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生体情報を用いた 「楽しさ」の評定. 文京 学院大学 ゲーム心理学研究会. 自己紹介. 長野 祐 一郎 学位:博士 ( 心理学 ). 文京学院大学人間学部心理学科 助教. 専門領域は、精神生理学、健康心理学、感情心理学. 1991 ~ 1996. 上智大学文学部心理学科. バイオフィードバック. 1997 ~ 1998. 早稲田大学人間科学研究科. ストレス負荷時の心臓血管反応. 早稲田大学文学研究科 / 札幌 医科大学心理学教室. 1998 ~ 2003. 対人ストレスによる心臓血管反応. 2005 ~現在. 文京学院大学人間学部.
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生体情報を用いた 「楽しさ」の評定生体情報を用いた 「楽しさ」の評定 文京学院大学 ゲーム心理学研究会
自己紹介 長野 祐一郎 学位:博士(心理学) 文京学院大学人間学部心理学科 助教 専門領域は、精神生理学、健康心理学、感情心理学 1991~1996 上智大学文学部心理学科 バイオフィードバック 1997~1998 早稲田大学人間科学研究科 ストレス負荷時の心臓血管反応 早稲田大学文学研究科/ 札幌医科大学心理学教室 1998~2003 対人ストレスによる心臓血管反応 2005~現在 文京学院大学人間学部 各種対人場面での心臓血管反応
練習 本課題 安静 (単独/4分) 練習 - 前半 (単独/8分) 安静 (単独/4分) 本課題 (競争/4分) 競争群 安静 (単独/4分) 練習 - 前半 (単独/8分) 安静 (単独/4分) 本課題 (単独) /4分 単独群 100Base-T PC-2 競争 相手 Hub PC-1 被験者 研究紹介1-1 競争型鏡映描写課題における心臓血管反応 目的 鏡映描写課題において競争が心臓血管系にもたらす影響を検討する。 自分 方法 男子大学生32名(競争群16名、単独群16名) 競争相手 ・本課題時、競争群のPCは互いに接続され、相手カーソルの現在位置を知る事ができた。勝敗が一周ごとに決定され、勝率が星型の中央部に表示された。 ・被験者と競争相手は、同一の机に90度の角度で着席し、お互いの表情を確認で きた。競争相手は実験者が用意したサクラであり、「どちらが勝つかわからない」状態を維持するように努めた。
研究紹介1-2 25 25 練習 本課題 20 20 single group single group competitive group competitive group 15 15 10 10 Changes from baseline 5 5 0 0 -5 -5 HR (bpm) CO (%) TPR (%) SBP (mmHg) DBP (mmHg) HR (bpm) CO (%) TPR (%) SBP (mmHg) DBP (mmHg) ・従来の研究と同様に、鏡映描写は血管優位の反応を生じた。 ・競争状況の導入により、本来血管優位の鏡映描写課題においても、明確な心臓優位型反応が生じた。 ・競争という社会的要因は、主として心臓反応の増大を介して、血圧上昇に寄与する。 長野祐一郎 2004 競争型鏡映描写課題における心臓血管反応 生理心理と精神生理学, 22, 237-246.
評価者 評価者 評価者 評価者 研究紹介2-1 評価的観察がストレス課題中の心臓血管反応におよぼす影響 目的 暗算・鏡映描写を用い、社会評価が心臓血管反応に与える影響を検討する。 方法 PC 被験者:女子大学生20名 暗算 評価あり 鏡映描写 評価あり 被験者 手続き: 暗算 評価なし 鏡映描写 評価なし ・評価条件では、一人が課題を行い、残りの4名は被験者の背後に立ち、被験者の課題遂行を観察し、評価を行った。 ・評価は、「早い-遅い」「賢い-愚かな」「慎重な-不注意な」等の、個人の資質の評価を想定させる形容詞対を用いて行われた。
CO TPR 研究紹介2-2 暗算-評価あり 暗算-評価なし 20 鏡映描写-評価あり 鏡映描写-評価なし 15 10 Changes from baseline 5 0 HR (bpm) CO (%) TPR (%) SBP (mmHg) DBP (mmHg) -5 ・暗算課題は心臓優位型、鏡映描写課題は血管優位型を示す傾向にある。 ・評価的観察は、課題の種類にかかわらず、血圧を上昇させる。 ・評価的観察は、課題の種類にかかわらず、心臓血管反応を心臓側へシフトさせる。 長野祐一郎 2005 評価的観察が精神課題遂行中の心臓血管反応に与える影響 心理学研究, 76, 252-259.
友人 被験者 研究紹介3-1 サポート的他者の存在が暗算課題中の心臓血管反応に与える影響 目的 サポート的他者の存在が、暗算課題中の血行力学的反応にあたえる影響を検討する。 方法 男子大学生20名が、サポート群、非サポート群に半数ずつわりあてられた。すべての被験者は、5分間の安静期の後、5分間の連続引き算課題を行った。 実験者 ・サポート群は、サポート的他者として友人を同伴し、実験に参加した。 ・友人は被験者の課題遂行を観察できないよう被験者と90度の向きで着席し、さらにヘッドフォンを装着し、クロスワードパズルを遂行した。
友人の存在は 血圧上昇を緩和 血管抵抗 の減少 研究紹介3-2 30 non-support support 25 20 15 Changes from baseline 10 5 0 HR (bpm) CO (%) TPR (%) SBP (mmHg) DBP (mmHg) ・サポート的他社の存在は、課題中のSBP、DBPの上昇を軽減した。 ・血圧の上昇緩和は、主としてTPRの減少(血管抵抗の低下)によってもたらされたものと考えられた。 長野祐一郎・児玉 昌久 2005 支援的他者の存在が心臓血管反応に与える影響 生理心理学と精神生理学, 197-205.
心臓血管反応の説明を試みるモデル Laceyらの 環境の取り入れ/拒否 モデル 決定因として想定する「注意」は,刺激の物理的特性(たとえば,どの程度視覚的注意を伴うか等)により決定される. Obristらの 能動/受動対処 モデル 決定因として想定する「コントロールの有無」は,主として実験状況(反応-成果の随伴性)により規定されるが,主観的コントロールの存在も想定している. Blascovichらの 脅威/挑戦 モデル 決定因として想定する「認知的評価」は,環境要求と個人の資源の比をどのようにとらえるかにより決定される. 環境刺激の影響を重視 被験者の内的過程を重視 対人場面を考慮したモデルを構築する
導入 生理心理学の様々な研究から得た知見を 社会にフィードバックしたい・・・ 生理心理学は科学として エンタテインメント産業にどのように貢献できるか? ゲーム・映画などのコンテンツは 個人の経験をたよりに闇雲に作成している実態・・・ 莫大な制作費が必要となるコンテンツ開発に、 上記のようなリスクを野放しにしておいて良いのか?? 各種エンタテインメントのもたらす 「楽しさ」の定量的な評定が必要!
文京学院大学ゲ-ム心理学研究会 各種生理指標・行動指標を用いて、コンピュータ・エンタテインメントの 「楽しさ」を客観的に評価することを目的にした研究会 1.エンタテインメント体験時の生体反応変化に関する基礎的知見を得ること 2.エンタテインメントの楽しさを客観的に評価する手法を確立すること 3.生体情報計測を取り入れた新しいエンタテインメントを提案すること コンピュータエンタ・テインメント(ゲーム)の ポジティブな側面を科学的に示してゆきたい!
研究例の紹介 1.対戦アクションパズルゲーム時の生体反応(2009) 2.対戦格闘アクションゲーム時の生体反応(2010) 3.ホラーゲーム時の生体反応(2010) 4.対人要因がゲーム中の飽きに及ぼす影響(2011) 5.ゲーム中のボタン押し行動が生体反応に与える影響(2011) 6.対戦相手の存在感が生体反応に与える影響(2011) ・・・
指標解説 皮膚伝導(SC) 感情変化に伴う発汗活動(精神性発汗)を反映。うそ発見に用いられる。主として交感神経の働きを反映した指標で、やる気、集中、各種感情の変化に対応して上昇する傾向がある。 皮膚血流(BF) 皮膚表面の血流量をレーザードップラー方式でとらえたもの。交感神経活動に伴う末梢血管収縮を反映する。緊張・不安が生じると、外傷時の出血によるダメージを緩和するために、皮膚表面の血管が収縮し、血流が減少すると考えられている。 心拍数(HR) 一分間あたりの心臓の拍動回数。交感/副交感神経双方の影響を受ける。競争や他人からの評価をうける場面では大きく増加するが、集中したり、周囲への注意を高めたりすると減少することもある。
対戦アクションパズルゲーム 「スーパーボンバーマン3(HUDSON SOFT)」 マップ上に爆弾を置いて、爆風で対戦相手をやっつけるパズル要素の強い対戦アクションゲーム。スーパーファミコン用で、ロングセラーシリーズのため、経験者が多く計測しやすい。画面はシンプルだが対戦が熱く、感情の変化が大きい。
アクションパズルゲーム中の皮膚伝導(SC)の変化アクションパズルゲーム中の皮膚伝導(SC)の変化 (μS) 前安静 課題 後安静 N=41 1 2 3 4 (分) 単独は壁を崩してアイテムをとるだけの条件。対CPU、対人は、CPUもしくは友人を相手に対戦を行う条件。ゲーム開始直後(1分)から急激な上昇が見られ、その変化の度合いは対人プレイにおいて一番大きい。プレイ後は、徐々に低下する。
アクションパズルゲーム中の血流量(BF)の変化アクションパズルゲーム中の血流量(BF)の変化 (ml/100g/m) 前安静 課題 後安静 N=41 1 2 3 4 (分) ゲーム開始直後から急激な下降が見られ、その変化の度合いは対人プレイにおいて一番大きい。プレイ後は、徐々に上昇し回復する。
アクションパズルゲーム中の心拍数(HR)の変化アクションパズルゲーム中の心拍数(HR)の変化 (bpm) 前安静 課題 後安静 N=41 1 2 3 4 (分) ゲーム開始後徐々に上昇し、中盤で最大になる。その変化の度合いは対人・対CPUで大きく、単独では少ない。対人と対CPUは明確な差が見られない。→対人ならではの楽しさはHRでは測れない可能性?
主観感情と生体反応の関係の検討 表S条件における主観感情と生体反応の相関行列 PA、NA、CA(主観感情)および、 SC、BF、HR(生体反応)に関して安静期から課題期への変化量を求め各指標の変化量の相関を条件ごとに算出した。 ・生理指標どうしの相関 有意な相関は認められなかった *は、p<.05であることを示す ・心理指標どうしの相関 ・生理指標と心理指標の相関 ・心理指標どうしの相関 ・生理指標と心理指標の相関 表C条件における主観感情と生体反応の相関行列 PA-HR CA-BF PA-BF NA-BF 負の相関 負の相関 NA-CA NA-CA 正の相関 負の相関 正の相関 CA-BF ・生理指標どうしの相関 有意な相関は認められなかった *は、p<.05であることを示す
表V条件における主観感情と生体反応の相関行列表V条件における主観感情と生体反応の相関行列 *は、p<.05であることを示す ・生理指標と心理指標の相関 正の相関 CA-BF 3条件をあわせて ・心理指標と生理指標の関係は、S条件で多くみられ、S>C>Vの順で関係性は希薄になっていくように見受けられた。 ・CAとBFの正の相関は、3条件を通してみられ、CAが低くなるほどBFは下がるという関係性は条件をとおして一貫していた。 ・PAとCAの負の相関も、3条件を通して一貫してみられた。 ・心理指標どうしの相関 ・生理指標どうしの相関 有意な相関は認められなかった 負の相関 NA-CA
対戦格闘アクションゲーム「Street Fighter IV(CAPCOM)」 PS3用対戦格闘アクションゲーム。ロングセラーシリーズであるため、経験者が多く計測しやすい。背景・キャラクタともに高解像度で作りこまれ、キャラクタの表情やしぐさなどの表現も豊かであるため、感情移入しやすい。
格闘アクションゲーム中の皮膚伝導(SC)の変化格闘アクションゲーム中の皮膚伝導(SC)の変化 (μS) 25 前安静 課題 後安静 単独 20 CPU 対 対人 15 N=40 10 1 2 3 4 (分) 単独はひとりで必殺技の練習を行う件。対CPU、対人は、CPUもしくは友人を相手に対戦を行う条件。ゲーム開始直後(1分)から急激な上昇が見られ、その変化の度合いは対人プレイにおいて一番大きい。プレイ後は、徐々に低下する。変化の速度(立ち上がり)、変化量ともにパズルゲームより大きい。
格闘アクションゲーム中の血流量(BF)の変化 (ml/100g/m) 22 前安静 課題 後安静 20 18 16 単独 CPU 対 N=40 14 対人 12 10 1 2 3 4 (分) ゲーム開始直後から急激に下降し、対人プレイにおいてのみ低下した状態が維持された。プレイ後は、徐々に上昇した。
格闘アクションゲーム中の心拍数(HR)の変化 (bpm) 100 前安静 課題 後安静 95 単独 90 CPU 対 対人 85 N=40 80 75 1 2 3 4 (分) ゲーム開始直後から急激に上昇し、変化の度合いは、対人>対CPU>単独となった。変化の度合いは、パズルゲームより明らかに大きい。
ホラーゲーム 「零 月蝕の仮面(任天堂/テクモ)」 幽霊が出没する病院跡地をさまよい、霊を封じ込めることのできる射影機をたよりに謎をといていくWii用ホラーゲームソフト。Wiiのモーションコントローラを用いた直感的な操作体系が特徴。
ホラーゲーム 分析イベント一覧 前安静 導入ムービー 「部屋に戻りなさい」 射影機 スピーカー 幽霊出現,射影機チュートリアル 麻生記念館入口 幽霊と格闘 麻生記念館入室 エンディングムービー 後安静
ホラーゲーム中の皮膚伝導(SC)の変化 (μS) * ** ** ** N=25 約20分間のプレイ時間中に、感情の変化は二山構造を示す。最初の病院探索時の恐怖と、幽霊に襲われた時の恐怖の双方を反映。
ホラーゲーム中の血流量(BF)の変化 (ml/100g/min) ** ** ** N=25 SC同様、病院探索の恐怖と、幽霊の恐怖の双方を反映するが、概して下がりっぱなしの傾向にある。
ホラーゲーム中の心拍数(HR)の変化 (bpm) ** ** ** N=25 SC・BFとは異なり、幽霊と戦う際の恐怖のみを反映する。探索時は、明確な変化が見られない。
対人要因がゲーム中の「飽き」に及ぼす影響の検討対人要因がゲーム中の「飽き」に及ぼす影響の検討 (レースゲーム 「スーパーファミコン版 マリオカート」) ゲームの販売成績には、楽しさと同時に「飽きにくさ」も重要。そこで、 1.各種生理指標に「飽き」がどのように反映されるか 2.対人要因(他者との競争)が、「飽き」にどのように影響するか を、皮膚伝導、末梢血流、心拍数を用いて検討した。
レースゲーム中の皮膚伝導(SC)の変化 (μS) • (μS) N=30 N=31 前安静 課題 後安静 前安静 課題 後安静 単独 競争 単独でプレイすると、繰り返しに応じてSCの反応は減弱してゆく。 しかし、競争場面ではSCは減弱せず、なおかつ課題後半まで維持される。 →競争状況の導入は「飽き」を防ぎ、 個々のゲーム内容をより楽しいものへ変える可能性
レースゲーム中の血流量(BF)の変化 (ml/100g/min) • (ml/100g/min) N=30 N=31 前安静 課題 後安静 前安静 課題 後安静 単独 競争 SC同様、単独プレイ時にはBFの反応は減弱してゆく。 一方、競争時はそのような傾向は見られず、なおかつBF低下は 課題後半まで維持される。
レースゲーム中の心拍数(HR)の変化 (bpm) (bpm) N=31 N=30 前安静 課題 後安静 前安静 課題 後安静 単独 競争 HRの変化量は、明らかに競争時に大きい。 単独条件では、繰り返しによるHR反応の減弱が認められるが、 競争状況では、そのような傾向は比較的少なく、 なおかつHR上昇は課題後半まで維持される傾向にある。
ゲーム中のボタン押し行動が生体反応に与える影響ゲーム中のボタン押し行動が生体反応に与える影響 ゲーム中の激しいボタン押しは、各種生理指標に影響しているのでは? →ゲーム中の指の加速度を測定し、ボタン押しが生じる生体反応を個別に検討 LEDの点滅スピードを3段階に調節 High・・・ 300ms間隔 Midium・・・ 500ms間隔 Low・・・ 1000ms間隔 LED点滅装置 実験参加者は、三段階(L・M・H)のボタン押し課題+ゲーム課題(ストリートファイター4)の計4セットを行った(安静1分、課題2分)。 ボタン押し課題時、実験参加者はLEDの点滅に合わせボタンを押すように教示された。 加速度センサー装着の様子
ボタン押しおよびゲーム課題中の心拍数(HR)の変化ボタン押しおよびゲーム課題中の心拍数(HR)の変化 (bpm) N=24 Heart Rate 安静 課題 安静から各課題にかけてのHRの推移 安静期後半30秒を基準とした変化量は、ST4>butL,butM,butHとなり、ST4のHRはボタン押しの3課題と比較して明らかに高い値を維持した。
ボタン押しおよびゲーム課題中の皮膚伝導(SC)の変化ボタン押しおよびゲーム課題中の皮膚伝導(SC)の変化 (μS) N=24 Skin Conductance 安静 課題 安静から各課題にかけてのSCの推移 安静期からの変化量は、ST4 > butL,butM,butHとなり、ゲーム中のSC上昇は各ボタン押しに比べ明らかに大きかった。
ボタン押しおよびゲーム課題中の血流(BF)の変化ボタン押しおよびゲーム課題中の血流(BF)の変化 (ml/100g/min) N=24 Blood Flow 安静 課題 安静から各課題にかけてのBFの推移 安静から課題にかけてBFは下降した。安静期を基準とした変化量は、ST4>butL,butM,butHとなり、ゲーム中のBF下降はボタン押しに比べ有意に大きかった。
対戦相手の存在感が生体反応に与える影響 CPUよりも人との対戦が楽しく、生理反応が大きいのは、 対戦相手が実際に隣にいる影響が大きな要因ではないのか?? 他者の空間的な存在(いわゆるPresence)の影響の検討が必要! スクリーン スクリーン スクリーン 参 実 参 実 参 パーテション CPU条件(C条件) • パーテーション条件(P条件) • 対人条件(V条件) CPUと対戦 パーテーション越しの相手と対戦 隣にいる相手と対戦 課題は、Playstation3版 ストリートファイターⅣ(CAPCOM製)を使用。 Presenceの異なる3条件を設定した。ただし、実際はすべてCPUと対戦させた
各条件におけるSCの推移 (μS) N=38 (sec) 条件毎のSCの推移 過去の計測事例と同様に、プレイ中SCは顕著に上昇したが、上昇の程度は約5μSであり、少ない傾向にあった(前回の測定時は10μS程度上昇)。 SC変化の大きさは、V条件>P条件>C条件であるように見受けられたが、統計的に有意ではなかった。
各条件におけるBFの推移 (ml/100g/min) N=38 (sec) 条件毎のBFの推移 過去同様に、プレイ中BFは顕著に低下したが、下降した血流は過去の研究ほど維持されない傾向であった。 BFの低下度合いは、V条件>P条件>C条件であるように見受けられたが、統計的に有意な差はなかった。 34
各条件におけるHRの推移 (bpm) N=38 (sec) 条件毎のHRの推移 過去同様に、プレイ中HRは上昇したが、上昇の程度は約8bpm程度であり、過去の計測事例(+15bpm)より少なかった。 HR上昇の度合いは、V条件>P条件>C条件であるように見受けられたが、統計的に有意な差はなかった。 33
今後の計画 ・より広い範囲のゲームジャンルの測定 (RPG・スポーツ・恋愛シミュレーションなど) ・より多彩な対人場面での測定 (競争だけでなく協力など) ・ゲーム中の生体反応フィードバックが 感情体験におよぼす影響の検討 ・体感アトラクションの測定 ・ゲーム経験測定尺度の開発 ・簡便なゲームの「楽しさ評価」システムの開発 (ソフトウェア・ハードウェア)
ご清聴ありがとうございました 本研究は文京学院大学人間学部 で行われました。
研究協力の依頼 ・研究参加者への謝礼 ・実験補助者へのアルバイト代金 ・測定環境の増強
我々と共同研究をするメリット ・自律系生理指標の測定経験 ・対人場面での計測経験が豊富 ・マンパワー(研究会のメンバー) ・研究の継続性
心臓血管反応の説明を試みるモデル1 Obristらによる能動的対処vs受動的対処モデル 心臓血管反応は被験者が環境に対し どの程度コントロールを持つかによって規定される. 能動的対処 受動的対処 解決策がなく,ただ耐え つづけなければならない・・・ 努力次第で状況を改善できる! (環境に対するコントロールをある程度持つ場合) (環境に対するコントロールがない場合) 心拍数は増加し, パタン1様の反応を誘発 心拍数は減少し, パタン2様の反応を誘発 例:暗算課題は能動的対処で寒冷昇圧課題は受動的対処
心臓血管反応の説明を試みるモデル2 Laceyらによる環境の取り入れvs拒否モデル 心臓血管反応を規定するのは被験者の環境への注意であると考えられている. 環境の取り入れ 環境の拒否 2378-7=・・・ 環境 環境 認知的作業に邪魔な外界の出来事を積極的に無視もしくは拒否する場合 外界の出来事に注意をはらい,それをみつけようとする場合 心拍数は増加 心拍数は減少 例:ヴィジランス課題は環境の取り入れで暗算課題は環境の拒否