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母子保健活動の評価の実際. 厚生労働科学研究・分担研究 「健やか親子 21 」推進の効果に関する研究班. 保健活動の評価. 評価の5W1H Why 評価の目的は? What 何を評価するのか? Who 誰が評価するのか? When いつ評価するのか? Where どこで評価するのか? How どう評価するのか?. スタッフと住民の エンパワメント. 評価の目的は何か? Why . 評価は,保健活動の効果を立証する( prove )ため! 成果( アウトカム )の評価が重要 ← 行政評価の流れ アカウンタビリティ
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母子保健活動の評価の実際 厚生労働科学研究・分担研究 「健やか親子21」推進の効果に関する研究班
保健活動の評価 • 評価の5W1H Why 評価の目的は?What 何を評価するのか? Who 誰が評価するのか?When いつ評価するのか?Where どこで評価するのか? How どう評価するのか?
スタッフと住民の エンパワメント 評価の目的は何か? Why • 評価は,保健活動の効果を立証する(prove)ため! 成果(アウトカム)の評価が重要← 行政評価の流れ アカウンタビリティ • 評価は,保健活動の見直しや改善(improve)のため! 経過(プロセス)の評価が重要効果が認められなかった→ 保健活動の見直し(改善)のチャンス! • 評価は,人材育成のため理想の姿が見える! • 住民との達成感の共有のため取り組みの成果を確認する 計画の改訂へ
スタッフがエンパワーされるとき (保健師へのグループインタビューから) ① 自分の専門性が相手の役に立てる ② 保健活動の評価ができて,達成感が得られる ③ 住民の意識や行動が変わる ④ 住民と一緒に考え,共感できる ⑤ 同僚や他職種との共感,励まし,理解 ⑥ 仕事の質について,上司の理解が得られる ⑦ 関係機関との意思疎通ができる ⑧ 自分の成長を実感できるとき
これらを言語化,画像化して視覚化することが重要これらを言語化,画像化して視覚化することが重要 各段階でのエンパワー • Plan 保健計画の策定問題意識の共有ができる 皆の意見が形になるという達成感 • Do 実 践イベントや教室などの充実感 参加した住民が喜んでくれた • See 評価取り組みの成果が見えた(?) 取り組みを通しての発見 地域の現状への気づき
エンパワーと活動の改善につながる評価は? • 成果(アウトカム)と経過(プロセス)の評価がつながっていることが重要 • 成果(アウトカム)が芳しくない時に,「もっと頑張れ」では,評価の意味がない • 経過(プロセス)のどこを変えれば,成果(アウトカム)の改善が期待できるのかが明確になっていること! 例:妊婦の喫煙率が改善しない! → 小中学校における「防煙」教育の実施状況
エンパワメントと評価 新たな取り組み関係機関との連携 自信の回復(エンパワー) 自己効力感の向上 首尾一貫感覚の回復 評価指標の改善 周囲の評価 このサイクルを評価により,止めないこと!
何を評価するのか? What • 出生率や健診の受診率だけが評価指標?? • 乳児死亡率,周産期死亡率などが代表的ですが・・市町村単位では使いにくいのが現状 • 育児不安なども指標にしたいが・・虐待スクリーニング用の質問紙で評価できる? • 事業の見直しにつながるには成果を評価する指標からプロセスを評価する指標まで,評価指標の体系が整理されていることが必要!
評価指標の数について • 評価指標は少ない方が,評価が楽? • その分,成果を感度よく評価することが困難 • 生活習慣や保健行動の改善に必要な条件の指標についての評価は,具体的な取り組みの効果判定に不可欠! • 計画に盛り込む「目標」は絞り込んでも,評価指標はその条件まで含めて,多めに設定し,情報収集をするようにすることがポイント
Quality of Lifeの指標 生活満足度や生きがい,エンパワメント 健康指標 周産期死亡率,乳児死亡率,罹患率等 生活習慣や行動の指標 健康的な生活習慣,予防接種等 組織・資源 環境の指標 家族や周囲のサポート 住民組織等の活動状況 社会資源へのアクセス 知識や態度 健康づくりの技術 学習の指標 普及啓発事業の回数,参加者数 関係機関との連携,住民参画 保健活動の質と量 マンパワーや施設の整備 協議会等の設置,制度づくり 基盤整備の指標 図1 保健活動の評価指標の構造
Quality of Lifeの評価 • 母子保健領域におけるQOLの中身は? • QOL指標は保健活動の「めざすもの」にほかならないQOLについては,当事者を含め,住民や関係者と 一緒に考えることが大切対象者がどうなったら活動の効果が出たといえるか • 乳幼児期は親のQOLの評価が中心になる例:妊娠・出産満足度 例:子育て満足度 例:「ゆったりした気分で子どもと過ごせる時間がある 母親の割合」 例:次の妊娠・出産に対する意向 • 住民のエンパワメントを評価する指標も重要エンパワメントや自己効力感は条件にとどまらない
子育てとエンパワメント • 初めての赤ちゃんを上手に育てようと,育児書を何冊も読み,離乳食教室にも参加したが,苦労して作った離乳食を食べてくれない。保健師に相談したら,離乳食の作り方や食べさせ方が悪いのではと言うが・・ →自分の思うようにできなかったという挫折感(自己効力感の低下) →離乳食教室の通りにやったに,うまく行かない不条理 (首尾一貫感覚の喪失) →育児がうまくできないのではないかという無力感 (パワーレス状態) • こうした状態が続くと,自己嫌悪にどんどん陥っていく • こうしたパワーレス状態が続くと,ネグレクトや身体的虐待につながることも・・
エンパワメントのために • 傾 聴 → 対 話 → 実 践この流れが個人や組織のエンパワメントの基本 • 傾聴 共感しながら「聴く」こと 「聴」の字の成り立ちを考えよう • 対話 専門職と住民(素人),行政と住民という 関係は,気をつけないと上下の関係に • 実践 少しのことでも実践までたどり着くことが大切対話で終わるだけでは・・
育児不安の指標について • 各種の育児不安のスケールを活用するのも良いが, 「健やか親子21」簡便な質問で,育児不安の程度を大まかに把握できる指標を採用した。 例:お母さんは育児に自信が持てないことがありますか。 1.は い 2.いいえ 3.何ともいえない 例:お母さんは子どもを虐待しているのではないかと思う ことがありますか。 1.は い 2.いいえ 3.何ともいえない ↓それは,どのようなことですか。 1.たたくなど 2.食事を長時間与えない などの制限や放置 3.しつけのし過ぎ 4.感情的な言葉 5.その他( ) 虐待内容を例示
育児不安に関する指標の関連について 育児に対する自信喪失や虐待についての自覚とゆったりした気分で児と過ごす時間の有無は,全く独立した指標
ゆったりした気分で児と過ごす時間の有無と第2子の出産意向ゆったりした気分で児と過ごす時間の有無と第2子の出産意向 0% 20% 40% 60% 80% 100% は い 何ともいえない いいえ 産みたい どちらかといえば,産みたい どちらかといえば,産みたくない 産みたくない
安心して子育てができているかの指標 • 安心して子育てができているかの指標としては,「ゆったりした気分で子どもと過ごす時間があるか」は最も有力な指標といえよう ← 子育て満足度との相関が高い ← 次の出産に対する意向とも相関が高い ← 取り組みの成果として感度が高い
健康指標 周産期死亡率,乳児死亡率,罹患率等 生活習慣や行動の指標 健康的な生活習慣,予防接種等 組織・資源 環境の指標 家族や周囲のサポート 住民組織等の活動状況 社会資源へのアクセス 知識や態度 健康づくりの技術 学習の指標 マンパワーや施設の整備 協議会等の設置,制度づくり 基盤整備の指標 図1 保健活動の評価指標の構造 Quality of Lifeの指標 生活満足度や生きがい,エンパワメント 普及啓発事業の回数,参加者数 関係機関との連携,住民参画 保健活動の質と量
健康状態の評価(1) • 人口動態統計から得られる指標 周産期死亡率 妊産婦死亡率 新生児死亡率 乳児死亡率 幼児の不慮の事故による死亡率 出生率,合計特殊出生率 低出生体重児の割合 偶然の変動が大きく,人口規模が大きくないと評価が困難 最近,増えていることが問題になっており,成長後の生活習慣病へのリスクも指摘されている
合計特殊出生率の落とし穴 過疎化が進み,地域に残っている女性は結婚している女性のみ
コホート合計特殊出生率 年齢階級別の出生率の推移(女子人口1000対) 通常の合特 1951~1955年生まれ 2.01 1961~1965年生まれ 1.68 1956~1960年生まれ 1.92 1966~1970年生まれ 1.47
乳幼児健診等で得られる健康状態 • 児の健康状態カウプ指数最近は肥満より,15未満の痩せが問題 う歯数,咬合の状態う歯数など,口腔の状態は虐待のサインアトピー性皮膚炎など,皮膚の状況 • 児の精神運動発達一定の基準で評価できることが重要
乳幼児健診等で得られる母親の健康状態 • 健康診査での問診からお母さんの気持ちや身体の状態はいかがですか ①心身ともに快調 ②身体の調子はいいが,精神的に不調 ③精神的には良いが,身体は不調 ④心身ともに調子が悪い ⑤何ともいない • EPDS(産後うつスクリーニング)も活用 あくまで,スクリーニングであることを忘れずに
事故や感染症の状況 • 健康診査の問診で得られる情報医療機関を受診するような事故の有無正確な評価のためには,報告制度が必要 麻疹,風疹,水痘,耳下腺炎などの罹患状況 • 感染症サーベイランスによる罹患率定点で捕捉された感染症に限られるが,経年比較 地域比較が可能であり,予防接種の効果判定にも 使える
健康状態の評価は大変!? • こうした健康状態の評価は大変な作業! • 誰がこうした作業ができるだろうか? • 直接、保健活動を通じて住民と接するからこそ把握が可能である • この強みを活かすことが必要 • 次世代育成支援対策の推進は,他課が主管課かもしれないが、その評価までできるのは,母子保健の担当者! • 新しい取り組みの成果をきちんと論じられることで、今後の対策のイニシアチブをとることも可能
健康指標 周産期死亡率,乳児死亡率,罹患率等 生活習慣や行動の指標 健康的な生活習慣,予防接種等 組織・資源 環境の指標 家族や周囲のサポート 住民組織等の活動状況 社会資源へのアクセス 知識や態度 健康づくりの技術 学習の指標 マンパワーや施設の整備 協議会等の設置,制度づくり 基盤整備の指標 図1 保健活動の評価指標の構造 Quality of Lifeの指標 生活満足度や生きがい,エンパワメント 普及啓発事業の回数,参加者数 関係機関との連携,住民参画 保健活動の質と量
生活習慣や保健行動の評価 • 児の生活習慣 起床時間,食事・間食の時間と内容,就寝時間 テレビやビデオの視聴時間,屋外遊び • 母親の生活習慣と行動 喫煙・飲酒の状況(妊娠中,子育て中) 母乳保育の状況,歯の仕上げ磨き 児を寝かせるときの体位,本の読み聞かせ 健診受診や予防接種の状況,事故対策の実施状況 育児サークルや子育て教室などへの参加状況 • 父親の生活習慣と行動 子育てへの参画状況(母親による評価)
健康指標 周産期死亡率,乳児死亡率,罹患率等 生活習慣や行動の指標 健康的な生活習慣,予防接種等 組織・資源 環境の指標 家族や周囲のサポート 住民組織等の活動状況 社会資源へのアクセス 知識や態度 健康づくりの技術 学習の指標 マンパワーや施設の整備 協議会等の設置,制度づくり 基盤整備の指標 図1 保健活動の評価指標の構造 Quality of Lifeの指標 生活満足度や生きがい,エンパワメント 普及啓発事業の回数,参加者数 関係機関との連携,住民参画 保健活動の質と量
生活習慣や保健行動に影響を及ぼす知識や態度,技術の評価 • 健康を優先しようと考えているか? 生活習慣の最も大きな規定要因である • 健康的な生活習慣の必要性やその効果を理解しているか?「○○の害について正確に知っている」だけでは, 行動にはつながりにくい • 健康的な生活習慣を実践するための技術を習得しているか? • これらは健康教育の効果を評価する直接的な指標(学習の指標)
健康指標 周産期死亡率,乳児死亡率,罹患率等 生活習慣や行動の指標 健康的な生活習慣,予防接種等 組織・資源 環境の指標 家族や周囲のサポート 住民組織等の活動状況 社会資源へのアクセス 知識や態度 健康づくりの技術 学習の指標 マンパワーや施設の整備 協議会等の設置,制度づくり 基盤整備の指標 図1 保健活動の評価指標の構造 Quality of Lifeの指標 生活満足度や生きがい,エンパワメント 普及啓発事業の回数,参加者数 関係機関との連携,住民参画 保健活動の質と量
生活習慣や保健行動に影響を及ぼす周囲のサポートや社会資源・環境の評価 • 安全・安心の子育ての実践のために家族や周囲からのサポートが得られているか住民組織(育児サークル,母子保健推進員,愛育 班等)の活動による子育てに対するサポート • 育児のことで相談できる人がいるかも重要な指標その調査方法には工夫が必要か・・ • 事故防止など子育てに必要な情報について学ぶ機会救急蘇生法について学ぶ機会 • 休日,夜間も安心して受診できる小児科医療機関 • 慢性疾患児等の在宅医療の支援体制
生活習慣や保健行動に影響を及ぼす周囲のサポートや社会資源・環境の評価 • 安全・安心な妊娠・出産のための社会資源妊娠出産の医療機関を決めるための情報 母児同室の産科医療施設 妊娠期から産後までの継続的な支援 不妊治療に対する支援(助成,相談体制) • 安全・安心な妊娠・出産のための環境妊娠中の女性に対する周囲の配慮 妊娠・出産後も仕事が継続できる体制 妊娠中や子育て中の分煙環境 • 思春期までに性や薬物について学ぶ機会とその内容 外部機関と連携した薬物乱用防止教育など
個人のエンパワー めざすものはQOLの向上 住民組織のエンパワー 豊かな人生 健康 (障害) 健康を支 援する環 境づくり (島内 1987 ,吉田・藤内 1995 を改編) ヘルスプロモーションのめざすもの この坂道の勾配をきつくしている要因の評価が必要
健康指標 周産期死亡率,乳児死亡率,罹患率等 生活習慣や行動の指標 健康的な生活習慣,予防接種等 組織・資源 環境の指標 家族や周囲のサポート 住民組織等の活動状況 社会資源へのアクセス 知識や態度 健康づくりの技術 学習の指標 マンパワーや施設の整備 協議会等の設置,制度づくり 基盤整備の指標 図1 保健活動の評価指標の構造 Quality of Lifeの指標 生活満足度や生きがい,エンパワメント 普及啓発事業の回数,参加者数 関係機関との連携,住民参画 保健活動の質と量
プロセスの評価 • 保健活動の質と量を評価する 例:計画に記載された活動がきちんと実施されているか事業の開催回数,開催か所数,連携の状況 例:事業や保健サービスは,住民に利用されているか参加者数や利用者数 例:事業や保健サービスに対する住民の反応はどうか教室の内容を十分に理解できたか? 教室で学んだことを実施しようと思うか? 学んだことは実践できそうか? 例:活動に関わったスタッフや関係者の反応はどうか事業はスムーズに実施できたか? 実施しての手応えはどうか? 自分の専門性は十分に発揮されたか?
すくすく親子教室 • 実施主体:岩手県東和町保健福祉課 • 対象:16組の親子(健診での要経過観察) • 内容:年間18回の教室①定期発達検査(遠城寺式) ②保護者支援子どもへの関わり方 (絵本の読み聞かせ,手作りおやつ) ③基本的生活習慣の確立 ④情報交換と仲間づくり • 従事者:保健師,保育士,栄養士,心理判定員 • 関係組織:食生活改善推進員,子育てサポーター この部分の評価指標を考えて見ましょう
すくすく親子教室の評価指標の例 • 成果(アウトカム)評価ゆったりとした気持ちで子どもと接する時間がある 子育てが楽しく感じられる母親の割合 絵本の読み聞かせをしている母親の割合 手作りのおやつを作っている母親の割合 自分の担当の子育てサポーターを知っている 子育てグループにつながった • 経過(プロセス)評価 参加者数の推移,参加者の満足度 学んだことを実践しようと思うか? 子育てサポーター,食推さんの役割が発揮できたか QOL指標 健康指標 生活習慣 組織・資源
プロセス評価の留意点 • プロセス評価のチェックリストを細かく作成すると,実施マニュアルが出来上がる!? • 「健やか親子21」の中間評価では組織・団体の取り組みのチェックシートを作成した(報告書7ページ) • こうした活動のプロセス評価項目は,自分達で考え,選択することが大切 • 人が作ったチェックリストで評価すると,パワーレスになることがしばしば・・
健康指標 周産期死亡率,乳児死亡率,罹患率等 生活習慣や行動の指標 健康的な生活習慣,予防接種等 組織・資源 環境の指標 家族や周囲のサポート 住民組織等の活動状況 社会資源へのアクセス 知識や態度 健康づくりの技術 学習の指標 マンパワーや施設の整備 協議会等の設置,制度づくり 基盤整備の指標 図1 保健活動の評価指標の構造 Quality of Lifeの指標 生活満足度や生きがい,エンパワメント 普及啓発事業の回数,参加者数 関係機関との連携,住民参画 保健活動の質と量
基盤整備(構造)の評価 • 人的資源は増えたか?職員の増員や資質の向上が図られたか? • 組織資源は増えたか? 協議会などが設置されたか?学校保健委員会の開催状況 • 財政的資源は確保されたか? • 情報資源は? 子育て支援情報ネットワークの構築 • 自然環境や資源は? 児童公園などの整備
いつ評価をするのか? When • 「健康日本21」や「健やか親子21」の中間評価は5年後ということになっているが・・中間評価で思うような成果が出ていなかったら, それまでの5年間の努力は・・??
健診受診者に対する 問診などで得られた 生活習慣の数値 評価は5年(10年)後で良いのか? 10年後の目標 5年後の目標 必要に応じて軌道修正を早めに行うことが目標達成のポイント ベースライン値 年 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 ルーチンワークで経年的にモニターすることが重要
どうやって評価をするのか? How • 評価のための実態調査を毎年できるだろうか?そんなことをやっている暇や予算はない!? • 日常業務の中で評価できることがポイント健康診査の問診などの活用 • 市町村合併に伴う電算システムの統一の際に・・健診の問診項目の見直しを • 健診受診者は一般集団よりも健康に関心がある人が多いというバイアスがあるが・・健診受診者に改善が認められなければ・・・ 一般集団の改善も期待できない • 無作為抽出で実態調査を行ったところで,回収率が低ければ,バイアスは免れない! 乳幼児健康診査の受診率の高さはこんなバイアス も心配無用!?
誰が評価をするのか? Who • 評価をするのは専門職だけで良いのか?担当の事務職員や係長,課長も関わることが重要課長や係長にも,事業の現場で住民の「生の声」 による評価を実感してもらおう • データの加工等は担当の事務職員も参画して評価の「醍醐味」を味わってもらおう
誰が評価をするのか? Who • 住民や住民組織にも評価ができるはず 自分たちが評価を行うことで,取り組みの見直しに 食生活改善推進員による食生活のチェック 母子保健推進員による子育ての実態調査 こうした実態調査そのものが組織の良い活動にどうなったら、自分たちの活動がうまくいったと いえるのかを考えてもらおう • 健康増進計画中間評価においても,関係機関・団体自身に評価をしてもらうことが重要自分たちの取り組みを見直す機会にしてもらおう
どこで評価をするのか? Where • 評価用の資料を会議室に集めて行うのが評価? • 「事件は会議室で起きているじゃない! 現場で起きているんだ!」 (青島俊作) • 住民と接する「現場」で評価ができるはず • 住民に「指導」するスタンスでは,評価はできない • 住民から「学ぶ」スタンスで接することで,数値化できない生の評価が得られる • 教室における住民の姿や声を「言語化」することで第三者にもその評価を伝える努力を住民の「生の声」や表情も重要な評価指標
「健やか親子21」中間評価の方法 1)人口動態統計(8項目) 十代の自殺率,妊産婦死亡率,周産期死亡率低出生体重児の割合 新生児死亡率,乳児死亡率,乳児のSIDS死亡率 幼児(1~4歳)死亡率,不慮の事故死亡率 2)乳幼児健康診査時の自記式調査 (19項目) 妊娠・出産について満足している者の割合 妊娠中の喫煙率, 育児期間中の両親の喫煙率妊娠中の飲酒率 かかりつけの小児科医を持つ親の割合 休日・夜間の小児救急医療機関を知る親の割合 事故防止対策を実施している家庭の割合 など