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はしどい学園 コンサルタント業務報告書 2008 年 3 月 中小企業診断士 ファーストコンサルティング 代表 乗山 徹. 工賃水準ステップアップ事業の全体像. 既存事業+工賃アップの見込める事業割合を増やす. ブリック製品の製造・販売 (ボール、ペレット、建材). 既存事業 印刷、胸章製作、珍味袋詰、割り箸袋詰等. はしどい学園. 製造・販売(卸). ブリック製品製造・販売. ( 有 ) 加賀谷ブリック. 釧路コールマイン㈱. 企画・営業・販売(代理店開拓). 製造. ファーストコンサルティング. 全体指導助言. ㈲ 加賀谷ブリック会社概要.
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はしどい学園 コンサルタント業務報告書 2008年3月 中小企業診断士 ファーストコンサルティング 代表 乗山 徹
工賃水準ステップアップ事業の全体像 既存事業+工賃アップの見込める事業割合を増やす ブリック製品の製造・販売 (ボール、ペレット、建材) 既存事業 印刷、胸章製作、珍味袋詰、割り箸袋詰等 はしどい学園 製造・販売(卸) ブリック製品製造・販売 (有)加賀谷ブリック 釧路コールマイン㈱ 企画・営業・販売(代理店開拓) 製造 ファーストコンサルティング 全体指導助言
㈲加賀谷ブリック会社概要 設立 平成8年8月1日 業務内容 建材の製造・販売 〒085-0035 北海道釧路市共栄大通り3-2-12 TEL0154-22-6553FAX0154-22-6582 作業所:釧路市貝塚3了目4番地1号 組織:社長1名、事務員2名、作業員(男子障害者)1名、 利用者男子(職業訓練)3名、利用者支援員1名 加賀谷社長
製品の特長 稚内珪藻頁岩とは 製品の特長 珪藻頁岩は、植物性プランク(珪藻)由来の珪藻土が何万年もの時を経て、変成してできた海成の堆積岩であるため、一般的な珪藻土に比べて、湿度調整に有効な数ナノメートルの細孔をたくさん持つ。この細孔により、優れた調湿機能を発揮。特に、相対湿度60%以上での調湿機能が一般の調湿材に比べ優れ、アンモニア脱臭機能にも優れる。 ○調湿機能 ○アンモニア脱臭機能 ○素材の無害性 ○効用の永久性、再利用性 前例の無い商品で素材を生かして多用途に商品化が可能! ○調湿建材(内装用壁材ブリック) (玄関・居間・子供部屋・老人部屋) (病院・小児科医院・幼稚園) ○調湿・脱臭品(ボール、ペレット) (靴用・洋服ダンス・冷蔵庫) ○室内調度品、置物等(特注品) 製品ライン 用途 ・カビ・ダニの発生防止 ・ペット、タバコなど生活臭の消臭 ・ホルムアルデヒド等有害物質の除去
ブリックボールの生産プロセス 原料のプレミックス 粘土製形 土練機によるヒモ作成 乾燥 手で丸め ヒモ分割
はしどい学園の現状作業 加賀谷ブリックからヒモを搬出 加賀谷ブリックにボールを納品 分場に搬入 手で丸め
㈲加賀谷ブリックの今後の事業展開 事業規模を拡大し、全国市場に展開する ◎販路拡大 ホームセンタールート、インテリア雑貨ルートの代理店開拓、ネット販売 ◎生産体制の構築 アウトソーシングによるファブレス化 →製品及び容器 ◎組織強化 関係各社の出資と人材確保 企業連携と役割分担 ㈲加賀谷ブリック ・商品企画 ・商品開発 ・営業 ・障害者雇用拡大 釧路コールマイン㈱ ・製造アウトソーシング 発注 納品 生産能力のバッファの役割 はしどい学園 ・製造アウトソーシング 発注 納品
準備段階の結果 1.家族説明会 10月29日実施 ・反対意見など後ろ向きの意見はなく皆事業に期待しているように伺えた。 ・ブリック製品に対する意見が数多く出た。 どの程度の障害レベルまで作業可能かとの質問が出た。→利用者の8割は可能 ラベル説明の字が小さいと読まない。 現状、宣伝が少なく、どこで販売しているのか分からない。 商品の効果の説明や必要量の説明があった方が良い。 長く効果が持続するというが、取替え時期を明示し、ラベルに取替え日を記入できるようにす べき。 天日で干してどの程度効果が回復するか示して欲しい。 ・消費者モニターとして別の機会を設け、協力を要請した。 2.職員説明会 12月3日実施 ・実施計画書の説明 ・工賃目標値の説明、詳細スケジュール説明と役割分担 ・分場でのブリックボールの生産体制、人繰り等について再構築する事とした。
ネットワーク会議の経過 第1回会議 ・企業との連携モデルである点を説明した 加賀谷ブリックの製造量に依存する事業である。 ・加賀谷社長より 事業の進捗状況の説明。 将来的にはブリックボール、ペレットははしどい学園に全工程を製造委託するつもりである。 手で丸める作業は障害者に向いている。 丸め作業は他施設に回す事も可能である。 第2回会議 園長より卸商社との商談の経過を説明 市内販売について検討 木の容器の形状について検討 第3回会議 分場の作業場所の完成予定→11月からの予定だが不確定、工期がずれるのは仕方がない ペレットの機械の導入が予定より遅れる 加賀谷社長より商業ベースでははしどい学園が当てにならないと批判 父兄をネットワーク会議にいれるよう提案、使用モニターとしても期待できる
ネットワーク会議の経過 第4回会議(この以降父母の会が参加) ・丸め作業を分場で開始する。作業班を再編成し、1月から作業をスタートしたい。 ・加賀谷より販路開拓が急速に広がってきた説明。 ・父母の意見として モニターとしての意見を増やしたい リピーターは良いものは次にも買う。 ニーズと価格のバランスが重要 現在の製品は見た目のでどの位消臭しているかわかりずらい、どれだけ持つのか表示 が欲しい デザインのプロ仕様が必要 枕カバー、床ずれ対策シーツ、クローゼットのハンガー内に袋状でつるす、ブールの臭い 取り等多くの製品に対する意見が出た。 ・1日の作業量から月4000kgは無理との意見が出た。 ・加賀谷社長より一連の工程を全てこなすせば当然工賃はアップできる旨話があった。
ネットワーク会議の経過 第5回会議 ・鈴木副会長、上村氏より全国の動き等助言があった。 ・加賀谷社長よりマーケティングの動き説明 ・加賀谷社長より生産性を上げる為に土練機を入れてヒモ作りもやってはどうかとの話があった。 ・釧路市が他の施設への箱詰めや丸め作業の連携をしてはどうかと提案。 ・設備投資についてはすぐ結論が出せない。 第6回会議 ・園長よりセルプ協で宣伝してくれる旨説明。 ・加賀谷社長より再度、土練機の導入により一連の作業プロセスをやると工賃アップにつながると助言 ・親の会より 350万円~400万円の設備投資は可能 能力給ではなく全員のベースアップとならなければ駄目 障害者がしっかり働ける職場として地域発信していく姿勢が大事だ 生産性上げる試験場としての役割もある 中心としてやっていく組織として拡げてゆく姿勢が必要 子供が活き活きとして働ける職場をつくるべき はしどい学園には社会的責任がある ・以上を受けて全プロセス導入に向けて案をつくり理事会に挙げる事とした。
全プロセス導入の試算 製造全プロセス実施の場合の工賃試算 設備投資項目
はしどい学園の今後の事業展開イメージ ブリックボール&ペレットの製造一括請負 + 地域施設間連携 ㈲加賀谷ブリック ブリックボール&ペレットは全てはしどい学園に製造アウトソーシング はしどい学園 発注 梱包・出荷 乾燥 手で丸め ヒモ分割 土練機によるヒモ作成 粘土製形 原料のプレミックス 納品 地域全体の工賃UPへ 他施設 他施設 他施設 他施設 他施設
今年度事業の総括 ・企業との連携の中で工賃アップを図る仕組みであるが、当初連携企業への依存心が大きすぎ受身の姿勢が目立ったように思う。 ・これまでの延長線上の作業では当初試算の工賃アップが困難な事が判明した。 ・思い切った全工程作業への取り組みが必要な事も分かってきて、父兄の後押しもあり、リスクも抱える事にはなるが新たな製造へのチャレンジを次年度以降実施する事となった。 ・障害者が消費者に喜ばれる他に類例のない優れた商品を生み出すと胸を張って言える職場づくりへの大きな夢に次年度以降更に本格的に取り組む事になる。 ・他施設との連携も含めて地域全体でのビジネスモデルを構築したい。 ・厳しいスケジュールの中での本事業への取り組みが、受身では何も達成できないという新たな気付きを与えてくれた事に感謝したい。