220 likes | 399 Views
超伝導体光検出器の開発 ー超伝導トンネル接合素子(STJ)を用いた赤外線検出器ー. 金 信弘(筑波大学物理)、 武政健一(筑波大学物理)、 清水裕彦(KEK物構研)、 山内正則(KEK素核研)、 Soo-Bong Kim(Seoul大). 2006 年 11 月 21 日 KEK測定器開発室ミーティング. ● 開発の現状 ● 応用例 ● 開発計画. 新赤外線検出器 STJ ( Superconducting Tunnel Junction ).
E N D
超伝導体光検出器の開発ー超伝導トンネル接合素子(STJ)を用いた赤外線検出器ー超伝導体光検出器の開発ー超伝導トンネル接合素子(STJ)を用いた赤外線検出器ー 金 信弘(筑波大学物理)、 武政健一(筑波大学物理)、 清水裕彦(KEK物構研)、 山内正則(KEK素核研)、 Soo-Bong Kim(Seoul大) 2006年11月21日 KEK測定器開発室ミーティング • ● 開発の現状 • ● 応用例 • ● 開発計画
新赤外線検出器 STJ(SuperconductingTunnelJunction)新赤外線検出器 STJ(SuperconductingTunnelJunction) 2006年2月24日 KEK測定器開発室セミナー http://rd.kek.jp/events.html
超伝導体光検出器の応用例 1.ニュートリノ崩壊探索実験 2.赤外線背景輻射のスペクトル測定 3.赤外線サーモグラフィーなどへの実用 (可視光・赤外線の1光子のエネルギー測定)
ニュートリノ崩壊の探索 ディラック・ニュートリノは崩壊するが、寿命が非常に長いので、宇宙背景ニュートリノを用いないと、まず検出不可能。 宇宙背景ニュートリノは110個/cm3存在し、1.9K(0.6meV)の平均エネルギーでプランク分布。 ν3→ν2+γを例えばm3=60meV, m2=11meV(ニュートリノ振動の結果と矛盾しない値)で考えると、ほとんどmonochromaticな30meV (RMS=0.5%)の遠赤外線を出す反応となる。
ニュートリノの寿命 M. Beg, W. Marciano and M. Rudeman Phys. Rev. D17 (1978) 1395-1401 ニュートリノ崩壊幅をSU(2)L x SU(2)R x U(1)模型で計算. M(WR)無限大が標準模型と一致。 寿命は1017年~1035年(ν3→ν2+γ)
崩壊光子のスペクトル(赤方偏移red shift によるsmearing) 実際に観測される光子のエネルギーEgは,ドップラー効果によってred shift zが無い場合のエネルギー E0に比べて Eg = E0 /(1+z) だけ小さくなる。 宇宙背景ニュートリノが崩壊する時刻は寿命が宇宙年齢に比べて十分に長いので,時間については一様に分布すると考えて良い。 Red shift z と宇宙年齢 t との間には, という関係式が成り立つ(宇宙が平坦な場合)ので, Egは右図のように広がる。
崩壊光子のスペクトルと2.7K宇宙背景輻射 2.7K宇宙背景輻射 2mm 200mm 40mm
COBE(COsmic Background Explorer)観測実験 構成: 3つの観測装置 Far Infrared Absolute Spectrophotometer (FIRAS) 宇宙マイクロ波背景輻射のスペクトルの精密測定 Differential Microwave Radiometers (DMR) 宇宙マイクロ波背景輻射のゆらぎ(初期宇宙の密度分布)の観測 Diffuse Infrared Background Experiment (DIRBE) 宇宙赤外線背景輻射の観測 November 18, 1989: 観測開始 September 21, 1990: FIRAS観測終了。 DIRBE観測一部(波長4.9 µm 以上)終了。 December 23, 1993. 全観測終了
COBE赤外線背景輻射観測装置(DIRBE:Diffuse InfraRed Background Experiment ) 口径20cm、視野1° 波長フィルター:回折 検出器:ボロメーター(熱量計)
COBEによる赤外線背景輻射観測(続き1) 1998年1月 PressRelease 赤外線背景放射の測定に成功 データから太陽系や恒 星、銀河から放射されている赤外線を除去していった。その結果銀河の両極の方向に数十億光年以上彼方の赤外線背景放射を発見した。 When infrared light from these sources was subtracted from the all-sky maps, the astronomers found a smooth background of residual infrared light in the 240 and 140 micrometer wavelength bands in "windows" near the north and south poles of the Milky Way, which provided a relatively clear view across billions of light-years. また観測された赤外線の量は可視光による観測から推測されたものよりはるかに多いことから、宇宙には予想より星間ガスが多いのか、宇宙の初期において、星 々が突発的に誕生し多量のエネルギーを放射したものの、現在までに死滅したのか、の2通りの考え方が提起されている。
COBEによる赤外線背景輻射観測(続き2) 宇宙から観測される全赤外線の各波長ごとのマップ。中心を横切る明るい部分は銀河系の星間ガスから放出される赤外線。S字の明るい部分は太陽系の惑星間のダストから放出される赤外線。 短い波長では、これらのバックグランドが特に大きい。
COBEによる赤外線背景輻射観測(続き3) (上)宇宙から観測される全赤外線のマップ。中心を横切る明るい黄色またはオレンジ色の部分は銀河系の星間ガスから放出される赤外線。青いS字の部分は太陽系の惑星間のダストから放出される赤外線。 (中)上から太陽系の赤外線を除去したもの (下)さらに銀河系などの赤外線を除去したもの。中央の黒い部分は銀河系に遮られて観測できなかった部分。
COBEによる赤外線背景輻射観測(続き4) The two black circles with error bars represent DIRBE detections of the CIB at 140 and 240 µm. (These detections were the subject of a press release.) Circles with downward-pointing arrows represent DIRBE 2 sigma upper limits at 1.25 - 100 µm
赤外線背景輻射観測の論文(5) CIB upper limit(measured by COBE) CIB estimated by Foreground subtraction
超伝導体光検出器の開発計画 遠赤外線(λ~40μm, E~30meV)の一光子エネルギー測定を行うために新材料の検出器を開発する。 従来のNb・Alでなく、HfあるいはWを用いる。 エネルギーギャップ 相転移温度 Nb3.05 meV 9.29 K Al 0.34 meV 1.20 K Hf 0.051 meV 0.165 K W 0.0049 meV 0.016 K 2006年度( 予算 190万円 ) ● Al 試作 X線(55Fe)テスト(0.4K): 液体ヘリウム 40万円、 低温部品など 44万円、 旅費 20万円 ● Hf、 W 準備 : Hf + Zr(Zr<3%) 6inch x 5t 50万円 W 6inch x 5t 36万円 2007年度 ● Hf、 W レーザーテスト 低温クライオスタットなど ~2000万円