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畦畔におけるカエル類の行動特性の解明

畦畔におけるカエル類の行動特性の解明. 岐阜大学大学院農学研究科  灌漑排水学研究室 ○吉村友里 . 人里の風景・・・水田. 2/28. 畦畔(けいはん). 水田生態系. 農業. 生物の移動経路. 人の道. 繁殖や生育の場. 水田機能の維持. 圃場整備や減反政策などによる. 水田で繁殖するカエル類は 衰退しつつある ( Fujioka , 1997 ). 農環境の変化. 3/28. 水田のカエル類は減少が懸念されているが・・・.  カエル類を含めた両棲類は、湿地性の生物の中でも.   「局所的な 絶滅 が、近接集団からの個体の侵入などによって

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畦畔におけるカエル類の行動特性の解明

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  1. 畦畔におけるカエル類の行動特性の解明 岐阜大学大学院農学研究科  灌漑排水学研究室 ○吉村友里 

  2. 人里の風景・・・水田 2/28 畦畔(けいはん) 水田生態系 農業 生物の移動経路 人の道 繁殖や生育の場 水田機能の維持 圃場整備や減反政策などによる 水田で繁殖するカエル類は 衰退しつつある(Fujioka , 1997) 農環境の変化

  3. 3/28 水田のカエル類は減少が懸念されているが・・・  カエル類を含めた両棲類は、湿地性の生物の中でも   「局所的な絶滅が、近接集団からの個体の侵入などによって    緩和される確率」が最も高いといわれる 個体の行動範囲にもよる たとえば・・・ 休耕 水田を復元すると、 その場所に再度繁殖集団が形成されることがある 長く休耕していた水田でも、    だが、水田におけるカエル類の行動範囲などの 行動特性はほとんど把握されていない

  4. さらに・・・ 4/28         カエルの生息環境である畦畔は、人為的に変化しやすく、 彼らの行動や生息状況にも             影響を与えていると考えられる。 水田の利用状況 植被率 草高 目的 研究 1 水田畦畔における個体の行動範囲を把握する 研究 2 畦畔におけるカエル類の生息状況の把握と                 その周辺環境との関連性の検討

  5. 調査概要 5/28 研究1 「個体の行動範囲の把握」 調査地: 調査内容:  岐阜県揖斐郡揖斐川町           (旧谷汲村) 標識再捕獲法 研究2 「畦畔におけるカエル類の生息状況の把握と                    その周辺環境との関連性の検討」  調査地:  調査内容: 岐阜県安八郡輪之内町 本戸 カエル類の捕獲調査 環境調査

  6. 調査概要 6/28 研究 1 「個体の移行動範囲の把握」 調査地: 調査内容:  岐阜県揖斐郡揖斐川町             (旧谷汲村) 標識再捕獲法 対象種 ダルマガエル Rana porosaporosa ヌマガエル Fejervarya limnocharis

  7. 農道 約75m 30m 15m 15m 水路 7/28 研究 1 「個体の行動範囲の把握」 標識再捕獲法 1本の畦畔の上に 約15mの区を3つ設定 (各区の間隔も15m) 水路区 中央区 農道区

  8. 捕獲 標識付けと測定 8/28 研究 1 「個体の行動範囲の把握」 標識再捕獲法 中央区 水路区 中央区 標識の確認と測定 捕獲した区で放す 農道区 調査期間:2007年8月7日~10月22日(28回) 捕獲時間:AM5:30~7:30 記録項目:種類・体長(SVL)・脛長

  9. 9/28 研究 1 「個体の行動範囲の把握」 ダルマガエルの結果 ヌマガエル ダルマガエル 標識 再捕獲の回数 水路区 186個体 157回 1回 156回 1回 0回 156回 区から区へ移動していない 205回 3回 226個体 中央区 3回 202回 0回 202回 農道区 中央区 128回 水路区 150個体 0回 0回 128回 農道区 128回 それぞれの区で再捕獲した標識の内訳

  10. 10/28 研究 1 「個体の行動範囲の把握」 ダルマガエル、ヌマガエルに関して ヌマガエル ダルマガエル 再捕獲の回数 水路区 同じ1本の「畦畔」上では、15mの距離でも、 個体の移動はほとんど確認できなかった。          →移動がおこなわれていない ※調査期間は変態の時期以降       →幼体の行動圏についての結果 157回 1回 156回 1回 0回 156回 205回 3回 中央区 3回 202回 0回 202回 農道区 畦畔におけるカエル類の幼体の行動範囲は狭かった。 中央区 128回 水路区 0回 0回 128回 農道区 128回 それぞれの区で再捕獲した標識の内訳

  11. 11/28 研究1 「個体の行動範囲の把握」 周辺環境がほとんど同じである   同一の畦畔で検討 研究2 「畦畔におけるカエル類の生息状況の把握と                    その周辺環境との関連性の検討」

  12. 調査概要 12/28 対象種 ニホンアマガエル Hyla japonica ヌマガエル 研究2 「畦畔におけるカエル類の生息状況の把握と                    その周辺環境との関連性の検討」  調査地:  調査内容: →整備状況や作付など周辺環境が多様な地区 岐阜県安八郡輪之内町 本戸 カエル類の捕獲調査 環境調査

  13. 研究 2 13/28 調査地:輪之内町本戸地区 未整備A ルート 昭和40年代以降に                大規模な整備無し 未整備Bルート    水田耕作                  (休耕田が点在)  No.1 2 3 未整備A 3年目麦畑 3年目麦畑ルート : 2005年整備(3年目)              麦の栽培 2年目麦畑ルート : 2006年整備(2年目)              麦の栽培 2年目麦畑 未整備B 1年目水田ルート : 2007年整備(1年目) 水田耕作 1年目水田 「調査地点」  水路上流をNo.1とし、No.1,2、3・・・  ルート下流部まで等間隔で設定

  14. 研究 2 14/28 環境調査 捕獲調査 個体の体長の計測 捕獲地点の記録 体長

  15. 研究 2 15/28 環境調査 捕獲調査 個体の体長の計測 捕獲地点の記録 自然草高 植被率 土壌硬度 圃場の利用状況(湛水、中干し、) 調査期間:2007年6月20日~10月3日 調査時間:AM7:00~

  16. 研究 2 捕獲調査の結果 16/28 未整備B 未整備A 25 25 25 25 25 25 25 25 体長の推移(ヌマガエル) 6/20 6/20 15 15 15 15 15 15 15 15 5 5 5 5 5 5 5 5 繁殖 0 0 0 0 0 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 6/29 6/29 未整備A 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 7/4 7/4 個体数(匹) 8/2 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 未整備B 7/20 7/20 変態 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 8/2 8/2 体長(mm) 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 8/21 8/21 成長 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 9/18 9/18 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 10/3 10/3 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45

  17. 研究 2 捕獲調査の結果 17/28 3年目麦畑 2年目麦畑 25 25 25 25 25 25 25 25 体長の推移(ヌマガエル) 6/20 6/20 15 15 15 15 15 15 15 15 5 5 5 5 5 5 5 5 繁殖 0 0 0 0 0 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 6/29 6/29 3年目麦畑 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 7/4 7/4 個体数(匹) 2年目麦畑 8/2 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 7/20 7/20 変態 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 体長(mm) 8/2 8/2 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 8/21 8/21 成長 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 9/18 9/18 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 10/3 10/3 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45

  18. 研究 2 捕獲調査の結果 18/28 未整備A 1年目水田 25 25 25 25 25 25 25 25 体長の推移(ヌマガエル) 6/20 15 6/20 15 15 15 15 15 15 15 5 5 5 5 5 5 5 5 繁殖 0 0 0 0 0 0 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 6/29 6/29 未整備A 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 7/4 7/4 個体数(匹) 8/2 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 7/20 7/20 変態 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 体長(mm) 8/2 8/2 1年目水田 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 8/21 8/21 成長 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 9/18 9/18 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45 10/3 10/3 5 10 15 20 25 30 35 40 45 5 10 15 20 25 30 35 40 45

  19. 研究 2 捕獲調査の結果のまとめ 19/28 体長の推移(ヌマガエル) 未整備A ルート 昭和40年代以降に                大規模な整備無し 未整備Bルート    水田耕作                  (休耕田が点在)  未整備A 3年目麦畑 3年目麦畑ルート : 2005年整備(3年目)              麦の栽培 2年目麦畑ルート : 2006年整備(2年目)              麦の栽培 2年目麦畑 未整備B 1年目水田ルート : 2007年整備(1年目) 水田耕作 1年目水田   隣接圃場の作付や整備状況の異なった5本のルートにおいて、  生息しているカエルの個体群の繁殖・変態・成長の動きは、  それぞれ異なっていた。

  20. 研究 2 20/28 環境調査 捕獲調査 個体の体長の計測 捕獲地点の記録 自然草高 植被率 土壌硬度 圃場の状況(湛水、中干し、)

  21. 研究 2 環境調査の結果 自然草高 21/28 ある階級で捕獲した個体数 未整備A 7/20 割合(%) 個体数(匹) 7/4 7/20 草高(㎝) 8/2 ヌマガエル 8/21 ニホンアマガエル 9/18 10/3

  22. 研究 2 環境調査の結果 自然草高 22/28 未整備A 未整備B 3年目麦畑 2年目麦畑 1年目水田 7/4 7/4 7/4 7/4 7/4 ヌマガエル(およびニホンアマガエル)では 草高に対する選好性は低い 7/20 7/20 7/20 7/20 7/20 8/2 8/2 8/2 8/2 8/2 8/21 8/21 8/21 8/21 8/21 9/18 9/18 9/18 9/18 9/18 10/3 10/3 10/3 10/3 10/3

  23. 研究 2 23/28 環境調査 捕獲調査 個体の体長の計測 捕獲地点の記録 自然草高 植被率 土壌硬度 圃場の状況(湛水、中干し、) 選好性が低い

  24. 研究 2 環境調査の結果 24/28 東 西 圃場の利用状況(ヌマガエル) 未整備A 未整備A No.1 No.2 No.3 湛水 湛水 西 東

  25. 研究 2 環境調査の結果 25/28 圃場の利用状況(ヌマガエル) 未整備A 隣接する圃場の利用状況が多様な畦畔では、 季節によってルート上での捕獲地点が変化した 1湛水 2休耕田 3中干し・・・の順に選好性が見られた 未整備A 7/4 7/20 8/2 8/21 9/21 10/3

  26. 研究 2 環境調査の結果 26/28 圃場の利用状況(ヌマガエル) 1湛水 2休耕田 3中干し・・・の順で選好性がある 休耕田がなく、圃場の利用状況が一様な畦畔では、 その変化に伴いルート上での捕獲ができなくなる 1年目水田 1年目水田 隣接した圃場の利用状況が大きく影響していた 7/4 7/20 8/2 8/21 9/21 10/3

  27. 結果のまとめ 27/28 ① 畦畔におけるカエル類の幼体の行動範囲は狭かった。 研究 1 水田畦畔における個体の行動範囲を把握する 研究 2 畦畔におけるカエル類の生息状況の把握と                  その周辺環境との関連性の検討 ② 畦畔におけるカエル類の生息地点や繁殖・変態・成長などの   生息状況は、周辺環境が異なる畦畔でそれぞれ異なっていた。    また、カエル類の生息環境は、隣接した圃場の利用状況に   伴い変化した。

  28. 総合考察 28/28 水田のカエルは生息に適した環境下では移動範囲が狭い。  しかし、水田の利用状況や圃場整備などにより、 環境が適さなくなった場合は、移動すると推測される。

  29. ご清聴ありがとうございました

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