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図書館概論  第4回 知的自由と 図書館

図書館概論  第4回 知的自由と 図書館. 2013 年 5 月 7 日(火) 第 4 時限 R001 教室. 前回の復習. 図書館学の五原則を著したインドの図書館学者は? 1939 年、アメリカで定められた、図書館が知的自由を守るという理念を記した文書を何と言うか? 1954 年、日本で定められた同様の文書は? 国際図書館連盟とユネスコが文化的多様性を尊重すると定めた文書は? 日本は生涯学習社会を実現するという理念をうたった法律は?. 禁書、焚書(1). 禁書 思想弾圧などの目的で、特定の書物の出版や所有を禁止すること 禁止された書物 焚書

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図書館概論  第4回 知的自由と 図書館

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Presentation Transcript


  1. 図書館概論 第4回知的自由と図書館 2013年5月7日(火) 第4時限 R001教室

  2. 前回の復習 • 図書館学の五原則を著したインドの図書館学者は? • 1939年、アメリカで定められた、図書館が知的自由を守るという理念を記した文書を何と言うか? • 1954年、日本で定められた同様の文書は? • 国際図書館連盟とユネスコが文化的多様性を尊重すると定めた文書は? • 日本は生涯学習社会を実現するという理念をうたった法律は?

  3. 禁書、焚書(1) • 禁書 • 思想弾圧などの目的で、特定の書物の出版や所有を禁止すること • 禁止された書物 • 焚書 • (ふんしょ)書物を焼き捨ててしまうこと • 焚書坑儒 • 秦の始皇帝が、政治批判を封じるため、儒教の本を焼き儒学者を生き埋めにした (前213)

  4. 禁書、焚書(2) • ナチスの焚書 (1933) • 中国の文化大革命(1966~1977) • マッカーシズム(1950年代前半、アメリカ) • 上院議員マッカーシー(Joseph Raymond McCarthy)を中心とした激しい反共活動 • いわゆる「赤狩り」 • レイ・ブラッドベリ『華氏451度』 (1953) • 本を読むことを禁じられた未来社会を描いたSF • マッカーシズムへの抗議として書かれたという

  5. 検閲censorship • 出版物、手紙、新聞、映画、放送などの表現活動に対して、公の機関が事前に内容を強制的に審査すること • 日本国憲法第21条第2項で明示的に禁止されている  「検閲は、これをしてはならない」 • 戦前の日本では新聞紙法、出版法などにより検閲制度が合法化されていた • 図書館とは資料の収集と提供の両面で深い関わり

  6. 歴史的経緯(アメリカ) • 1920年代まで 好ましくない書物の排除 • A. Bostwick「検閲官としての図書館員」(1908年ALA会長就任演説) • 1939年 図書館の権利宣言 Library Bill of Rights • Bill of Rights(権利章典)は1689年英国議会が発布 • ALA年次大会で採択 • その後、1948、1967、1980, 1996年に改訂 • 1953年 「読書の自由」声明(ALAおよびアメリカ出版会議)

  7. 図書館の権利宣言Library Bill of Rights • すべての図書館が情報と思想のひろば(フォーラム) • 作者の出身、経歴、見解などを理由に資料を排除してはならない • さまざまな観点に立つすべての資料を提供すべき • 情報提供の責任を達成するため検閲を拒否すべき • 表現・思想の自由の抑圧に抗するすべての人や団体と協力すべき • 図書館利用の権利は出身、年齢、経歴、見解によって制限されてはならない • 展示スペースや集会室は、人や団体の信条などにかかわらず、公平に利用に供すべき

  8. 国際的な宣言 • ユネスコ公共図書館宣言(1994) • IFLA「図書館と知的自由に関する声明」(1999)  *IFLA=International Federation of Library Associations and Institutions(国際図書館連盟) • 国際連合世界人権宣言に定められた知的自由を支持し,擁護するとともにこれを推進する。 • 図書館、情報サービス機関および知る自由に関するグラスゴー宣言(2002)

  9. 歴史的経緯(日本) • 1954年 図書館の自由に関する宣言 • 全国図書館大会で採択 • 当時の日本図書館協会事務局長・有山崧(たかし)の提案 • 1967年 練馬のテレビ事件 • ドラマで図書館員が刑事に貸出記録を示す • 1973年 山口県立図書館の図書隠匿事件 • 図書館職員が反戦関係図書を隠す • 1974年 図書館の自由に関する調査委員会設置 • 1979年 「図書館の自由に関する宣言」改訂 • 日本図書館協会総会決議

  10. 図書館の自由に関する宣言 • 1954年採択、1979年改訂 • 日本図書館協会 図書館の自由委員会のページで全文を公開 • 合わせて以下も読むといい • いずれも日本図書館協会図書館の自由委員会編、日本図書館協会発行   常磐大:010.1/T • 『「図書館の自由に関する宣言1979年改訂」解説』第2版(2004) • 『図書館年鑑にみる「図書館の自由に関する宣言」50年』(2004) • 『図書館の自由に関する事例集』(2008)

  11. 図書館の自由に関する宣言の内容(1) • 「図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。」(前文) • 第1 「資料収集の自由」 • 国民のあらゆる資料要求にこたえる • 収集方針を公開し、広く社会からの批判と協力を得る

  12. 図書館の自由に関する宣言の内容(2) • 第2 「資料提供の自由」 • すべての図書資料は、原則として利用に供する • (例外)人権・プライバシーを侵害するもの、猥褻出版物と判決が確定したもの、非公刊資料 • 資料を保存する責任 • 集会室等の施設も公平な利用に供する  • 第3 「利用者の秘密を守る」 • (例外)令状を確認した場合 • 第4 「すべての検閲に反対する」 • 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

  13. 図書館の自由をめぐる事例(1)―思想による規制―図書館の自由をめぐる事例(1)―思想による規制― • 山口県立図書館事件(1973) • 図書館管理職が左翼的内容の図書を隠匿 • これが契機で「図書館の自由に関する調査委員会」設置 • 富山県立図書館の美術展図録問題(1987) • 右翼に破られた図録を図書館が所有権放棄 • 船橋市西図書館の蔵書廃棄問題(2002) • 職員が意図的に「新しい歴史教科書を作る会」会員の著書を廃棄したと訴えられる

  14. 図書館の自由をめぐる事例 (2)―差別表現― • 名古屋市立図書館の『ピノキオ』問題(1976) • 市民団体が身体障害者差別の本だとして出版社に回収を求める→図書館でも閲覧停止 • 中条一雄『原爆と差別』(1986) • 差別表現と指摘を受けた部分を修正 • 日本図書館協会選定図書だったため問題に • 『ちびくろサンボ』の絶版問題(1988) • 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2001) • 先天的疾患に対する差別的表現

  15. 図書館の自由をめぐる事例 (3)―プライバシー侵害― • 神戸連続児童殺傷事件犯人の少年の『フォーカス』による顔写真掲載(1997) • 日本図書館協会は、提供の制限もやむを得ないとの見解を発表 • 柳美里『石に泳ぐ魚』が裁判で公表差し止めになったのを受けて、国立国会図書館が掲載誌を閲覧禁止(2002) • 日本図書館協会が禁止措置見直し要望

  16. 図書館の自由をめぐる事例 (4)―利用者の秘密保持(1)― • 岐阜県各務原市の少女誘拐事件(1986) • 犯人が図書館の本を持っていたというので、警察が貸出記録を捜査 • 地下鉄サリン事件(1995) • 国立国会図書館の53万人分の利用者記録が警察に渡される

  17. 図書館の自由をめぐる事例 (5)―利用者の秘密保持(2)― • フィクションでの図書館の描かれ方の問題 • 練馬図書館テレビドラマ事件(1967) • 「特別機動捜査隊」というドラマで、図書貸出簿から犯人をつきとめるという筋書き • NHK連続テレビ小説「ぴあの」(1994) • 「図書館で君の姉さんが借りてる本を調べた」というセリフに図書館が抗議、NHKは謝罪 • 「耳をすませば」(1995) • ブックカード

  18. 第4回のまとめ • 焚書、検閲など思想弾圧の歴史 • 「図書館の権利宣言」と「図書館の自由に関する宣言」 • 歴史的経緯と内容 • 図書館の自由をめぐるさまざまな事例 • 思想・表現の自由、知る権利と差別問題、プライバシー保護の対立 • 利用者の秘密保持と犯罪捜査との対立

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