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信頼性工学 Reliability Engineering 7章 FMEA(Failure Mode and Effect Analysis ) と FTA(Fault Tree Analysis) I. 2005 年度後期 工学院大学 信頼性工学 担当:山下俊恵 教科書:信頼性工学入門、真壁肇著、日本規格協会 第 9 刷 2003 年 授業内容: http://datamining-statistics.blog.ocn.ne.jp/yamashita/ の中のカテゴリ「信頼性工学」. 1 7 章 FMEA と FTA 教科書 9 章. 信頼性ブロック図:
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信頼性工学 Reliability Engineering 7章 FMEA(Failure Mode and Effect Analysis )とFTA(Fault Tree Analysis)I 2005年度後期 工学院大学 信頼性工学 担当:山下俊恵 教科書:信頼性工学入門、真壁肇著、日本規格協会 第9刷 2003年 授業内容:http://datamining-statistics.blog.ocn.ne.jp/yamashita/の中のカテゴリ「信頼性工学」
1 7章 FMEAとFTA 教科書9章 信頼性ブロック図: システムの信頼度と、その構成要素との機能的関連を示す線図を信頼性ブロック図(Reliability Block Diagram)という。 簡単な製品、複雑なシステムなど多種多様であるが、どのようなシステム(あるいは製品)でも基本は直列系の信頼性ブロック図で構成される。信頼度を高めるとために同一機能を持つ要素を複数個、並列系に取り付けると並列系のブロック図となる。 信頼性ブロック図はFMEAとFTAの実施において重要である。
2 7章 FMEAとFTA 教科書9章 FMEA実施:信頼性ブロック図に示されたブロックごとに故障モードを選定し、FMEAチャートに記入する。 FMEA ( Failure Mode and Effect Analysis ):この解析方法は、設計の信頼性評価の1つの方法であり、人工衛星の開発に採用してから有名になった。 FMEAは故障率の高い故障モードを設計変更により未然に除去する方法である。この目的を達成するために、システムの各要素の故障モードを残らず列挙(番号を振る)して、その一つ一つの故障モードによる故障が発生した場合に、システムや機器にどのような影響を及ぼすかを解析して、故障の発生する原因、故障がシステム、機器や運用者等人間に及ぼす影響・危険度と故障検知方法などを検討し、その結果信頼性を損なう可能性の大きい故障モードを設計段階に除去する。原因・影響・危険度・検知度を分析して、設計の見直し、故障率の高い故障モードを未然に除去する方法である。
3 7章 FMEAとFTA 教科書9章 FMEA実施:信頼性ブロック図に示されたブロックごとに故障モードを選定し、FMEAチャートに記入する。 FTA実施:信頼性ブロック図を基準とし、トップ事象が決まると、ブロック図のなかで関連する要素がトップ事象に寄与する部分と寄与する度合いを検討して、一次要因、二次要因などを決める。システムダウンをトップ事象とする場合は信頼性ブロック図をそのまま活用する場合もある。
4 7章 FMEAとFTA 教科書9章 (システムは任務を持ち、その各要素も異なるサブ任務を持っている) (システムをどのまで分解するか、部品レベルまで分解する必要がない。) (重要な) (危険度) (システムを評価する) (グレード) 手順1,2,6が重要。手順1の任務の確認は非常に重要。手順2ではレベルは2段階以上。手順6では、信頼性試験での不具合事項、過去の類似製品に対するユーザークレームを分類整理し、活用・検索しやすい体制作りが大切であり、故障モードは3-4人で検討すること。
5 7章 FMEAとFTA 教科書9章 FMEA記入用紙(企業内でまたは事務所内で統一した用紙を使用することが必要) ①FMEAを行った製品、そのコンポーネント等の品名 ②FMEAチャート作成者 ③作成年月日
6 7章 FMEAとFTA 教科書9章 故障等級(故障のグレード):故障がシステムや機器あるいはユーザー・運転者等に及ぼす影響を客観的に評価して(故障の度合い・危険度の度合い等)、故障の等級(グレード)付けを行う。 (幾何平均)
7 7章 FMEAとFTA 教科書9章
8 7章 FMEAとFTA 教科書9章
9 7章 FMEAとFTA 教科書9章 3項目を用いた場合の幾何平均(logを取ると、スコアのlogの算術平均になる):
10 7章 FMEAとFTA 教科書9章 FMEAの実施例: 品質保証の活動の一環としてFMEAの活用は、特に最近、多くの開発部門や工場において見られるようになった。またFMEAは信頼性を保証するという単独の活動のほかに、品質機能展開に連動して用いられたり、工程のFMEAや生産技術のFMEAとして、さらに新技術課題をQA表に展開する手段として用いられるなど応用も多数ある。
12 7章 FMEAとFTA 教科書9章 ガスストーブのゴムホースと止め金 (ふしょく、さび) (ダメージ)
13 7章 FMEAとFTA 教科書9章
14 7章 FMEAとFTA 教科書9章
15 7章 FMEAとFTA 教科書9章 ①任務:システムを停止させること。 ②分解レベル:コンポーネントレベルとする。 ③機能別ブロック:次の3つの機能ブロックに分ける。 ブレーキペダル機能、油圧機能、ブレーキ機能 ④信頼性ブロック図:図9.4 ⑤故障モードの列挙(省略) ⑥効果的な故障モード: 部品 故障モード ペダル ペダルを踏み込めない ペダルが戻らない 油圧パイプ パイプ継手(つぎて)損傷 クラックの発生 ブレーキシュー 滑鳴 (りき) ⑦推定原因:主な推定原因を表9.8の推定原因欄に記入 ⑧FMEAの実施:解析と表9.8の作成。 ⑨FMEAのまとめ:FMEAの対策を提案、特に故障等級Iについて記入。
表9.2 幾何平均 等級の最も高いところから対策する。
17 7章 FMEAとFTA 教科書9章 FMEAの効果:FMEAを実施することにより、システムや機器の弱点を把握することができるから、設計変更、運用上の制限など対策を立てることができる。 FMEAの設計に対する効果: 基本設計段階にFMEAを実施すると大きな効果を発揮する。FMEAの結果から、 ①任務達成に大きさ妨げとなる故障モード ②人命の損失、建物の破損、広い範囲に被害を及ぼす故障モード を摘出して、設計変更を行うなど抜本的な対策をとることができる。類似の製品の故障情報を活用すると効果が大きい。
18 7章 FMEAとFTA 教科書9章 FMEAの試験に対する効果: FMEAの結果から故障モードの重要なものが摘出され、信頼性試験の実施上の重点が定まる。したがって、設計の弱点を把握できるから、さらに限界試験によってその弱点がどのような条件で故障または破壊するかを確認することができる。また設計の弱点を把握しているから、試験項目を限定することができて、試験回数を節約することにより、試験費用を20-30%減少した例もある。さらに、温度、振動、湿度など環境条件が設計の弱点を故障に至らせる過程を確認することにより、運用の制限などによって対応することも可能になる。
19 7章 FMEAとFTA 教科書9章 FMEAのインターフェース調整に対する効果: FMEAによってシステムや機器の弱点を把握できると、そこに故障を生じた場合を考慮して、 ①他のコンポーネントなどに過大な力が加わらないようにプロテクタを設置する。 ②他の機器に過大な電流が流れ無い用にヒューズやダイオードを入れる。 ③故障や異常を事前に確認できるようにセンサーを設置したり、火災発生等に備えてスプリンクラーなどを設置する。 事前に対策を立てて、システムの他の部分や隣接する機器に被害の広がりがないように防止することができる。