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適当な初期値から出発し , ある計算式(反復式)を繰り返し用いて, より広くは などの解を ( 多くの場合,近似的に ) 求める解法を「 反復法 」と呼ぶ. 今回,紹介する ヤコビ (Jacobi) 法 もその1つ.. 反復法の紹介 :ヤコビ法の例示. ヤコビ法は連立方程式 の第k段近似解をから,第 (k+1) 段近似解を なる漸化式によって求める反復解法である. 与えられた連立方程式を変形し, 第一式を について解いて得られる式の左辺の を に,右辺の を に置き換えたものである.. 正則な行列 を用いて と同値な
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適当な初期値から出発し,ある計算式(反復式)を繰り返し用いて,適当な初期値から出発し,ある計算式(反復式)を繰り返し用いて, より広くは などの解を(多くの場合,近似的に)求める解法を「反復法」と呼ぶ. 今回,紹介するヤコビ(Jacobi)法もその1つ. 反復法の紹介:ヤコビ法の例示 ヤコビ法は連立方程式 の第k段近似解をから,第(k+1)段近似解を なる漸化式によって求める反復解法である.
与えられた連立方程式を変形し, 第一式を について解いて得られる式の左辺の を に,右辺の を に置き換えたものである.
正則な行列 を用いて と同値な正則な行列 を用いて と同値な を考える.適当な初期ベクトル から始めて による反復計算を行い, となる を解とする( は要求精度). 実際に使う時には,反復の上限も与えておく方が良い. 連立方程式に対する反復法の一般論 漸化式 反復行列 収束条件
真の解を とし,第(k+1)近似解 との 誤差 を考えると,真の解を とし,第(k+1)近似解 との 誤差 を考えると, であるから である.
いま, の固有値と固有ベクトルをそれぞれ と とする.従って,いま, の固有値と固有ベクトルをそれぞれ と とする.従って, であり, もし, と表記できる場合には となる. ここで,反復が進むにつれて誤差が小さくなる,すなわち,十分大きなkに対して,誤差 がゼロに収束するためには,総てのiに関して, でなければならない.このような条件を「行列 のスペクトル半径が, でなければならない」という.この条件は一般的にも反復法が収束するための必要十分条件である.
係数行列 を のように,対角行列 ,下三角行列 および上三角行列 に分解すると,ヤコビ法の計算は, と表せる. ここで, とすれば(対角行列の逆行列も正則なので,条件を満たす), と表記できる.収束条件は スペクトル半径を使用して, となる.