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学校 において留意すべき 子ども の病気と健康. 2004 年 5 月 28 日 三戸郡学校保健会研修会 くば小児科クリニック 久芳 康朗. 今日、お伝えしたいこと. 低身長 と 肥満 夜尿症 インフルエンザ と新しい感染症 新しい 結核 検診施行後の問題 麻疹ゼロ の青森をめざして 子どもと メディア タバコ病 (子どもの喫煙予防と禁煙治療). 自己紹介. 1962 年 東京生まれ、 横浜、 広島 、名古屋、大阪、 奈良 、横浜 1987 年 東北大卒、 いわき、 八戸 、仙台、気仙沼等で勤務 1996 年 八戸市湊高台に小児科診療所開院 所属・資格
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学校において留意すべき子どもの病気と健康 2004年5月28日 三戸郡学校保健会研修会 くば小児科クリニック 久芳 康朗
今日、お伝えしたいこと • 低身長と肥満 • 夜尿症 • インフルエンザと新しい感染症 • 新しい結核検診施行後の問題 • 麻疹ゼロの青森をめざして • 子どもとメディア • タバコ病(子どもの喫煙予防と禁煙治療)
自己紹介 • 1962年 東京生まれ、横浜、広島、名古屋、大阪、奈良、横浜 • 1987年 東北大卒、いわき、八戸、仙台、気仙沼等で勤務 • 1996年 八戸市湊高台に小児科診療所開院 • 所属・資格 • 日本小児科学会 認定専門医 • 日本小児科医会 子どもの心相談医 • 青森県小児科医会 理事 • 青森県保険医協会 理事 • 禁煙推進医師歯科医師連盟 会員 • 日本外来小児科学会 会員 • 八戸市医師会 小児学校保健委員会・学術学習委員会
公衆衛生上のインパクト 重要 緊急対策 この図の位置づけについて定量的な評価はできていません
低 身 長 必ず成長曲線で評価
ホルモン分泌の異常 成長ホルモン分泌不全性低身長症 甲状腺機能低下症 染色体の異常 ターナー症候群 低出生体重性小人症 思春期遅発症 愛情遮断性低身長 栄養不良性小人症 骨軟骨の異常 軟骨異栄養症 腎不全 ステロイド長期投与 家族性低身長 体質性低身長 低身長の主な原因
低身長の分類と頻度 • -2.5SD以下の小人症のうち、治療の適応があるのは下垂体性小人症とターナー症候群だけ 下垂体性 12.7% 体質性 39.7% ターナー 4.2%
成長ホルモン分泌不全性低身長 • -2SD以下または成長速度が標準値の-1.5SD以下 • 成長ホルモン (GH) 分泌不全が検査で認められた場合 • -2SD以下の低身長児の5%以下 • 年間成長率は年齢により異なるが、4cm/年以下はチェック
低身長のチェック 各クラスで一番小さい男子・女子をチェック 成長曲線にプロット
ターナー症候群 • 性染色体異常:45XO • 低身長(最終140cm前後) • 翼状頚、外反肘など • 二次性徴発来不全 • 女児 2000〜2500人に1人 • 低身長には成長ホルモン治療が有効 • 二次性徴には女性ホルモン治療が行われる(専門医)
思春期遅発症 • いわゆるオクテ • 最終身長は正常範囲内 • 骨年齢や二次性徴の発来についての観察と評価が必要(専門医) • 両親の発育パターンも参考にして判断 • 男:女=9:1
思春期遅発症 14歳1か月時 -3.0SD 骨年齢 12.2歳 最終身長 164.5cm 父 167cm 母 156cm
家族性低身長 • -2SDは100人の2番目であり、それ自体で必ずしも異常ではない • 成長曲線から外れてくることがないかどうかのチェックのみ • 父と母の身長から最終身長をある程度まで予測できる
虐待による低身長 • 身長だけでなく、体重の評価も必要 • 絶対値ではなく、成長曲線で評価 • 「成長曲線からみた摂食障害、ネグレクト、肥満の早期発見法について」(資料)
身長 187 cm > +5SD 体重 82 kg > +3SD BMI 23.4 身長 186 cm 体重 68 kg BMI 19.7 高身長
低身長 まとめ • ワンポイントではなく成長曲線で評価 • クラスで一番小さい子をまずチェック • -2SD以下 • 不自然な傾きの場合は要注意:虐待など • 二次性徴の発来もあわせて評価
肥満 と やせ 欧米では肥満が健康の最大のリスクに 1.タバコ 2.肥満
肥満の現状 • 肥満児の頻度は,30年間で約3倍に増加 • 7歳の肥満は40%、思春期肥満では70〜80%は成人肥満に移行 • 40歳時に「過体重」であれば生命予後は3年短く、「肥満」なら6−7年は短くなる • 肥満に加え,喫煙のリスクのある者では寿命への影響はさらに増悪する
肥満度と BMI • 肥満度 • (体重−標準体重)/標準体重 (%) • 標準体重は村田の表による • 幼児期で肥満度15%以上,学童以降では20%以上 • BMI : Body Mass Index • 体重 (kg)/ {身長 (m) }2 • BMI = 22 標準 • BMI ≧ 25 肥満(肥満度+13.6%に相当)
肥満 • 6年生133名中、肥満度20%以上は22名(16.5%) • 14名は1年時には肥満度20%以下 • 8名は10%以下
肥満はいつつくられるか (1) • 肥満ではない児童の場合、冬から春に体重増加
肥満はいつつくられるか (2) • 肥満傾向の児童では、夏に体重増加のピークが
肥満はいつつくられるか (3) • 夏のピークがはっきりするにつれ、肥満度は上昇
肥満と肥満症 • 太っているやせているはキャラクター • 遺伝的素因 • 肥満遺伝子 • 肥満抑制遺伝子 • 合併症を伴う場合、肥満症として治療の対象に • 合併症が起こってからでは遅い • 小児期、乳幼児期の生活習慣 • 日本人は肥満に弱い民族
肥満の病態生理 高血圧・心肥大 動脈硬化 肝硬変 脂肪肝 高脂血症 肥満 高インスリン血症 糖尿病
メタボリック・シンドローム- 死の四重奏 - • 肥 満 • 糖尿病 • 高血圧 • 高脂血症 ↓ • 動脈硬化 • 心筋梗塞 • 脳卒中 危険因子の数と心臓病のリスク
肥満治療:生活習慣の改善 • 食生活・日常生活パターンの「改革」 • 患児・両親の「意識改革」 • 肥満者は「砂糖中毒」に陥っている • 毎日少し食べ過ぎている、あるいは少しエネルギー消費が少ない • 軽度の食事制限 • 炭水化物・脂肪制限(アイス・ジュース・ケーキ) • 軽い運動:買い物、散歩 • テレビ、テレビゲームの制限 • 体重の計測、記録
WHOが肥満予防の世界戦略採択 • 心臓疾患や糖尿病などによる死者は、先進国だけでなく、開発途上国でも急増、世界の死亡原因の6割を占める • 食事 • バランスのとれたエネルギーの摂取 • 健康的な体重の維持 • 脂肪の摂取を控える • 果物や野菜などの摂取増 • 砂糖、塩の摂取制限 • 運動 • 1日最低30分間、中程度の運動を行う
肥満 まとめ • 肥満治療の目標は、家族全員で、生涯にわたる生活習慣の改善(行動変容) • 運動の二極化→誰でも楽しめる継続的な運動、遊び、レクリエーションを • テレビ、テレビゲームの制限を • 思春期(女児)のやせ願望にも注意を
夜 尿 症 どこまで様子をみて どこから治療するか
夜尿症の頻度 6歳児の10〜20%にみられる 2歳で2人に1人 4歳で4人に1人 3歳で3人に1人 5歳で5人に1人
夜尿症の原因 多尿型 混合型 膀胱型
夜尿症に関与する身体機能・因子 • 大脳・視床下部 • 下垂体後葉(ADH) • 腎臓(濃縮) • 膀胱 • 睡眠 • 水分・塩分摂取量 • 温度・冷え症・汗
インフルエンザ SARS 新型インフルエンザ
インフルエンザの自然経過 • 二峰性発熱 • インフルエンザは2週間かかる病気 • 抗ウイルス薬の出現で…
麻疹(はしか) はしかゼロの青森県をめざして
新しい就学時健診 • 予防接種歴のチェック • ポリオ、 BCG、三種混合、麻疹、風疹、日本脳炎 • 事後措置 • 予防接種が行われていない場合には、実施するよう指導を行う
麻疹対策の現状 • 日本の常識は世界の非常識 • WHOでは世界各国で麻疹撲滅に多大な尽力 • 米国(約2億人)では、年間100人以下で、そのほとんどは輸入例(日本は輸出国!) • 日本(約1億人)では、毎年20万人の患者が発生し、数十人が死亡 • 年長児(中高生)や大学生、成人における流行が問題に
予防接種したのに感染する • Primary vaccine failure (PVF) • 麻疹ワクチンの有効率は95%以上 • 5%以下の子は有効な抗体価を獲得できない • Secondary vaccine failure (SVF) • 一旦は抗体を獲得したのに、年月と共に抗体価が低下して感染する • 中高生における流行ではPVFとSVFが混在 • 解決法は二回接種しかない
2002年(平成14年) 青森県は日本最悪の 麻疹(はしか)流行県に 県内の予防接種率は 72.6%(平成12年)
2005年 はしかゼロをめざして! あなたのお子さんの予防接種によって、よその子も守られます。みんなが受けることによって、あなたのお子さんも守られます。 予防接種率75%の場合「はしか」の流行が起こります。 はしかは、子どもにとって重大な病気です。 かかると肺炎や脳炎などを合併することがあります。
風 疹 谷間の世代が妊婦に 今年は風疹の流行がブレイク
子どもとメディア 2歳までは子どもをメディアから守って 週に1回 ノーテレビデー
子どもとメディアに関する提言 • 1984年 米国小児科学会(AAP) • 1999年 米国小児科学会(AAP) • 1999年 NPO「子どもとメディア」発足 • http://www5d.biglobe.ne.jp/~k-media/ • 2004年 子どもとメディア全国フォーラム • 2004年2月 日本小児科医会 • 2004年3月 日本小児科学会
子どもとメディアの歴史 (1) • 1953年 テレビ本放送開始 • 1958年 月光仮面 • 1960年 カラーテレビ本放送開始 • 1963年 鉄腕アトム • 1966年 ウルトラマン • 1970年 NHK 総合テレビ全面カラー化 • 1975年 家庭用VTR(’80年代に普及)
子どもとメディアの歴史 (2) • 1978年 スペースインベーダー • 1983年 ファミコン発売 • 1985年 スーパーマリオ • 1989年 ゲームボーイ発売 • 1995年 Internet普及期に • 1996年 ポケモン 1997年 ポケモン事件 • 2001年 ブロードバンド元年 • 2003年 テレビ50周年、ファミコン20周年