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CMB 偏光観測用 超伝導カメラの開発. CMB: Cosmic Microwave Background ( 宇宙マイクロ波背景放射 ). 2007年4月10日. 提案者. KEK 加速器研究施設 : 吉田光宏 KEK 素粒子原子核研究所 : 後田裕、住澤一高、田島治、羽澄昌史、樋口岳雄 KEK 物質構造科学研究所 : 清水裕彦、森嶋隆裕 東京工業大学 : 石野宏和 東北大学 : 大田泉、服部誠 理化学研究所 : 有吉誠一郎、佐藤広海. 高感度ミリ波イメージング. NTT 技術ジャーナル 2006.6 p.25.
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CMB偏光観測用超伝導カメラの開発 CMB: Cosmic Microwave Background (宇宙マイクロ波背景放射) 2007年4月10日 提案者 KEK加速器研究施設 : 吉田光宏 KEK素粒子原子核研究所 : 後田裕、住澤一高、田島治、羽澄昌史、樋口岳雄 KEK物質構造科学研究所 : 清水裕彦、森嶋隆裕 東京工業大学 : 石野宏和 東北大学 : 大田泉、服部誠 理化学研究所 : 有吉誠一郎、佐藤広海 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
高感度ミリ波イメージング NTT技術ジャーナル2006.6 p.25 高い透過力(プラスチック、壁、紙、衣服、煙、霧などを透過)とマイクロ波より高い分解能 幅広い産業応用(非破壊診断など)、学術応用(天文学など) 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
WMAP CMB温度揺らぎの精密測定は、ビッグバンモデルの検証、非等方性の発見(インフレーションをサポート)、ダークエネルギー、ダークマターの定量的研究など、数多くの重要な成果をあげてきた。 次の目標は?
宇宙背景放射(CMB)偏光の精密測定による宇宙誕生直後の重力波の発見とインフレーションモデルの決定宇宙背景放射(CMB)偏光の精密測定による宇宙誕生直後の重力波の発見とインフレーションモデルの決定 Primordial gravitational waves • 宇宙誕生10-38秒後という極限状態の研究。 • Bモード(curl component)の大きさからインフレーションポテンシャルの深さを決定できる • およそ1016GeV(GUTスケール) • 究極の高エネルギー物理であり、KEKが取り組むに相応しい* CMB偏光にB-mode (スピン2)があらわれる (インフレーション重力波 のbest probe) *日本にCMB測定グループがまだ存在しない 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
“Task force on Cosmic Microwave Background Research” (astro-ph/0604101, USのroadmap)からの引用 • The accurate measurement of CMB polarization is the next critical step in extending our knowledge of both the early Universe and fundamental physics at the highest energies. • Detecting primordial gravitational waves would be one of the most significant scientific discoveries of all time. • We recommend technology development leading to receivers that contain a thousand or more polarization sensitive detectors, and adequate support for the facilities that produce these detectors. 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
Planck測定器より感度が10倍(以上)よい測定器が必要。Planck測定器より感度が10倍(以上)よい測定器が必要。 単体の検出器はすでに原理的なリミットに近いノイズレベルを実現して いるので、多チャンネル化が今後の方向。 多チャンネル化に適した「超伝導検出器」はよい候補である。 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
Parameters governing total mission sensitivities astro-ph/0604101 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
CMB and foreground frequencies • Minimal foreground at ~70GHzでよい感度を持つものが必要。 • Foreground差し引きのために、30-300GHz (EHF)を同じテクノロジーの測定器でカバーするべき。 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
開発課題 • 30-300GHzをカバーする超伝導検出器 • 多チャンネル(>100 チャンネル) • 出来れば1000チャンネル! • チャンネルあたりではPlanck測定器と同程度の性能(低ノイズ、NEP 10-17W/Hz) 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
STJセンサー基礎 佐藤氏のスライド参照のこと H. Sato 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
STJによる(二つの)ミリ波検出原理 2) ビデオ検出 • フォトン検出 • (佐藤氏のスライド参照のこと) Photon-Assisted Tunneling (PAT) E > 2Dの光子を検出 特長:エネルギーギャップ以下のエネルギー を持つフォトンを検出できる (~D < E < 2Dが帯域) 電磁波の入射により、I-V特性が変調を受ける E (注:これは概念図 で、正確な図ではない) 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
S. Ariyoshi アンテナ結合型STJ Nbを使用 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
S. Ariyoshi アンテナ結合型STJ(Nb) 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
S. Ariyoshi 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
超伝導体の選択 AlとAl/Taのビデオ検出で、30-300GHzのほぼ全域をカバーできる可能性あり。 Alのフォトン検出もフィルターと組み合わせて試験できる。 Alの動作温度(=Tc/10)はおよそ120mK。ADR冷凍機でテストできる。 実現には、Pure Alの試作(まだ実績なし)が急務である。 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
M.Yoshida 100μm ミリ波(・テラヘルツ波)発生器 Smith Purcell のグレーティングの電磁波伝播モード(左)と電磁波分布(右) FDTD法を用いた電磁波シミュレーションの結果。 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
役割分担 • 超伝導センサー設計と製作 (KEK、理研) • 超伝導センサー評価試験 (KEK、東工大、理研) • ミリ波発生器開発研究 (KEK) • アレイ化と読み出しデザイン (KEK、理研) • 偏光測定デザイン (KEK、東北大) • 冷凍機 (STJ赤外線グループと共同) 以上を基本とするが、R&Dの進展に応じて臨機応変に対処する。 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
開発計画 • 初年度 • 純Al STJの製作技術確立。 • 第一回試作(予定):5月14日ー18日(佐藤、田島、羽澄) • 遠赤外フィルターと純Al で80-300GHzに感度を持つ検出器とし、ADRを用いた性能試験をおこなう。(6月~、住澤、田島、石野、supervised by 有吉、佐藤) • 基礎技術の習得 • ミリ波発生装置用グレーティングの試作。(吉田) • 多チャンネル読み出しの検討(後田、樋口) • 偏光測定のconceptual design(服部、羽澄) • 次年度以降 • Pure AlでAntenna-coupled detectorのデザイン、製作、試験。 • (より優れた新しい測定原理が見つかった場合、それを優先させる可能性あり)。 • 多チャンネル化の開発研究。 • KEKでの性能評価システムの構築。 • 4年間の開発を想定 • 次年度以降の競争的資金の獲得を積極的にすすめる 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
2007年春 日本天文学会 応用例 超広帯域宇宙マイクロ波背景放射偏光気球観測へのMuFTの応用 服部誠、茅根 裕司、ルオ・ユアン(東北大学)、大田泉、松尾宏、久野成夫(国立天文台) 50-360GHz 5年後の気球観測実験を 目指している(日本で唯一 のCMB偏光観測提案) ボロメータ 超伝導カメラで感度改善が可能 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
まとめ • 宇宙背景放射(CMB)偏光の精密測定を目標とした、EHF(Extremely High Frequency、30-300GHz)領域の高感度ミリ波カメラの開発を行う。アレイ化に適した超伝導検出器(STJ検出器)を要素技術として用いる。 • 製作した検出器の性能試験を行うために、既存の装置と新規開発を組み合わせてミリ波発生装置と検出器読み出しシステムを構築する。 • 具体的な仕様はCMB観測に対して設定しつつ、同時にそれにとどまらない広い応用範囲を持つ「超伝導ミリ波カメラ」となるので、「共通の技術」を追求する測定器開発室の精神に沿った提案である。 • なお、低温装置の開発、使用が必要となるが、これに関しては、先行しているSTJ赤外線検出器グループと共同で進めていく。その他の面でも、助け合いながら低温検出器の開発をすすめていく。 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
Backup Slides 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
重力波直接検出との感度比較 直接検出は困難。CMB偏光はインフレーション重力波 のbest probe。 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
S. Ariyoshi 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
Antenna-coupled TES bolometer 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
NIST time-domain SQUID multiplexer 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
Antenna-coupled bolometerの例:MKID (Microwave Kinetic Inductance Detector) 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会
読み出しシステムR&Dの一例 H.Nagata et al., NIMA 559, 823 (2006) Cryogenic readout integrated circuits for submillimeter-wave camera GaAs JFET (SONY) 羽澄昌史 (KEK) @ KEK測定器開発室報告会