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人間とコンピュータ. 2006 年度 2 学期 第 5 回. 本日の内容. マニュアルのいらないデザインに向けて 未知のモノと出会ったら人はどうするか? 可視性とフィードバック 何をすればいいか見て分かる 何をしたのか結果が分かる 制約と対応付け デザインに使い方を埋め込む. 未知のモノと出会ったらどうするか( 1 ). 人が今まで見たことのない道具(モノ)に出会った時,どういう行動をとるか? 目の前のモノは初めて見た.しかし,同様の道具は以前見た,使った経験がある 全く知らない. こんな場合がある.. 未知のモノと出会ったらどうするか( 2 ).
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人間とコンピュータ 2006年度2学期 第5回
本日の内容 マニュアルのいらないデザインに向けて • 未知のモノと出会ったら人はどうするか? • 可視性とフィードバック • 何をすればいいか見て分かる • 何をしたのか結果が分かる • 制約と対応付け • デザインに使い方を埋め込む
未知のモノと出会ったらどうするか(1) • 人が今まで見たことのない道具(モノ)に出会った時,どういう行動をとるか? • 目の前のモノは初めて見た.しかし,同様の道具は以前見た,使った経験がある • 全く知らない. こんな場合がある.
未知のモノと出会ったらどうするか(2) • 人が今まで見たことのない道具(モノ)に出会った時,どういう行動をとるか? • 自分で経験した過去の記憶を使う • 前のものが○○だったので同じようにやってみる • 道具としては同じなので,似たような操作をする • 対象物の見た目から,働きを推測する • こんなことができるのではないか? • こんなものではないかと推測する
未知のモノと出会ったらどうするか(3) • 人が今まで見たことのない道具(モノ)に出会った時,どういう行動をとるか? • 自分で経験した過去の記憶を使う • 対象物の見た目から,働きを推測する 自分なりの知識や感覚を総動員して 対象を理解しょうと努める (ユーザモデルを構築する)
未知のモノと出会ったらどうするか(4) • 人が今まで見たことのない道具(モノ)に出会った時,どういう行動をとるか? →自分なりの知識や感覚を総動員 • モノの扱いの難しさはどこが関わってくるか?
モノの扱いの難しさは(1) • モノの扱いの難しさはどこが関わってくるか? • 一般に できることの数 (選択肢の多さ) できることのわかりやすさ(可視性) やったことの効果結果のわかりやすさ(フィードバック) これらが鍵となって絡み合う
モノの扱いの難しさは(2) • モノの扱いの難しさはどこが関わってくるか? • できることの数 (選択肢の多さ) 行える操作が1通りしかない時 →操作は難しくない! 他にやりようがないので.
モノの扱いの難しさは(3) • モノの扱いの難しさはどこが関わってくるか? • できることの数 (選択肢の多さ) 行える操作が2通り以上ある時 →操作に難しさが発生する! どれかを選ばないといけないので.
モノの扱いの難しさは(4) • モノの扱いの難しさはどこが関わってくるか? • できることの数 (選択肢の多さ) 行える操作が0通りの時 →これはこれで難しい! 何をやったらいいかわからないので.
モノの扱いの難しさは(5) • モノの扱いの難しさはどこが関わってくるか? • できることの数 (選択肢の多さ) 行える操作が0通りの時 →これはこれで難しい! 何をやったらいいかわからないので. 0というのは別の問題なので 「2つ以上ある」場合に絞って 話を進める
モノの扱いの難しさは(6) • モノの扱いの難しさはどこが関わってくるか? • 一般に できることの数 (選択肢の多さ) できることのわかりやすさ(可視性) やったことの効果結果のわかりやすさ(フィードバック) これらが鍵となって絡み合う
可視性とフィードバック(1) • 可視性 • 道具に対して,これから操作をすることに関係する部分が目で見て分かること →できることのわかりやすさに関わる • フィードバック • 何かした行為の結果がすぐにわかる.見てわかる.明らかになること. →やったことの効果結果のわかりやすさ
可視性とフィードバック(2) • 道具を目にしたとする • 動く部分はどこか? • 固定されている部分はどこか? • どこは触ってもいいか? • どこを操作したらいいか? • どんな操作をしたらいいか? • 力の加減はどのくらいか? などなどが,見て分かるようになっている→可視性
可視性とフィードバック(3) • 道具を目にしたとする • 動く部分はどこか? • 固定されている部分はどこか? • どこは触ってもいいか? • どこを操作したらいいか? • どんな操作をしたらいいか? • 力の加減はどのくらいか? などなどが,見て分かるようになっている→可視性 おしゃれ家具の例 残念ながらネットワーク上ではお見せできません.
可視性とフィードバック(4) • 道具を目にしたとする • 動く部分はどこか? • 固定されている部分はどこか? • どこは触ってもいいか? • どこを操作したらいいか? • どんな操作をしたらいいか? • 力の加減はどのくらいか? などなどが,見て分かるようになっている→可視性 おしゃれ家具の例 残念ながらネットワーク上ではお見せできません.
可視性とフィードバック(5) • 道具を目にしたとする • 動く部分はどこか? • 固定されている部分はどこか? • どこは触ってもいいか? • どこを操作したらいいか? • どんな操作をしたらいいか? • 力の加減はどのくらいか? などなどが,見て分かるようになっている→可視性 おしゃれ家具の例 予想外な動き 残念ながらネットワーク上ではお見せできません.
可視性とフィードバック(6) • 道具を目にしたとする • 動く部分はどこか? • 固定されている部分はどこか? • どこは触ってもいいか? • どこを操作したらいいか? • どんな操作をしたらいいか? • 力の加減はどのくらいか? などなどが,見て分かるようになっている→可視性 通常の例
可視性とフィードバック(7) 通常の例 • 道具を目にしたとする • 動く部分はどこか? • 固定されている部分はどこか? • どこは触ってもいいか? • どこを操作したらいいか? • どんな操作をしたらいいか? • 力の加減はどのくらいか? などなどが,見て分かるようになっている→可視性
可視性とフィードバック(8) 通常の例 • 道具を目にしたとする • 動く部分はどこか? • 固定されている部分はどこか? • どこは触ってもいいか? • どこを操作したらいいか? • どんな操作をしたらいいか? • 力の加減はどのくらいか? などなどが,見て分かるようになっている→可視性
可視性とフィードバック(9) • 一見何をしたらいいのかわからないような道具があるとすると... → 可視性がよくない道具 → 初めて使う時に困難さを感じるはず
可視性とフィードバック(10) • これはどうだろう?
可視性とフィードバック(11) ① • これはどうだろう? ①上のところが回り そうだと思える. ネジっぽい
可視性とフィードバック(12) ① • これはどうだろう? ②上を回したら, 下のとんがりが 下がってきそう ②
可視性とフィードバック(13) ① • これはどうだろう? これは何だ? 「歯車」? ②
可視性とフィードバック(14) ① • これはどうだろう? これは何だ? 「歯車」? ③上のネジの回転に 応じて歯車が回る? ③ ③ ②
可視性とフィードバック(15) ① • これはどうだろう? ④歯車が回ったら, ここが上に上がる? ③ ③ ④ ④ ②
可視性とフィードバック(16) ① • 実際どうだろう? • 実際に操作したらどうなったか? • それがどんな意味を持つか? これらがわかるとすれば良いフィードバック ③ ③ ④ ④ ②
可視性とフィードバック(17) • 電気のスイッチを押す →電気がつく (フィードバック) • テレビのリモコンでチャンネルを変える →チャンネルが変わる(フィードバック) • 携帯電話の番号ボタンを押す →携帯の画面に数字が出る(フィードバック)
可視性とフィードバック(18) • フィードバックの悪い例 • みなさんの目の前にあります. • コンピュータ. ためしにたくさんの作業をやってみると,なかなか反応が返ってこない状況に出会えます.
休憩 • デザインが関係する今週のちょっと怖い話 • エスカレーター事故について考える • 11/7:東京都墨田区の江戸東京博物館で小学生が下りエスカレーターで将棋倒しになった事故。 http://www.chunichi.co.jp/00/kgw/20061108/lcl_____kgw_____000.shtml
休憩(2) • エスカレーター(おおよそのスペック) • 毎時6000名ほどの運搬能力 • 毎分30メートル(1秒間に0.5メートル)の速さ • 踏み台の奥行きは大体0.35メートルくらい 1秒間に50センチ動く 1つのステップは35センチ(1名か2名が乗る) 1秒間に1.4人ずつエスカレーターから降りてくる!
休憩(3) • 考えてみて! • 1秒間に1.4人降りてくる • 降り口には5mしか余裕 がない 5m
休憩(4) 1名20センチとして5/0.2=25名!25/1.4=18秒でいっぱいになりそう • 考えてみて! • 1秒間に1.4人降りてくる • 降り口には5mしか余裕 がない 5m
休憩(5) • エスカレーターは,降り口付近で人の流れが滞らないことが,安全の必須条件! • そのように想定(デザイン)されている • 流れを止めてしまった警備員は,その点に考えが及ばなかった. • ところで,非常停止装置は? • 通常,乗り口のところにあるはず • あまり知らないと思う • 一度は皆さん確認をしておきましょう.
制約と対応付け(1) • モノのデザインにどう使うかの手がかりを仕込む • 制約 • 対象物そのものがもっている特徴から,できること(選択肢)の数が制限されるようになる • 対応付け • 対象物のどの部分にどんな機能を割り当てるかをうまく考える
制約と対応付け(2) • 制約の分類(先週の記憶の種類に似ている) • 物理的な制約 • 意味的な制約 • 文化的な制約 • 論理的な制約
制約と対応付け(3) • 物理的な制約 • 対象物や外界の物理的な特徴によって,できることが限られる 例:部品の穴に合わなければ組み立てられない • 特別な勉強や教育は必要ない • 可能な操作が減る/やって欲しいことをうまく誘導する
制約と対応付け(4) • 意味的な制約 • 状況の意味に基づいて可能な行為を制限する 例: 「靴」 足に履いて足を保護するもの という意味がある. 「手」に履いても意味ない. • 外界やそのモノについての我々の知識に依存 (「靴」がまったくの未知なら,手に履くかも.ただし違う価値と意味が生まれると思われる)
制約と対応付け(5) • 文化的な制約 • 物理的,意味的な制約がなくても,文化的な習慣に基づいて生まれる制約 例:フィンガーボール →食事をしていたらフィンガー ボールが出てきた. いろいろ方法がある中で,手を使って食べても良い と食事をする手段を示す. • ある社会的状況で許される行為の集合
制約と対応付け(6) • 論理的な制約 • 論理的に考えて,こうでなければ変とか,こうなるはずだということに基づく制約 例:部品の組み立てでは,全部の部品を使わないとおかしい. 例: ライト1 ライト2 スイッチ1 スイッチ2
制約と対応付け(7) • 制約がうまく働いていれば • やることが上手に制限されて使いやすい はずなんだけど... 実際は,うまくできていない例も多い.
制約と対応付け(8) • 対応付けについて • 部品や部分とその役割 がちゃんと対応づいて いるかは,わかりやすさ の重要なポイント • 例えばスイッチ エレガントなTVの全面パネルにスイッチが5個 並んでいる
制約と対応付け(9) • スイッチの例 • 5つのスイッチは横一線に並んでいる • このままではわからないのでラベルがついている • これにもしラベルがなかったら? わけがわからない 対応が付かない
制約と対応付け(10) • スイッチの例 • スイッチの配置と,その受け持ちとの間に何の関連性もない • 暗闇ではどうにもならない... • できれば,スイッチの形に工夫があると良い
制約と対応付け(11) • 対応付けがうまくいかないのでなんとかして欲しい例は,身近にもある. • 本学の研究講義棟内の配置 • 左右斜め対称になっている • 教室と配置の関係が良くわからない • なんとかならないか?
制約と対応付け(12) • 本学の研究講義棟内の配置 • 分かりにくさは,なんとかならないか?
課題 • 本学の教室の配置が良くわからない • 何か妙案を考えてください • その「狙い」は何であるかも解説してください. • moodleで受け付けます
まとめ • 未知のモノと出会ったら人は... • 自分で経験した過去の記憶や見た目から働きを推測する→ユーザモデルを作る • そのものの理解の難しさは, • できることの数,何ができるかがわかるか,操作の結果がわかるかに依存する. • モノを分かりやすく,扱いやすくするために... • 可視性とフィードバック • 制約と対応付け うまく生かすことで,人は快適に道具を使える