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「すざく」搭載 X 線 CCD カメラ XIS の 放射線バックグラウンドの解析 ーバックグラウンドの起源の解明を目指して−. 加藤菜々子 、穴田貴康、尾崎正伸、 村上弘志、堂谷忠靖 (宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部). 1. 本研究の動機 2. 解析方法 3. データの処理方法 4. 結果 5. 考察 6. まとめ. 本研究の動機. 衛星軌道上で観測されるバックグラウンド ・ 宇宙 X 線背景放射 (Cosmic X-ray Background: CXB)
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「すざく」搭載X線CCDカメラXISの放射線バックグラウンドの解析ーバックグラウンドの起源の解明を目指して−「すざく」搭載X線CCDカメラXISの放射線バックグラウンドの解析ーバックグラウンドの起源の解明を目指して− 加藤菜々子、穴田貴康、尾崎正伸、 村上弘志、堂谷忠靖 (宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部) 1. 本研究の動機 2. 解析方法 3. データの処理方法 4. 結果 5. 考察 6. まとめ
本研究の動機 衛星軌道上で観測されるバックグラウンド ・ 宇宙X線背景放射(Cosmic X-ray Background: CXB) ・ 検出器固有のバックグラウンド (Non X-ray Background: NXB) X線CCD検出器XISのバックグラウンド: 地球磁場によって低く抑えられている 「すざく」は低軌道 この特長を活かすため、検出器バックグラウンドの起源を解明し、 さらに低減することが重要 XISのバックグラウンドデータを解析し、 検出器中でのバックグラウンド放射線の振る舞いを考察する
イベント抽出後 X線CCD検出器バックグラウンドの特徴 フレームイメージ X線と判定されてしまうイベントが 含まれている可能性がある
解析方法 1 距離 イベントの空間分布 1フレームでのイベント間の距離の頻度分布 陽子が生じるトラックのふちには、 X線と判定されてしまうイベントが 含まれている可能性がある 陽子が生成する密集したトラックに付随して X線と認識されるイベントが生じているか否か
X線と見なされるイベント =「X線グレード」 Grade0 Grade2 Grade3 Grade4 Grade6 X線以外によるイベント =「非X線グレード」 Grade1 Grade7 Grade5 解析方法 2 電子雲の広がり Grade0のイベント数に対する、他のGradeのイベント数の比(Grade分岐比) Grade判定法:電子雲の広がりによってイベントを分類 ・ 電子雲の広がりが小さいイベント ・ 電子雲の広がりが大きいイベント バックグラウンドとなっている放射線と そのエネルギー依存性を評価する X線のみのデータから作成した グレード分岐比と比較
ACTY ACTX データの処理方法 XISの視野が夜側の地球を向いている時間帯(夜地球)のデータ 検出器バックグラウンドのデータとして利用可能 データ抽出条件 ・ 2005年9月から2005年10月 ・ 夜地球 ・ 全Grade (0-7) ・ ノーマルモード ・ 地磁気異常帯(South Atlantic Anomaly: SAA)の除去 ・ 較正源, hot pixel, flickering pixel, bad column等の除去 ・ 光漏れの更新異常フレームの除去 ・上記で除去できなかった異常イベントを含むフレームの除去 XIS0,2,3 (FI) XIS1 (BI)
Sensor: XIS0, Energy range: 7.0-10keV ←多い 非X線グレード X線グレード 密集 一様に分布 少ない→ ←近い 遠い→ 結果 1. イベントの空間分布 ←多い フレームイメージ ・ 非X線グレード(Grade5,7) 同士は、密集しやすい ・ X線グレード(Grade0234,6)と、非X線グレード(Grade7)の 位置の相関はない 頻度/距離 距離 少ない→ 距離 ←近い 遠い→
Energy range: 2.5-6.0keV Energy range: 7.0-10keV 非X線グレード 非X線グレード X線グレード X線グレード 結果 1. イベントの空間分布 異なるエネルギー範囲で比較 どちらのエネルギー範囲においても、 ・非X線グレード(Grade5,7) 同士は、密集しやすい ・X線グレード(Grade0234,6)と、非X線グレード(Grade7)の位置の相関はない
2.5-6.0keV 7.0-10keV FI(XIS0) 2.5-6.0keV 7.0-10keV BI(XIS1) 結果 1. イベントの空間分布 ・非X線グレード(Grade5,7) 同士は、密集しやすい ・X線グレード(Grade0234,6)と、非X線グレード(Grade7)の位置の相関はない
考察 ・非X線グレード(Grade5,7) 同士は、密集しやすい ・X線グレード(Grade0234,6)と、非X線グレード(Grade7)の位置の相関はない X線グレードは、陽子の生成するトラックに 付随して生じていない シミュレーションによると CCD検出器のハウジングで生じるX線や電子がX線グレードとなり、 バックグラウンドに寄与していると予想されている (穴田 日本天文学会2006年春季年会W65a) ハウジングで生じる二次粒子によるX線グレードのイベントであれば 空間分布に相関は見られないはず 今回解析したXISの実データは、シミュレーションの結果を支持する
結果 2. 電子雲の広がり Sensor: XIS0, Energy range: 2.5-6.0keV X線のみのデータから成るグレード分岐比と若干異なる Sgr A Eastのデータ フレーム数で規格化し、 非X線バックグラウンドを 差し引いてある X線のみのデータとして扱える X線グレード X線の光電吸収以外のプロセスが バックグラウンドに寄与していると考えられる
0.6-1.3keV 2.5-6.0keV 7.0-10keV 結果 2. 電子雲の広がり FI (XIS0) どのエネルギー範囲でも同じように X線のみのデータから成るグレード分岐比と若干異なる X線の光電吸収以外のプロセスも バックグラウンドに寄与している
2.5-6.0keV 7.0-10keV 0.6-1.3keV 結果 2. 電子雲の広がり BI (XIS1) 0.6-1.3keVで、X線データとほぼ等しい 非常に小さな電子雲しか生じないプロセスが バックグラウンドとなっている可能性が高い 高エネルギー程、Grade5,6,7が大きくなっている X線の光電吸収以外のプロセスの寄与が大きくなる
まとめ 「すざく」搭載X線CCD検出器XISの夜地球のデータを解析した 1. イベントの空間分布 X線グレード(Grade0,2,3,4,6)は、陽子が生成する密集した トラックに付随して生じていない 2. 電子雲の広がり FI: X線の光電吸収以外のプロセスもバックグラウンドに 寄与している BI:低エネルギーでは、非常に小さな電子雲しか生じない プロセスがバックグラウンドなっている可能性が高い 高エネルギーほど、 X線の光電吸収以外のプロセスの 寄与が大きくなる