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Precise Measurement of Solar Neutrino with Super-Kamiokande-III. 池田一得 元、神岡・竹内研究室 現、京都・高エネルギー物理研究室 2010 年 4 月 9 日. 目次. 背景 本研究の目標 検出器 低エネルギーBGの削減 系統誤差の見積もり データ解析結果 振動解析結果 まとめ ( 3 世代振動解析). 太陽ニュートリノ. 太陽内部の核融合反応の際に放出されるニュートリノ。 全体としては 4 つの陽子が 1 つの α と 2 つの陽電子と ν e になる反応。
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Precise Measurement ofSolar Neutrino with Super-Kamiokande-III 池田一得 元、神岡・竹内研究室 現、京都・高エネルギー物理研究室 2010年4月9日
目次 • 背景 • 本研究の目標 • 検出器 • 低エネルギーBGの削減 • 系統誤差の見積もり • データ解析結果 • 振動解析結果 • まとめ • (3世代振動解析)
太陽ニュートリノ • 太陽内部の核融合反応の際に放出されるニュートリノ。 • 全体としては4つの陽子が1つのαと2つの陽電子とνeになる反応。 • フラックスは地上で660億個cm-2s-1 • 太陽は巨大なニュートリノ源である • ニュートリノ振動の研究、太陽モデルの検証
理論 信じない みんな信じる 太陽ニュートリノ周辺の年表 H.Bethe 太陽内部の核融合反応について J.N.Bahcall 最初のSSM計算 Cl実験の提案 実験 R.Davis Cl実験 最初の太陽ν観測結果 レート Cl/SSM=0.3 M.S.W.太陽内部の物質効果を示唆 太陽ν問題 Ga実験スタート 計算精度の向上 Kamiokande レート Kam/SSM=0.47 BP95と0.1%の精度で一致 日震学の測定 “太陽ν問題はSSMの他にある?” 大気ニュートリノ振動を確認 SK-I 最初の結果 SK/SSM=0.36 Ga実験結果 レート Ga/SSM=0.6 SNO:CC測定とSK:ES測定 より太陽νの中にνμτ成分を確認 Global解析によりLMA解に絞られる “太陽ν問題は SSMのせいではない!” KamLAND 原子炉ν LMA領域に解 太陽表面の化学組成を更新 日震学の測定と合わなくなる。 1%以上あわない。 新しい太陽問題 SSMを検証する 新たな実験結果が必要 未検証
Solar+KL LMA SMA 精密測定の時代 flavor eigenstate mass eigenstate LOW From Decowski Neutrino 2008
目的:物質効果によるエネルギー増歪 ne survivalprobability SK-I太陽nデータ 5MeV閾値 物質振動優勢 P(ne ne) Pee ~ (sin2q12) 真空振動優勢 Pee ~ (1-(1/2)sin22q12) 解析閾値4MeV, BG70%削減、統計誤差半分 ニュートリノエネルギー[MeV] 5年分のデータ(予想) 約10%の増加歪みを見たい Electron total energy [MeV]
SKにおける太陽νの反応 nsolar+ en+e 電子はνの入射方向に反跳されやすい nsolar ne, nm, ntに感度s(nm(t)e-) =~0.15×s(nee-) リングのパターンから 粒子方向(太陽方向) リアルタイム観測が可能 昼夜変動や季節変動の観測 直径40m高さ40m 50ktonの純水タンク 有効体積22.5kton 光を受けたPMTの数から エネルギースペクトル測定 (6ヒット/MeV) Ee = 9.87MeV cosqsun = 0.915 Ee = 9.87MeV cosqsun = 0.915 Scientific American
SK-III太陽ニュートリノ観測 SK-Iと違う点 貢献度 • FRP+アクリルカバー が全PMTに取り付けられた☺ 再建参加 (FRPによるBG増☹) • 統計量が約3分の1☹ 系統誤差で勝負 • 水循環システムの改良☺ 手伝う • 検出器較正の改良☺ PMT時間較正担当 • 方向再構成方法☺ 担当 • 検出器シミュレーション☺ 一部担当 • リダクションツール☺ 担当
SK-III太陽ν解析の概要 • データセット:2006/8/5-2008/8/18 • 100%eff @6.5MeV, 実測期間 121.7日 • 100%eff @5MeV, 実測期間 331.5日 • 100%eff @4.5MeV, 実測期間 94.8日 • 主なデータリダクション • ランセレクション:4.5-6.5MeVのサンプルでは、BGレベルの高い期間(較正作業後や水装置のメンテナンスによる)は除かれている。その結果、実測期間は298.2 日となった 。6.5-20MeVのサンプルでは、実測期間547.9日となった • ノイズリダクション (Fiiducial volume cut: 22.5ktonなど) • Spallation cut:宇宙線μ起源のBGカット • Ambientcut:ヒットパターンと時間分布の質の悪い事象をカットする。 • Gamma raycut: 壁際のγ線起源のBGカット • Clustering hit cut; 低エネルギーBGのための新しいカット • Tight fiducial volume cut: 低いエネルギー領域に適用
低エネルギーBGの削減 • 水循環システムの改良 • 検出器較正の改良 • 特にPMT 応答時間較正 • 新しいBG除去方法の開発
PMT応答時間較正の改良 これまでは~4nsecのレーザーを使用していた PMTの時間分解能~3nsec@1p.e. 散乱反射の遅いヒットの影響を受けていた
SK-IIIで初めて導入された較正 この改良により有効体積の不定性がこれまでの1.3%から0.54%になった ※これまでの較正はヒットチャージ、PMTの位置に依存する補正のみ これまでになかった新しい補正 線源の位置と再構成位置とのずれ 新較正適用前 新較正適用後 タイミングの補正 傾き -0.67ns/100ns ヒットタイミング[nsec]
新較正を適用した前と後 After/Before 0.7 Z 特に壁際でバックグランド が2割以上削減 R Number of Events 192day分のデータ,ファイナルサンプル用のカット適用(tuneはSK-Iに合わせてある),で効果を見る。 R2 [m2] Z [m]
低エネルギーBGのための新しいカットの開発 • 位置的なクラスターと時間的クラスターを見つけるカット。 Hit timing distribution [nsec] Hit charge distribution [p.e.] ここで標的となるBGは 小さなクラスタとDARKヒットが重なったものが多い。 つまりTOFを引かない時間分布をみると、比較的小さなピーク(10nsecに5から7ヒット)とDARKによるまばらな時間分布になる。一方、本物の壁付近のν事象は時間的にもまとまった分布(BGよりも大きなピーク)になる。
カット変数 R02 パターンのクラスターを見つける変数R02 • 20nsec以内のヒットPMTの内1/5のヒPMTが含まれる、最小の半径を探す。その半径をR02とする ヒットタイミングのクラスタを探す変数N20rawT • TOFを引かないヒット時間分布の20nsec以内のヒット数N20rawT Hit PMT N20rawT Hit timing [nsec]
N20rawT と R02 の相関 BGサンプル (Gamma ray Cut 後) R> 13m z>-3m 太陽νMC (Gamma ray Cut 後) R> 13m z>-3m line y=75./x 5.<E<6.5MeV 5.<E<6.5MeV N20rawT/Neff R02 cm R02 cm BGのクラスタと信号を区別することができる。
1次元分布 R02*N20rawT/Neff Gamma ray Cut 後 R> 13m z>-3m 5<Energy <6.5 Gamma ray Cut 後 R> 13m z>-3m 4.5<Energy <5.0 Blue BG サンプル Red 太陽νMC cut cut significance R02*N20rawT/Neff R02*N20rawT/Neff
Vertex分布 新カット前(上図) 後(下図) 事象/day/grid 5.5-6.5 MeV 4.5-5.0 MeV 5.0-5.5 MeV Z m FV13.3kt FV12.3kt FV22.5kt R2 m2 R2 m2 R2 m2
SK-III 系統誤差 (フラックスに対する) エネルギー相関あり Winter又はOrtizの 異なる計算を用いた場合 1.2%@SK-I (方向再構成の改良) 1.3%@SK-I (PMT時間較正の改良) 0.65%+2.1%-1.6%@SK-I (リダクションツール、MCの改良) エネルギー相関なし 0.5%@SK-I (方向、vertex shift の改善) +3.5%-3.2%@SK-I 約60%になった
~10%improvement@5MeV Degree SK-I angular resolution SK-III angular resolution Electron Energy [MeV] 方向再構成の改良 • 方向再構成のLikelihood関数にエネルギー依存を導入。 MCとDetaのずれ 最大でも 0.7%のずれ Electron Energy [MeV]
SK-I と SK-III のエネルギー相関のある系統誤差 エネルギースケール 0.64% エネルギー分解能 2.0% Ortiz B8 spec & Bahcall err. エネルギースケール 0.53% エネルギー分解能 2.5% Ortiz B8 spec & Bahcall err. SK-I SK-III Erectron Total energy MeV Erectron Total energy MeV
Winter(新)と Ortiz(旧)の8Bスペクトル 8B8Be+e++ν ↳ α崩壊 4He+4He αエネルギーの精密測定 不定性が0.275% Bahcallの10分の1の大きさ. within5% Ortiz / Winter Ortiz Winter 4MeV Total ElectronEnergy 20MeV 10 20 Total Electron energy MeV
各リダクションステップごとの事象数とカット効率各リダクションステップごとの事象数とカット効率 4.5-6.5MeV 298.2日 6.5-20MeV547.9日 SK-I SK-III 4.5-5.5MeVでBGが減った Fid.v 22.5kt 12.3kt 13.3kt
太陽角分布 5-20MeV SK-I:2.38+/-0.02(sta.)+/-0.08(sys.) ×106cm-2s-1 SK-II:2.41+/-0.05(sta.)+/-0.16(sys.) ×106cm-2s-1 (re-fitted with Winter06 spectrum) これまでで最も精度よくフラックスを求めることができた
低エネルギービン毎の太陽角分布 Event/day/kton 4.5-5MeVのBGレベルはSK-Iの5-5.5MeV領域のBGレベルと同等 ※系統誤差を見積もり中なので、今回の振動解析には含まれていない
SK c2の定義 統計+E相関のない系統誤差 E相関の ある系統誤差 時間変動 スペクトルフィット 8B hep flux の振動あり/振動なし δB,δS,δR,β,η がフリーパラメータ
χ2の続き SK-I,II,IIIの結果を合わせる 9パラメータで 最小化する さらに、SNOのNCフラックスの結果を考慮する 最新のSNOの結果(2009) Fluxを決めるβとηは共通
SKからのAllowed 領域 LMA解のみが 95%C.L.で許される。 LMA SMA LOW
全太陽ニュートリノ実験(Global解析)とKamLAND実験を合わせた振動解析全太陽ニュートリノ実験(Global解析)とKamLAND実験を合わせた振動解析 • SK-I,II,III スペクトル+時間変動 • SNOphase-I 荷電カレント(CC)事象レート (2002) • SNOphase-II 荷電カレント事象レート (2005) • SNOLETA 中性カレント(NC)事象レート (2009) (phase-I,IINCレートの再解析とphase-III NCレートを合わせたNCレート) • Ga実験 GALLEX、GNO、SAGEをまとめたレート (2009) • Cl実験 (1998) • Borexino7Beレート (2008) • KamLAND 原子炉ニュートリノ振動結果(2008)
グローバル解析のc2 Ga/Cl Ga/Cl/Borexino β と η がフリーパラメータ.
2世代グローバル振動解析結果 今回の結果 +1.0 -2.1 Dm2=6.0 x10-5 eV2 tan2q=0.44 Dm2=7.6 x10-5 eV2 tan2q=0.44 SNOの最新結果(2009)と比較 +0.1 -0.4 +0.03 -0.04 +0.04 -0.03 95%C.L. 95% C.L.
SK-IIIの貢献度 Δχ2 tan2q=0.44 Δm2 [×10-5ev2] Δχ2 95% C.L. Δm2 = 6.0×10-5eV2 tan2q
観測結果の比較 ※ Latest SNO 理論 実験 Latest KamLAND ※sin2θ13=0.01 Solar,ATM.Reactor(KL,CH),Acc(K2K,MINOS).
SK-IIIエネルギースペクトル Best-fit (tan2q=0.44Dm2=6.0 x10-5 eV2) χ2= 26.7/20dof Flat distribution χ2= 27.7/20dof DATA/SSM(BP2004) Black: Stat. and E-uncor Sys. Blue: Stat Red: E-uncor Sys. E-cor Sys. Red line: Expected oscillated spectrum 8B (best fit) and hep (ssm) Total electron energy [MeV]
展望 SKの感度 KamLAND 今回の解析で低エネルギーBGは約50%削減することができた。 7割の達成率。 系統誤差は全体で約60%になった =エネルギー相関 のある部分は10%(Ortiz) =エネルギー相関 のない部分は60% >Winter スペクトルを使用。 >E-相関 Sys.を見直すよちがある >SK-IVでは閾値4MeV可能(新エレキ) Sigma level of upturn Solar Year BGは現在と同じレベルで エネルギー相関のある系統誤差をSK-Iの半分であることを仮定
まとめ • SK-IIIにおける太陽ニュートリノ観測を行った • SKにおけるフラックスをこれまでで一番精度よく • 2.32±0.5(stat.)±0.4 (sys.) ×105cm-2s-1 • と求めることができた。 • 2世代グローバル振動解析の結果 • スペクトルの有意な歪みは観測できなかったが BG削減、系統誤差の削減により今後の観測に期待がかかっている。 太陽ν+KL 太陽ν +1.0 -2.1 +0.1 -0.4 Dm2=6.0 x10-5 eV2 tan2q=0.44 Dm2=7.6 x10-5 eV2 tan2q=0.44 +0.03 -0.04 +0.04 -0.03
太陽ν+KamLANDにおけるΘ13の測定 • イントロ • 方法 • 測定結果 • 展望 KamLAND (2008) from official site
太陽ν、KamLAND 大丈夫? KamLAND L/E精密測定 Fogli et.al arXiv:0905.3549v2 大丈夫です。 太陽ν観測もKamLANDも 結果に十分自信を持っています (エラーの範囲内で) 例えば、SK-ES,SNO-CCからの8BFlux, SNO-NCの8BFlux, SSMの予想する8BFlux はエラーの範囲で一致
solar, reactors θ12~34o CP violation can be observed ifθ13>0 三世代解析 atmospheric, accelerators θ23~45o 2008 New J. Phys. 10 113011
θ13の効果 tan2θ12 = 0.47 Δm221 = 7.6 ×10−5 eV2 Δm223 = 2.3 ×10−3 eV2 Day Night は半分半分。 θ23=2/Pi, CP位相=0, Normal Hierarchy Survival Probability sin2θ13= 10-5 sin2θ13= 0.25 2 世代振動との差 From PhD thesis of O. Simard
Δm132 の符号 tan2θ12 = 0.47 Δm221 = 7.6 ×10−5 eV2 Day Night は半分半分。θ23=2/Pi, CP位相=0 From PhD thesis of O. Simard
θ13の項の確認 Fogli @ Neutrino Telescopes 2009 ※物質効果から真空振動へのtransitionは上の式に含まれていません。
太陽ニュートリノにおけるq13 Vacuum oscillation dominant Dm212=7.6x 10-5 eV2 sin2q12=0.31 (tan2q12=0.45) sin2q13=0.0 sin2q13=0.04 sin2q13=0.08 Materr oscillation dominant Pee ~ (1-2sin2q13)(1-(1/2)sin22q12) Pee ~ (1-2sin2q13)(sin2q12) sin2q13 sin2q12
θ13 の効果 赤;太陽ν Radiochemical SNO-I,II,III SK ES 青:KamLAND 2008 θ13>0の場合 Solar が予想するθ12 とKamLANDの予想するθ12 とが近くなる。 Fogli et.al arXiv:0905.3549v2
SK-I,II,III Spectrum and time variation (2006,2007,2009) SNO : CC flux(2002+2005) NC flux(2007+2009), Day/Night asymmetry(2002) Radiochemical : Cl, Ga New Ga rate: 66.1 +- 3.1 SNU (All Ga global) From Phys.Rev.C80:015807,2009. Borexino 7Be rate: 48 +/- 4 cpd/100tons PRL 101: 091302, 2008 KamLAND 3rd results PRL 100, 221803(2008) (1600 day ) Global解析 • 実際に動かす振動パラメータ • θ12、θ13、Δm12 (θ12 Δm12:LMA, sin2θ13 =0-0.1) • Δm23=2.4×10-3eV2 • θ23=2/Pi, CP位相=0, Normal Hierarchy
SK+SNO+Radiochemical+Borexino(Be7) Best Min c2 = 51.4Dm2 = 5.8×10-5 eV2 tan2q = 0.44(sin2q = 0.30) sin2q13 = 0.005FB8 = 0.92× FB8,SSMFhep = 4.3 × Fhep,SSM Other parameters are chosento minimize Dc2 68% C.L. 95% C.L. 99.7% C.L. 68% C.L. 95% C.L. 99.7% C.L. 3f_1.eps 3f_2.eps
1D plot Dc2 sin2q13<0.057 @95%C.L. +1.0 - 1.6 Dm2=5.8 x10-5 eV2 tan2q12=0.44 +0.03 -0.03 sin2q13 3f_5.eps