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JILC Japan Industrial location Center. 東日本大震災・電力不足等による生産機能の影響について 全国主要製造業6000社への緊急アンケート調査結果 平成23年6月23日. 財団法人 日本立地センター 東日本大震災復興支援本部. アンケート調査企業の特性(調査の目的、内容、対象企業、調査時期)と回収率. 回収率 ・回答数は 943 社、回収率は 15.8 %。
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JILCJapan Industrial location Center 東日本大震災・電力不足等による生産機能の影響について全国主要製造業6000社への緊急アンケート調査結果平成23年6月23日 財団法人 日本立地センター 東日本大震災復興支援本部
アンケート調査企業の特性(調査の目的、内容、対象企業、調査時期)と回収率アンケート調査企業の特性(調査の目的、内容、対象企業、調査時期)と回収率 • 回収率 • ・回答数は943社、回収率は15.8%。 • ・都道府県別の回収率をみると、岩手県が42.2%と最も高く、宮城県も23.4%、福島県も19.8%と全体平均を上回る。総じて東日本の道府県の回収率が高く、被災地の関心の高さがうかがわれる。また、新潟県32.2%、石川県25.4%など、北陸地域の回収率も高い。 • 調査目的 • ・東日本大震災後に我が国主要企業の生産活動に何が起きているのか。今後の生産活動の方向性は、などを早急に把握することが必要となっている。本調査は、今後の東北地域における産業復興及び我が国の産業が競争力を高めるための工場適正再配置施策に資する目的で実施した。 • 調査内容 • 下記の3項目を中心に調査。 • 1.震災における影響 • 2.電力の供給不足 • 3.生産のリスク分散 • 調査対象企業 • ・従業員150名以上 • ・民間調査機関の業績評点 • 50点以上 • ・資本金による選別はしない • ・全国の製造業 5,956社 • 調査時期 • ・発 送 :平成23年5月16日 • ・締め切り:同年6月3日 都道府県別の回収率 1
アンケート回答企業の特性(資本金、従業員、業種、被災地の工場有無)アンケート回答企業の特性(資本金、従業員、業種、被災地の工場有無) • 資本金規模別の特性:中堅企業が55.4% • ・ 「5千万円以上~10億円未満」の中堅企業が522社、55.4%。 • 従業員規模別:500人未満の企業が70%超 • 300人未満の企業が468社49.6%と約半数を占めている。 • 業種別:食料品、一般機械、輸送用機械が36.3%占める • ・一般機械、輸送用機械が各122社12.9%、食料品99社10.5%、化学84社8.9%と今回の被災業種が多かった。 • 東北・北関東地域の工場 • ・被災地域の工場は287社30.4% 業種別 資本金規模別 従業員規模別 東北・北関東地域の工場の有無 2
「震災により被災した工場」は宮城県、福島県が最多。工場集積地の茨城県も多い。「震災により被災した工場」は宮城県、福島県が最多。工場集積地の茨城県も多い。 ・震災・原発・取引先の被災工場の所在地をみると、「震災により被災した工場」は、福島県、宮城県が52社、茨城県が47社、岩手県が35社、栃木県が27社である。「震災により影響を受けた取引先」は福島県が137社、宮城県が103社と多く、茨城県が64社、岩手県が52社と続く。「原子力発電事故により影響を受けた工場」は福島県が19社と73.1%を占める。 被災・原発事故の影響を受けた工場の有無と所在地 • 5割超の工場が震災、原発事故の影響を受ける • ・回答企業943社の内、「震災により被災した工場がある」とした企業は232社(24.6%)、「取引先が震災により影響を受けた」は271社(28.7%)「原子力発電事故により影響を受けた工場がある」は26社(2.8%)で、被災した工場は半数以上となる。 被災した工場、原発事故の影響を受けた工場の有無(複数回答) 被災した工場、原発事故の影響を受けた工場の所在地(複数回答) 3
被災工場の状況と今後の生産開始について • 被災工場の内、4割超の工場が全面停止 • ・震災・原発事故、取引先被災した415社から工場の操業状況の回答を得た。その結果、「全部が停止した」とする企業は170社(41.0%)、「一部が停止した」は151社(36.4%)である。一方、「停止していない」は101社(24.3%)に留まる。 • 現在地での生産再開が9割超 • ・全部又は一部停止した303社のうち「現在地で生産再開する(再開予定を含む)」とした企業が278社(91.7%)で大半を占める。「他の場所へ移転・移管して生産再開する」は23社(7.6%)と少ない。 • ・生産再開の移転・移管先は、福島県、埼玉県が2社ずつのほか、山形県、宮城県、新潟県など、東北、関東が多いが、北海道、愛知県、岡山県、香川県、宮崎県など全国に広がっている。海外も2社ある(うち中国が1社)。 被災、原発事故の影響による工場の生産停止(複数回答) 今後の生産開始について(複数回答) 4
被災工場の生産を再開状況 • 工場生産の完全復旧は71%、一部復旧23% • ・生産再開(一部を含む)企業290社の内、「すべての生産を再開した」とした企業が208社と71.7%を占め、「一部の生産を再開した」も67社(23.1%)ある。94.8%の工場が生産を再開しており、「再開できていない」は30社(10.3%)に留まる。ただし、生産再開どころかアンケート調査に回答すらできない企業もあると推測され、楽観はできない。 • 被災工場の生産再開は5割超が3月に再開 • ・生産再開の時期は、「すべての生産を再開」「一部の生産を再開」ともにおよそ半数の企業が3月中に生産を再開している。また、「(再開できていない)再開の見込み」はすべて年内であり、夏から秋にかけてが多い。一方、再開の見込みが立っておらず未定とした企業も11社ある。 生産再開の状況(複数回答) 生産再開の時期 5
電力供給不足の影響は計画停電 ・影響を受けた410社の影響内容をみると、「計画停電による影響」が302社(73.7%)と多く、「震災による停電の影響」は170社(41.5%)である。生産拠点のみならず、関東地方に立地する本社、営業所等が影響を受けたようである。 電力供給不足は42.3%の工場が影響を受ける ・電力供給不足の影響は「影響はない」が520社(55.1%)と過半を占めるものの、「影響があった」も410社(43.5%)と、ほぼ拮抗。 電力供給不足の影響 電力供給不足の影響 電力不足の影響の内容(複数回答) 6
部材調達の影響はサプライチェーンの被災が67%と物流の影響が51.4%部材調達の影響はサプライチェーンの被災が67%と物流の影響が51.4% ・回答企業943社の内、「自社工場が被災したことにより調達・出荷に影響が あった」とした企業が152社(16.1%)であるのに対し、「取引先工場が被災したことにより調達・出荷に影響があった」が632社(67.0%)、「物流が止まったことで調達・出荷に影響があった」も485社(51.4%)と多い。高速道路等の物流インフラの崩壊と復興支援のための通行規制などで輸送できない面のあったと思われる。 工場配置の見直し、検討は6.1% ・「工場の配置は見直さない」とした企業が842社と、89.3%を占める。「工場の配置を見直す」は17社(1.8%)、「工場の配置を見直すことを検討する」は41社(4.3%)に留まる。 ただし、工場配置を見直す又は検討する企業58社への対応も必要であり、数字で評価できない面もある。 材料・部品・製品の調達や出荷の影響とリスク分散による工場配置の見直し リスク分散に向けた工場の配置の見直し 材料・部品・製品の調達や出荷への影響(複数回答) 7
国内に複数の拠点配置は約4割弱。海外展開も拮抗 国内に複数の拠点配置は約4割弱。海外展開も拮抗 ・見直しをする58社は、「これまで1ヵ所であったが、国内に複数の生産拠点を設ける予定」とした企業が23社(39.7%)、「これまでは国内だけだったが、今後は生産拠点を海外に設ける予定」は20社(34.5%)である。海外への分散は、タイ3工場、アメリカ、中国が2工場その他はイギリス、シンガポールなどであるが、まだ、「未定」とする工場が9工場あった。 「国内生産を閉鎖して、海外に移転・移管する」企業はない。 国内拠点は既存工場への移管が半数 ・「国内に複数の生産拠点を設ける予定」とした企業23社の生産拠点の開設方法・形態は、「既存工場に移管する」とした企業が11社(47.8%)と最も多く、「工場を新設する」8社、「関連会社に生産を委託(OEM)する」は7社である。 工場配置の見直し方策 国内生産拠点の開設方法・形態(複数回答) 工場の配置の見直し方策 8
部材調達先は36%超が見直しと検討 ・「調達先の見直しはしない」とした企業が522社(55.4%)と過半以上を占める。一方、「調達先を見直す」は61社(6.5%)、「調達先を見直すことを検討する」は287社(30.4%)あり、「工場の配置の見直し」を考える企業より多く、今後の検討によっては、東北地域から他地域への調達見直しが懸念される。 調達先は分散、海外調達も拡大傾向 ・見直し及び検討する企業348社の内「国内の調達先を1ヵ所から複数にする」とした企業が161社(46.3%)、「国内の調達先を複数ヵ所からさらに拡大する」も167社(48.0%)、国内において調達先を見直す動きが主流である。 一方、「国内のみの調達であったが、今後は海外に広げる」が84社(24.1%)、「既に海外からの調達があったが、今後はさらに拡大する」も66社(19.0%)あり、海外からの調達もある程度拡大する。 部材・部品の調達先の見直しとその方策 材料・部品の調達先の見直し 調達先の見直し方策(複数回答) 9
国内産業の空洞化が懸念 ・国内産業の空洞化について、「ある程度懸念される」とした企業が544社(57.7%)と過半を占める。また、「非常に懸念される」も189社(20.0%)あり、空洞化を懸念する企業は8割弱を占める。また、「あまり心配していない」は142社(15.1%)あるものの、「まったく心配していない」は16社(1.7%)に過ぎない。 ・国内の空洞化は、大企業の海外進出の加速が中堅企業の懸念材料と推測される。 多くの企業が国内産業の空洞化が懸念 国内産業空洞化の懸念 10
空洞化懸念企業の本社所在地、業種、資本金等の区分空洞化懸念企業の本社所在地、業種、資本金等の区分 ・空洞化を懸念する企業は全国に広がり、地域的な違いは少ない。四国、九州の企業はやや危機感が薄いようである。業種別では、グローバル化の進む電子部品・デバイス、空洞化で仕事の減少が懸念される金属製品、非鉄金属の比率が高い。一方、国内市場を中心とする食料品、飲料・飼料では危機感が薄い。また、資本金別では、資本金規模小さな企業の方が、空洞化を懸念している。 地域別空洞化懸念率(%) 業種別空洞化懸念率(%) 資本金規模別空洞化懸念率(%) 東北・北関東工場の有無別空洞化懸念率(%) 11
震災復興は法人税の減税と設備投資補助支援 電力供給不足には自家発電設備の補助支援 ・回答企業943社の内、「法人税をはじめとする減税措置」とした企業が594社(63.0%)、「設備投資に対する補助金」が565社(59.9%)と多く、「低利融資等の金融支援」は459社(48.7%)、「自家発電設備への補助金」も437社(46.3%)と、経済的な支援が求められている。また、「特区制度等で規制緩和の実施」とした企業が205社(21.7%)ある点は注目される。 震災復興と電力供給不足対策に必要な支援策 震災復興、電力不足対策に必要な支援策(複数回答) 12