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物2 天体核 D2 井上 剛志

国際会議報告会 S mall I onized and N eutral S tructures in the Diffuse Interstellar Medium Socorro, New Mexico, May 21-24, 2006. 物2 天体核 D2 井上 剛志. 会議の概要. テーマ:星間媒質(イオン化媒質、中性原子媒質、分子ガス媒質)     における小スケールの構造について. 場所:ニューメキシコ州、ソコロ(アレーオペレーションセンター). 開催期間:5月21日~24日.

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Presentation Transcript


  1. 国際会議報告会Small Ionizedand Neutral Structuresin the Diffuse Interstellar MediumSocorro, New Mexico, May 21-24, 2006 物2 天体核 D2 井上 剛志

  2. 会議の概要 テーマ:星間媒質(イオン化媒質、中性原子媒質、分子ガス媒質)     における小スケールの構造について 場所:ニューメキシコ州、ソコロ(アレーオペレーションセンター) 開催期間:5月21日~24日 参加者:米(7割)、豪、英、仏、蘭、印、韓、メキシコ、            日本(井上、犬塚(京大理)、長島(長崎大)) 全66名 観測家7割、理論家3割で C.Heiles教授、E.Jenkins教授、D.Cox教授、 R. Reynolds教授等、星間媒質研究における指導的専門化が多く参加した  *懸案事項となっていた収録については会議後に出版が決定されました Outline of This Talk 1.星間媒質における小スケール構造と     我々の星間媒質進化モデルとの関係 2. 会議で発表を行った研究について

  3. アレーオペレーションセンター    @ニューメキシコ州、ソコロ(空港のあるアルバカーキから南約100 km) Very Large Array • ソコロの西約100 km • 直径 25 m のアンテナが27個並ぶ • 最大 36 km まで広がる

  4. Interstellar Medium (星間媒質) 星間媒質がどのようなプロセスで進化して星になっていくのかは理解されていない Hot Ionized Medium 希薄な電離ガス : T ~ 106 K Warm Medium 中性の星雲間ガス: 大質量星周りの電離領域: 恒星風、超新星 T ~ 104 K 輻射電離 星 重力収縮 Cold Neutral Medium HI 雲: T ~ 100 K 分子雲: T ~ 10 K 観測された星間物質の相図(Myers1978)

  5. WNM と CNM WNMとCNMは 加熱, 冷却 が効く開放系(光学的に薄い媒質) 加熱源: External Radiation Field, CR 等 冷却源: 輝線放射・・・Ly-alpha, C+ fine structure, 等 加熱利得 冷却損失 正味の冷却関数:                 [ erg/cm3/s ] 加熱,冷却が釣り合う輻射平衡状態: P [K/cm3] WNM : 冷却優勢 CNM: 不安定 WNM CNM 104 CNMとWNMは安定に等圧下で共存可能 加熱優勢 n [cm-3] 101-2 10-1

  6. Tiny Scale Atomic Structureとは 近年発見された 10-4 pc(数10 AU)スケールの非常に小さな CNM 電波観測 : 水素原子の 21cm 線 (超微細構造)の吸収線を見る Very Long Baseline Array Quasar 1秒角 角度分解能 ~ 20 ミリ秒角 (~1-10 AU) Single dish telescope Pulsar TSAS はどの方角を見ても普遍的に存在する (Heiles 1997) 星間雲の新しい population ?

  7. TSAS の性質 TSAS HI cloud size ~ 10-4 pc size ~ 1-10 pc density ~ 105 cm-3 density ~ 102 cm-3 temperature ~ 100 K temperature ~ 100 K TSAS は非常に小さく、typical なCNMより圧力が高い状態にある nT [K/cm3] = P/kB TSAS 107 こんな小さなものをどう作る?? HI cloud 104 10-4 100-1 Scale [pc] 我々の星間雲形成モデルでは自然に形成できる

  8. 不安定のScale : P 熱的不安定 ~ 10-4~-3 pc 衝撃波圧縮 ・・・Field length 冷却優勢 WNM CNM ~ 104 yr ・・・ 冷却時間 加熱優勢 << Shock の寿命 ~ 1 Myr n 我々の考える星間雲形成モデル Inutsuka, Koyama & Inoue 2005 超新星衝撃波を引き金とする熱的不安定でCNMを形成する Shock による CNM 形成の Simulation (Koyama & Inutsuka, 2002) 密度高 3 2 Shock 面 1 0 密度低 -1 Log n TSAS ?

  9. 私が発表した研究について 星間雲(HI雲、分子雲)における乱流状態 星間雲の観測に見られる輝線幅は音速に比べて優位に大きい 星間雲は超音速の乱流状態にあると考えられている 一般に考えられている星間雲、星間乱流像(1相モデル) WNM 問題点: CNM 乱流の起源が謎 超音速乱流は衝撃波散逸によりすぐに decay 1-10 pc

  10. 私が発表した研究について 我々の考える星間雲、星間乱流像 ・・・ 小さなCNMがWNMの中に幾つも埋まっていてそれらがランダムに運動する 青:CNM 赤:WNM 小さなCNMの大きさ: Field length ~ 0.1 pc Simulation by Koyama & Inutsuka 2006 この“乱流”状態はCNMとWNMの遷移層(黄色部分)の不安定によって駆動されているように見える 遷移層の安定性について研究を行った

  11. 遷移層の種類 Zel’dovich & Pikel’ner ’69, Penston & Brown ’70 • 非摂動状態・・・簡単のため定常で plane parallelな geometry T 遷移層(熱伝導による厚み)~0.1 pc WNM CNM x • 輻射平衡状態は van der Waals の状態方程式に似た形 P Maxwellの面積則に類似の条件 冷却優勢 ・・・静的な2相構造 Condensation ・・・WNMからCNMへCondensation Saturation 加熱優勢 ・・・CNMからWNMへEvaporation Evaporation n

  12. 定常流 Condensation 遷移層の種類 Zel’dovich & Pikel’ner ’69, Penston & Brown ’70 • 非摂動状態・・・簡単のため定常で plane parallelな geometry T 遷移層(熱伝導による厚み)~0.1 pc WNM CNM x • 輻射平衡状態は van der Waals の状態方程式に似た形 P Maxwellの面積則に類似の条件 冷却優勢 ・・・静的な2相構造 Condensation ・・・WNMからCNMへCondensation 加熱優勢 ・・・CNMからWNMへEvaporation Evaporation n

  13. 定常流 Evaporation 遷移層の種類 Zel’dovich & Pikel’ner ’69, Penston & Brown ’70 • 非摂動状態・・・簡単のため定常で plane parallelな geometry T 遷移層(熱伝導による厚み)~0.1 pc WNM CNM x • 輻射平衡状態は van der Waals の状態方程式に似た形 P Maxwellの面積則に類似の条件 冷却優勢 ・・・静的な2相構造 Condensation ・・・WNMからCNMへCondensation 加熱優勢 ・・・CNMからWNMへEvaporation Evaporation n

  14. 安定性解析:2つのアプローチ 長波長解析: 短波長解析: 遷移層の厚みよりも十分長い波長の揺らぎを考えて遷移層を不連続面近似 等圧近似、ただし遷移層の厚みや熱伝導の効果を考慮 y y 遷移層 遷移層 CNM WNM CNM WNM flow flow x x

  15. CNM WNM 長波長解析の結果と解釈 Evaporation:不安定Condensation:安定 不安定のメカニズム 遷移層 • 遷移層で flow が曲がる Flux 保存側: Momentum保存側: • flow の集中部で圧力が高まり  遷移層を押して不安定 • 不安定の成長率 成長率は波数に比例    小 scale ほど不安定 不連続面近似のため特徴的な scale 無し   厚みを考慮した解析が必要

  16. Evaporation 不安定 WNM CNM 長波長解析の結果と解釈 Evaporation:不安定Condensation:安定 不安定のメカニズム 遷移層 • 遷移層で flow が曲がる Flux 保存側: Momentum保存側: • flow の集中部で圧力が高まり  遷移層を押して不安定 • 不安定の成長率 成長率は波数に比例    小 scale ほど不安定 不連続面近似のため特徴的な scale 無し   厚みを考慮した解析が必要

  17. WNM CNM 長波長解析の結果と解釈 Evaporation:不安定Condensation:安定 不安定のメカニズム 遷移層 • 遷移層で flow が曲がる Condensation Flux 保存側: Momentum保存側: • flow の集中部で圧力が高まり  遷移層を押して不安定 安定 • 不安定の成長率 成長率は波数に比例    小 scale ほど不安定 不連続面近似のため特徴的な scale 無し   厚みを考慮した解析が必要

  18. 短波長解析の結果 短波長解析の結果・・・熱伝導の影響のより不安定性は遷移層                の厚みのスケールで安定化される 赤線:長波長解析 青線:短波長解析 緑線:近似無しの解析で     得られると期待され    る分散関係 最も不安定なスケールは厚みの2倍程度 Evaporation 遷移層の分散関係

  19. まとめ • CNMとWNMの遷移層の安定性を線形解析の手法で調べた • Evaporation の場合、遷移層は不安定 • 不安定の成長時間 星間媒質の Dynamical timescale ~ 1-10 Myr 乱流を駆動・維持するのに十分! 星間乱流の駆動メカニズムの候補となる不安定性を発見した

  20. 会議での発表 会議初日最後のセッション J. Slavin : 星間媒質のダイナミクスを考える上で熱伝導は重要だ。 だけど誰も熱伝導を考慮した研究を行っていない!? 直後に発表した我々の研究は熱伝導をちゃんと考慮している為、インパクトのある発表になりよい宣伝になった。

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