使用後のB/S 不動産証券化前のB/S ② バランスシートへの影響 • 資産の証券化が資産の原保有者のバランスシートに与える影響は、譲渡した資産が売買取引として処理されるか、金融取引として処理されるかにより異なります。売買取引として処理された場合には資産が増加し、獲得した資金を基に負債の圧縮を行うことで財務体質を改善することなどが可能となります。金融取引として処理された場合には、資金調達は達成できますが担保借入と同様の処理を行うため借入金が増加することとなります。 <売買取引として処理> 現金 300 借入金A 300 その他の 資産 800 借入金B 400 その他の 資産 800 借入金B 400 資本 400 資本 400 不動産 200 借入金A 300 その他の 資産 800 借入金B 400 <金融取引として処理> 現金 300 借入金A 300 資本 300 不動産 200 借入金B 400 不動産 200 借入金B 400 その他の 資産 800 その他の 資産 800 借入金C 300 借入金C 300 資本 300 資本 300
証券化の基本スキームと参加プレーヤー(社債発行の場合の例示)証券化の基本スキームと参加プレーヤー(社債発行の場合の例示) 3.証券化に登場するプレーヤー ① 全体像 • 証券化は資産の原保有者であるオリジネーター、証券発行体、投資家のみで行われることは稀であり、証券化のスキーム全体をアレンジするアレンジャー、社債を発行する場合には社債管理会社や格付機関など、状況に応じて様々なサブプレーヤーが登場します。 アレンジャー<金融機関、専門家等> 証券化スキームのアレンジ 資産の原保有者(オリジネーター) バックアップ・サービサー サービサー 資産 サービサー倒産時の 資金回収代行サービス 回収資金 の引渡し 資産の 売却代金 信用補完 信用補完機関 <保険会社等> 使用料 の支払 資産の 売却 原資産の使用者 流動性補完機関 <銀行> 証券発行体(SPV) 流動性 補完 資産 証券の 引受/販売 社債管理会社 <銀行/信託銀行> 証券発行 購入代金 元利金 返済 引受証券会社 <証券会社/銀行等> 債権保全のため のモニタリング 格付 格付機関 投資家 <凡例> ・太い矢印 : モノ/サービスの動き ・細い矢印 : カネの動き
証券発行体の種類と特徴 特徴 ② 証券発行体の種類 • 証券発行体の種類は、主に①特定目的会社(TMK)、②信託、③匿名組合、④任意組合、⑤株式会社、⑥有限会社があります。これらは、案件の規模や投資家の数、発行する証券の種類などの状況により、単独で用いられることもあれば複数を組み合わせて用いられることもあり、各証券発行体の持つ特徴を把握しておくことが重要となります。 ①特定目的会社 (TMK) ・ 資産の流動化に係る業務、およびその付帯業務以外の業務を行うことはできない ・ 特定社債の発行による資金調達が可能である ・ 設立コストがかかるため、大規模の証券化案件である必要がある ②信託 ・ 信託をSPVとして用いることで倒産隔離が保たれ、また、二重課税の問題を解決することができる ・ 信託会社に信託可能な財産権は限定されており、知的財産権は現状では信託できない ③匿名組合 ・ 組合自身は課税対象にならない ・ 投資家(出資者)の有限責任が法的に担保されており、投資家にとっては投資(出資)しやすい ④任意組合 ・ 組合自身は課税対象にならない ・ 投資家(出資者)は無限責任を負うため、投資家は投資(出資)しにくい ⑤株式会社 ・ 会社更生法が適用されるリスクを抱えている ・ 社債の発行による資金調達が可能 ⑥有限会社 ・ 会社更生法の適用されないこと、資本金が少額ですむことから、株式会社よりも多く用いられる ・ 社債の発行ができない
役割 主体 ③ サブプレーヤーの役割(1/2) • 証券化に登場するサブプレーヤーの役割を整理すると、以下のようになります。証券化の要件により登場するプレーヤーも異なるため、各プレーヤーの果たす役割や、必要となる状況を理解しておくことが必要です。 証券化に登場する主なサブプレーヤーの役割 アレンジャー ・ 証券化における証券の発行構造(ストラクチャー)を組み立てる ・ 信用補完機関や格付機関など各参加プレーヤーのまとめ役を担う ・ 証券会社、投資銀行などの 金融機関 サービサー ・ SPVに代わり貸出債権の管理・回収を通して、キャッシュフローのマネジメントを行う ・ オリジネーター、またはその関連会社が担当する場合が多い 信用補完機関 ・ 証券発行体が発行する証券がデフォルト(債務不履行)となった場合に、その全額または一部を保証する ・ 保険会社 ・ 銀行 流動性補完機関 ・ 証券発行体が発行する証券の元利払いに必要なキャッシュフローが不足した場合に必要な資金の貸付を行う ・ 銀行 バックアップ・ サービサー ・ 倒産等によりサービサーの資金回収能力に問題が生じた場合に、サービサーに代わって資金回収業務を行う ・ 債権回収会社
役割 主体 証券化に登場する主なサブプレーヤーの役割 ③ サブプレーヤーの役割(2/2) 引受証券会社 ・ SPVが発行する社債の引受、募集、及び販売業務を行う ・ 証券会社 格付機関 ・ SPVが発行した社債に関し、元利金支払いの安全性を第三者の立場から評価する ・ 日本格付研究所 ・ 格付投資情報センター など 社債管理会社 ・ SPVが発行した社債の元利金の支払が確実に行われるように、社債の元利金の支払などに必要な裁判上、裁判外の行為を行う権限や、社債権者集会の決議に基づく執行権を有する ・ 銀行 ・ 信託銀行
ABS(資産担保証券)の裏付資産別発行高(2001年度)*ABS(資産担保証券)の裏付資産別発行高(2001年度)* 4.今後の証券化の動向 ① 小口化 • 現在、固定資産の証券化に関しては、大手不動産会社や大企業による数十億円以上の大型案件が中心となっています。しかし、証券化市場が活発化する中で、中堅/中小企業が保有する本社などの小規模不動産を対象とした証券化の事例やスキームが登場しつつあり、今後は中堅/中小企業による不動産の証券化が活発化すると考えられます。 ・ 固定資産の流動化に関しては、大型不動産が中心(数十億円規模) ・ 組成コストの削減による証券化の小口化 <小口化事例> ・ 京都不動産投資顧問協会(4,800万円)** ・ ㈱サタスインテグレイトとネットライセンス㈱(3億円から)*** クレジット債権 (1.0兆円) 27.0% リース料債権 (0.8兆円) 21.6% 住宅ローン債権 (0.7兆円) 18.9% 不動産 (0.8兆円) 21.6% CLO/CBO (0.3兆円) 8.1% 2.7% その他 (0.1兆円) *出典:「公的債務管理政策に関する研究会(第5回)配布資料」(日本銀行 2003年) **出典:日本経済新聞2003年6月28日朝刊掲載記事より作成 ***出典:株式会社サタスインテグレイトのホームページより作成
内容 制度の整備 日本における証券化に係る制度の整備* 1973年 ・ 住宅ローン債権信託取扱の開始 ・住宅ローン債権の信託方式での流動化が始まる 1993年 ・「特定債権等に係る事業の規制に関する法律」の施行 ・リース債権、リース物品、クレジット債権の証券化が可能となる 1996年 ・国内ABS(資産担保証券)およびABCP(資産担保コマーシャルペーパー)の発行の解禁 ・ABSとABCPが証券取引法上の有価証券に指定され、国内でも発行可能となる 1998年 ・「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」(SPC法)の施行 ・不動産を始めとする資産の証券化の基盤整備が進展する 2000年 ・SPC法を改正し「資産の流動化に関する法律」へ改称(資産流動化法) ・当初の期待ほどに活用されていなかったため、使い勝手の向上等を図る目的で改正される 2004年 / 2005年 ・信託業法(2004年)および信託法(2005年)の改正案の国会提出(予定) ・著作権などの知的財産権も信託にできるように規制緩和される見通し ② 対象資産の拡大 • 証券化の対象となる資産は、各種法律、政策による制度の整備が進むにつれて、金融機関やノンバンクが保有する企業/個人向け債権から、不動産、その他の資産へと範囲を拡大してきました。今後は、信託業法等の改正により知的財産権を信託することができるようになることで知的財産権の証券化が活発化すると考えられます。特に大規模な不動産を持たない中堅/中小企業にとっては、知的財産権の証券化による資金調達は重要となると思われます。 *出典:「不動産証券化に関する研究会の報告書」(国土交通省 2000年)より作成
不動産鑑定評価基準による評価* 5.対象不動産の評価手法 • 不動産の価格算定の基準である「不動産鑑定評価基準」では「収益還元法」、「取引事例比較法」、「原価法」の3つの評価手法を併用して最終的な評価額を決定することが定められています。近年では不動産が生み出す収益に着目した「収益還元法」が重視されており、資産のキャッシュフローが重要となる証券化においても、不動産の収益性が価格算定の重要な要素となっていると考えられます。 評価手法 手法名 収益還元法 (インカム・アプローチ) 取引事例比較法 (マーケット・アプローチ) 原価法 (コスト・アプローチ) 評価方法 ・ 対象不動産が将来生み出すと期待される純収益の現在価値の総和で価格を算出する ・ 直接還元法とDCF法がある ・ 多数の取引事例を収集し、選定した事例の取引価格に補正・修正を行い、また、地域要因や個別的要因を比較検討して価格を算出する ・ 対象不動産の再調達原価を求め、再調達原価について原価修正を行って積算価格を算出する 有効性の 判断基準 ・ 賃貸用不動産や事業用不動産の評価に有効 ・ 近隣地や類似地域に類似取引が行われている場合に有効 ・ 対象不動産が建物又は建物及び土地の場合に有効 算出する価格 収益価格 批准価格 積算価格 評価額の決定 ・ 原則として3つの手法を併用し、説得に応じた重み付けを行ったうえで不動産の鑑定評価額を決定する *出典:「不動産鑑定評価基準」(国土交通省 2002年)より作成
オリジネーターの会計処理のフローチャート*オリジネーターの会計処理のフローチャート* <前提条件> 特別目的会社を活用して不動産を流動化している 法的に保護され、資金が流入している 適正な価格で譲渡されている 6.会計処理における売買取引の要件 • 証券化にあたり証券発行体に不動産を譲渡しますが、譲渡資産を継続利用するにあたって支払う賃料が過度に低い場合や証券化スキームの終了後に不動産を自社に買い戻す条件がついている場合などは、譲渡が認めれずに金融取引として処理しなくてはならなくなります。この場合、資産のスリム化を図る目的とは逆にバランスシートが肥大化してしまうため、処理の判定ポイントを把握しておくことが重要となります。 NO 譲渡人は継続的に関与しているか 通常の契約条件による不動産管理業務を行っているか 買い戻し条件付きで譲渡しているか 譲渡資産は特殊性を有するか セール・アンド・リースバック取引の場合、オペレーティング・リース取引であって、譲渡人(借手)が適正な賃借料を支払うことになっているか 特別目的会社が譲渡人の子会社に該当しているか リスク負担割合**がおおむね5%の範囲内か 売買取引として処理する NO YES YES NO NO YES YES YES NO YES NO NO YES 金融取引として処理する *出典:日本公認会計士協会会計制度委員会報告第15号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」 (2000年7月31日)より作成 **「リスク負担割合」とは、譲渡人のリスク負担金額を流動化する不動産の譲渡時の真正な価額で除した割合
③有限会社と匿名組合の組み合わせ ①特定目的会社 証券発行体の組合せパターン別の特徴 ②株式会社 7.不動産の証券化における証券発行体 • 不動産の証券化を行う際の証券発行体の形態には、主に①特定目的会社、②株式会社、③有限会社と匿名組合の組み合わせの3つのパターンがあります。それぞれの組合せには、案件の規模や発行する証券などに特徴があるため、自社の証券化の状況に適した証券発行体の要件とそのパターンを把握しておくことが重要となります。 TMK 株式会社 有限会社 資産 特定社債 資産 社債 資産 ノンリコース ローン 匿名組合員 優先出資 ノンリコース ローン 預かり金 匿名組合出資 特定出資 資本金 資本金 出資 出資 出資 オリジネーター等 ケイマンSPC ケイマンSPC
安田生命のオフィスビル証券化のスキーム* オフィスビル オフィスビル オフィスビル 8.不動産の証券化の事例 ①特定目的会社の事例 • 特定目的会社を用いた証券化事例として、安田生命が2000年に所有するオフィスビル12棟(自社の支店ビルを含む)を証券化した事例を紹介します。この証券化では、証券発行体は特定社債の発行により300億円、優先出資証券の発行により250億円を調達しました。また、「資産の流動化に関する法律」へ改正される前の「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」に基づき行われた証券化であり、倒産隔離のためにケイマンSPCや慈善信託が活用されています。 特定社債発行 <安田信託銀行> <レッドライオンズキャピタル特定目的会社> (証券発行体) <投資家> 発行代わり金 (300億円) 信託配当 信託設定 元利払い 受益権 モニタリング <社債管理会社> <安田生命> (オリジネーター /資産の使用者) 優先出資証券発行 <投資家> 受益権譲渡 優先出資(250億円) 配当支払 購入代金支払 <銀行等> 融資 元利払い 優先株出資 配当支払 特定出資 <凡例> ・太い矢印 : モノ/サービスの動き ・細い矢印 : カネの動き 慈善信託 <ケイマンSPC> 普通株出資 *出典:「不動産証券化ハンドブック」(不動産証券化協会 2003年)より作成
KDDIのオフィスビル証券化のスキーム* オフィスビル オフィスビル オフィスビル オフィスビル ②株式会社の事例 • 株式会社を用いた証券化事例として、KDDIが2001年に所有するオフィスビル4棟(本社ビルを含む)を証券化した事例を紹介します。KDDIは第二電電株式会社(DDI)、KDD株式会社、および日本移動通信株式会社(IDO)の3社での合併直後は2兆円を超える有利子負債を抱えていましたが、オフィスビルの証券化により1,874億円の資金調達に成功し、調達した資金を用いて有利子負債の削減による財務体質の改善を行いました。 <安田信託銀行> <ムーディーズ/スタンダード・アンド・プア-ズ> (格付機関) <みずほ証券/ 大和証券SMBC> (引受証券会社) <みずほ証券/大和証券SMBC> (アレンジャー) 証券の 引受/販売 賃貸借契約 信託設定 賃料支払 受益権 格付 信託配当 社債発行 <KDDI> (オリジネーター /サービサー) <㈱セントラル・ タワー・エステート> (証券発行体) <投資家> 受益権譲渡 発行代わり金 (1,357億円) 証券化スキームのアレンジ 元利払い 購入代金支払 (1,874億円) <日本興業銀行> (社債管理会社) モニタリング 匿名組合出資 (94億円) <銀行> 劣後ローン 元利払い 既住テナント契約 出資 <凡例> ・太い矢印 : モノ/サービスの動き ・細い矢印 : カネの動き <既住テナント> (資産の使用者) <ケイマンSPC> *出典:「バランスシート効率化戦略」(中央経済社 2002年)、及びKDDIのホームページより作成
有限会社と匿名組合の組合せによる証券化スキーム例*有限会社と匿名組合の組合せによる証券化スキーム例* オフィスビル オフィスビル オフィスビル ③有限会社と匿名組合の組合せ事例 • 有限会社と匿名組合の組合せを用いることで、自社の保有するオフィスビルを証券化した場合の証券化スキーム例は以下のようになります。まず、倒産隔離のためにケイマンSPCを用いて有限会社を設立し、オリジネーターはこの有限会社にオフィスビルの信託受益権を譲渡します。有限会社は、匿名組合員からの出資金(預かり金)と金融機関からのノンリコースローンでオリジネーターに信託受益権の購入代金を支払い、オフィスビルからの賃料収入をもとに元利金や配当を支払います。 <信託銀行> <有限会社> (匿名組合の 営業者) <金融機関> ノンリコース ローン融資 信託配当 <金融機関等専門家>(アレンジャー) 賃貸借契約 賃料支払 信託設定 受益権 元利払い <資産の保有者> (オリジネーター /サービサー) 受益権譲渡 証券化スキームのアレンジ 匿名組合出資 (預かり金) <匿名組合員> 購入代金支払 配当支払 出資 配当支払 既住テナント契約 <既住テナント> (資産の使用者) <ケイマンSPC> <凡例> ・太い矢印 : モノ/サービスの動き ・細い矢印 : カネの動き *有限会社による証券化計画は、監督官庁への届出や公表の義務がなく情報の入手が困難であるため、ここでは一般的なスキームの例を示している
知的財産権の証券化のポイント 証券化の基本スキーム 9.知的財産権の証券化 ① 証券化のポイント • 2004年度の信託業法、2005年度の信託法の改正により、知的財産権が信託の対象となることが予定されていることから、今後、知的財産権の証券化が活発化することが予想されます。知的財産権の証券化を理解するためには、対象となる知的財産権とは何か、知的財産権の価値をどう評価するのかがポイントになります。 バランスシートへの影響 資産の原保有者 知的財産権(資産) 資産の売却 資産の 売却代金 知的財産権の種類 証券発行体 知的財産権(資産) 知的財産権の評価 元利金返済 証券発行 購入代金 投資家 <凡例> ・太い矢印 : モノ/サービスの動き ・細い矢印 : カネの動き
証券化事例 存続期間 保護対象 分類 主な知的財産権の内容と証券化事例/検討状況* ② 知的財産権の種類 • 知的財産権の分類は以下のように整理できます。資産の証券化と同様に、将来キャッシュフローを生む権利であればどんな権利でも証券化できることとなりますが、現状では「特許権」および「著作権」に関して証券化された実例があるだけです。また、現在「商標権」や「意匠権」に代表される「ブランド」の証券化に必要なインフラの整備が進められています。 知的財産権 著作権 ・文芸、学術、美術、音楽などの著作物およびその著作者 ・著作者の生存年間およびその死後50年間 ・ディズニー映画の著作権の ポートフォリオ ・ コナミのゲームソフト 産業財産権 特許権 ・産業上利用でき、新規性、進歩性のある程度の高い発明 ・出願の日から20年(医薬品は延長制度あり) ・ スカラ株式会社による光学系特許 ・日本での証券化事例は無いが、経済産業省主導でインフラ整備を進めている 商標権 ・商標、サービスマーク ・設定登録の日から10年(更新可) 意匠権 ・物品の斬新なデザイン ・設定登録の日から15年 実用 新案権 ・物品の形状、構造又は組合せに係る考案 ・出願の日から6年 ・日本での証券化事例は無い *出典:日本弁理士会ホームページより作成
免除ロイヤリティ法 プレミアム価格法 インカム・アプローチによる知的財産権の評価手法* 期待キャッシュフロー法 ③ 知的財産権の評価 • 知的財産権の価値評価手法につきましては、「コスト・アプローチ」は知的財産権とコストとの対応関係が不明確であること、また、「マーケット・アプローチ」は類似の知的財産権を想定することが困難であることから、知的財産権の価値を直接評価する「インカム・アプローチ」が適切であると考えられます。 具体的方法 ・仮に知的財産権を保有していない場合、使用に掛るロイヤリティをベースに評価する方法 ・知的財産権を利用した製品等の価格プレミアムにより評価する方法 ・知的財産権がもたらすキャッシュフローにリスクを反映させたものを割り引くことにより評価する方法 長所 ・ロイヤリティは実際の取引価格であるため、算定された評価額は妥当 ・評価額に価格プレミアムを反映させることができる ・キャッシュフローにかかるリスクをキャッシュフロー自体に反映させているので、リスクの内容が明瞭である 短所 ・実際にロイヤリティの授受が必要 ・知的財産権は唯一無二性を有しているために、類似のロイヤリティを参照してもあまり意味がない ・基本的には確立している商標権にしか適用できないという利用条件の制約がある ・将来キャッシュフローの発生額、および発生確率の推定方法が確立されている訳ではない *出典:「知的財産の証券化」(日本経済新聞社 2003年)より作成
スカラ株式会社の特許権証券化スキーム* 休眠特許 休眠特許 休眠特許 休眠特許 休眠特許 休眠特許 休眠特許 休眠特許 10.知的財産権の証券化事例 ① スキーム • 知的財産権の証券化の事例として、特許権証券化の国内第一号となった「スカラ株式会社」の例を紹介します。スカラ株式会社は自社の持つ休眠特許の証券化により2億500万円の資金を調達し、その結果、累積損失の圧縮による財務体質の改善と、他企業とのリレーションの構築による事業の拡大という効果を得ることに成功しました。 <ジャパンデジタルコンテンツ> (アレンジャー) 証券化スキームのアレンジ 特定社債発行 <スカラ㈱> (オリジネーター) <TMK> (SPV) <三井住友銀行> (投資家) 特許権譲渡 社債購入代金 譲渡対価 元利金支払 特許権 価値評価 優先出資 <㈱ピンチェンジ> (投資家) <ピー・エル・エックス /ベンチャーラボ> 配当 妥当性/公平性の評価 <松尾総合法律事務所> 投資 <伊藤忠商事> (投資家) <西村総合法律事務所/中央青山監査法人グループ/三井住友銀行/みずほ証券> 配当 専用実施権 法務/会計/税務 /投資のアドバイス <㈱ピンチェンジ> (原資産の使用者) ロイヤリティー 支払 <みずほ信託銀行> 特定出資 特定持分信託 <ジャパンデジタルコンテンツ> <凡例>太い矢印 : モノ/サービスの動き 細い矢印 : カネの動き *出典:「知的財産の証券化」(日本経済新聞社 2003年)より作成
スカラ株式会社の特許権価値評価* 評価結果 価値評価会社による特許権の評価 専門家による価値評価の 公平性/妥当性の評価 評価 主体 ② 価値評価 • スカラ株式会社が特許権を証券化する際に行われた特許権の価値評価の手法を紹介します。スカラ株式会社の事例では、まず専門の価値評価会社2社がそれぞれ異なった手法で評価金額を導出し、その評価の妥当性等を専門家が評価することで特許権の価値が評価され、TMKの最終的な取得価額はTMKの取締役の責任で決定されました。 ピー・エル・エックス ・算出した3通りのロイヤリティから、特許権の価値を評価 2.1億円~2.75億円 ①評価手法選択の妥当性 ②評価プロセスの妥当性 ③特許権有効性の確認 ④最終報告 (1.54億円~2.66億円と評価) TMKの取締役の責任により 最終的な取得価額を決定 ベンチャーラボ ・ 3つの評価を踏まえ、特許庁方式により特許権の価値を評価 0.98億円~2.57億円 *出典:「知的財産の証券化」(日本経済新聞社 2003年)より作成
リース利用率の推移* Ⅲ.リース1.リース取引の現状 ① 利用状況 • 資本金1千万円以上の企業においてはリースの利用率が90%を超えており、中堅/中小企業においてもリースは定着していると考えられます。 *出典:「リース需要動向調査報告書」(リース事業協会 2000年)より作成
リースの利用理由* ② 利用目的(1/2) • 企業がリースを利用する理由としては以下のようなものがあり、主に資金負担の軽減と節税対策が中心となっています。リースを利用することで得られる効果の中には、「節税効果」、「事務の省力化」、「バランスシートのスリム化」のように、他の代替手段の方がより効果的な可能性があったり、思わぬリスクを負う可能性があるものなどがあり注意が必要です。 一度に多額の資金を必要としない リースは経費処理できる リース料は一定でコスト把握が容易 陳腐化に弾力的に対応できる 経費等が省け事務の省力化が図れる 買取よりも一般的 物件廃棄の手間が省ける 借入と比較して手続きが簡単 バランスシートに資産表示の必要なし 借入と比較して割安 インフレヘッジ効果がある *出典:「リース需要動向調査報告書」(リース事業協会 2000年)より作成
リースの有効活用のためのチェックポイント リース利用の目的 目的達成のための要件 ② 利用目的(2/2) • リースを利用する目的は企業によって様々ですが、リースを利用することによりどのような場合でも目的が達成されるわけではなく、一定の要件を満たすことが必要であったり、また、他の代替手段の方がより効果的なことがあります。安易にリースを選択するのではなく、リースを利用する目的を達成するために必要な要件を把握し、他の代替手段との比較、検討を行ったうえで、最適な資産調達手段を選択することが重要です。 リースの利用による節税効果の享受 (「リースは経費処理できる」) ・特別償却が適用される資産ではない ・特別償却が適用される資産の場合、資金流出額の現在価値が特別償却を適用した場合よりも少ない リースの利用による管理事務の合理化 (「経費等が省け事務の省力化が図れる」) ・借受証発行の前に、必ず瑕疵の無いことを確認した ・リース会社からユーザーへ、サプライヤーに対する損害賠償を請求する権利を譲渡することを契約に盛り込んでいる ・サプライヤーとの間で保守契約を締結している ・リース物件に動産総合保険が付けられている セール・アンド・リースバック による資産のスリム化 (「バランスシートに資産表示の必要なし」) ・ユーザーの所有資産の管理事務の省力化などのために行われる ・ユーザーが購入することに相当の理由がある ・購入物件を立替金など仮勘定で経理し、固定資産に計上していない ・ユーザー購入価額でリース会社に譲渡している
会計におけるリースの処理 取引の条件による区分 会計処理 ③ 会計処理(1/2) • リース会計基準におけるリース取引は、行っているリース取引の条件により、「所有権移転ファイナンス・リース」、「所有権移転外ファイナンス・リース」、「オペレーティング・リース」に分類されます。 「所有権移転ファイナンス・リース」に分類される取引は売買処理を、「所有権移転外ファイナンス・リース」に分類される取引は原則売買処理ですが財務諸表に注記を行うことにより賃貸借処理を、および、「オペレーティング・リース」に分類される取引は賃貸借処理を行うこととなります。 リース取引 所有権移転 ファイナンス・リース 売買処理 原則 所有権移転外 ファイナンス・リース 賃貸借処理 容認 オペレーティング ・リース *出典:「リースの会計処理と税務」(中央経済社 2003年)より作成
会計処理の判定フロー ③ 会計処理(2/2) リース物件の所有権が借手に移転すると認められるか (以下のいずれかに該当するか) ①譲渡条件付リース ②割安購入選択権付リース ③特別仕様物件のリース YES NO 以下のいずれかに該当するか ①リース料総額の現在価値≧見積現金購入価額×90% ②解約不能期間≧経済的耐用年数×75% NO YES 所有権移転 ファイナンス・リース 所有権移転外 ファイナンス・リース オペレーティング・ リース 容認 原則 売買処理 賃貸借処理 *出典:「リースの会計処理と税務」(中央経済社 2003年)より作成
税務におけるリースの処理 取引区分 税務処理 ④ 税務処理(1/2) • リース税制においては、「中途解約が禁止されていること」、および、「フルペイアウトであること」という2つの条件を満たした資産の賃貸借取引のみを「リース取引」として対象としています。リース税制では、リース取引の条件により、売買取引として処理すべき場合と、賃貸借処理として処理すべき場合があります。 賃貸借取引 リース取引 売買取引 として処理 賃貸借取引 として処理 レンタルなど *出典:「リースの会計処理と税務」(中央経済社 2003年)より作成
税務処理の判定フロー ④ 税務処理(2/2) NO リース取引に該当するか ①中途解約が禁止されていること ②フルペイアウトとなっていること リース資産が、無償又は名目的対価で 譲渡されるものか リース資産を著しく有利な価額で買い取る 権利が与えられているか リース資産が使用可能期間中、賃借人に おいて専属使用されるものか リース資産の識別が困難であると認められるものであるか リース期間が耐用年数に比して相当の差異があり、かつ、税負担が著しく軽減されているか 賃貸借取引として処理 YES NO NO NO NO NO YES YES YES YES YES 売買取引として処理 *出典:「リースの会計処理と税務」(中央経済社 2003年)より作成
A社の投資案件(例) 資金流出額の現在割引価値による経済性の比較(単位:千円) 2.リースの有効活用に向けたチェックポイント ① 節税 • リース利用の目的の1つとして、法定耐用年数より短い期間でリース料全額を損金算入できることによる節税効果があります。しかし、特に中堅/中小企業では、多くの場合、購入することで「特別償却」の適用を受け、リース利用より大きな節税効果を得られる可能性があるため、特別償却の対象となる資産か否か、リース期間やリース料金はどの程度なのか等を踏まえたうえで、両者の節税効果を比較、検討することが重要です。 A社の 状況 ・ 資金繰りには特に問題なく、当期や来期の節税を図りたい 借入による購入(特別償却) 1年目 2年目 ・・・ 8年目 合計 合計 合計 資金 流出 ①元利金返済額 1,721 1,659 ・・・ 1,284 12,020 投資対象 案件 物件価格 1,000万円 資金 留保 損金 項目 ②減価償却費 5,500 1,125 ・・・ 200 9,400 法定耐用年数 8年 ③除却損 - - ・・・ 601 601 減価償却方法 定率法 ④支払金利 471 409 ・・・ 34 2,020 減価償却率 25% ⑤税金軽減額 ((②+③+④)×43%) 2,568 660 ・・・ 359 5,168 特別償却の 償却率 30% 純資金流出額(①-⑤) -846 999 ・・・ 925 6,852 銀行借入 の条件 借入額 1,000万円 割引現在価値 -806 906 ・・・ 626 5,251 適用金利 5% リース(税額控除) 1年目 2年目 ・・・ 5年目 合計 返済方法 月々元金均等払 資金 流出 ①リース支払額 2,254 2,254 ・・・ 2,254 11,270 リースの 条件 リース期間 5年 月額リース料 225.4万円 資金 留保 ②税金軽減額 (①×43%) 969 969 ・・・ 969 4,845 リース税額 控除率 リース料総額 の4.2% ③税金控除額 473 - ・・・ - 473 その他 実効税率 43% 純資金流出額(①-②-③) 812 1,285 ・・・ 1,285 5,952 割引現在価値 773 1,165 ・・・ 1,007 5,112 割引率 5% *出典:「リースの知識と実務」(日本実業出版社 2003年)より作成
リース 購入 権利/責任 資産調達手段別の所有に伴う責任の相違 レンタル ② 責任 • リース資産の所有権はリース会社にあることから、ユーザーはリースを利用することで資産の所有に伴う様々な事務管理負担を軽減する効果を得られます。しかし、リース契約においては、修繕義務、物件の滅失や毀損に係る責任の所在が購入やレンタルの場合と異なり、ユーザーに帰属するため、購入やレンタルと同様に物件を扱うことで思わぬ責任を負う可能性があります。 <リース利用の留意点> ・ 借受証発行の前に、必ず瑕疵の無いことを確認する ・ リース会社からユーザーへサプライヤーに対する損害賠償を請求する権利を譲渡することを契約に盛り込む ・ サプライヤーとの間で保守契約を締結する ・ 動産総合保険が付けられているかを確認する 所有権 ・ ユーザー ・ レンタル会社 ・ リース会社 物件の 事務管理 ・ ユーザー ・ レンタル会社 ・ リース会社 瑕疵担保責任 ・ サプライヤー ・ レンタル会社 ・ サプライヤー 修繕義務 ・ ユーザー ・ レンタル会社 ・ ユーザー 滅失/毀損 の損害負担 ・ ユーザー ・ レンタル会社 ・ ユーザー
税務におけるリースの処理 取引区分 税務処理 賃貸借取引 リース取引 通常の リース取引 売買取引 として処理 賃貸借取引 として処理 レンタルなど セール・アンド ・リースバック 金融取引 として処理 ③税務処理(1/2) • リース取引の1つの形態として、保有/使用している資産をリース会社にいったん売却し、売却代金を受け取ったうえで、直ちに当該資産をリースする「セール・アンド・リースバック」という取引があります。会計処理については、通常のリース取引における判定基準に基づいた判定を基に処理が決定されます。しかし、税務処理については、その取引が資産を担保とした借入と類似しているという金融的な性格から、賃貸借取引として処理を行うにはいくつかの要件を満たす必要があり、要件を満たさない場合は金融取引として処理する必要があります。 *出典:「リースの会計処理と税務」(中央経済社 2003年)より作成
セール・アンド・リースバックの税務処理の判定フローセール・アンド・リースバックの税務処理の判定フロー ③税務処理(2/2) 対象資産は中古資産/ 新品資産のどちらか 新品資産 中古資産 金融取引として処理 ユーザーが購入することに 相当の理由があるか 金融取引として処理 NO YES 購入資産を仮勘定で 処理しているか 管理事務の 省力化が目的か NO NO YES 購入価格でリース会社に 譲渡しているか YES NO YES 賃貸借取引として処理 *出典:「リースの会計処理と税務」(中央経済社 2003年)より作成