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量的デザインの研究の基本. 中山和弘(聖路加看護大学 第12回日本看護研究学会東海地方会学術集会 3/15/2008. 内容. 仮説検証にはしっかりした変数測定とその関連の統計的分析が必要 変数測定でのポイント 変数間の関連の統計的分析のポイント 問題のあるケースと第3の変数のチェック サンプル数は十分か まとめと探索的データ解析のすすめ. 今日のパワーポイントはサイトで公開. 私の運営するサイト ナースに役立つ種類のサイトとは? http://www.geocities.jp/kazu_hiro/ Google などで「ナースに役立つ」で検索
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量的デザインの研究の基本 中山和弘(聖路加看護大学 第12回日本看護研究学会東海地方会学術集会 3/15/2008 中山和弘(聖路加看護大学)
内容 • 仮説検証にはしっかりした変数測定とその関連の統計的分析が必要 • 変数測定でのポイント • 変数間の関連の統計的分析のポイント • 問題のあるケースと第3の変数のチェック • サンプル数は十分か • まとめと探索的データ解析のすすめ 中山和弘(聖路加看護大学)
今日のパワーポイントはサイトで公開 • 私の運営するサイト • ナースに役立つ種類のサイトとは? • http://www.geocities.jp/kazu_hiro/ • Googleなどで「ナースに役立つ」で検索 • 画面下で探してください 中山和弘(聖路加看護大学)
仮説検証にはしっかりした変数測定とその関連の統計的分析が必要仮説検証にはしっかりした変数測定とその関連の統計的分析が必要 中山和弘(聖路加看護大学)
仮説検証、エビデンスが主目的 • 仮説:原因と結果=因果関係があるのか • 未検証の仮説の発見は大変→先行研究、十分な観察、聞き取りをもとに • たとえば、患者への意思決定支援度が高いほど患者のQOLが高いという仮説の検証 • 仮説を表現する目的変数と説明変数の用意 • それだけでなく仮説発想(問題発見)も可能で、それも大事!→最後に 中山和弘(聖路加看護大学)
エビデンスの必要性 • ある少数の患者で続けて観察されただけで関連の有無を判断するリスク • 0と1を無作為に500個ならべる→10個中8個の1または10個中8個の0がある確率は高い 1100001010000100100011111001101101111 • 専門家の意見=その領域には詳しいがそれ以外は疎い=視野が狭いリスク • 事例的に見られる現象が、一般化、普遍化できるのか 中山和弘(聖路加看護大学)
説明変数? 目的変数? 説明変数? 説明変数? 仮説:おぼろげな変数測定とその関連 ? ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援? QOL? 説明変数? 説明変数? 仮説:意思決定支援とQOLの関連 ? ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
変数測定でのポイント 中山和弘(聖路加看護大学)
変数測定の信頼性と妥当性確認 • 信頼性=誤差が少ない • 観測結果=真の値+誤差 • 複数回の測定による平均値にして誤差を減らす • 妥当性=測りたいものを測っているか • その定義と測定内容の比較 • 他の変数との関連から何に似ているか検討 • 意思決定支援度とQOL尺度の測定の信頼性と妥当性の確認 中山和弘(聖路加看護大学)
変数は既存の尺度か、量的か質的か • QOL尺度の種類、類似も多く、保険で複数測定 • 同じ対象で信頼性と妥当性が多く確認されているものなら詳細に検討する手間が省ける • 対象が違ったり、内容妥当性など不十分ならオリジナルの測定が必要→尺度開発または測定の試行 • 量的か質的か(数字である必要性の有無) →関連をみる統計的手法が違う • 量的は情報量多い→量ー反応関係=強い因果関係、量は質に変換可能なのでなるべく量的に測定 中山和弘(聖路加看護大学)
質問者や対象者の思いの影響 • 質問紙調査は、自記式かインタビューか→質問者、回答者によって答えにくい状況(逆も) • 信頼できる回答を得られる質問紙か→しっかりとしたコミュニケーションがとれているのか、質問者や回答者の質問に対する過剰な思いが反映されていないか • 介入研究の場合、対象者にどちらかを知らせないマスキング(盲検化) • 調査はコミュニケーション! 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL 説明変数 説明変数 変数測定が大丈夫そうなら次は ? ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
変数間の関連の統計的分析のポイント 中山和弘(聖路加看護大学)
変数間の関連の統計的分析 • 目的変数と説明変数の関連 • 意思決定支援度とQOLの有意な関連の確認 • 量的か質的かの変数の種類の組み合わせで方法を選択 • 量と量=相関係数(無相関の検定) • 量と質=平均値の差(t検定、一元配置分散分析) • 質と質=クロス表(χ2検定) • 多変量解析の種類もこの組み合わせで決まる 中山和弘(聖路加看護大学)
研究は標本(サンプル) →母集団に一般化? 平均値の差なら:母集団では差がないと仮定したときそこから無作為抽出した標本で差が起こる確率がわかっている→t分布 サンプル数が多いほど大きな差が生じる確率は低い 有意とは=統計的検定(test) 差が起こる確率 ←差の大きさ 差の大きさ→ 0 中山和弘(聖路加看護大学)
起こるはずもないことが起きたら • 前と後ろに座っている人の身長の差 • ほんとは差がないだろうと思っているのに考えにくい大きな差が出たら • 前5人と後ろ5人で5cmの差なら? • 前50人と後ろ50人で5cmの差なら? • 前1000人と後ろ1000人で2cmの差なら? • ほんとは差があるのでは?と考える差 中山和弘(聖路加看護大学)
差がないという仮説=帰無仮説 そう考えたとき起こりにくい大きな差が出た 起こりにくさはα=0.05未満で判断(赤い部分) 帰無仮説を棄却→「有意」な差という 有意な差があると判断する ↑ 大きな差 0 中山和弘(聖路加看護大学)
有意な差の意味 • 差がゼロでないと考えても誤りでないだろう • 有意な差がなくても「差がない」とは言えない→研究者も間違える • 「有意な差がある」=「効果がある」ではない • その差を効果と考えるかは、専門家、臨床家、あるいは対象者の判断 中山和弘(聖路加看護大学)
問題のあるケースと第3の変数のチェック 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL 説明変数 説明変数 有意な関連の確認 パチパチ? 有意 ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
有意でなくてもだが、分析前後にはずれ値の検討有意でなくてもだが、分析前後にはずれ値の検討 • 量的データは正規分布し、その全体から離れた「はずれ値」がないか • グラフを描いて判断 • 計算してみると結果を乱すケースがあり得る • 全体と違う傾向を示すケースは、削除してみて結果が大きく変わるなら分析から外すことも 中山和弘(聖路加看護大学)
はずれ値の例傾き=相関係数が大きくなる 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL セルフケア能力 コミュニケーション能力 関連がある時のチェックみせかけの相関を生む交絡変数の検討 有意 ? ? ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL 意思決定の満足度 医療への 信頼感 関連がある時のチェックなぜ?直接の関連?媒介変数? 有意 ? ? ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL 説明変数 説明変数 有意な関連なし ガックリ? 有意でない ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL 問題の 大きさ 支援の必要性 関連がない時のチェックなぜ?対象や場合による?調整変数? 有意でない ? ? ? ? 中山和弘(聖路加看護大学)
第3の変数の存在とそれへの対処 • 本当は関連がないのに見せかけの関連を生む交絡変数は常にありえる • それとは別に、目的変数と説明変数の間の因果の流れに影響する変数(媒介変数と調整変数)がありえる • どうするか? • 交絡変数:それが影響しない研究デザイン • その他:それを分析に取り入れた多変量解析(気をつけることがたくさんあるので注意) 中山和弘(聖路加看護大学)
第3の変数が影響しない研究デザイン • 説明変数の違いで第3の変数の状況に違いがないようにする=説明変数の違い以外は条件はみな同じにする • セルフケア能力やコミュニケーション能力によって意思決定支援度に差がないようにする • 観察研究ではマッチング • 介入研究では無作為化割り付け 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL 第3の変数 説明変数と目的変数で1対1(さしで勝負) × 中山和弘(聖路加看護大学)
サンプル数は十分か 中山和弘(聖路加看護大学)
意思決定支援度 QOL 説明変数 説明変数 関連がない時のチェックなぜ?サンプル数は足りたのか? 有意でない ? ? 関連は十分だったが N=8 少なくない? 中山和弘(聖路加看護大学)
サンプリングと検出力 • その関連の強さで有意になるだけのサンプル数があったか(検出力、サンプルパワー) • 関連の有無が対象によって異なる場合は、関連のある対象から十分なサンプルを • 必要なサンプル数は、関連の強さや差の大きさ(効果サイズ)などがわかれば計算可能(パワーアナリシス) • 関連がかなり弱くてもサンプル数が十分多ければ有意にできる(まさにサンプルパワー) 中山和弘(聖路加看護大学)
まとめと探索的データ解析のすすめ 中山和弘(聖路加看護大学)
まとめ 量的研究の実施に必要なもの • 仮説を生む観察・インタビュー能力、文献レビュー能力(図表を批判的に見る力) • 仮説をあらわす目的変数と説明変数 • 仮説があてはまると予想する母集団の特定 • そこからの十分なサンプル数(できれば無作為) • 第3の変数の影響を考慮したデザイン • 統計学の知識(不確実な現象を理解するために、それを数量化し偶然をコントロールすることで一般化) • 観察研究や介入研究の方法選択の知識(今回省略) • 対象者の協力、関係者の理解、統計ソフト、お金・・・ 中山和弘(聖路加看護大学)
さらに仮説修正とあらたな仮説発見へ探索的データ解析のすすめさらに仮説修正とあらたな仮説発見へ探索的データ解析のすすめ • データをすべて検討しつくせ! • 仮説が検証されないように見えたら仮説の修正 • 測定した変数の見直し(量を質になど) • 目的変数と説明変数の組み合わせの見直し • ただし、あらたな仮説で検定を繰り返すと、有意なものが発見される確率が高まる • 仮説が検証されたように見えても常に疑い、確認する • 一人ひとり事例の検討も大事 中山和弘(聖路加看護大学)