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First Results from the XENON10 Dark Matter Search at Gran Sasso. Colloquium 22.May 2007 高エネルギー研究室 M2 五味 慎一. Abstract. XENON10 は、直接的な Dark Matter の観測実験である。 液相 / 気相の、 2 相についての Xe をターゲットとして用い、 WIMP(= Weakly Interacting Massive Particle) の観測を目指す。. Introduction. Dark Matter の理解
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First Results from the XENON10 Dark Matter Search at Gran Sasso Colloquium 22.May 2007 高エネルギー研究室 M2 五味 慎一
Abstract • XENON10は、直接的なDark Matterの観測実験である。 • 液相/気相の、2相についてのXeをターゲットとして用い、WIMP(= Weakly Interacting Massive Particle)の観測を目指す。
Dark Matter の理解 宇宙物理での重大なチャレンジ XENON10 XENON10 質量を持った、Cold Dark Matterの探索 ・ 大スケール構造 近年の宇宙の観測結果 ・ 高赤方偏移スーパーノヴァ ・ 宇宙のマイクロ波バックグラウンドの異方性 宇宙の、Concordance Modelと呼ばれる構造
WIMP( = Weakly Interactive Massive Particle) 相互作用が弱い、質量を持った新粒子 WIMP ・・・ ごく初期の超高温・高圧の宇宙では、クォーク・レプトンと平衡状態にあり、宇宙が非相対論的な環境に落ち着いた時に分離した。 Dark Matter の候補 もし WIMP が Dark Matter なら、銀河系ハロにおけるWIMPを実験室で観測することができるはずである。
WIMP-原子核弾性散乱実験 WIMPが原子核と弾性散乱することによる、原子核の反跳を観測することで、WIMP-原子核散乱断面積を求める WIMP質量=10GeV~10TeV 地球上で観測できる原子核の反跳エネルギーは~100keV以下程度
過去の実験データ 赤・・・Edelweiss 桃・・・WARP 緑・・・Zeplin-Ⅱ 青・・・CDMS-Ⅱ SUSY model
Gran Sasso 実験施設 XENON10
検出器としての各希ガスの性能表一覧 液体になった希ガスは、シンチレーション光・イオン化による電子シグナル、の両方を出す。
なぜ希ガスを使うのか? • 原子核・電子の反跳の区別が容易い • シンチレーション光の時間幅 • イオン化・シンチレーション比 • 高いシンチレーション発光 • 低いエネルギーのthresholdをかけれる。 • 密度が高いことによる、再構築の容易さと振る舞いの良さ • Self Shielding が可能。 • 位置分解能が非常に高い • Dark MatterのCross sectionについて、σ~10-46cm2 =1event/100kg/year( Ge, or Xe )のレベルの精度まで見ることが出来る。 • コストが低く、多量に用意することが容易い
Mechanism & Experiments 液体Xe、気体Xeの両方を用いた、”Double Phase” Single Phase シンチレーション光のみ Double Phase シンチレーション光 + イオン化電子シグナル 電場によって電子をドリフトさせる(kV/cm)
The XEXNON10 Detector WIMPのXe原子核による散乱による反跳エネルギーの観測から、Dark Matterの探索を行う • 直径20cm×高さ15cm • 15kgの液体Xe • HPK製PMT、R8520-06AL×89個 • 1インチ角の四角形PMTで、高さは35mm。 • 天井部に48PMT、底部に41PMT (液体Xeに浸る) 気体Xe = ガスプロポーショナルシンチレーション 液体Xe = シンチレーション
XENON10 Event Discrimination 2種類のシグナル S1・・・液体Xeでのシンチレーション光 S2・・・気体Xeでの、2次的な引き出され加速された電子によるシンチレーション光
XENON10 Event Discrimination 実際に測定されたデータを見てみる。 S1は同程度 S2は大きく異なる この比の違いを用いて、ER event ( = Back Ground )をNR eventから取り除くことを考える。
実験環境 Xeの冷却 パルスチューブ冷却装置で冷却 Xeの純度 残留ガスの吸着装置内を循環 6ヶ月という長い実験期間において非常に安定している
XENON10 Live Time 今回はこの79日分に相当するWIMP探索の結果について報告を行う。
XENON10 events Multiple Scatter
XENON10 events Events Below Cathode “ Fake WIMPs “
Gamma Calibration( 57Co & 137Cs ) 57Co,137Cs γ線源を用いる。 XENON10 Energy Scale 374pe 1464pe = 3.1 pe/keV = 2.2 pe/keV
Gamma Calibration 137Csを用いて、xy平面でのS2シグナルのvertexの位置の再構築をテストする。 σ~1mmの位置分解能 置いた137Csの位置がはっきりと確認できる。
Gamma Calibration with n-activated Xe 252Cfを用いて、Xeを放射化させる。 放射化させたXeをXENON10へ入れ、164keV・236keVのγを見ることで、S1・S2シグナルの位置についての依存性を見る。
Position Dependence of S1 & S2 Signal n-activated Xeを用いた測定による、この位置依存性を考慮することで、Back Groundを排除する効率が向上する。
Calibration with n source( AmBe ) 中性子線源として、AmBeを用いる。(200neutron/s) 中性子線源のデータは原子核反跳(NR)であり、WIMPのシグナルの予言される領域に現れる。これを先のERの結果と分離することが出来るかが、検出器の性能を与える。 AmBeを用いた測定結果とMCとの比較。 threshold~10keV 良く一致している。
XENON10 Background Rejection Power 137Csγ線源・・・( ER-band ) AmBeneutron・・・( NR-band ) 50%のAcceptance( Mean~-3σ ・・・下半分 )において、~99.5%の、rejection powerを有する。特に、低エネルギー領域では99.9%にもなる。
XENON10 Blind Analysis Cuts WIMPの探索に関して、3つのカットをかける • QC0・・・Basic Quality Cut • ノイズ・WIMP探索に意味の無いイベントの除去
XENON10 Blind Analysis Cuts • QC1・・・Fiducial Volume Cut • Xeの自己シールドの考慮によるBackground事象の除去 Fiducial Volumeとして、r<80mm ・ 15<dt<65 [us] Fiducial Mass = 5.4kg : Backgroundは、~0.6/kg d keVee
XENON10 Blind Analysis Cuts • QC2・・・High Level Cut • 天井PMT・底部PMTにおけるシグナルの比に基づいたカット。変則的なS1シグナルイベントを取り除く。 Gamma-X event 1回目の散乱が「Cathodeの下」で起こると、電子が電場から力を受けないためにS2シグナルが出ない。 2回目の散乱が「Cathodeの上」で起こると、通常通りS1・S2が生じる。 結果、S1が大きく出、(S2/S1)が小さく見えWIMPに見えてしまう。
WIMP Search Data log10(S2/S1) の5個 XENON10 WIMP Search Data with Blind Cuts WIMP Box ~50% Acceptance NR [Mean -3σ] 2~12 keVee 10 events ER-bandのGAUSSIANのテール
XENON10 WIMP Search Data with Blind Cuts WIMP Search Data の5個 ER-bandの寄与ではない。 log10(S2/S1) ×・・・Gamma-X ×・・・missing S2 event 残った最後の1個も、WIMPであるとは考えられない。 cut acceptanceの1%の変化に紛れて混入してしまったのか
XENON10 Experiment Upper Limit 結果として、WIMPによる事象を見つけることは叶わなかったが、Cross-sectionを計算することはできる。 Factor 6 過去の測定結果を更新した。
Cross-section [cm2] ( normalized to nucleon ) Future Plan ・・・Dark Matter探索の実験がまだまだこれからも計画されている。 今後も液体希ガスを用いた実験は、コストやパフォーマンスの面から見ても実現が容易なので、続けられるだろう。