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PSA 検診の現状と課題 ( Ver.2010.4.29 ). 公益社団法人 地域 医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター 岩室紳也. 関心は up?. 新聞に一面広告も. HP も. 泌尿器科医の思い. PSA が急上昇する前に 診断できれば 助かる前立腺がん患者がいるはず. 対立する意見. PSA 検査:推奨 グレード I. http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/zenritsusengan.html.
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PSA検診の現状と課題(Ver.2010.4.29) • 公益社団法人 地域医療振興協会 • ヘルスプロモーション研究センター • 岩室紳也
泌尿器科医の思い • PSAが急上昇する前に • 診断できれば • 助かる前立腺がん患者がいるはず
PSA検査:推奨グレード I • http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/zenritsusengan.html 死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現状では不十分であるため、現在のところ対策型検診としては勧められません。任意型検診として行う場合には、受診者に対して、効果が不明であることと、過剰診断などの不利益について適切に説明する必要があります。
前立腺がん検診ガイドライン解説(2010年3月31日 第1版公開)(厚生労働省研究班)前立腺がん検診ガイドライン解説(2010年3月31日 第1版公開)(厚生労働省研究班) • 前立腺特異抗原(PSA)検査は、前立腺がんの早期診断をする上で有用な検査である。しかし、死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現状では不十分であるため、現在のところ対策型検診として実施することは勧められない。任意型検診として実施する場合には、効果が不明であることと過剰診断を含む不利益について適切に説明する必要がある。現在、重要な研究が進行中であるため、それらの研究の結果が明らかになり次第、速やかに改訂を検討する。 http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0061/5/0061_G0000200_C0000000_0000.html
最近の泌尿器科学会の見解 • PSA検診に関するERSPCとPLCO研究の評価と日本泌尿器科学会の見解 • 平成21年4月9日 • PSA検診の普及が遅れ10%程度にとどまり、一方で前立腺がん死亡数の増加傾向に歯止めがかからないわが国の現状を鑑みますと、 (中略)日本泌尿器科学会のPSA検診に関する見解は、「前立腺がんの本邦における現状と将来予測、検診の受診による利益と不利益を広く住民に啓発した上で、受診希望者に対して最適な前立腺がん検診システムを提供し、50歳以上の男性のPSA検診を推奨する」ことに変わりありません(後略)。 • 社団法人日本泌尿器科学会 理事長 奥山明彦 • 総務委員長 内藤誠二 • http://plaza.umin.ac.jp/jua/kankeisya/info/PSAscreening090409.html
どちらも科学的、建設的な議論を避けているとしか思えない?どちらも科学的、建設的な議論を避けているとしか思えない?
岩室は一泌尿器科医として前立腺がんの増加には関心あり岩室は一泌尿器科医として前立腺がんの増加には関心あり
がん部位別年齢調整死亡率(男) 人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編) http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/statistics/odjrh3000000hwsa-att/cancer_mortality(1958-2008).xls
前立腺がん検診ガイドライン解説(2010年3月31日 第1版公開)(厚生労働省研究班)前立腺がん検診ガイドライン解説(2010年3月31日 第1版公開)(厚生労働省研究班) 現状では 検診で使用できる 唯一の検査 有用なら PSA検診を 認めるべきでは • 前立腺特異抗原(PSA)検査は、前立腺がんの早期診断をする上で有用な検査である。しかし、死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現状では不十分であるため、現在のところ対策型検診として実施することは勧められない。任意型検診として実施する場合には、効果が不明であることと過剰診断を含む不利益について適切に説明する必要がある。現在、重要な研究が進行中であるため、それらの研究の結果が明らかになり次第、速やかに改訂を検討する。 科学的に正確な議論を! http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0061/5/0061_G0000200_C0003148_0001.html
最近の泌尿器科学会の見解 医師が、人口構成の 変化を無視した データの提示は慎むべき • PSA検診に関するERSPCとPLCO研究の評価と日本泌尿器科学会の見解 • 平成21年4月9日 • PSA検診の普及が遅れ10%程度にとどまり、一方で前立腺がん死亡数の増加傾向に歯止めがかからないわが国の現状を鑑みますと、 (中略)日本泌尿器科学会のPSA検診に関する見解は、「前立腺がんの本邦における現状と将来予測、検診の受診による利益と不利益を広く住民に啓発した上で、受診希望者に対して最適な前立腺がん検診システムを提供し、50歳以上の男性のPSA検診を推奨する」ことに変わりありません(後略)。 • 社団法人日本泌尿器科学会 理事長 奥山明彦 • 総務委員長 内藤誠二 • http://plaza.umin.ac.jp/jua/kankeisya/info/PSAscreening090409.html 科学的に正確な議論を!
年代別前立腺がん死亡数年次推移 70歳代は最近まで、 80歳代は今でも増加? 確かに 前立腺がん死亡数 は増えている 人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編) http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/statistics/odjrh3000000hwsa-att/cancer_mortality(1958-2008).xls
年齢別前立腺がん死亡率(人口10万対)(2005年)年齢別前立腺がん死亡率(人口10万対)(2005年) 年齢が高いほどに 前立腺がん死亡率 も高くなる
ここ30年の 人口の変化は http://www.ipss.go.jp/
正確な議論のために人口構成を調整した年齢調整死亡率で見ると正確な議論のために人口構成を調整した年齢調整死亡率で見ると
年代別前立腺がん死亡数年次推移(母集団〔各年代の人口〕を1988年と同じに調整)年代別前立腺がん死亡数年次推移(母集団〔各年代の人口〕を1988年と同じに調整) ほとんどの年代で10年以上横ばいか低下 人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編) http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/statistics/odjrh3000000hwsa-att/cancer_mortality(1958-2008).xls
年代別前立腺がん死亡数年次推移(母集団〔各年代の人口〕を1988年と同じに調整)年代別前立腺がん死亡数年次推移(母集団〔各年代の人口〕を1988年と同じに調整) 前立腺がん検診実施市町村率 2000年 2003年 2006年 14.7% 49.9% 71.2% 前立腺がん検診が すべての年代で 死亡数を減らしている? 人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編) http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/statistics/odjrh3000000hwsa-att/cancer_mortality(1958-2008).xls
前立腺がん年齢調整死亡率の推移(群馬県) 前立腺がん検診発祥の地、 群馬県では確実に 前立腺がん死亡率が低下!
読売新聞社アンケート調査結果 • 日本泌尿器科学会の認定施設やがん診療連携拠点病医院など851施設に対し、2007年の治療実績をアンケート • 未回答の大学は、 • 新潟大学、信州大学、富山大学、兵庫医科大学、愛媛大学、琉球大学(6大学/80大学=7.5%) • だけで、地域の主な病院は回答していると考えられる。
前立腺がん死より根治療法受療者が多い???前立腺がん死より根治療法受療者が多い??? 疑問の発端 • 根治療法受療者 14,772人(2007年) • 前立腺がん死 9,786人(2007年) • PSA検診受診率が10%(日本泌尿器科学会談) • PSA検診受診率が100%だと根治療法 147,720人 • 前立腺がん死の15.1倍根治療法が行われている? < • http://plaza.umin.ac.jp/jua/kankeisya/info/PSAscreening090409.html 前立腺がん 根治療法受療者も 10倍になるはず
NEJM 日本泌尿器科学会推奨論文 ERSPC研究 48 additional cases of prostate cancer would need to be treated to prevent one death from prostate cancer. 一人の前立腺がん死を予防するためには 48人の前立腺がんを治療する必要がある。 PSA-based screening reduced the rate of death from prostate cancer by 20% but was associated with a high risk of over diagnoses. PSAによるスクリーニングは前立腺がん死亡率を20%減少させるが、過剰診断の高い リスクを伴っていた。
何故こうなるのか?これまで、結果の議論はあっても統計結果の意味は問われなかった・何故こうなるのか?これまで、結果の議論はあっても統計結果の意味は問われなかった・
スクリーニングの基本「敏感度」と「特異度」の検証スクリーニングの基本「敏感度」と「特異度」の検証
そもそもスクリーニングの基本となるPSAの敏感度、特異度のデータはあるのか??????そもそもスクリーニングの基本となるPSAの敏感度、特異度のデータはあるのか??????
敏感度、特異度とは? でも、PSA陰性で 前立腺がんの有無が検証された 論文はほとんどない
PSAの敏感度、特異度をきちんと検証した論文が権威ある雑誌JAMA(The Journal of the American Medical Association)にあった
Prostate Cancer Prevention Trial(placebo group) (1993年~2003年:経過観察:7年間) 55歳以上 PSA 3.0ng/ml以下 直腸診異常なし 8,575人 Ian M. Thompson, et al:JAMA. 2005;294:66-70. Operating Characteristics of Prostate-Specific Antigen in Men With an Initial PSA Level of 3.0 ng/mL or Lower.http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/294/1/66 PSA4.1ng/ml以上 and or 直腸診異常あり 521人(6.1%) PSA 4.0ng/ml以下 and 直腸診異常なし 8,054人(93.9%) 5,587人(65.2%) 前立腺生検施行 521人 前立腺生検施行 5,066人 前立腺生検未施行 2,988人(34.8%) 前立腺がんなし 4,362人(78.1%) 前立腺がん 1,225人(21.9%)
Prostate Cancer Prevention Trial(placebo group) (1993年~2003年:経過観察:7年間) 55歳以上 PSA 3.0ng/ml以下 直腸診異常なし 8,575人 Ian M. Thompson, et al:JAMA. 2005;294:66-70. Operating Characteristics of Prostate-Specific Antigen in Men With an Initial PSA Level of 3.0 ng/mL or Lower.http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/294/1/66 PSA4.1ng/ml以上 and or 直腸診異常あり 521人(6.1%) PSA 4.0ng/ml以下 and 直腸診異常なし 8,054人(93.9%) 5,587人(65.2%) 前立腺生検施行 521人 前立腺生検施行 5,066人 前立腺生検未施行 2,988人(34.8%) この検証が重要 前立腺がんなし 4,362人(78.1%) 前立腺がん 1,225人(21.9%)
全体の21.9%に前立腺がん↓5人に1人ががん患者???↓見つかったがんはラテントがん?全体の21.9%に前立腺がん↓5人に1人ががん患者???↓見つかったがんはラテントがん?
PSA敏感度 PSA特異度 特異度 specificity= 前立腺がんがない人を陰性と 判断する確率 敏感度 sensitivity= 前立腺がんがある人を陽性と 判断する確率 Ian M. Thompson, et al:JAMA. 2005;294:66-70. http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/294/1/66
PSA敏感度 PSA特異度 特異度 specificity= 前立腺がんがない人を陰性と 判断する確率 敏感度 sensitivity= 前立腺がんがある人を陽性と 判断する確率 スクリーニングの理想は 高い特異度 高い敏感度 ですが・・・・・・ Ian M. Thompson, et al:JAMA. 2005;294:66-70. http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/294/1/66
PSAのROC Curve ROC曲線も理想は・・・・・・
PSA cut-off値4.1ng/mlでの見落とし率 251÷(251+974)=20.5% 前立腺がんの80%が見落とされていることになる? これらのがんは見落としていいがんという証もない?
JAMA There in no cutpoint of PSA with simultaneous high sensitivity and high specificity for monitoring healthy men for prostate cancer, but rather a continuum of prostate cancer risk at all values of PSA. • PSAには、健康な男性で前立腺がんを高い敏感度と高い特異度で検出するカットオフ値はなく、PSAの連続するすべての値において前立腺がんのリスクを有する。
前立腺検診の手引きにもPSA低値前立腺がんを指摘前立腺検診の手引きにもPSA低値前立腺がんを指摘
前立腺検診の手引き 前立腺がん検診の 根拠となる手引き
前立腺検診の手引き p48 図Ⅱ-26 前立腺癌、前立腺肥大症および健常男子における血清PSA値 病期Dの前立腺癌でも PSAが正常が少なくない PSA 4.0ng/ml