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人体薬を牛に使うには 根室獣医師会 ( H22 年 12 月 2 日) 小久江栄一 ekokue@kzc.biglobe.ne.jp

人体薬を牛に使うには 根室獣医師会 ( H22 年 12 月 2 日) 小久江栄一 ekokue@kzc.biglobe.ne.jp. 1.どんな時に人体薬を使えるか 2.休薬期間設定の考え方 3.個々の薬剤について. 1.どんな時に人体薬を牛に使えるか. 1)人体薬を使用できる場合 ①ポジティブリスト制対象外物質。 ②食用動物に使われている薬剤(欧米を含む)。 ③その薬剤が人体薬にしかなく、禁止物質でない。 ④・・・・・。 ⑤・・・・・。. 2)使用を考慮しなければならない場合 ①禁止薬:食用動物から検出されてはならない物質。

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人体薬を牛に使うには 根室獣医師会 ( H22 年 12 月 2 日) 小久江栄一 ekokue@kzc.biglobe.ne.jp

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Presentation Transcript


  1. 人体薬を牛に使うには根室獣医師会(H22年12月2日)小久江栄一 ekokue@kzc.biglobe.ne.jp 1.どんな時に人体薬を使えるか 2.休薬期間設定の考え方 3.個々の薬剤について

  2. 1.どんな時に人体薬を牛に使えるか 1)人体薬を使用できる場合 ①ポジティブリスト制対象外物質。 ②食用動物に使われている薬剤(欧米を含む)。 ③その薬剤が人体薬にしかなく、禁止物質でない。 ④・・・・・。 ⑤・・・・・。

  3. 2)使用を考慮しなければならない場合 ①禁止薬:食用動物から検出されてはならない物質。 ②人体薬を使うのに理由付けが必要な場合。 ・その目的の牛用薬剤がある   ・牛以外の食用動物用に薬剤がある ③休薬期間の科学的な推定が困難な場合。 ・牛についての体内動態の情報がない ・体内動態の予測がつかない ④・・・・・。 ⑤・・・・・。

  4. ポジティブリスト制対象外物質(動物用医薬品等適正使用の手引き)ポジティブリスト制対象外物質(動物用医薬品等適正使用の手引き)

  5. 禁止物質(検出されてはならない) 動物薬 カルバドックス        抗菌薬  ニトロフラン類        抗菌薬 クロラムフェニコール     抗菌薬  クマホス           殺虫薬  クロルプロマジン       鎮静薬  ジエチルスチルベステロール ホルモン薬   ジメトリダゾール       抗原虫/駆虫薬  メトロニダゾール 抗原虫薬、抗菌薬  ロニダゾール 抗原虫薬、駆虫薬 人体でしか使われていない抗菌薬

  6. ポジティブリスト制度の規制基準 ADI(1日摂取許容量):生涯摂取し続けても安全な 摂取許容量 ●MRL(最大摂取許容濃度):各食材の許容濃度 MRLを超えると生産物が廃棄される (一律基準0.01 ppm)

  7. 3)デシジョンツリー(欧米の場合)Gehring, R., Baynes, R. E., Riviere, J. E. Application of risk assessment and management principles to the extralabel use of drugs in food-producing animals.J. vet. Pharmacol. Therap. 29, 5–14, 2006. ・MRLを基調。 ・デシジョンツリーの構成 専用の動物薬がある場合   別の食用動物種用に動物薬がある場合   ペット動物用か人体用しかない場合 ・禁止薬(EUはAnnex Ⅳ、USは禁止薬を指定)

  8. EUの対応Annex分類:欧州理事会の基準(根室共済にあり)EUの対応Annex分類:欧州理事会の基準(根室共済にあり) Annex Ⅰ :MRLが固定された物質。 Annex Ⅱ :MRLを設定する必要のない物質 (安全な薬:ポジティブリスト制対象外物質に相当) Annex Ⅲ:暫定MRLが設定された物質。   (使用頻度が高いので暫定的にMRLを決めた) Annex Ⅳ:MRLを設定できない物質 (使用禁止薬)

  9. 米国の対応:FARAD(Food Animal Residue Avoidance Databank)   薬物残留を防止するためのデーターバンク。    ・食用動物に使ってはいけない化学物質を指定 ・休薬期間と休薬計算に必要なパラメータの明示 ・その他 米国獣医師会のFARADダイジェストを機関誌     (J Am Vet Med Assoc)に掲載。

  10. 牛に承認外薬を使う時の推奨休薬期間(FARAD DIGESTの記載) NSAIDs  投与経路  肉(日) 牛乳(日)  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー アスピリン   po1 0 カルプロフェン   iv、sc 21 0 フルニキシンim単回  30 3 (静注剤は承認) im複数回   60    記載なし ケトプロフェン iv、sc71 フェニルブタゾン  im55    乳牛はだめ  po50   乳牛はだめ トルフェナミン酸   iv7 1

  11. 欧米にそれを有効成分にした食用動物用製剤があるか否か欧米にそれを有効成分にした食用動物用製剤があるか否か ・EUの場合:Annex Ⅰ~Ⅲに入っているか?  (PDFファイルを共済にお渡ししました) ・米国の場合:成書を活用。

  12. Q.臨床現場では人体薬などを承認外使用せざるを得ない場合がある。欧米に習って、国としてそのための指針を作るべきではないか。Q.臨床現場では人体薬などを承認外使用せざるを得ない場合がある。欧米に習って、国としてそのための指針を作るべきではないか。 行政のお答え:動物用医薬品は薬事法に基づき、成分、分量、用法、用量、効能、効果などについて審議され承認されているもので、承認されていないものや、承認事項とは異なる承認外使用に関する指針を作成するために必要な試験成績などの科学的根拠がないため、承認外使用に関する指針を作ることは困難である。

  13. ・承認外使用は認めるが、 薬物残留については責任を持たない。 ・獣医師が行政に代って、科学的根拠に基づく   「出荷制限期間指示書」を作成しなければ     ならない。 負担

  14. 2.休薬期間設定の考え方 1)関連する学術論文を探す    パブメドなどを検索 2)牛への経口投与:経口投与した薬が    ルーメンから全てなくなるまでの時間     が問題。 3)筋注、皮下注の場合

  15. 1)関連する学術論文を探す 欧米では政府機関や大学や公的研究機関  などが、牛に人体薬やペット動物薬を  使用した場合の休薬期間を研究して  学術雑誌に発表している。 パブメドなど。

  16. Q. 牛のキシラジン麻酔からの回復にアチパメゾールを承認外使用したい。何日間休薬? Pharmacokinetics of medetomidine and atipamezole in dairy calves: an agonist-antagonist interaction. Ranheim B, Søli NE, Horsberg TE. et al., J Vet Pharmacol Ther. 1998 Dec;21(6):428-32.

  17. ・アチパメゾールの半減期:1時間以内     体内薬物量は10時間で1000分の1以下 20時間で 10万分の1以下 ・投与直後の最高血中濃度:約0.1ppm     乳中濃度は確実に一律基準 0.01 ppm以下 になる。 休薬は不要と思うが、1日でどうか

  18. 薬の身体からの消失 10半減期で1000分の1以下 2010万分の1以下 301億分の1以下      半減期 × 4: 1 ⁄ 16 × 10: 1 ⁄ 1,024 × 20: 1 ⁄ 102,400 × 24: 1 ⁄ 1,600,000 × 27: 1 ⁄ 12,800,000 × 30: 1 ⁄ 102,400,000

  19. Q.ヒビテンで盲乳化したとき他の分房の乳は    何日間出荷を待ったらよいかQ.ヒビテンで盲乳化したとき他の分房の乳は    何日間出荷を待ったらよいか ・「ヒビテン」の乳房注入の用法は認められていない。 承認外使用 ・食品衛生法に基づく残留基準は乳では 0.05 ppm。

  20. Q.肥育牛にジクロフェナク座薬 (12.5 mg)を使った時の出荷制限期間は? A:牛(体重約 500 kg)にジクロフェナク を 50mg 筋注して体内残留を測定した試験。 3日で全ての組織臓器から検出されなくなる。   行政に説明しやすいから、 「3日の出荷制限」で如何であろうか。

  21. 2)成牛への経口投与 ●牛に経口投与した場合、投与した薬がルーメンを通って小腸まで行くのにどのくらいの時間がかかるかが問題。 ・経口投与したときの薬物吸収の場は小腸。 成牛の経口投与動態の研究がほとんど無い

  22. 学術文献を参考にルーメン内に入った    薬剤のほとんどがルーメンから出る時間は    4日間(1週間)と計算した。 計算法は当日ご説明します

  23. 3)筋注、皮下注の場合 筋注・皮下注の吸収時間は、 注射容量(volume)によって変わる。 注射部位の損傷程度によって変わる。 製剤組成、注射部位での溶解の程度によって変わる。 ・筋注や皮下注したときの吸収時間は推定できない 牛の頭部は食べない 筋注・皮下注は 頭部に限定

  24. 3.個々の薬剤について ・人体用薬剤の牛への使用(承認外)が可能か、   可能ならば休薬期間はどれほどが適切か、   について考察した。 ・個々の薬剤について、小久江の考察をたたき台に   ご討論いただきたい。

  25. 個々の薬について① ・ベトルファール /ブトルファノール/硬膜外/ ・アミカリック/経口補液剤/経口/ ・アンチセダン/ アチパメゾール/静注/ ・コンドロイチン /コンドロイチン硫酸/筋注/

  26. 個々の薬について② ・ヘパリンNa /ヘパリン/ 皮下注/ ・メテナリン注 /メチルエルゴメトリン/静注/ ・ディマゾン/フロセミド/静注/ ・アポプロンMG /レセルピン/筋注/

  27. 個々の薬について③ ・ルテオニン/リトドリン/静注/子宮弛緩/ ・ズファラジン注/イソクスプリン/子宮弛緩/静注/ ・トニール錠/クレンブテロール/経口/ ・テラプチク/ジモルフォラミン/静注/

  28. 個々の薬について④ ・リドカイン2%注/リドカイン/硬膜外注/ ・アルギメート注 /グルタミン酸アルギニン/静注/ ・アスコルビン酸注射液/ アスコルビン酸/静注/ ・モリヘパミン/アミノ酸経口補液/経口/

  29. 個々の薬について⑤ ・エルタシン60mg/ゲンタマイシン/乳房内注/ ・ラセナゾリン/セファゾリンNa/静注・筋注/ ・エンドコール散/メンブトン/経口/ ・アーツエー錠/カルバゾクロムスルホン酸/経口/

  30. 個々の薬について⑥ ・ナイスタチン錠/ナイスタチン/乳房注入/ ・ヨクイニン末 /ヨクイニン/経口投与/ ・酸化マグネシウム/ポジティブリスト制対象外 ・ロバキシン/メトカルバモール/経口/

  31. 個々の薬について⑦ ・ブレシン錠/ジクロフェナク/経口/ ・エトドラク錠/エトドラク/経口/ ・パキソカプセル/ピロキシカム/経口/ ・ボルタレン・サポ/ジクロフェナク/直腸内/

  32. 個々の薬について⑧ ・ステリクロン液/クロルヘキシジン/乳房注入/ ・フルコートF/フルオシノロンアセトアニド/局所/ ・ブロメライン軟膏/ブロメライン/局所/ ・ベスキチンWQ/キチン/局所/

  33. 個々の薬について⑨ ・マイコクロリン眼軟膏/クロラムフェニコール/点眼/ ・アルキサ軟膏/アルクロキサ/局所/ ・紫雲膏/シコン・トウキ/局所/ ・アズノール軟膏/アズレンスルホン酸/局所/

  34. 個々の薬について⑩ ・リンデロンクリーム/ベタメサゾン・ゲンタマイシン/局所/  ・ノイエル/塩酸セトラキサート/経口/

  35. まとめ ・承認外使用のルールを遵守。 ・専用の動物用薬があって人体薬を使用する   場合は、説得力のある説明が必要。 ・科学的根拠の元に休薬期間を設定する。  (事情が許す限り長めの休薬期間を設定) ・筋注皮下注は耳根部(牛の場合)

  36. 以上ですが、活発なご討論を願います

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