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超小型深宇宙探査機 PROCYON 搭載用 ジオコロナ撮像装置 Lyman Alpha Imagin Camera (LAICA) の開発. [JAXA]. 亀田 真吾 1 佐藤 允基 1 桑原正輝 2 池澤祥太 1 吉川 一朗 2 田口 真 1 船瀬 龍 2 川勝康弘 3 1 立教大学 2 東京大学 3 ISAS/JAXA. http://kuma1117.cocolog-nifty.com/blog/images/2011/01/13/00001297.jpg. http://laika.paina.jp/.
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超小型深宇宙探査機PROCYON搭載用ジオコロナ撮像装置Lyman Alpha Imagin Camera (LAICA)の開発 [JAXA] 亀田 真吾1佐藤 允基1桑原正輝2 池澤祥太1 吉川 一朗2田口 真1船瀬龍2川勝康弘3 1立教大学 2東京大学 3ISAS/JAXA http://kuma1117.cocolog-nifty.com/blog/images/2011/01/13/00001297.jpg http://laika.paina.jp/
(Hydrogen) Lyman Alpha Imaging CAmera ・はやぶさ2副ペイロード超小型深宇宙探査機PROCYONに搭載予定 PROCYON 質量:約59kg 寸法:H630×W550×D550mm 2014年12月打ち上げ予定 [JAXA] PRoximateObject Close flYby with Optical Navigation ・打ち上げ後1〜2週間で観測を実施(空間分解能<0.4Re) ⇒ジオコロナの広視野分布を撮像する(視野25-300Re) ⇒その後も3か月程度観測を継続(空間分解能<2.4Re) PROCYON軌道
ジオコロナとは 外気圏:地球大気層のうち最も外側の領域(高度>400km) ・主な構成原子:水素、ヘリウム 特定の太陽紫外放射を選択的に散乱 ⇒地球全体を包む紫外グロー :ジオコロナ 水素ライマンα線(121.6nm)が最も明るい 太陽 Apollo 16で得られたジオコロナ分布 [Carruthers et al., 1976]
ジオコロナの空間分布の特徴 夕 北 昼 夜 夜 昼 南 朝 水素原子密度の等高線図:赤道断面(右) ,子午面断面(左)[Bailey and Gruntman, 2011] TWINS衛星搭載LAD(Lyman Alpha Detector)による観測 低高度でははよりも密度が高い 夜側 昼側 高高度になるにつれて昼側と夜側の密度が同程度に 水素原子密度の角度変化 [Bailey and Gruntman, 2011] 夕側は朝側よりも密度が高い 夕側は朝側よりも密度が高い 南半球は北半球よりも密度が高い 南半球は北半球よりも密度が高い 昼夜・南北・朝夕の非対称性
外気圏における原子の軌道 外気圏下端:原子が無衝突となる下限高度 (エグゾベース) (400〜800km) 外気圏には主に3種類の原子の軌道が存在 • ① 弾道軌道・・・脱出速度未満の速度でエグゾベースから飛び出し、 • その後また戻ってくる。 • ② 脱出軌道・・・エグゾベースから飛び出し、そのままエグゾベースから • 失われる。 • ③ 衛星軌道・・・閉じた軌道内で散乱する ② 低い軌道では弾道軌道の粒子が支配的 ⇒高度が高くなるにつれて衛星軌道が支配的に ① ③ 高高度では脱出軌道のものが主成分 エグゾベース
磁気嵐と水素原子数 LADの観測ジオメトリー [Bailey and Gruntman, 2011] Dst index(上)とTWINS/LADで得られた3〜8RE までの水素原子数(下) [Bailey and Gruntman, 2013] 時間分解能:12時間程度(1周回12時間) 磁気嵐が発生した時刻 ⇒3-8REの範囲に存在する水素原子量が6〜17%増加 磁気嵐の時間変化に対応して水素原子数の変動を時間分解できない
ジオコロナの撮像 過去の計画では地球周回衛星からの観測が主 ⇒ジオコロナは20RE程度まで広がっている ⇒高高度における密度分布を捉えられない 地球から十分離れた距離からの観測例 ⇒Mariner 5 [Wallace et al.,1970], Apollo 16 [Carruthers et al., 1976], のぞみ [Tsuchiya, 2003]だけ <目的> 広範囲(〜20RE)のジオコロナ分布を撮像 ⇒高高度における水素密度分布を得る 地球周回衛星よりも高い時間分解能(1時間) ⇒地球大気の散逸過程に関する新たな情報の獲得 Apollo 16で得られたジオコロナ分布 [Carruthers et al., 1976]
ジオコロナイメージャ観測目的 (1) 高々度(>8RE)ジオコロナ(H Ly-α)分布の撮像 • 地球周回衛星では観測できない高々度の水素原子の緯度分布を1枚の画像で取得する。(Mariner 5: ~16RE, Apollo 16: ~10RE, Nozomi: ~24RE ) 観測時期:打ち上げ後7~14日 ①電荷交換反応及び光電離による水素原子消滅過程の定量化 (2) 高々度ジオコロナの時間変動と磁気嵐 • 3-8REの水素原子密度が磁気嵐に応じて増加する。原因は未解明。[Bailey and Gruntman, 2013] 観測時期:打ち上げ後10日~3ヶ月 ②外気圏への水素原子供給過程の定量化 ①と②より大気散逸過程の定量的理解 Apollo 16で得られたジオコロナ分布。深宇宙から1shotの2次元イメージが得られた唯一の観測例 [Carrutherset al., 1976]
LAICA:(Geocoronal Hydrogen) Lyman Alpha Imaging CAmera ・焦点距離 400mm ・視野 3度 ・角度分解能 0.024度 ・波長範囲122±10nm ・感度 ・主鏡有効径:71mm ・副鏡有効径:32mm ・質量:2.14kg ・消費電力:max 5W ・300mm x 160 mm x 130 mm 120mm LAICA形状図 MCP+RAE模式図 [Yoshioka et al., 2010] 検出器:Bepicolombo/MPOに搭載されるPHEBUS/FUVと同型 光学系:カセグレン望遠鏡 主鏡・副鏡ともに球面(Al+MgF2) フードなしで迷光対策が必要
LAICA:(Geocoronal Hydrogen) Lyman Alpha Imaging CAmera 118mm ・焦点距離 400mm ・視野 3度 ・角度分解能 0.024度 ・波長範囲122±10nm ・感度 ・主鏡有効径:71mm ・副鏡有効径:32mm ・質量:2.14kg ・消費電力:max5W ・300mm x 160 mm x 130 mm 80mm 120mm LAICA (PM) LAICA形状図 MCP+RAE模式図 [Yoshioka et al., 2010] 検出器:Bepicolombo/MPOに搭載されるPHEBUS/FUVと同型 光学系:カセグレン望遠鏡 主鏡・副鏡ともに球面(Al+MgF2) フードなしで迷光対策が必要
球面カセグレン鏡 検出器:1画素あたり約160µm ⇒FOV3度の範囲でスポット径<160µm 取り付け精度 X,Y方向:1mm程度 Z方向:0.06mm程度 y z 装置の光路図 光学系のスポットダイアグラム
迷光対策 (スペース不足) ↑入射角+/-1.5degの光線 ↑開口部から検出器に直達光路はない迷光は惑星間空間水素発光の1/100以下
光学系接着(立教大) Primary/Secondary mirror & bandpass filter were attached using a space-qualified adhesive and glass beads (φ100 µm) Adhesive and glass beads ・thickness control ・repeatability Primary/Secondary mirroror Bandpass filter Aluminum plate • Vibration, shock, and thermal tests Vibration level:27 [Grms] Shock level:1000 [G] Primarymirror Temperature range:-20℃〜60℃
Adhesion of PM mirrors ① Primary mirror Mixture of Space-adhesive & glass beads primary mirror(PM) Preparation of the adhesion ②Secondary mirror Preparation of the adhesion secondary mirror(PM)
Focus adjustment Collimated light Lamp(visible light) LAICA (lens tube) ④ Telescope Camera(Sony α7) Focus adjustment ③ ① ② →OK 高温(60度) でも問題なし。 156µm Spot size (FWHM) ① Center : 48.9µm ② Right : 66.3µm ③ Left : 69.6µm ④ Top : 97.4µm ⑤ Bottom: 68.3µm ⑤ 156µm (Requirement: 156µm )
スケジュール 2013 10月開発スタート・概念設計 11月保持構造など設計・試作 12月保持構造試作機を使って振動衝撃 (接着強度、MCP衝撃レベルの緩和) 2014 1月望遠鏡構造設計確定、PM製造開始 2月接着部温度試験 3月 PM鏡納品、焦点確認 FMセンサ(MCP+RAE)、読み出し回路部 保持構造完成 4月 PM鏡接着 5月FM鏡筒構造完成、焦点確認 QT振動衝撃試験 温度試験(焦点確認)6月 FM振動試験、熱真空試験、探査機取り付け 12月打ち上げ 予算:2200万円 [JAXA]
まとめ ・超小型深宇宙探査機PROCYONに水素ライマンアルファ線 撮像装置を搭載予定 ・地球周回衛星では捉えられない広範囲(~8Re20Re)のジオ コロナ分布を撮像する ・地球周回衛星に比べて高い時間分解能(12h2h)で全球分布 の変動を捉える ・低コストで短い開発期間の中、装置開発を進めている。 (学生の教育プログラム。自分自身も。) [小話]ライカ犬が打ち上げられたスプートニク2号は、無謀な計画と言われ、犬も不幸な死を遂げており、この計画自体は大成功と言ってよいかどうかは分かりません。しかし、その後の宇宙開発の発展に大きく貢献しました。