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GEM を用いた中性子検出器. 大阪市立大学 中川真介 KEK 測定器開発室 阪市大理、KEK A 、東大理 B 、信州大理 C 、佐賀大理工 D 、東理大理工 E 中川真介、氏家宣彦 A 、内田智久 B 、宇野彰二 A 、大下英敏 C 、杉山 晃 D 、杉山史憲 E 、関本美知子 A 、田中秀治 A 、田中真伸 A 、中野英一、長屋慶 E 、仲吉一男 A 、村上 武 A. 今回の発表内容. 開発背景 中性子検出の原理 去年との違い セットアップ 読み出し基板 エレクトロニクス ビームテスト MUSASI MINE1 現在の検出器の性能 課題 まとめ.
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GEMを用いた中性子検出器 大阪市立大学 中川真介 KEK 測定器開発室 阪市大理、KEKA、東大理B、信州大理C、佐賀大理工D、東理大理工E 中川真介、氏家宣彦A、内田智久B、宇野彰二A、大下英敏C、杉山晃D、杉山史憲E、関本美知子A、田中秀治A、田中真伸A、中野英一、長屋慶E、仲吉一男A、村上武A
今回の発表内容 • 開発背景 • 中性子検出の原理 • 去年との違い • セットアップ • 読み出し基板 • エレクトロニクス • ビームテスト • MUSASI • MINE1 • 現在の検出器の性能 • 課題 • まとめ
開発背景 • 開発背景 • 近年、中性子線の産業利用が増加 • 自動車エンジンの潤滑油の測定 • 燃料電池の開発 • タンパク質の構造解析 • X線とは見えやすい元素が異なるのでX線との併用するケースが増加 • J-PARCが建設され、高計数率測定可能な検出器の開発が求められている • 既存の検出器ではいけない理由は次のページに • 目標 • J-PARCで使える検出器を完成させる
J-PARCでは? • 同じパルス中性子源であるKENSにおいて既存の検出器である3Heカウンターはほぼ限界であった • J-PARCでは中性子のレートがKENSの100倍になる • 3Heカウンターでは不十分 • 30 kHz程度しかでない • 開発中の検出器 • GEMが有利 • ~107 Hz/cm2 • 現在の試作機は100cm2なので~109 Hz • 積層することにより検出効率を稼ぐことができる • 正確な比較ではないが104 倍の性能の向上
GEMを用いた中性子検出の原理 変換部 Gain=1で動作 今回のGEMの積層枚数は4枚 1.2 μmのボロンを上下に蒸着 カソード 下部に1.2 μmのボロンを蒸着 増幅部 Gain>100で動作(γ線が見えない程度の増幅) 100 μmのGEM
去年との違い(1)セットアップ 去年 今年 Cathodeには1.2μmのボロンが蒸着 B-GEM 変換部 0.9mm B-GEM 変換部 100μ-GEM 増幅部 100μ-GEM 増幅部 2.0mm B-GEMとは上下にそれぞれ 1.2 μmのボロンをGEMに蒸着 B-GEMとは上下にそれぞれ 0.6 μmのボロンをGEMに蒸着 • 4枚の理由 • 良品が4枚しかなかったため
Count数 v.s. B-GEMの枚数 上下に0.6μmのボロンをつけているGEMと1.2μのGEMでの検出効率を測定 ソースは252Cfを使用
去年との違い(2)読み出し基板 去年 今年 1.6mm X,Yストリップ (両面読み出し) ストリップピッチ 0.8mm ストリップ数 120×120 有感エリア 96mm×96mm
CAMAC・NIMによる読み出し 性能 前の発表内容のため省略 高計数率測定不可能 エレクトロニクスの限界により数十kHz 去年との違い(3)エレクトロニクス 去年 今年 • FPGA・ASICのボードによる読み出し • 性能 • 前の発表内容のため省略 • 高計数率測定可能
今年の検出器システム • 前の発表にあったように読み出しは検出器から出ているEthernetケーブル1本だけである 各種ケーブル ASIC・FPGAボード GEMチェンバー本体 検出器システムとして完成
ビームテスト • MUSASI • 2.24Å、熱中性子 • MINE1 • 8Å、冷中性子 • 共鳴スピンエコー法
二次元画像(MUSASI) 去年 今年 10mm Cd板
位置分解能の変化(MUSASI) 去年 今年 σ=0.57mm ストリップピッチは 1.6mm σ=0.46mm ストリップピッチは 0.8mm 読み出し基板だけを変化させていないが、位置分解能は向上
MINE1でのセットアップ ED=1.65kV/cm ΔVGEM=570V EI=6.3kV/cm 100μ-GEM 増幅部 変換部 100μ-GEM 増幅部 読み出し基板 片面読み出し 4×16(Pad:6mm×24mm) Al板に2.0μmのボロンを蒸着させている ボードへ
共鳴スピンエコーの実験 • 現象は、時間により飛んでくる中性子の数が変わる • 原理は省きます • 設定した周期で増減する • 共鳴する位置は限られた場所なので検出部分は薄いほど良い • GEM検出器ではB-Cathodeに相当 これをAsin(fx+C)+Bでフィット A/Bがビジビリティーである。 この変化を見ることにより、サンプルの構造解析を行う サンプルなしの状態でこのビジビリティーが高いものが良い検出器 左の図はGEM検出器で測定したデータビジビリティー =0.50
去年との比較 • 去年はビジビリティーが0.67 • 今年はビジビリティーが0.50 • これは、上下読み出しに用いた読み出し基板による散乱の影響か? B-Cathode 100μGEM 中性子 読み出し基板 特に後方散乱を起こし、B-Cathodeに戻ってきた中性子が時間情報をくるわせているのでは? 解決が必要!!
波長分布 • ビームの一番上流にチョッパーを置いて、ビームの波長分布を見る • MINE1のセットアップでは8Å~ 9Åの波長分布で検出器に入射してくる • チョッパーの穴の拡がりが見えてるわけではない • MINE1の波長分布は既存の検出器では見ることができない! 約40msecという広範囲のデータ取得が可能
波長分布 拡大 波長分布の中を見ると先程のsinカーブと同じ110kHzで共鳴現象が起こっている
このグラフの意味 • 約40msecの広範囲のデータ • 全ての領域のビジビリティーを測定可能(J-PARC) • 10nsecでサンプリングしているのでこれより細かく見ることができる 周期=109kHz A=10.5 B=14.2 ビジビリティー=0.71
現在の検出器の性能 • 去年のデータも使用している。 • CAMACでデータ取得をしている • 今年のデータは • FPGA・ASICでの読み出しを使用
検出器の性能 • 今年のデータ • 検出効率:30 %(B-GEMを4枚積層時)(2.24Å) • 位置分解能:0.46 mm(FWHMで1 mm) • 高計数率測定可能: (~107 Hz/cm2:理論上) • ASIC(FE2006)とFPGAを用いた高速読み出し • 時間情報を測定可能:10 nsec単位でサンプリング • 去年のデータ • 検出器の歪み:なし • 検出効率の一様性:全体で±5%以内
しかし、、 8Åの冷中性子線 A A:ビーム B:直接のビームとは異なる成分(Background)が見える。どこかで散乱している?? B • よって • Bが見えても、ラウエ斑点を見るような実験(求められる位置分解能は粗い)でも使用可能 • しかし、細かな精度が要求される実験ではBを無くす必要がある • この解決策等は後ろの課題にて、
検出効率 • 問題点 • 検出効率:30 %( B-GEM×4枚) • これは良品のGEMが4枚しかなかった • 要求 • 50 %は欲しい(既存の検出器に取って代わるならば) • 解決策 • 8,10枚にすれば、50 %強 • GEMを8枚積層することは片側0.6 μmのGEMの時に成功している
位置分解能 • 問題点・要求 • 位置分解能を向上させる必要がある • ラウエ斑点を見るには十分だが、細かな精度が要求される実験に用いるにはFWHMで1 mm以下は欲しい • 解決策 • GEM間のギャップを狭くする • 電子の拡がりを抑えることができるから • 読み出しのストリップピッチを狭くする • 0.8 mmピッチの読み出しから0.4 mmピッチに変える • ガスを変える • 電子の拡がりを抑えるガスを使用する
実際にGapを狭くした B-Cathode 1.5mm or 0.5mm Ed=1.5kV/cm 100um 2mm Ei=6.3kV/cm 読み出し Gap:1.5 mm →0.5 mm σ :0.60 mm→0.35 mm
Background • 問題点 • 読み出し基板(1.6 mm)のG10の基板のエポキシ樹脂の水素の影響 • 水素で後方散乱を起こす • 解決策 • テフロン素材の材料に変える • GEM、読み出し基板 • それ以外の金属部はボロンで中性子を吸収させる 中性子 α線
大型化 • 問題点 • 現在の検出器は試作器であり、10cm×10cmの有効領域 • 要求 • 数 m×数 mの範囲の検出領域 • 解決策 • 現在、大型のGEM(ボロンの付着なし)の性能試験進行中 • 後の講演の長屋君が発表します • 来年度には20 cm×20 cmの中性子検出器の完成を目標
まとめ • 検出器のシステムとして完成した。 • 現段階の性能 • 検出効率:30% • 位置分解能:0.46 mm(FWHMで1 mm) • 高計数率測定:107 Hz/cm2 • 実際の実験では使えるのか? • ラウエ斑点をみるような実験には十分な性能 • 一部の実験に用いるには課題を解決する必要がある • 課題を解決し、来年の実験に備える! • 目標の性能 • 検出効率:50%以上 • 位置分解能(FWHMで1 mm以下) • Backgroundを無くす • 有効領域20 cm×20 cmの検出器
ビームライン MINE2とは? MINE2 波長8Åの単色 京都大学管理
反射率計の実験 • 界面・表面の構造解析に非常に有力 • ターゲット • 非常に狭い空間内で,異なる物質・相同士が接する物質 • 拘束条件下における物性 • 表面・界面が関わる様々な現象(産業基盤技術) • 集積回路・有機デバイスの小型化 θIN=θOUT 膜厚の測定などの時、単層、多層の膜厚がわかる。 Z軸方向の構造変化が見える θIN≠θOUT X-Y軸方向の構造変化が見える Y X θIN θOUT Z 多層膜
この実験でのGEMの利点とは? • 現在は3Heカウンターの前にスリットを置いて検出器を動かしてスキャンしていく • これは時間が掛かる • GEMはチャンネル数が多く、一度に大きくのデータが取れる • 時間は1/100以下になるのでは!! • 単色の時と白色の時は異なる・・・次のページ
測定結果 測定法(θIN=θOUT) 膜に垂直に入る成分が関係しているので単色の中性子線では入射角θINをかえる必要がある。 左のような現象のことを フリンジという 解析方法 入射角が変わるので散乱角が変化する。その散乱された中性子のみを表示 単層膜の厚さや多層膜の全体とそれぞれの厚さが測定できる
測定結果2 前のページのフリンジの一部を形成している。 例 測定法(θIN≠θOUT) θIN=θOUTで散乱された中性子の近傍に現れる Log Scale オフスペキュラーと呼ばれる。 θIN≠θOUTの現象 チェンバーのストリップの座標 GEM検出器では見えなかった。 原因 テールの部分にBackgroundが乗ってオフスペキュラーが隠れてしまった。 Backgroundは中性子がボロン以外のところで散乱したことにより乗っている
まとめビームテスト • 反射率計 • 膜厚の測定は可能 • 膜表面の物理をみるこはできなかった • 下の課題を解決することができれば見える可能性がある • 時間の短縮 • 白色になると3Heカウンターを使うより遥かに時間を短縮できる • 3Heカウンターは散乱角に合わせて検出器を移動させる必要がある(フリンジ・オフスペキュラー共に) • GEMは時間情報をみることにより一度にデータを取れる(オフスペキュラーは一次元のヒストグラムを見ればよい) • 課題 • ボロン以外での中性子の散乱によるBackground
有効領域の拡大化 • データ出力はEthernetケーブル1本だけなので以下のような方法で有効領域を拡大可能。 Ethernet HUB イベントデータ (TCP) 新検出器 PC 制御命令 (UDP) GEMの大型化は後の講演で!! 全ての操作はイーサネット経由で行う