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・先週の授業の補足説明. 企業(非金融法人企業)部門の資金過不足 企業の貯蓄=企業所得-企業消費 企業所得=企業収益の内部留保+減価償却 企業消費:企業は生産主体であり、消費主体ではないので、企業消費はゼロ 企業の貯蓄=企業収益の内部留保+減価償却 企業の投資=生産設備・工場・オフィスビル等への実物的投資 企業の資金過不足=企業の貯蓄-企業の投資 貯蓄> ( < )投資 ⇒ 資金余剰(資金不足). なぜ、企業の消費はゼロか? 企業の経費支出は新たな財・サービスを生産するためのものであり、個人の生活・満足のためのものではない。
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・先週の授業の補足説明 • 企業(非金融法人企業)部門の資金過不足 • 企業の貯蓄=企業所得-企業消費 • 企業所得=企業収益の内部留保+減価償却 • 企業消費:企業は生産主体であり、消費主体ではないので、企業消費はゼロ • 企業の貯蓄=企業収益の内部留保+減価償却 • 企業の投資=生産設備・工場・オフィスビル等への実物的投資 • 企業の資金過不足=企業の貯蓄-企業の投資 • 貯蓄> ( < )投資 ⇒ 資金余剰(資金不足)
なぜ、企業の消費はゼロか? • 企業の経費支出は新たな財・サービスを生産するためのものであり、個人の生活・満足のためのものではない。 • なぜ、企業所得に減価償却を含めて、資金過不足を計算するのか? • 減価償却 • 固定資産の年々の資本減耗分を事業のための費用として処理すること:本来的には企業の所得ではない
企業にとって利用可能な資金という観点 • 原材料費等は実際の現金の支出を伴う費用であるが、減価償却費は費用ではあるが、現金支出を伴っておらず、その資金は企業が自由に使える。その点では企業収益の内部留保と同じ。 • 国民経済計算(GDP統計)でも同じ扱い • Gross Domestic Product(国内総生産)=国内の生産活動で生み出された付加価値(=所得)の総額 • 付加価値(=所得)を計算する時、生産額から中間投入物は差し引くが、減価償却(資本減耗)は差し引かないので、減価償却の分も含まれている
経済全体の資金過不足 • 家計部門の資金余剰+企業部門の資金余剰+政府部門の資金余剰+海外部門の資金余剰=0 : ①式 • 資金余剰=受取-支払 • ある取引は、一方の主体から見れば受取だが、取引相手側から見れば支払 • すべての取引を考えれば(上式の左辺)、受取=支払であるから、すべての部門の資金余剰の総計はゼロ • ①式を変形: • 家計部門の資金余剰+企業部門の資金余剰-政府部門の資金不足-海外部門の資金不足(日本の経常収支黒字)=0 • 資金不足=支払-受取=-資金余剰
日本の経常収支が赤字化した状態: • 家計部門の資金余剰+企業部門の資金余剰-政府部門の資金不足+海外部門の資金余剰(日本の経常赤字)=0 • 日本の政府の資金不足を、国内の資金(家計と企業の資金余剰)で埋めることができず、海外からの資金(海外の資金余剰)に頼らざるをえない状態
○本源的証券・間接証券と資産変換 • 資金移転プロセス: • 資金の流れの側面と証書・金融資産の流れの側面(資金の流れと反対方向) • e.g. 株券、借入証書、預金証書、投信受益証券 • 本源的証券:資金不足主体が発行する証券 • 間接証券:金融仲介機関が発行する証券 • ここでの証券(広義の証券)は金融的権利を表すものすべてを指しており、証券市場で取引されるもの(狭義の証券)だけではない。 • 有価証券:財産的価値ある私権を表象する証券であって、その権利の移転及び行使が証券によってなされることを要するもの
○金融仲介の方式 • 直接金融: • 間接金融:
証書・証券の流れ • 直接金融(→)と間接金融(⇒) 間接証券 本源的証券 金融仲介 機関 資金不足 主体(企業) 資金余剰 主体(家計) 本源的証券 ・
投資信託も間接金融 • ○投資信託の仕組み 資金 投資 投資家 投資信託 証券市場等 収益分配 投資収益
投資信託 (不足主体) 企業 (余剰主体) 投資家 有価証券 投信受益証券 証券市場 ・投資信託における資産変換 ある程度大きな金額の証券を発行して資金調達したい企業 のニーズと、小口資金を多くの企業に分散投資したい投資家の ニーズとのギャップを、資産変換を通じて埋める
○証券化も間接金融(資産変換が行われている)○証券化も間接金融(資産変換が行われている) ・資産変換:個々の企業向ローンをリスク分散され市場で売買可能なABSに変換 債権譲渡 (優先債と劣後債) (不足主体) 債務者企業 企業向貸出 負債・資本 企業向貸出 A B S (余剰主体) 投資家 証券市場 借入証書 銀行・ノン バンク SPC(特別 目的会社) ・Special Purpose Company ・Asset Backed Security(資産担保証券)
直接金融において証券会社は、本源的証券の発行体と投資家直接金融において証券会社は、本源的証券の発行体と投資家 の間で仲介的役割を果たしている。⇒間接金融との違いは何? • 銀行と証券会社 間接証券 本源的証券 金融仲介 機関 資金不足 主体(企業) 資金余剰 主体(家計) 銀行等 証券会社 本源的証券
(金融仲介機関ではない) • 資金調達主体が発行した証券を資産変換することなく、そのまま投資家に販売しているだけ • 証券会社: • 銀行・投資信託委託会社: • 本源的証券を原料として、間接証券という資金提供者向けの製品に加工(資産変換)している。
○証券化における資産変換 ・ • ・ サブプライム住宅ローンの証券化RMBS(住宅ローン担保証券) • ・RMBSを再度証券化した CDO(債務担保証券):ABSCDO ・RMBS: Residential Mortgage Backed Security ・CDO: Collateralized Debt Obligation:企業向貸出や 証券化商品を証券化したもの IMF. Global Financial Stability Report April 2008 p.60
優先劣後構造:証券化によって発行される複数の証券に弁済の順序付けが行われること優先劣後構造:証券化によって発行される複数の証券に弁済の順序付けが行われること • 優先劣後構造の数値例 • 格付のランク付けを以下のように仮定する • 格付:発行される債券のデフォルト(債務不履行)リスクの評価・ランク付け • A:1年間のデフォルト確率1%未満 • B:1%~6% • C:6%以上 • ローンaとローンbをプールして証券化する • ローンa、ローンb共に返済期限が1年後で、元利返済額が共に1000万円 • 共にデフォルト確率5%、両者に相関がない(統計的に独立)、デフォルトした場合返済額はゼロ • ローンa、b共に格付はB
・ローンa、bをプールした全体の元利返済状況は、以下の・ローンa、bをプールした全体の元利返済状況は、以下の 4つのケースとなる。
ローンa、bをプールして、それを裏付け担保とする証券化を考える。ローンa、bをプールして、それを裏付け担保とする証券化を考える。 • 証券化により優先債と劣後債の2種類の • 優先債:担保資産からのキャッシュフローを優先的に1000万円を受け取ることのできる権利 • 劣後債:優先債への支払いが行われた後、1000万円を受け取ることのできる権利 • 優先債のデフォルトはケース④のみ、デフォルト確率:0.25% ⇒ • 劣後債のデフォルトはケース②、③、④で発生、デフォルト確率9.75% ⇒