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中性子ラジオグラフィによる高空間分解能計測技術を用いた固体高分子形燃料電池内水分布計測. 神戸大学大学院 ○和田大祐 , 宮田広大 , 村川英樹 杉本勝美,浅野等,竹名信幸 . 固体高分子形燃料電池 (Polymer Electrolyte Fuel Cell) の 構造. e -. アノード. カソード. アノード. e -. H 2. e -. O 2. H 2. O 2. カソード. H +. H +. Membrane 50μm. 流路 1mm. GDL 190μm. GDL 190μm. 流路
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中性子ラジオグラフィによる高空間分解能計測技術を用いた固体高分子形燃料電池内水分布計測中性子ラジオグラフィによる高空間分解能計測技術を用いた固体高分子形燃料電池内水分布計測 神戸大学大学院 ○和田大祐, 宮田広大, 村川英樹 杉本勝美,浅野等,竹名信幸
固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell)の構造 e- アノード カソード アノード e- H2 e- O2 H2 O2 カソード H+ H+ Membrane 50μm 流路 1mm GDL 190μm GDL 190μm 流路 1mm 集電板 電極層 20μm 電極層 20μm PEFCの課題 結露水の滞留による発電出力の低下 ・ 電極層や、蒸気拡散層での水の滞留は、ガス供給の妨げとなる ・ セパレータ内流路での水の滞留は、気流の流動抵抗となる 電池内水挙動と発電性能の関係は完全には明らかにされていない 研究背景 集電板
被写体 コンバータ 第1ミラー 暗箱 中性子ビーム ボアスコープ 可視光 中性子ビーム 遮蔽体(鉛ビスマス) 被写体 EM-CCDカメラ 遮蔽 暗箱 遮蔽体(鉛) カメラ 第2ミラー 望遠レンズ 従来の計測システム ②ボアスコープを用いた撮像システム ①暗箱を用いた撮像システム 画素寸法:最大12.5μm/pixel ※800mm相当の望遠レンズ使用時 画素寸法:6.5μm/pixel 露光時間:50秒
可視光 ミラー e- 中性子ビーム レンズ 中性子II 被写体 カメラ 中性子IIを用いた撮像システム 模式図 カメラシステム:カラー48bit, CMOS画素サイズ:5616x3744 pixels 露光時間:25sec 画素寸法:3.6μm/pixel 中性子II (Image Intensifier) 中性子を電子に変換し電子を増幅する.増幅後の電子を可視光に変換することで感度が上昇し,露光時間を短縮できる.
発電状態における燃料電池の高空間分解能計測発電状態における燃料電池の高空間分解能計測 計測対象:可視化用小型PEFC 発電条件 負荷電流0.2A一定で空気流量(空気利用率),供給ガスの 加湿状況,電池温度を変化させる. 条件1 電池温度:常温 供給ガス:無加湿 水素流量:30cc/min 空気流量50cc/min(利用率6.63%) 条件2 電池温度:常温 供給ガス:無加湿 水素流量:30cc/min 空気流量60cc/min(利用率5.53%) 条件3 電池温度:常温 供給ガス:無加湿 水素流量:30cc/min 空気流量90cc/min(利用率3.69%) 条件4 電池温度:常温 供給ガス:加湿 水素流量:30cc/min 空気流量50cc/min(利用率6.63%) 条件5 電池温度:80℃ 供給ガス:無加湿 水素流量:30cc/min 空気流量50cc/min(利用率6.63%) 撮像条件 ・露光時間:25sec ・撮影間隔:7sec ・画素寸法:3.6μm/pixel
小型PEFC 可視化領域 実物 模式図 ガス流路 500μm×1000μm アノード カソード MEA 電解質膜50μm×5000μm 電極層20μm×5000μm GDL 190μm×5000μm
計算式 MEAの平均水厚さを求める S:輝度,G:ゲイン,μ:中性子の減衰率,ρ:密度,d:厚さ 3.6mm 3.6mm ・閾値以上の画素を除去 ホワイトスポットの除去 画素の縦1列ごとの平均水厚さを求める ・空間平均 オフセットの軽減 MEA+GDL 流路 取得画像 可視化画像 ノイズ除去方法
計測結果例 空気利用率変化 ①空気流量 50cc/min ②空気流量 60cc/min ③空気流量 90cc/min (i)MEA中の平均水厚さ (ii)PEFC内の平均水厚さ
まとめ MEA、GDLの厚さ方向の水分布を得るため、高空間分解能計測システムを構築し、燃料電池内水分布計測を行い以下の結果を得た。 ・中性子II(ImageIntensifier)を用いた高空間分解能計測システム を構築し、空間分解能3.6μm/pixelでの計測が可能となった。 ・同システムにより露光時間25secでの計測が可能となり、燃料電池 内水分布計測において重要である時間分解能を向上できた。 ・同システムを用いて燃料電池内水分布の高空間分解能計測を行い MEA及びGDL内の水分布計測が可能であることを示した。
KURにおける可視化実験 KURのラジオグラフィシステムを用いてPEFC内水分布の高空間分解能計測を行う. コンバータ評価 評価対象コンバータ:KUR-C NO.1, KUR-C NO.3, KUR-C NO.6 カメラシステム:冷却型CCDカメラ,105mmレンズ,テレコン使用(1.6倍,2倍) 画素寸法:56μm/pixel 露光時間:10sec 原子炉5MW運転時 KUR-C NO.1 KUR-C NO.3 KUR-C NO.6
KURにおける可視化実験 コンバータ評価結果 ②KUR-C NO.3 ③KUR-C NO.6 ①KUR-C NO.1 ダイナミックレンジ:約190 空間分解能:2/λ=128μm ダイナミックレンジ:約420 空間分解能:2/λ=125μm ダイナミックレンジ:約700 空間分解能:2/λ=206μm
KURにおける可視化実験 燃料電池内水分布計測結果 コンバータ:KUR-C NO.6 カメラシステム:同様 小型電池(流路幅1mm,流路深さ1mm)の3本並列流路に水を注入 原子炉5MW運転時 ・KUR-C NO.6コンバータを用いて可視化を行い、電池内水分布の可視化に充分な輝度快調が得られた. ・画像処理を行い、電池内水厚さを求めた結果流路深さに相当する水厚さが得られ電池内水分布の定量計測が可能であることを示した
KURにおける可視化実験 今後の予定 ・1月KUR実験にて発電中の電池内水分布計測を行う. ・冷却型CCDカメラ(1024×1024pixel),180mmレンズ,6.4倍相当のテレコンを用いて,高空間分解能での計測を行う. ・ガス利用率,発電密度,電池温度など発電条件を変化させ,電池内水分布が発電性能に及ぼす影響を明らかにする.