1 / 33

X 線・ガンマ線観測のための 半導体検出器用アナログ ASIC の 低雑音化

X 線・ガンマ線観測のための 半導体検出器用アナログ ASIC の 低雑音化. 東京大学理学系研究科物理学専攻 ISAS/JAXA. 田村 健一. 蛭田 達朗、高橋 忠幸(東大理、 ISAS/JAXA ) 池田 博一、高島 健 、 中澤 知洋 ( ISAS/JAXA ). NASA. はじめに. 我々はこれまで色々なアナログ ASIC を使って半導体イメージャを開発し、 具体的に各アーキテクチャの持つ利点と問題点を知った。 利点を残しつつ、問題点は解決しなければならない。 解決するために、 ASIC 上でのアナログ回路技術を研究する必要がある。

rozene
Download Presentation

X 線・ガンマ線観測のための 半導体検出器用アナログ ASIC の 低雑音化

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. X線・ガンマ線観測のための半導体検出器用アナログASICの低雑音化X線・ガンマ線観測のための半導体検出器用アナログASICの低雑音化 東京大学理学系研究科物理学専攻 ISAS/JAXA 田村 健一 蛭田 達朗、高橋 忠幸(東大理、ISAS/JAXA) 池田 博一、高島健、中澤知洋(ISAS/JAXA) NASA

  2. はじめに 我々はこれまで色々なアナログASICを使って半導体イメージャを開発し、 具体的に各アーキテクチャの持つ利点と問題点を知った。 利点を残しつつ、問題点は解決しなければならない。 解決するために、ASIC上でのアナログ回路技術を研究する必要がある。 また、作ってみなければ分からない点が多い。 [1] ・設計通りに動くとは限らない ・プロセスの違いに大きく依存する ・シミュレーションで正確な雑音レベルを予想するのは難しい ・アナログASICの最高性能を引き出すフロントエンドの設計が難しい [1]午前中、大貫 講演

  3. 試作アナログASIC「K02」 P/H 2pF 2pF CSA Vth =高抵抗回路 コンパレータ ピークホールド回路 回路コンポーネント 増幅器 ピークホールド回路 ・CSA用 ・オペアンプ コンパレータ回路 バイアス回路 高抵抗回路 検証項目:各回路コンポーネントの基本動作        アナログ性能

  4. 各コンポーネントに正確なバイアス電流を供給することが重要各コンポーネントに正確なバイアス電流を供給することが重要 「バイアス回路」 製造工程上でFETの大きさがばらつく影響を最小限に 参照電流 基準電位 ばらつきの影響 安定動作 使える 領域 参照電流(uA) 複数の回路コンポーネントのバイアス電流を同時に正確に調整

  5. 抵抗値 600 MΩ 8 MΩ 120 kΩ 周波数(Hz) 1MΩ~1GΩの抵抗値が必要 「高抵抗回路」 短絡して使用 (Ω) R = (Vin2 – Vin1) / Iout 幅広い抵抗値を正確に調整

  6. 高抵抗回路の動作電圧 アナログ回路のリニアリティとダイナミックレンジの確保

  7. アナログ回路を構成してシミュレーション ポールゼロキャンセル回路 R1=R2, R3=R4を保つことが必要 時定数を変えてもポールゼロキャンセルが維持 抵抗値が正確に調整できている

  8. 実際に製作したチップで動作確認 実測 シミュレーション P/H Vth 減衰時間=15us ピーキングタイム=2.1us リニアリティ、動作範囲   ⇒シミュレーション通り

  9. ノイズレベルの実測 テストパルス 容量 vs ノイズレベル ※配線の容量はゼロとしてプロット ノイズレベル CIN 65 e/pF コンデンサーを挿入 (e-) 50 e/pF 実測値 317 e- @ 0pF SPICEシミュレーションの結果 シミュレーションより悪い 87 e- @ 0pF 入力容量 CIN(pF) 実測値の容量勾配はシミュレーションより30%も大きい 入力容量に依存したノイズがのっている ⇒ CSAに原因?

  10. ノイズ源の考察 原因の究明 ノイズ源を追っていくと CINに依存するノイズ源 ⇒ CINに接続している初段FETが怪しい CIN 仮定 マイナス電源(VSS)が揺れると ⇒ 初段FETのドレイン電流が揺れる ⇒ 初段FETのゲート電圧が揺れる ⇒ 入力電荷の揺れ 初段FET VSS

  11. シミュレーションで定量的に評価 VSS 0.1 mV 整形回路出力 5 mV (40e相当) -1.3V(VSS)の揺れ  0.1mV p-p @100 kHzで 約 40e- 悪化 電源の揺れを下げる対策へ

  12. フロントエンド基板の設計 ・電源ラインのインピーダンスを徹底して下げる ・4層にして、グラウンドで各信号ラインを挟み込む  (外部からの放射ノイズの低減、寄生容量による電源の揺れの低減) 12 cm

  13. CSA回路内部にRCフィルターを追加 電源(VSS)の揺れに対する感度のシミュレーション結果 電圧 感度(dB) 1/10 の電圧感度へ 周波数(Hz) 現在開発中のアナログASICから採用

  14. まとめ ・ASICのアナログ回路技術を研究 ・試作チップ「K02」を設計・製作 ・徹底したシミュレーション ・実際に製作したチップがシミュレーション通りに動作するか検証 ・雑音レベルはシミュレーションの 87e に対して実測 317e ・主要因である電源の揺れを抑える対策

  15. 現在開発中のアナログASIC CdTeイメージャ用ASIC (評価準備中) 200um角、32X32ch、152uW / ch、 TSMC 0.25um CMOSプロセス 60 mm バンプパッド 8.0 mm メモ・・・ K02-64P/N K02-32LG P/N K02-32SA H02 200mm 実際の写真 アナログ回路 デジタル回路 1ch分のレイアウト図

  16. その他のアプリケーションへの応用 64ch アナログASICの技術をベースに 荷電粒子検出器用 ASIC ・入力容量(100pF~1000pF)のSiストリップ検出器から読み出し 6mm ・10 MeV ~ 200 MeV の荷電粒子(宇宙線) ・32ch、1.5mW / ch、TSMC 0.35um CMOSプロセス 5mm 高速イメージャ用 ASIC ・12bit カウンタを 1ch ごとに搭載 ・カウンタ回路を中心にデジタル回路の開発・実証 ・16×16 ch、250uW / ch、ローム 0.35um CMOS プロセス 9.8 mm 9.8 mm マルチアノード光電子増倍管用 ASIC ・チャージアンプを外し、ゲインアンプのアレイに ・応用用途が広い ・32ch 、1.4mW / ch、TSMC 0.35um CMOS プロセス 6mm 5mm

  17. アナログ性能 133Ba のスペクトル 1ch を CdTeダイオードに接続 ・セルフトリガー ・20℃、400V (2mm角、0.5mm厚) ラインガンマ線のスペクトル 取得に成功 5.4 keV [FWHM] 飽和 0keV 40keV 80keV 65 e/pF K.Tamura et.al IEEE 2005 TNS ノイズレベル 実測値 50 e/pF 実測値がシミュレーションより悪い SPICEシミュレーション の結果 317e @ 0pF (e) 容量特性を測定 容量勾配に注目して原因の解明へ 入力容量 CIN(pF)

  18. Ballistic Deficit Threshold Time Walk TOT 世界のアナログASICを開発する機関と共同研究 Caltech VLSI VA32TA LBL VLSI IDEAS社 ΔE = 1.3 keV (FWHM) ΔE = 0.86 keV (FWHM) 世界トップのアナログASICたち

  19. CdTeダイオードを接続して確認 1ch を CdTeダイオードに接続 (2mm角、0.5mm厚) 133Ba のスペクトル ・セルフトリガー ・20℃、400V 5.4 keV [FWHM] 飽和 0keV 40keV 80keV K.Tamura et.al IEEE 2005 TNS ラインガンマ線のスペクトル取得

  20. 独自のアナログVLSI開発 目的   アナログVLSIのテクノロジーを自ら持つ ・回路内部を理解 ⇒ ブラックボックスにならない ・自分達の要求に合ったアナログVLSIを自在に開発できる

  21. P/H 2pF 2pF CSA Vth =高抵抗回路 コンパレータ 64ch アナログASICの回路構成 ピークホールド回路 1chの回路 ・TSMC 0.35um CMOS プロセス ・電源電圧 + 2.0 V / -1.3V ・消費電力 108 mW (1.5 mW / ch) ・雑音レベル(シミュレーション) 87 e @ 0pF ・整形時定数 0.5us ~ 1.9 us 10mm 5mm

  22. 実際の性能 1ch を CdTeダイオードに接続 (2mm角、0.5mm厚) 133Ba のスペクトル ・セルフトリガー ・20℃、400V 5.4 keV [FWHM] 飽和 0keV 40keV 80keV K.Tamura et.al IEEE 2005 TNS ラインガンマ線のスペクトル取得に成功

  23. ノイズレベルの評価 容量 vs ノイズレベル コンデンサー を挿入 ※配線の容量はゼロとしてプロット ノイズレベル CIN 65 e/pF CSA (e-) 50 e/pF 実測値 317 e- @ 0pF SPICEシミュレーションの結果 シミュレーションより悪い 91 e- @ 0pF 入力容量 CIN(pF) 実測値の容量勾配はシミュレーションより30%も大きい 入力容量に依存したノイズがのっている ⇒ CSAに原因?

  24. 低雑音化への対策(1) 入力容量に依存する雑音 ⇒チャージアンプに原因と考察 CIN 初段FET VSS RC フィルターを追加 (雑音悪化を10分の1以下に) -1.3V(VSS)の揺れ  0.1mV p-p @100 kHzで 約 40e- 悪化

  25. 低雑音化への対策(2) 抵抗=ノイズ源 リセット信号 フィードバック抵抗で減衰 スイッチで減衰 ノイズ ∝ 「温度」×「整形時定数」 / 抵抗値 メリット: 約 10e 減 フィードバック抵抗部の雑音がなくなる デメリット: リセット信号によるデジタル雑音が生じる可能性

  26. まとめ ・アナログASICが次世代検出器の実現の鍵 ・低雑音の回路を研究するために64chアナログASICを開発・評価 ・現在の雑音レベル= 317e @ 0pF ・雑音源を解明し、アナログ回路の改良案を考案 ・他のアプリケーションに対応したASICを開発

  27. 現在開発中のアナログASIC 1ch分の回路 (2)CdTe用 低雑音追求のためのASIC (評価中) ・64ch 1次元アレイ、1.5mW / ch 10mm ・電子 / ホール 読み出しの2種類のチップ 5mm (3)荷電粒子検出器 (Si ストリップ)用 ASIC (評価準備中) ・32ch 1次元アレイ、1.5mW / ch 100 pF ~ 1000 pF の入力容量 1×107個の入力キャリア 6mm に対応 ・ ・電子 / ホール読み出しの2種類のチップ (4)マルチアノード光電子増倍管用 (評価中) 6mm チャージアンプをバッファに置き換え ※いずれもTSMC 0.35um CMOS プロセス

  28. 入力容量「大」の検出器へ対応 (100pF, 1000pF) 例: 大面積のSi半導体による荷電粒子センサー etc ΔE 2% 0% 1000pF 入力容量

  29. 対策後の効果 電源(VSS)の揺れからの影響のシミュレーション結果 電圧感度 (dB) 1/10 の電圧感度へ 周波数(Hz) 電源ラインの揺れの影響を無視できる 現在開発中のアナログ回路からこの回路を導入

  30. アナログASIC = 次世代のX線・ガンマ線観測の「鍵」 (大規模集積回路) MAPMT CdTeイメージャ Siストリップ (マルチアノード光電子増倍管) 浜松の写真 浜松ホトニクス チャンネル数が従来の10~1000倍 ・コンパクトに ・現実的な消費電力に抑えるために アナログASICが必要不可欠

  31. 重要な研究項目 「低雑音化」 硬X線イメージャ 目標 CdTeのピクセル型半導体 (テルル化カドミウム) エネルギー分解能<1keV(FWHM) 雑音レベル<100e-(RMS) 2次元アナログASIC 低雑音のアナログ回路を研究するため 64chアナログASICを開発・ノイズ評価

More Related