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OPTIM 緩和ケアセミナー ステップ緩和ケア( 6 ) 吐き気の治療と看護のコツ 45 分

OPTIM 緩和ケアセミナー ステップ緩和ケア( 6 ) 吐き気の治療と看護のコツ 45 分. 聖隷三方原病院 ホスピス   鄭 陽       緩和ケア認定看護師   藤本 亘史. Ⅲ  症状マネジメント 3 .消化器症状. 吐き気の治療の基本. 吐き気には様々な原因がある 原因に応じた適切な治療を検討する 原因や病態に応じた薬物療法やケアで緩和する. 消化管. 吐き気のメカニズム. 化学受容器引金帯 ( CTZ ). 脳皮質. 嘔吐中枢. 神経伝達物質  ドパミン  ヒスタミン  アセチルコリン

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OPTIM 緩和ケアセミナー ステップ緩和ケア( 6 ) 吐き気の治療と看護のコツ 45 分

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  1. OPTIM緩和ケアセミナーステップ緩和ケア(6)吐き気の治療と看護のコツ45分OPTIM緩和ケアセミナーステップ緩和ケア(6)吐き気の治療と看護のコツ45分 聖隷三方原病院 ホスピス   鄭 陽       緩和ケア認定看護師   藤本 亘史

  2. Ⅲ 症状マネジメント 3.消化器症状

  3. 吐き気の治療の基本 • 吐き気には様々な原因がある • 原因に応じた適切な治療を検討する • 原因や病態に応じた薬物療法やケアで緩和する

  4. 消化管 吐き気のメカニズム 化学受容器引金帯 (CTZ) 脳皮質 嘔吐中枢 神経伝達物質  ドパミン  ヒスタミン  アセチルコリン  セロトニン 前庭器

  5. 吐き気のある患者で観るべきポイント 【現症・理学所見】 • 嘔気:持続、間欠? 強さとニード(NRS、STAS) • 嘔吐:ある・なし、回数、嘔吐量(間隔を空けて多量に嘔吐、常に少量ずつ嘔吐・・・) • 嘔吐:内容(食物残渣、消化液、便汁、血性、唾液様・・・) • 随伴症状:頭痛・めまい・耳鳴、腹痛・吃逆・便秘、咳・痰 • 増悪因子:時間(食後、朝)、体動、臭い、薬剤投与との関連 【検査】 今までの検査を振り返って、または必要に応じて追加 ↓ 原因は何だろう?

  6. 吐き気の原因は? • 消化管通過障害:腫瘍による閉塞、伸展障害、圧排 上部?下部?  完全?不完全? • 脳腫瘍、脳転移 • 腹部腫瘍、大動脈周囲リンパ節 • 化学療法、放射線療法 • 薬物:オピオイド、ジギタリス製剤、抗うつ薬、キシロカインなど • 体液異常:高カルシウム血症、腎障害 • 良性消化器疾患:胃十二指腸潰瘍、胆道系感染、膵炎、腸炎 • 良性内耳疾患

  7. 事例(1) 50歳 男性 胃がん 食道浸潤 断続的な強い吐き気が改善しない      ↓ 緩和ケアチームに 症状マネジメント依頼 使用している薬剤:  リンデロン6mg  プリンペラン2A/日  クロルトリメトン2A/日  セレネース0.25A/日  屯用ナウゼリン座薬60mg

  8. 消化器症状 Overview <P.54> まず評価  ・治療できる原因はないか?  ・必要に応じて検査    ↓ ・STEPにしたがった治療  ・ケア    ↓  ・治療目標   -達成されたかを確認   -達成されなければFAQなど

  9. <P.54> 嘔気嘔吐 評価

  10. 事例にもどって・・・ ・原因は? 50歳 男性 胃がん 食道浸潤 断続的な強い吐き気が改善しない ↓ 緩和ケアチームに 症状マネジメント依頼 使用している薬剤:  リンデロン6mg  プリンペラン2A/日  クロルトリメトン2A/日  セレネース0.25A/日  屯用ナウゼリン座薬60mg

  11. 原因検索と評価 • 原因と考えられる薬剤なし • 血液検査 •   電解質異常なし •   腎機能異常なし • 理学所見と画像所見 •   少量の消化液嘔吐 •   腹部膨満なし •   下部消化管の拡張なし、便秘なし •   食道下部~噴門部の腫瘍 • 意識障害や神経症状の出現なし(頭部画像はなし) これらから上部消化管狭窄による 吐き気と考えられる

  12. 消化器症状 Overview <P.54> 評価  ・食道下部での狭窄  ・断続的な強い吐き気  ・少量の嘔吐    ↓ ・STEPにしたがった治療  ・ケア    ↓ ・治療目標 -達成されたかを確認   -達成されなければFAQなど

  13. 消化器症状 治療 <P.54> 治療 嘔気嘔吐の治療ステップ ●制吐薬の変更 or他の作用機序   の制吐薬・ステ      ロイドを追加 ●病態に合わせた制吐薬の定期投与   ・抗ヒスタミン薬   ・ドーパミン受容体拮抗薬   ・消化管蠕動促進薬   ・抗コリン薬   ・複数の受容体の拮抗薬 STEP1STEP2STEP3 ●原因の治療 ●制吐薬の頓用 「吐き気・嘔吐があるとき」(嘔気 1)のパンフを用いて、説明・ケアを行う

  14. STEP1原因の治療 • 原因薬剤の減量または中止 • オピオイド→オピオイドローテーション • 高カルシウム血症→ビスホスホネート製剤 • 便秘→排便コントロール • 胃潰瘍→制酸剤 • 脳転移→治療適応を検討

  15. STEP1制吐薬の屯用 <P.56>

  16. STEP1制吐薬の屯用 主な中枢性制吐薬 ・蠕動を促進して胃内容物を排出し嘔気嘔吐を改善: ナウゼリン、プリンペラン、ガスモチン ・末梢性の抗コリン作用で蠕動を抑制して嘔気嘔吐を改善:ブスコパン

  17. STEP1制吐薬の屯用 • 制吐薬の薬剤選択のポイント • 病態から • 眠気の少ないものから • 効果のあったものを使用 • 作用の違いを考えて、変更(または併用)

  18. STEP1制吐薬の屯用 【吐き気時臨時指示例 1】 ①プリンペラン1A注またはナウゼリン坐薬60mg ②トラベルミン1錠またはクロルトリメトン1A注 ③ノバミン1錠またはノバミン1A注 【吐き気時臨時指示例 2】 ①トラベルミン1錠またはクロルトリメトン1A注 ②ノバミン1錠またはノバミン1A注 ③セレネース(0.75)1錠またはセレネース0.5A注 *腸蠕動亢進を伴うときはブスコパン1A注

  19. STEP2病態に合わせた制吐薬の定期投与 吐き気のメカニズム 嘔吐中枢 D2 5HT3 H1 AChm GABA H1AChm  CTZ 前庭器 脳皮質 迷走神経 血液 前庭神経 ・腹腔内腫瘍 ・消化管閉塞  ・不安 ・オピオイドなど ・腎障害 ・高カルシウム血症 ・脳腫瘍 ・オピオイド

  20. STEP2病態に合わせた制吐薬の定期投与 • 制吐薬の薬剤選択のポイント • 病態から • 眠気の少ないものから • 頓用で効果のあったものを使用 • 作用の違いを考えて、変更または併用

  21. STEP2病態に合わせた制吐薬の定期投与 • 【定期処方例】 • 単剤指示例)P.57に • 併用指示例) • ナウゼリン錠+トラベルミン錠 毎食前 • トラベルミン錠 毎食前 +セレネース錠 眠前 • プリンペラン2A+クロルトリメトン2A 点滴内混合 • クロルトリメトン4A+セレネース0.5A 点滴内混合 

  22. 事例にもどって・・・ ・原因の治療は可能か? ・対応は? 50歳 男性 胃がん 食道浸潤 断続的な強い吐き気が改善しない ↓ 緩和ケアチームに 症状マネジメント依頼 使用している薬剤:  リンデロン6mg  プリンペラン2A/日  クロルトリメトン2A/日  セレネース0.25A/日  屯用ナウゼリン座薬60mg

  23. 事例にもどって・・・  STEP1-2 この患者さんの選択肢 ・癌そのものへの治療は困難 ・ステロイド効果なし(STEP3) ・ナウゼリン、プリンペランの効果が△。 違う制吐薬を考えよう。 ・眠気は無いので制吐薬の増量をしよう。 +ドレナージ目的で経鼻胃管留置。嘔気出現時だけでなく定期的にこまめに吸引した。 STEPの選択肢 STEP1 ・原因の治療  ・制吐薬の屯用 STEP2 ・病態に合わせた   制吐薬の定期投与 プリンペラン2A/日 クロルトリメトン2A/日 セレネース0.25A/日

  24. 対応例: 【定期制吐薬】 ・「蠕動促進薬の効果が△」「眠気が無い」のでクロルトリメトン2A→4A/日に増量 ・効果が無ければ他剤の追加:ノバミン、セレネース増量 【経鼻胃管留置】 腫瘍の部位や伸展性の消失で消化管容量が少ない場合には、少量の貯留で吐き気が誘発されドレナージが有効に効かないので管理の工夫が必要 【吐き気時指示】 ①経鼻胃管の吸引 ②クロールトリメトン1Aまたはノバミン1A静注(有効な方 1日3回まで) ③コントミン2.5mg皮下注(1日2回まで)

  25. 事例にもどって・・・ ・STEP1-2後の経過は? 50歳 男性 胃がん 食道浸潤 断続的な強い吐き気が改善しない ↓ 緩和ケアチームに 症状マネジメント依頼 ↓ ・制吐薬調整+NGチューブからの 少量ずつの吸引で症状は軽減 ・眠気が出現 *吃逆もあり、眠りの確保も兼ねて   ワコビタール座薬50mgも併用していた

  26. 事例にもどって・・・ ・吐き気と眠気のバランスは? 制吐剤調整後に眠気が出現 ↓ 患者は吐き気はSTAS1に軽減し 眠気は不快ではなく許容できる範囲 医療者「眠気強すぎるみたいですかね~」 本人「いや、眠れる方が楽だからこれでいい」

  27. 事例(1)のまとめ 50歳 男性 胃がん 食道浸潤 断続的な強い吐き気が改善しない ↓ 上部消化管狭窄による吐き気 ↓ ・経鼻胃管を挿入し定期的に吸引する ことで容積が少ない部位での有効な ドレナージを心がけた ・難治性の嘔気嘔吐となる場合が多く、 制吐薬による眠気が患者にとって苦痛 かどうかを確認しながら調整を行った

  28. 事例(2) 67歳 女性 盲腸癌 腹膜転移 右半結腸術術後 数日前より腹部膨満感と嘔吐 吐き気時屯用はプリンペラン 間欠胃管吸引で茶色液を多量に吸引 腹痛を伴いペンタジンで対処中 在宅希望      ↓ 緩和ケアチームに 症状マネジメント依頼 レントゲン

  29. 消化器症状 Overview <P.54> まず評価  ・治療できる原因はないか?  ・必要に応じて検査    ↓ ・STEPにしたがった治療  ・ケア    ↓  ・治療目標   -達成されたかを確認   -達成されなければFAQなど

  30. 原因検索と評価 • 理学所見 •   便汁様の大量吐物 •   腹部膨満 •   蠕動亢進に伴う腹痛 •   少量の排便排ガスはある • 腹部X線、腹部CTの確認 •   小腸ガス •   ニボー形成 •   便秘なし • 既往 •   麻痺性イレウス既往なし • 一応基本に戻って他の部分も見直しを! • 新たな薬剤の投与や原因と考えられる薬剤なし • 電解質や腎機能の異常なし • 意識障害や神経症状の出現なし(頭部画像はなし) これらから腹膜転移による下部消化管の不完全閉塞による症状と考えられる

  31. 消化器症状 Overview <P.60> 消化管閉塞による嘔気嘔吐へ    ↓ 評価  ・麻痺性イレウス、便秘は否定的  ・腸蠕動は亢進し腹痛を伴う  ・下部消化管での不完全閉塞    ↓ ・STEPにしたがった治療  ・ケア    ↓  ・治療目標   -達成されたかを確認   -達成されなければFAQなど

  32. 消化器症状 治療 治療 消化管閉塞による嘔気嘔吐の治療ステップ ●制吐薬 ●サンドスタチン ±ステロイド ●消化管蠕動促進薬   (プリンペラン) ●輸液 1000mL+異常喪失量 ●鎮痛(NSAIDs、オピオイド、ブスコパン) ●消化管ドレナージ(経鼻胃管など) STEP1STEP2STEP3 「吐き気・嘔吐があるとき」(嘔気1)のパンフを用いて、説明・ケアを行う

  33. STEP1~3   輸液 • 1000ML/日+嘔吐量(異常喪失量)が目安 • 2000ML/日以上の輸液は腹水、胸水、浮腫を増悪させることが多い • 体液過剰兆候が出てくれば減量 参考:日本緩和医療学会「終末期がん患者に対する輸液治療のガイドライン http://www.jspm.ne.jp/

  34. STEP1~3   鎮痛 • 持続痛:疼痛の治療ステップに従って • 蠕動痛:ブスコパンを併用 • オピオイドの選択: • 通過を維持する方向で考えるのなら • 腸管運動抑制の少ないフェンタニルを使用 • 通過改善よりも鎮痛を優先するならモルヒネを • サンドスタチンも鎮痛になりうる

  35. STEP1~3   消化管ドレナージ • 下部消化管閉塞では、輸液やサンドスタチンなどの薬物療法で吐き気の緩和が可能で、ドレナージが必要にならない例も多い。またドレナージが必要であってもイレウスチューブでなく経鼻胃管でもOK。 • 外科的対応 • 胃ろう、PTEG(経頚部食道胃管挿入術) • 病態だけでなく患者の価値観に応じた目標設定が必要

  36. STEP1消化管蠕動促進薬 完全閉塞または蠕動痛 • 動かして通過改善を • 狙う方針なら使用 なし あり • 使用しない • 制吐剤や下剤などの腸蠕動を促す薬剤は中止に(プリンペラン、ナウゼリン、ガスモチン、パントール、ラキソベロン、プルゼニドなど)

  37. STEP2サンドスタチン • 作用機序: • 消化液分泌抑制→腸管伸展減少 •   嘔吐減少  嘔気減少・腹痛減少 • 上部消化管閉塞でも試してみる • 分泌される消化液量が下部と比較し少ないために効果が表れにくいと考えられるが、 • ときに有効な場合がある

  38. STEP2サンドスタチン サンドスタチンは下部消化管閉塞に対してブスコパンと比較し有意に有効

  39. STEP2ステロイド • 作用機序 • 抗炎症作用による閉塞部位の浮腫の軽減 研究デザインや統計処理は不十分だが ステロイドは有効な傾向

  40. 事例にもどって・・・ ・対応は? 事例 67歳 女性 盲腸癌 腹膜転移 右半結腸術術後 化学療法中 数日前より腹部膨満腹感と嘔吐 吐気時屯用はプリンペラン 間欠NG吸引で茶色液を500ML吸引 腹痛を伴いペンタジンで対処中 在宅希望    ↓ 緩和ケアチームに 症状マネジメント依頼

  41. 事例にもどって・・・  STEP1-2 この患者さんの選択肢 ・高カロリー輸液 2000ML/日:浮腫や胸腹水はなくこのままで良さそう ・ペンタジン15mg筋注屯用 2-3回/日:痛みが続いており新たな対処が必要 ・嘔吐350ML+NG挿入で500ML/24時間ありその後症状が軽減したため抜去された ・プリンペラン+パントール各2AがIVHに混合:蠕動痛があり中止 ・下部消化管での通過障害なので始めよう ・感染繰り返してる、多発狭窄で効果乏しそう→使用せず STEPの選択肢 STEP1~3  ・輸液  ・鎮痛  ・消化管ドレナージ STEP1  ・蠕動促進薬 STEP2  ・サンドスタチン  ・ステロイド

  42. 対応例 ・症状マネジメントを行って退院;なるべく簡便な薬剤使用 ・わずかな通過は保たれており、スープ程度の少量の経口摂取希望があり、通過を維持したい;鎮痛剤のベースはフェンタニルで 1)入院中にフェンタニール+早送りではじめて量が決まればデュロテップパッチ+アンペック坐薬屯用に変更 2)イレウスに対する治療としてサンドスタチンを開始 3)蠕動痛が強いのでプリンペラン+パントールを中止 ↓ ・イレウス症状が強まってフェンタニルだけで鎮痛ができなくなれば、サンドスタチンのシリンジェクターにモルヒネを少量から追加 治療目標 プラン

  43. 処方例:サンドスタチン • サンドスタチン3A+生食47ML/合計50mL持続注 • 投与方法:クーデックシリンジェクター2ML/時 • 他に・・・ • 維持輸液内に混合し持続静注 • バクスターLV1.5で1週間分持続注 • 1A+生食100ML×3/日 1時間かけて • ★高カロリー輸液への混合は効果が減弱する • 可能性がある

  44. STEP1-2までで対応できないときは・・・ 事例(2) 67歳 女性 盲腸癌 腹膜転移 在宅で過ごしていたが 腹痛増強と嘔吐で再入院 使用している薬剤: デュロテップ10mg モルヒネPCA15mg/回 サンドスタチン3A/日

  45. 原因検索と評価 • 理学所見 •   便汁様吐物 •   腹部膨満 •   蠕動亢進に伴う腹痛 • 腹部X線、腹部CT •   消化管のびまん性拡張 •   胸水、腹水の出現 腹膜転移による狭窄症状の進行(閉塞) • 一応基本に帰って見直しはしましょう • 薬剤 • 電解質、腎機能 • 神経症状

  46. 消化器症状 治療 治療 消化管閉塞による嘔気嘔吐の治療ステップ ●制吐薬 ●サンドスタチン ±ステロイド ●消化管蠕動促進薬   (プリンぺラン) ●輸液 1000mL+異常喪失量 ●鎮痛(NSAIDs、オピオイド、ブスコパン) ●消化管ドレナージ(経鼻胃管など) STEP1STEP2STEP3 「吐き気・嘔吐があるとき」(嘔気1)のパンフを用いて、説明・ケアを行う

  47. 事例にもどって・・・  STEP1-3 STEPの選択肢 STEP1~3  ・輸液  ・鎮痛     デュロテップ10mg     モルヒネPCA15mg  ・消化管ドレナージ STEP1~2     サンドスタチン3A/日 STEP3  ・制吐剤 この患者さんの選択肢 ・高カロリー輸液 2000ML/日:悪液質進行     や胸腹水出現があり減量が妥当だろう ・イレウス症状が強まっており、通過よりも鎮痛が優先される。モルヒネPCAの効果あるのでモルヒネを増量しよう。 ・サンドスタチン使用していても腸液が貯留してきているためとりあえず胃管 (対応済) ・ドレナージをしても吐き気が残れば制吐剤調整は必要になるだろう

  48. 対応例: • 輸液を1000ML/日に減量 • モルヒネ持続注を増量 • 胃管留置(ドレナージ後に一旦抜去) • ノバミン頓用が効果あったのでノバミン2A/日を点滴内に混合 • 上記をやったうえで症状が悪化したら・・・ • 適宜ドレナージの検討 • クロールトリメトン追加 • セレネース追加 • コントミン1/10-1/5Aから眠前に点滴

  49. 事例(2)のまとめ 67歳 女性 盲腸癌 腹膜転移 右半結腸術術後 化学療法中 数日前より腹部膨満腹感と嘔吐 吐気時屯用はプリンペラン 間欠NG吸引で茶色液を500ML吸引 腹痛を伴いペンタジンで対処中     ↓ 下部消化管狭窄閉塞による吐き気     ↓ ・サブイレウス症状に対する蠕動促進薬の見直しと鎮痛剤調整 ・サンドスタチン使用による嘔気嘔吐の軽減 ・経鼻胃管によるドレナージと中枢性制吐薬の調整

  50. 今日のまとめ • 嘔気・嘔吐には様々な原因がある • 原因に応じた適切な治療を検討する • 原因や病態に応じた薬物療法やケアで緩和する • 上部消化管閉塞では、胃管の管理の工夫が症状緩和につながる • 下部消化管閉塞では、胃管がなくても苦痛緩和できる場合が多い • 中枢性制吐薬では、眠気と吐き気のバランスを患者の意向をふまえながえら調整する

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