290 likes | 345 Views
ジェンダーと文明 8 . フランス革命 と女性. フランス革命の経過 (概略). 1 789年7月14日 バスチーユの攻略 人権宣言 共和政の樹立 ルイ16世の処刑 ロベスピエール独裁(女性が登場するのはここまで)、恐怖政治 テルミドール反動、崩壊 総裁政府(ブルジョワ的) ブリュメール18日のナポレオンのクーデタ. 1793年10月30日. 1793年9月 史上初めて女性たちが自律的な政治活動に結集 国民公会:すべての女性のクラブと結社を閉鎖(女性はあくまて家庭にその本質があるという考え). コンドルセ.
E N D
ジェンダーと文明 8 • フランス革命と女性
フランス革命の経過 (概略) • 1789年7月14日 バスチーユの攻略 • 人権宣言 • 共和政の樹立 • ルイ16世の処刑 • ロベスピエール独裁(女性が登場するのはここまで)、恐怖政治 • テルミドール反動、崩壊 • 総裁政府(ブルジョワ的) • ブリュメール18日のナポレオンのクーデタ
1793年10月30日 • 1793年9月 史上初めて女性たちが自律的な政治活動に結集 • 国民公会:すべての女性のクラブと結社を閉鎖(女性はあくまて家庭にその本質があるという考え)
コンドルセ • 1795『人間精神進歩史』-両性のあいだの不平等の除去、女性にも選挙権、被選挙権を認めよ(ただし財産資格による制限)
サロン • ロラン夫人 (内務大臣の妻)「ジロンド派の女王」(女性が面に出るのはモラルに反している)、ジャコバン派に破れて処刑される • ロベール夫人 共和主義者(女性の家庭での義務が行政上の職務につくことを禁じる) • ジャンリ夫人 オルレアン派 • デュプレ夫人 ロベスピエール(国王批判) • ボーアルネ夫人 国民議会の前身 • タリアン夫人(ナポレオンとジョゼフィーヌを取り持つ。男性のコンパニオンは男性の競争相手になるべきではない) • 女性は影の存在
メリクール テロワーニュ・ド・メリクール 1762-1817(1)Theroigne de Mericourt • 誰からも頼られた革命の女丈夫。最期は悲しいけれど、革命に純粋に打ち込んだ女闘士。 • ベルギー生まれ。幼い頃貧しい親に女中奉公に行かされ、その後、イギリスの上流社会でコール・ガールになり、その間に知性と教養を磨く。フランスの情勢を知るとパリに赴く。バスティーユ監獄襲撃やヴェルサイユ行進に率先して参加したり、積極的に活動する。
メリクール • 1790年、マリー・アントワネットを憎悪していたことがあまりにも有名だったため、オーストリア軍にとらえられる。しかし、オーストリア皇帝レオポルトによって釈放され、1792年再びパリに戻る。 • 彼女を幽閉したオーストリアをやっつけたいという気持ちから、外国との戦争を望んでいたジロンド党と近づいた。
メリクール • 1793年5月31日、テュイルリ宮殿でジロンド派の失政に怒り狂っていた場末町のおかみさん連中が、ジロンド派議員に罵声を浴びせていた。その中を一番やじられていたブリッソーが通った。彼と親しかったテロアーニュはブリッソーを守ろうと彼のそばに走りよった。すると、そばにいたおかみさん達は激怒し、テロアーニュのスカートをまくりあげ、お尻をいやと言うほど叩いた。 • その屈辱の中で彼女の精神は瓦解し、1年後精神病院に入れられ、革命の推進に大きな力となった彼女の明晰な頭脳は二度と元に戻らなかった。
ローズ・ラコンブ(クレール・ラコンブ)1765-?ローズ・ラコンブ(クレール・ラコンブ)1765-? • 地方劇場の女優 • 革命的女性市民クラブの指導者(会員4千人、裁縫女工、洗濯婦、家内工業者・職人・労働者の妻)1793、ポーリーヌ・レオンとともに。一部の会員は武装。 • 女性の生活圏の擁護(物価抑制、買占め人処刑を国民公会に要求) • 売春婦の再教育、搾取の廃止などの提案 • ロベスピエール政権批判、弾圧を受ける(女性の政治的活動の禁止)、94年逮捕(没年不明)
女性結社の禁止 • ブリュメール9日 アマールの演説 • 「しとやかであるべき女性が、公衆の面前で演説したり男たちと闘争することは、許されることであろうか。概して女は高尚なことを考えたり真剣に物事を考える能力に欠けている。したがってわれわれは、女は政治に口だしすべきではないと考える。」(フランス革命期の女たち、上、岩波新書、190頁)
フランス革命、憲法で定義される「人間」は男であるフランス革命、憲法で定義される「人間」は男である
1791年の憲法 • 市民の定義:フランス人の父親からフランスで生まれた男性 (性差別)
1793年ジロンド憲法 • 市民:1年以上フランスに居住する21歳以上の男性
モンターニュ憲法 (1793年) • 市民:フランスに生まれフランスに居住する21歳以上の男性 • (いずれも婦人参政権なし)
フランス革命と女性 • オランプ・ド・グージュ 1748‐93 Olympe de Gouges • フランスの女流劇作家,政治パンフレット作家。フランス革命前から奇抜で突飛なユートピズムと鋭い政治的先見性の混在した数々の愛国的ビラ・小冊子を著す。彼女は,〈革命によって女性は軽蔑以外の何物も得なかった〉と憤り,〈人権宣言〉をなぞった 〈女性と女性市民の権利宣言〉17ヵ条(1791) を発表して,フェミニストとして有名になる。 (ウルストンクラフトより1年前) 注あり
女性と女性市民の権利宣言17か条 • 前文:母親、娘、姉妹、すなわち国民の女性代表者たちは、国民議会の構成員になることを要求する。女性の諸権利に対する無知、忘却、または軽視が、公の不幸と政府の腐敗の唯一の原因であることを考慮して、女性の譲り渡すことのできない、神聖な自然的権利を、厳粛な宣言において提示することを決意した。この宣言が、社会全体のすべての構成員に絶えず示され、彼らの権利と義務を不断に想起させるように。女性の権力と男性の権力の行為が、すべての政治制度の目的とつねに比較されうることで、いっそう尊重されるように。
女性と女性市民の権利宣言17か条(前文続き)女性と女性市民の権利宣言17か条(前文続き) • 女性市民の要求が、以後、簡潔で争いの余地のない原理に基づくことによって、つねに憲法と良俗の維持と万人の幸福に向かうように。 こうして、母性の苦痛の中にある、美しさと勇気とに優れた女性が、最高存在の前に、かつ、その庇護の下に、以下のような女性および女性市民の諸権利を承認し、宣言する。
女性と女性市民の権利宣言17か条 1:女性は、自由なものとして生まれ、かつ権利において男性と平等なものとして存在する。社会的差別は、共同の利益に基づくのでなければ、設けられない。
2:すべての政治的結合の目的は、女性および男性の、時効によって消滅することのない、自然的な諸権利の保全にある。これらの諸権利とは、自由、所有、安全そしてとりわけ圧制への抵抗である。2:すべての政治的結合の目的は、女性および男性の、時効によって消滅することのない、自然的な諸権利の保全にある。これらの諸権利とは、自由、所有、安全そしてとりわけ圧制への抵抗である。
省略 • 3: • 4: • 5:
女性と女性市民の権利宣言17か条 • 6: • 7: • 8: • 9: • 10:女性は断頭台に上る権利を持つのだから、演壇上にも上る権利を持つべきである。
女性と女性市民の権利宣言17か条 • 11:思想および意見の自由な伝達が女性の最も貴重な権利のひとつなのは、この自由が、父親と子供の嫡出関係を確認するからである。すべての女性市民は、自分があなたの子供の母親であると、自由に発表することができる。 • 12: • 13: • 14: • 15: • 16: • 17:
人間は生まれながらにして自由、平等である。人間は生まれながらにして自由、平等である。 • 自由、所有権、安全、圧制への抵抗は人間の権利である。 • 国家の主権は人民にある。 • 自由とは他人を害しない全てのことをすることができる、ということにある。 • 法律は、社会に有害な行為でなければ、禁止する権利を有しない。 • 法の前にはみな平等である。 • いかなる者も法律が定める形式による場合でなければ、追訴、逮捕、拘禁はされない。 • 法律は厳正かつ明白に必要な刑罰でなければ定めてはならない。 • 全ての人は、有罪と宣告されるまで無罪と推定される。 • いかなる者も公の秩序を乱さない限り迫害されることはない。
思想、言論、出版の自由を保障する。 • 市民の権利の保障は、公の権力を必要とする。 • 公権力の維持、行政の費用のために租税は不可欠である。 • 全ての市民は公の租税の必要を確認し、承諾し、その使途を監視する権利がある。 • 社会は全ての官吏に対して、行政について報告を要求する権利を有する。 • 権利の保障が確保されない社会は、憲法を有していない。 • 所有権は侵してはいけない。
グージュ • 革命初期:王党派を支持し、共和派を攻撃 • 国王の国外逃亡発覚後、共和派に転向 • 国王の死刑宣告、王党派の立場から国王弁護 • のちに処刑される
家父長制をくつがえすグージュ • 家父長制による家族制度 私有財産:家長に属し、男の子の嫡出子が継承 • 女性は男性と同等の財産権を有する • 性の自由を保証、親子関係の実態を容認 • ー「財産権の基礎は労働であり、労働を投下したものがその成果に対して排他的権利を持つという市民社会の原理を否定する」(水田珠枝「女性解放の歩み」、83ページ)
フランス革命と女性(まとめ) • フランス革命の原理:人類全体の解放 • 「人間は自由かつ権利において平等なものとして生まれた」(人権宣言1789) • しかし女性解放の視点がなかった • 市民的権利を得たのは一割程度の男性だけ(非所有者、小所有者、女性は市民権なし)