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ひらめき☆ときめきサイエンス ~ようこそ大学の研究室へ~ KAKENHI. 光で「科学する」神戸ビーフの美味しさ. 神戸大学大学院農学研究科 農産食品プロセス工学教育研究分野 豊田淨彦. 今日は牛肉に関係するお話です. ・神戸ビーフと言う名前を聞いたことがありますか ? ・神戸ビーフは黒毛和種という肉用牛のお肉です。黒毛和種という名前を聞いたことがありますか ?. 神戸ビーフの特徴. 優れた脂肪交雑 肥育管理の徹底 但馬牛の優れた血統 繁殖・肥育、出荷が指定されている点で明確. 研究のものの見方、考え方. 牛肉の美味しさを左右する 脂肪酸組成.
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ひらめき☆ときめきサイエンス ~ようこそ大学の研究室へ~ KAKENHIひらめき☆ときめきサイエンス ~ようこそ大学の研究室へ~ KAKENHI 光で「科学する」神戸ビーフの美味しさ 神戸大学大学院農学研究科 農産食品プロセス工学教育研究分野 豊田淨彦
今日は牛肉に関係するお話です ・神戸ビーフと言う名前を聞いたことがありますか? ・神戸ビーフは黒毛和種という肉用牛のお肉です。黒毛和種という名前を聞いたことがありますか?
神戸ビーフの特徴 • 優れた脂肪交雑 • 肥育管理の徹底 • 但馬牛の優れた血統 • 繁殖・肥育、出荷が指定されている点で明確
研究のものの見方、考え方 牛肉の美味しさを左右する脂肪酸組成 牛肉の美味しさの食味官能評価による数量化 中赤外分光法による脂肪酸組成測定法の開発 脂肪酸組成の簡便迅速な非破壊測定 ニューラルネットワークによる脂肪酸組成と美味しさ官能評価の関係づけ ゴール 牛肉の美味しさの物差しをつくろう。 科学的に根拠のある方法に基づいて。
講義 Ⅰ 牛肉の美味しさと脂肪の役割
美味しさの要因 典拠、中央畜産会ホームページ:jlia.lin.gr.jp/seisan/pdf/niku/niku2-shiryou04.pdf
牛肉の美味しさ • a. 外観に関するもの • …… 肉色、脂肪交雑(サシ)、脂肪色、肉のしまり、 • きめ、保水性 • b. 味に関するもの • …… うま味(グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸)、 • こく、あつみ、まろやかさ • c. 香りに関するもの • ……脂肪、水溶性成分 • d. 食感(テクスチャー) • ……結合組織、脂肪
牛肉の格付評価(歩留等級と肉質等級) 写真 屠体の第6-7肋骨間切開面での形態評価 歩留等級は胸最長筋(ロース芯)の面積、「ばら」の厚さ、左半丸冷屠体重量および皮下脂肪の厚さからA,B,Cで評価します。 肉質等級は、脂肪交雑、肉の色沢、肉の締まり及びきめ、脂肪の色沢 から1~5の点数で評価します。 その結果、A-5、B-4などと表現します。 写真 格付作業の様子
肉質等級の評価 脂肪交雑(脂肪細胞の入り具合)を評価します 赤身肉の色沢を評価します 脂肪の色沢を評価します
食味官能試験の実施状況 ポイント 食味官能試験 牛肉の官能試験 (例)ロース部、バラ部肉から1頭当たり20~23区分のサンプルを作成し、計3頭、111サンプルをパネル17名により評価 評価尺度*は 「やわらかさ」、 「多汁性」、 「牛肉らしい香り」、 「旨味」、 「脂っこさ」、 「臭み」、 総合評価 の7項目を8水準で評価。
牛肉の官能試験結果 食味官能試験
脂肪と牛肉の脂肪酸組成 脂肪の主成分
講義 Ⅱ 中赤外分光法の原理と応用
脂肪酸の測定法 中赤外分光法の原理と応用 図6 電磁波のスペクトル
分子構造の見方 分子の構造はバネのような伸縮や角度の変化を伴う緩やかに拘束された原子間の結合から成り立ち、絶えず振動しています。分子に赤外光を照射し、赤外光の振動周期と原子の振動周期が一致すると、個々の原子は赤外光のエネルギーを吸収して、振動周期に相当する波長に吸光度のピークを持つ赤外線スペクトルが得られます。
光による「共振」で 特定波長の光を吸収 身近な共振現象 ・弦の共振 ・固有振動数による建物の共振
伸縮振動(対称) 変角振動(ひねり) 変角振動(はさみ) 各種の振動様式 (伸縮振動・変角振動)
吸光度 波数 化学構造に基づく 固有のスペクトル 吸収 光源 照射 検出器 透過(反射) フーリエ変換 中赤外光の吸収による 物質の同定・定量 ポイント 分子の振動 ・伸縮振動(4000~650cm-1) ・変角振動(1550~550cm-1) 図 中赤外分光法の測定原理
吸光度Aから測定物質濃度cを知る方法 Aは吸光度、αは吸収係数、εはモル吸光係数、cは媒質のモル濃度 図 10 光の吸収と透過
中赤外吸光度スペクトル 図 11 赤外吸光度スペクトル(抽出脂質・生脂肪)
実測値と計算値の比較 図 12 測定値とPLS計算値の比較 (a.抽出脂質・ステアリン酸、b.抽出脂質・オレイン酸、c. 生脂肪・ステアリン酸、d. 生脂肪・オレイン酸)
脂肪酸組成と食味との関係づけ ・ 入力層 6ノード 脂肪酸の含有率(6種類) ・ 隠れ層 5ノード ・ 出力層 1ノード 食味評価尺度(やわらかさ、 香り….) ・ 伝達関数:シグモイド関数 図136入力、1出力のニューラルネットワークの例
脂肪酸組成からの食味尺度の推定 図14 評価尺度の実測値と計算値との関係
学習のポイント • 中赤外光という光を使うことで、物質の種類や量(濃度)を知ることができます。その大まかな理屈は理解できましたか? • 食味という主観的であいまいな感覚を、客観的に、また、数値で表す方法を学びました。その手順は理解できましたか? • 物質を調べる化学の方法が物理学と密接に結びついることがわかりましたか。(高校生以上の方)
お疲れさまでした。会議室(A棟3階)に移動して、昼食・休憩をお取り下さい。お疲れさまでした。会議室(A棟3階)に移動して、昼食・休憩をお取り下さい。 休憩時間の後半に、学生スタッフが交流に伺います。大学生活や入学試験などについて、自由に質問下さい。