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情報通信システム論 Ⅰ 平成20年度 Ⅱ 期(前半)

情報通信システム論 Ⅰ 平成20年度 Ⅱ 期(前半). 原 孝雄. 講義について. 教員分担 前半( 6/2 ~ 6/30)  原  ; 要素技術・理論、アクセス方式                 後半(   7 月  ) 岡田 ; 各種通信方式. 試験 前半   6月26日 ( 試験結果30日) +ミニテスト&レポート 後半   7月末     後期試験 (後半部分). 情報通信システム論 Ⅰ. 前半部講義内容. 1.情報の定義         2.信号について 3.雑音について         4.周波数について

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情報通信システム論 Ⅰ 平成20年度 Ⅱ 期(前半)

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  1. 情報通信システム論Ⅰ平成20年度Ⅱ期(前半)情報通信システム論Ⅰ平成20年度Ⅱ期(前半) 原 孝雄

  2. 講義について 教員分担 前半(6/2~6/30)  原  ; 要素技術・理論、アクセス方式                 後半(  7月  ) 岡田 ; 各種通信方式 試験 前半   6月26日(試験結果30日)+ミニテスト&レポート 後半   7月末     後期試験 (後半部分)

  3. 情報通信システム論Ⅰ 前半部講義内容 • 1.情報の定義         2.信号について • 3.雑音について         4.周波数について • 5. 無線通信モデル       6. 回線設計 • 変調方式           8. 符号誤り • 9. 波形伝送 10. 同期方式 • 11. 相関  12. マルチアクセス • (多元接続)技術

  4. デジタル(無線)通信系の基礎 出典 • JOHN G. PROAKIS Department of Electrical and Computer Engineering Northeastern University • Digital Communications Fourth Edition • pp. 1-3 • The McGraw-Hill Companies • ISBN 0-07-232111-3 英訳・読解課題(6/9日レポート提出)

  5.  情報通信システム論Ⅰ 1.情報とは何か

  6. 情報通信システム論 1-1 情報とは; 伝達しなければ分からない     事象、意味、数字・・・・ 本授業で扱う対象 (付加信号や受信側で既知のものは情報ではない) 狭義には、知って意味や価値のあること・・・・・

  7. 情報通信システム論 1-2 情報とは; 具体的には; 音声、画像、文字、          数字・・・・・・

  8. 情報通信システム論 2. 信号(Signal)について; 電気的には;電圧、位相、周波数、          符号・・・ それでは、信号とは何か ? 情報を電磁気的に遠方に送れるようにするための物理量

  9. 情報通信システム論Ⅰ 3.雑音(Noise) 雑音 とは何か 広義には 狭義には 熱雑音 とは何か 白色雑音 とは何か 結果的に信号の受信において妨害になるもの、無線通信では狭義には 予測困難な電気量(音などは含まない)

  10. 情報通信システム論 4.周波数(Frequency) 長       短 移動  LAN, 衛星(c)   衛星Ku, Ka 低域:  降雨等減衰小   帯域が狭 回折 1GHz 10GHz 100GHz 高域:  帯域大    降雨等減衰大 TV 放送 0 Hz (直流) kHz MHz GHz THz 電波利用が多くの帯域で法的に規制されている

  11. 情報通信システム論Ⅰ 5.無線通信モデル(Radio Transmission Path Model) 干渉波 I 送信信号電力 受信信号電力(ワット) Amp フィルタ 復調器 (W) S ここで雑音 が発生する N0 f W 信号対雑音電力比= N0: 雑音電力密度(ワット/Hz) W: 信号の帯域幅(Hz) 雑音 干渉波 I がある場合 信号対雑音電力比=

  12. 情報通信システム論Ⅰ 5-1.シャノンの通信容量(リミット) (Fundamental Limit of Shannon) C: 通信Capacity (ビット/秒) W: 帯域(バンド幅、Hz) P : 電力 (ワット) N0: 熱雑音の周波数電力密度(ワット/Hz) ゆえに S/N>>1 のとき

  13. 情報通信システム論Ⅰ 通信容量(bit/s) W=1Hzの場合 6 5 4 信号電力Sが雑音電力Nよりも31倍大きいとき、1Hzの帯域で、データを誤り無く伝送することができる最大限界は5bit/sである。 3 2 1 63 7 15 31 S/N

  14. 情報通信システム論Ⅰ 情報の量の定義 Bit rate : 1秒間に送るビット数  Symbol rate; 1秒間に送るsymbol数  Coding rate; R 情報ビット対符号長 (符号長とその中の情報ビット数の割合)          例;情報3ビットにパリテイーチェックビット1を付けた場合 R=3/4    1                    1         R=1/2 Bit per symbol ; 1symbol 中の(or , で送る)ビット数         

  15. 情報通信システム論Ⅰ ビット/シンボルの考え方(Bit, Symbol) 1または0の2通りの情報; 1ビット 00,01,10,11 の4通りの情報;  2ビット 000,001,010,011,100,101,110,111の8通り; 3ビット 0000,0001、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1111の16通り; 4ビット 00000,00001、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11111の32通り; 5ビット 送れるビット数/シンボル は変調方式によって異なる: 後述

  16. 情報通信システム論Ⅰ 6.回線設計(Noise Budget)(熱雑音のみの場合) 無線路 自由空間減衰 1/L p S/N フィルタ 変調機 Amp フィルタ 復調器 W 送信点A 点D 点E 点B 点C WRF: 無線入力帯域幅 W: 復調器帯域幅 K: ボルツマン定数  雑音温度(絶対温度) :Amp、送信アンテナ、受信アンテナの各利得(ゲイン)

  17. 情報通信システム論Ⅰ 自由空間減衰( Free space attenuation) λは波長(m)、d は距離(m) 自由空間では、信号の減衰量は距離の自乗に比例し、波長の自乗に反比例する。 演習:①周波数1GHzで距離が1kmの場合の減衰量を求めよ(携帯移動通信)     ②周波数14GHzで距離が36,000kmのではどの程度か(衛星通信) ただし、波長(m)=光速(m)/周波数 

  18. 情報通信システム論Ⅰ 6-1 dB表現(対数表現) dB に馴れる-1 掛け算より足し算が簡単 通信、特に無線通信では、電力やS/Nは殆ど全てdBで表示,評価

  19. 情報通信システム論Ⅰ 6-2 dB に馴れる-2 電力 2倍  電力 4倍  電力 5倍 =7dB 電力 6倍         =7.8dB 電力 7倍         =8.4dB     電力8倍; 2倍×4倍=3+6=9dB       16倍;4倍×4倍=6+6=12dB       48倍;6倍×4倍×2倍=7.8+6+3=16.8dB では、1000倍では? 600倍では? 2百万倍では?      半分では ?  1/200 倍では? 1/160倍では?

  20. 情報通信システム論Ⅰ 6-3 dB に馴れる -3 絶対値の表現 1W(ワット)=0dBW =1000mW =30dBm 10W=10dBW =10000mW =40dBm 100W=20dBW 1000W=1kW=30dBW= ?dBm 10000W=10kW=40dBW=?dBm 0.0001W= ?dBW= ?mW= ?dBm

  21. 情報通信システム論Ⅰ 6-4 dBに馴れる-4 電圧変動に対しては; ・電圧 2倍で  電力が4倍→6dB ・    4倍で  電力が16倍→12dB ・    3.16で     10倍→10dB ・    半分で      1/4倍→ -6dB ・    0.707倍    1/2倍→ -3dB ・    0.1倍      0.01→ -20dB 演習(重要) ・電圧で3dB変化したら、電力では何dB変化する? 電圧のdB表現 注:電力=電圧**2

  22. 情報通信システム論Ⅰ 6.-4-1 演習 電圧 1.0 右図は、あるフィルタの減衰量を真数で表したものである。dB表現せよ。 0.707 0.5 0.316 注:フィルタの減衰量は電圧で表示する 0.1 0 50 60 75 85 95 100 MHz 注:通信の解析やシミュレーションなど演算は真数(dBはあくまで表示)

  23. 情報通信システム論Ⅰ 6-5 レベルダイヤグラム(演習) ワット 真数値 点A        B         C         D         E dBW 点A        B         C         D         E

  24. 情報通信システム論Ⅰ 6-7 dB に馴れるー5 p 増幅 減衰 増幅 減衰 増幅 ワット ワット 100倍 0.1倍 1000倍 0.01倍 20倍 1ワット 10logp 10logp+10logG1+10logG2+10logG3-10logL1-10logL2 0dBW                 0 dBW+20-10+30-20+13 = 33dBW

  25. 情報通信システム論Ⅰ 6-9 dB の近似式等 (8.45dB) (7.78dB) (10.41dB) (11.14dB) (12.30dB) 以上のように、対数表現は、10×log2(=3) を覚えていれば、殆ど全ての真数のdB表現(一部は近似)は可能である。

  26. 情報通信システム論Ⅰ 6-8 一定のS/Nを得るための解(演習) 6の回線設計 で示した下記の式を満たす解は無数⇒システムや要求条件によって最適に設計 演習; S/Nを10dB大きくしたいとき、どうするか     方策1とその長短     方策2とその長短     方策3とその長短     を述べよ

  27. 情報通信システム論Ⅰ 無線通信の要素技術・要素理論 ・変調 (Modulation) ・波形伝送 (Wave form transmission) ・同期 (Synchronization) ・相関 (Correlation) ・多元接続、多重 (Multiple Access)

  28. 情報通信システム論Ⅰ 7.変調(Modulation) ベースバンド信号 (と呼ぶ) 情報 変調波 (電波に乗った信号) デジタル化 変調 音、映像、写真 数字、文字 ・・・・ 搬送波(発振器) 変調とは、情報信号(ベースバンド信号)を電波(搬送波=キャリヤ)に乗せること

  29. 情報通信システム論Ⅰ 7-1 各種の変調方式 (デジタル変調方式が主体) 情報(例) PSKなど現在よく使われる 位相変調 ? デジタル信号に不向きあまり使われない ? 周波数変調 PSKと合わせて、QAMとしてよく利用 振幅変調 ?

  30. 情報通信システム論Ⅰ 7-2 アナログ変調方式(参考) 元の情報 位相変調 周波数変調 振幅変調

  31. 情報通信システム論Ⅰ 7-3 PSK (Phase Shift Keying ) 変調方式 Q (0,1) (1,1) 1 QPSK ③ ④ 0 ⑤ 1 0 I 1 (1,0) 0 (0,0) ① ② ①   ②   ③   ④  ⑤ BPSK では?

  32. 情報通信システム論Ⅰ 7-4 QPSK信号の復調(Demodulation) Q 受信信号 1 π/4 基準位相 1 I 受信信号 r π/2 基準キャリヤ位相 注;基準キャリヤ位相については後述

  33. 情報通信システム論Ⅰ 8.ビット誤り(率);Bit Error rate (BER) 雑音とその分布 信号 1 -1 (0) 雑音によって、論理 1 が 0 (または逆)に誤ること、およびその率

  34. 情報通信システム論Ⅰ 8-1 ビット(符号)誤り率 ; ランダム変数とガウス分布 1.帯域制限された熱雑音はランダム変数であり、その大きさ(電圧)の   分布はガウス分布に従う 確率密度関数 f(x) σ 平均 注 2σ 自乗平均 0 x m 注:解は次ページ

  35. 情報通信システム論Ⅰ 参考:平均値求出の解 において、 と置くと、 ゆえに 元式

  36. 情報通信システム論Ⅰ 8-2 ガウス分布する雑音の性質(定義) (Property of Gaussian Noise) ・自らの平均は 0 ・どの区間をとっても同じ分布 ・分散は電力 ・時間T(=1/帯域)以上間隔を開けた標本値は独立 (相関は 0) ・時間間隔内での分布は、離散的な時間点における  分布と等しい

  37. 情報通信システム論Ⅰ 8-3 誤り率 ・ ・ S1 が送られたときの受信での分布 S2 が送られたときの受信での分布 ここで、      で は雑音 n の分散と言う S1がS2と判定される分布 *σを標準偏差 0

  38. 情報通信システム論Ⅰ と置くと; また、Q(x) は以下に定義 注; =SNR 但し、SNR ;Signal to Noise Power Ratio 注;この場合のSNRは計算では真数(dBではない)

  39. 0 10 -1 10 -2 10 -3 BER 10 -4 10 -5 10 -6 10 0 2 4 6 8 10 12 14 SNR (dB) 情報通信システム論Ⅰ 8-4 ビット誤り率 QPSK (Qaudrature PSK) BPSK (binary PSK) 3 dB 8.4 11.4

  40. 情報通信システム論Ⅰ 8-5 誤り率の劣化 (BER Degradation) 波形伝送において、信号点(判定点)の電圧が下がらないこと。   つまり、   の値が常に1.0 (正規値)に保たれること。 1 0 1 1 符号誤り率(BER) (例示) 1V BER 送信 無線路 -1V 1V 良い波形 劣化 0.8V 悪い波形 受信 S/N (dB) -0.6V BER : Bit Error Rate

  41. 情報通信システム論Ⅰ 8-6 dB表示を思い出す。 例1 判定点の信号電圧が例えば 0.707(倍)になった        ⇒信号電力は0.5倍(半分)                ⇒S/Nが (   )dB劣化    すなわち、その点のBERが (  )dB悪くなる(劣化する) 例2 判定点の信号電圧が 1.4(倍)になった        ⇒信号電力は2倍              ⇒S/Nが ( 3 )dB (劣化 or 改善?)    その点のBERが ( 3 )dB 増える? 減少する? 

  42. 情報通信システム論Ⅰ 8-7 dB と BER評価 +1.3 +0.8 1V +0.6 V -0.6 -1V -0.7 -1.2 信号点 n ① ② ③ S/N は? 各点のBER は? 平均 BER は? 但しBPSKとし、電圧 1.0VでS/Nが6.6dBとする

  43. 情報通信システム論Ⅰ 8-8 基準位相の偏移・揺らぎによるBER劣化 BER degradation due to the carrier phase deviation) S1 S3 S2 S4 S3 S1 s2 s1 1 信号 I -1 正規 1 Q 基準位相 -1 1 s3 s4 I -1 位相偏移 1 Q -1

  44. 情報通信システム論Ⅰ 8-9.その他の重要な位相変調方式=QAM 方式 (Quadrature phase and Amplitude Modulation) ■16QAM 方式; 4bit/symbol Q a ● ● 1.0 ● ● ・位相と振幅の両方に情報 ・復調においては、位相と  振幅両方を識別する必要 ・位相、振幅の間隔(距離)  が小さい分だけBERが  悪くなる。 b ● ● 0.5 ● ● -1.0 -0.5 0.5 1.0 I -0.5 ● ● ● ● ● ● -1.0 ● ● a=1+j×1 a=0.5+j×0.5 c=-0.5+(-j×1)   ・・・・・・・ c ■64QAM; 6bit/symbol ■256QAM; 8bit/symbol

  45. 情報通信システム論Ⅰ 9.帯域制限と波形伝送 周波数スペクトル +1v -1v 周波数 時間 帯域が無限に広い フィルタ 何故帯域制限が必要か?  帯域制限をするとどうなるか?

  46. 情報通信システム論Ⅰ 9-1 波形伝送・帯域制限 フーリエ変換(Fourier Transformation) f(t) 電圧V (ω=2πf) 時間 t フーリエ変換 フーリエ逆変換 電圧 f(ω) 周波数 但し、f(t)が周期性を有するとき、フーリエ級数展開=線スペクトルとなる

  47. 情報通信システム論Ⅰ 9-2フーリエ変換と相関の類似 フーリエ変換 相関(相互相関)

  48. 情報通信システム論Ⅰ 9-3 フーリエ変換とは ・信号の時間波形から、内在する周波数成 分とその大きさを分析すること ・その分析の手段として「相関」という手法を 用いる

  49. 情報通信システム論Ⅰ 9-4 帯域制限(Band Limitation) と波形伝送 帯域制限は何のため? ・周波数帯域の節約 ・受信S/Nを高くする(雑音の帯域最小化) 帯域制限をすると何がとどうなるか? ・波形が変化 ではどうするべきか? ・波形が変化しても符号誤りを増加させないこと

  50. 情報通信システム論Ⅰ V 1 -T/2 0 T/2 時間 t フーリエ変換 ω 2π/T 任意の関数のフーリエ変換は一般にwの複素関数であるが、上記のような場合は実関数となる

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