340 likes | 385 Views
躍進する中国=「中国の奇跡」. 国務院発展研究センターマクロ経済研究部 →① 02 年以降新たな高成長期、②消費構造の高度化、③長期間続く( 03 年 8 月) 国家統計局副局長・邱暁華 → 2020 年まで 7 %成長可能 (03 年 10 月) 中国改革基金会国民経済研究所長・樊綱 →①世界の製造業が中国に移転、②中国の国有企業改革の深化、③都市化が不断に進展 → 7 ~ 8 %の成長率 20 ~ 30 年続く( 03 年 8 月). 秦暉( 2008 ) →ソ連に比べ移行が容易であったことから
E N D
躍進する中国=「中国の奇跡」 • 国務院発展研究センターマクロ経済研究部 →①02年以降新たな高成長期、②消費構造の高度化、③長期間続く(03年8月) • 国家統計局副局長・邱暁華 →2020年まで7%成長可能(03年10月) • 中国改革基金会国民経済研究所長・樊綱 →①世界の製造業が中国に移転、②中国の国有企業改革の深化、③都市化が不断に進展 →7~8%の成長率20~30年続く(03年8月)
秦暉(2008) →ソ連に比べ移行が容易であったことから • 中国国家発展改革委員会マクロ経済研究所副院長・陳東琪(08年4月) →長期発展の後もまだ成長の余地がある
崩壊に瀕した中国 • ゴードン・チャン(2001) →失業問題の深刻化、貧富の格差拡大、幹部の腐敗 • 何清漣(2002) →汚職・腐敗の横行、貧富の格差の拡大、社会的モラルの喪失、利益集団と民衆の対立 • 仲大軍(2003) →無自覚・無責任な『発展』は遅かれ早かれ災難を招く
高度成長から安定成長へ 2013年 7.7% リーマンショック アジア経済危機 天安門事件
「中所得国の罠」と中国→7%成長でもスウェーデン並みのGDPを生み出しているが→2012年の経済総量は1978年の24倍、90年の8.6倍 現在の1%の成長は78年の24%、90年の8.6%に相当 (「中国信息報」2013年7月18日)→1960年以降101カ国が中所得国に→2008年で高所得 国になったのは13カ国のみ→高度成長のうちに解決しておくべき問題山積「中所得国の罠」と中国→7%成長でもスウェーデン並みのGDPを生み出しているが→2012年の経済総量は1978年の24倍、90年の8.6倍 現在の1%の成長は78年の24%、90年の8.6%に相当 (「中国信息報」2013年7月18日)→1960年以降101カ国が中所得国に→2008年で高所得 国になったのは13カ国のみ→高度成長のうちに解決しておくべき問題山積 *「民工荒」vs大卒者・中高年層の失業 *高度成長の終焉は欧米経済の不調 vs「追いつき・追い越した後の問題」
*貿易不振、金融、マンション投機、過剰生産*貿易不振、金融、マンション投機、過剰生産 *労働集約産業の国外流出 *所得格差、高度成長のときにも解決できなかった社会保障の問題 *内需拡大vs奢侈品の規制 *悪化する環境 *反腐敗運動(2013年汚職摘発5万人超) ギアチェンジ 構造調整 (釜底抽薪~根本的な問題の解決)
所得格差 *ジニ係数 0.421(世銀、2009年)~危険ライン超 (中国統計局2013年0.473)←2012年0.477 *中国都市部の貧富格差242倍 (最富裕5%と最貧困5%の差)(『日本経済新聞』2013.8.4) *新貧困線(年収2300元) 1億2238万人(2010年)→8249万人(2013年) (「人民網」2014年3月11日) *地域格差は縮小しても、居住者の格差は縮小せず 少数民族の不満
所得格差~終-1の続き 福利厚生を考慮すれば、格差はさらに拡大、農民収入には農業以外収入も含む
所得格差(世銀データ) ジニ係数 0.421 0.426 0.425 0.426 0.392 0.357 0.355 0.324
都市内部、農村内部での格差 都市:最も所得の多い10%と最低所得の10%の比較、95年は3.2:1、2000年5.0:1、11年8.24:1 農村:世帯一人当たり純収入の最高収入世帯20%と最低収入世帯20%の比も02年4.87倍、11年は8.39倍 失地農民が増える→最低限の生活の糧を得られない
地域格差 13
業種の所得格差 • 最高所得の業種、たとえば金融業と最低の業種、たとえば飲食業の所得の比は1990年の1.72:1から1999年の2.63:1、2011年の2.95:1に拡大→(平均賃金なので、実際はさらに格差) 2013年(非私営企業では) 金融業9万9659元、飲食業3万4043元(2.93:1) 私営企業 情報・ソフト技術4万4060元、 飲食業2万7352元(1.61:1) 3.64:1
拡大する格差 相対的格差が拡大するだけでなく、絶対的貧困層が拡大 社会保障、教育水準、識字率、平均寿命など総合するとさらに格差拡大
深刻化する失業問題 都市部登録失業率:1993年の2.6%(420万人)から、2001年の3.6%(681万人)、2002年4%(770万人)、2012年4.1% 3年の猶予付き解雇を通告された「下崗」労働者・職員、いわゆる一時帰休者を実質上の失業者とみて加えると、失業率は7~8%
中国における非正規就業 明確な定義なし 「労働時間、収入報酬、仕事場所、保険福利、労働関係等の面で工業化と現代工場制度の基礎の上に打ち立てられた、伝統的な主流の就業方式とは異なる各種就業形式の総称」
正規、非正規就業者の特徴 • 伝統正規部門就業者数は98年には大幅に減少(97年比2900万人減)、97年まで2000万人強であった農民工が98年には逆に大幅に増加(97年比2600万人増) • 就業者数に占める非正規就業割合が98年以降増大し、2007年には正規就業を大幅に上回る(97年27.7%、98年41.3%、2007年60.7%) (2012年の農民工2億6261万人、3.9%増 ~他地域へ1億6336万人 3.0%増、本地9925万人 5.4%増)
農民工の労働条件 ①農民工は中国の産業労働者の重要な構成部分 ②賃金が低く、社会の平均賃金との格差が拡大 ③きつく、苦しく、汚い、疲れる、危険な仕事に従事 ④労働時間は一日11時間、月労働日数は26日を超える。祝日・休日出勤の超勤手当を受け取っていない ⑤労働契約締結率は12.5% ⑥傷害保険加入率は12.9%、医療保険は10%前後、養老保険は15% ⑦子女の教育困難等、都市政府が提供する公共サービスを受けていない
増大する非正規就業生産額 非正規就業生産額のGDPに占める割合が1990年の7.5%から2004年には34.2%に増大 大方の先進国では50%を超えるGDPに対する労働者の総報酬の割合が、中国では1996年の53.4%から2005年には41.4%まで下がった(09年には40%を割り込んだとの報道)
幹部の腐敗問題 • アンケートにみる腐敗問題の深刻さ • 腐敗の3大傾向:「腐敗幹部の地位はますます高くなり、所得金額はますます増加し、集団化現象がますます増える」 • 成果を上げない腐敗への取り組み →ネット社会で地方の役人などは批判にさらされることも →政治闘争か、腐敗の取締か
持続的発展の可能性 格差は拡大しているが、絶対的な所得水準は上昇 量の拡大を追求してきた発展方式の見直し 労働者の権利保護、底辺化の抑制に政府が乗り出す
不安定な発展 中国経済は、当面、持続的に発展する可能性の方が大きいが、その発展は、格差拡大や労働者間の亀裂・対立の可能性をともなった発展であり、不安定要因を抱え込んだ発展 東アジアの経験との対比
民主化が必要か 選挙がない政権 所得格差拡大の不満が爆発するか →共産党自身が変貌 狭義の政治体制を変化させることなく、社会体制の変化は可能か
*経済問題~所得格差、環境、社会保障 インフレ、失業 (経済発展によって解決できる問題とできない問題) *社会問題~官僚の腐敗、争議、抗議活動 (規制や取締りだけでは対処できない)
「励行節約」→腐敗の取締 2013年国慶節連休中の高級品消費額1億8000万ユーロで53%減 11月「党政府機関節約励行浪費反対条例」 2014年の春節中~31省で公費接待費が26%減少 福州で高級酒の販売量70%減 (『国際商報』2014年2月13日) 全聚徳の13年の営業収入19.02憶元(2.1%減 湘鄂情の同上8.02億元(41.2%減) (『国際商報』2014.3.21)
中国経済の展望 8%の成長がないと新規雇用を吸収できないという脅迫観念「保八」 →実際は二桁成長の時代も失業者増 (失業率は4.2%、実際は14%程度か) →消費を拡大できるか 農村での消費が増加するか (20年来言われ続けているが) →家電下郷、汽車(自動車)下郷、以旧換新
第12次5カ年計画(2011~15) 経済発展方式転換の加速 ①需要構造~投資・輸出から消費へ ②産業構造~工業からサービス業へ ③生産様式~投入量の拡大(粗放型)から生産性の上昇(集約型)へ 内需拡大のために ①所得向上(労働分配率の向上、雇用確保) ②所得再分配機能 ③社会保障体系の整備
第12次5カ年計画の構成 ①転換方式 ②強農恵農 ③転型昇級 ④営造環境 ⑤優化格局 ⑥緑色発展 ⑦創新駆動 ⑧改善民生 ⑨標本兼治 ⑩伝承創新 ⑪改革攻堅 ⑫互利共贏 ⑬発展民主 ⑭深化合作 ⑮軍民融合 ⑯強化実施
中国といかにつきあうか 中国の経済発展動向、景気動向が、日本を含む世界経済の行方を左右 中国の持続的安定的発展には、腐敗、貧困問題や環境問題等の解決、あるいは社会的セーフティーネットの形成等に国際的な資金・技術・知的支援が不可欠。 民主化が少しずつにでも進展できるような国際協調、平和的国際環境、そして知的支援も必要。
中国といかにつきあうか 中国“脅威”論や“警戒”論に陥ることなく、その発展を、問題点、限界を含めて冷静にとらえた日中関係を構築する必要
中国の夢とは~世界(平和、発展、協力、双赢) 国内(富強、民主、文明、調和) 中華民族の偉大な復興← 「韜光養晦」 ではなくなる *既得権益 →腐敗 →市場調節がきかない(過剰生産) *粗放型を脱却できるのか(増量型改革の限界) *「影の銀行」→救済~モラルハザードを招く 救済せず~社会不安を招く *「国進民退」のままなのか *構造調整は進むのか