10 likes | 126 Views
Belle SVD2.0 Trigger Specification. 基礎物理学専攻 渡邊研究室 M1 倉城秀行. CP 対称性の破れと Belle 実験. 現在の宇宙論によれば、宇宙には物質と反物質が同じだけ存在していなければならないが、実際には物質しか存在しない。 このような非対称性はどこから来るのであろうか?
E N D
Belle SVD2.0 Trigger Specification 基礎物理学専攻 渡邊研究室 M1 倉城秀行 CP対称性の破れとBelle実験 現在の宇宙論によれば、宇宙には物質と反物質が同じだけ存在していなければならないが、実際には物質しか存在しない。 このような非対称性はどこから来るのであろうか? その鍵を握るのがCP対称性の破れであると考えられている。CP対称性とは粒子と反粒子の対称性のことであり、1964年にV.L.Fitch、J.W.Croninらによって 中間子の崩壊過程の中で初めて発見された。 (C:荷電共役変換 P:パリティ変換) 現在、茨城県つくば市にある高エネルギー 加速器研究機構(KEK)でCP対称性の破れ を検証するための実験が行なわれている。 (Belle実験) この実験では、加速器によって電子(8GeV) と陽電子(3.5GeV)を衝突させ、大量(年間1 億個)のB中間子対を生成しその崩壊位置の 差を測定することで、CP対称性の破れを観測 しようとする実験である。そのため高い位置決 定精度をもつ検出器が必要となる。 Belle Detector Belle Trigger System KEKB加速器 Silicon Vertex Detector VA1TAは128chの信号をシリアルに読み出すため、信号を一旦ホールドし、その後順次読み出す。ホールドに使うトリガーをLevel 0 Trigger、また信号を読み出すためのトリガーをLevel 1 Triggerと呼ぶ。L0TはSVDとsmall-CDC、TOFからの信号を基に生成され、L1TはSVDとCDCのMatchingによって生成される。 この高い位置決定精度を実現するのがSilicon VertexDetectorである。これは板状のシリコンストリップ検出器(DSSD)を円筒形状4層に配置した検出器であり、通過した粒子の2次元位置情報をトラッキングすることでB中間子の崩壊点を数十μmの精度で測定できる。 2003年7月、このSVDがアップグレードされる(SVD2.0)。 仕様 内径:40mm 外径:176mm 全長:458mm Ladderのサンプル図 SVD2.0全体図 Global Decision Logic(GDL)からの要請により、 L0T:~600ns L1T:2400ns でトリガーを生成しなければならない。 左にトリガーのタイミング・ダイアグラムを示す。 ビーム軸から見た図 が粒子のヒット位置情報 これらをトラッキングすること で粒子の崩壊位置を決定 Level 1 Trigger SVD2.0 Readout System 現在私は、L1TのロジックをFPGAを使って開発しています。 L1TはSVDのヒット情報とCDCのヒット情報のMatchingによって生成される。下の図にあるように、SVDを18のエリア(wedge)、CDCを64のwedgeに分割し、それぞれのwedgeにおいてMatchingを行なう。このとき、1本でも有意なトラックが存在するとL1Tは出力される。 SVD2.0のヒット情報の読み出しはVA1TAと呼ばれるチップで行なわれる。このチップは1枚で最大128chの並列読み出しができる。VA1TAはVApartとTApartに分かれていて、それぞれ以下のような特徴がある。 VA part 128chの各ストリップからの信号を multiplexerによりシリアル化して、 単一ラインにて読み出す。 TA part VAからの信号を受け取り、fast shaper によりVAよりも早く信号(トリガー)を生 成する。出力は128chの論理和(OR)で 出力される。 L1TのロジックはVerilogと呼ばれるハードウェア記述言語(HDL)で書かれ、VME9UボードのFPGAにダウンロードされます。現在は、L1Tのロジックの実機とシミュレーションとの比較を行い、デバッグを行なっています。 VA1TAのダイアグラム